
冬場に昼下がりの日差しがありがたい。
一年のなか、この時期は、もっとも岩茶を飲んでいるのかもしれない。
そして今年のお正月からは、
小梅茶荘の岩茶たちにぞっこん。
矮脚烏龍(ai3 jiao3 wu1 long2)を開けた。
150年ほど前に、台湾の林さんという秀才が、科擧(かきょ)試験(官僚になるための試験)を受けに福建に渡った。その帰りに、矮脚烏龍の茶苗を台湾に持ち帰った。
台湾各地で植えてみたけれど、凍頂の方は、一番よく育ったとか。
つまり、矮脚烏龍は台湾の凍頂烏龍や青心烏龍の元祖だとも言われている。
日差しの良い窓辺に置いてみたら、今年の矮脚が意外にも緑がかったことに、気がついた。

温まった茶壺に矮脚を入れ、まずは香りを楽しんだ。焼き栗のような香りが染み渡った。

底が小さく、縁がほどよく外ハネの留香杯で堪能する岩茶の岩韻が、口じゅうや喉元まで行き渡る。
小梅茶荘の矮脚烏龍は、武夷山のものだったけれど、矮脚本来の故郷(原産地)は、武夷山から200キロほど離れた福建省の建寧(jian4 ning2)という町になる。
福建省の建という字は、建寧の「建」からとっているほど、建寧は福建省の中で、古くから重要な文教地だとか。
昔から茶畑が広がり、茶飲みする文人も多くいたのではないか。

ちなみに、私にとっては、矮脚烏龍を知る以前に、建寧と言えば、蓮の実の名産地として認識していた。
中国語では「
蓮子lian2 zi」と書く。
母やおばがよくくれ、夏に我が家が大変お世話になっている
蓮の実だけど、建寧の品が良いと定評。
冬には矮脚、夏には蓮の実。それだけのことだけど、今日は建寧という地名に思いを馳せた。