茶語花香

人生は旅なり。
中国茶をはじめ、花のある暮らし、読書、旅などを中心に、日常の出来事を綴ります。

アキラとあきら

2022-09-07 22:24:00 | 本・映画・舞台



生まれも育ちもまるで違うふたりは、互いに宿命を背負い、自らの運命に抗って生きる感動的物語。

乗り越えられない苦難はないと言うセリフ、辛い時に救われる気がして心に響きました。

逆境に立ち向かうふたりのアキラの人生を賭した戦いに勇気とエネルギーを頂いてまいりました。

池井户潤ってやっぱり凄いな!ご自分の銀行員としてのご経験を活かして、次から次へとバンク関連の小説を生み出すなんて、創作意欲とアイディアとエネルギー、溢れています。

もう一人、外科医だった海堂尊は医療ミステリーを書くと同じように。二人ともご自分の経験を活かした小説家としてリスペクトします。

祝福の子供

2022-01-20 18:54:00 | 本・映画・舞台


最近、とても気になる小説家がいます。

まさきとしか。

二か月前からなんとなく読みはじめた『祝福の子供』。

母親は、何をおいても自分を犠牲にしてまでも子どもの事を最優先に、自分の事を二の次にするのでしょうか。

ここのところ、寝る前の読書時間が充分に取れなくて、断続的にダラダラと読み進めていました。

しかし終盤になってくると、ミステリアスな展開にどんどん引き寄せられ、一気に読み終わりました。

それぞれの事情を抱えながら、我が子を愛してもなぜかうまく相手に伝わらない人、行動に繋がらない人、あるいは根から子どもを育てられない人。現実からかけ離れたような人物像ばかりとはいえ、案外身近にいそうな人と事柄。親としての自分を省みながら読み進めました。小説家が訴えたい主旨に共鳴を覚えました。

いい小説って、やはり作品を俯瞰した構図、それから見事なキャラクター設定が欠かせませんね。小説家の腕に改めて感心した作品でした。

まさきとしかのほかの作品も調べてみました。
『完璧な母親』
『熊金家のひとり娘』
『ある女の証明』
『おとなになれない』

なぜ親子関係の作品がこれだけ並ぶのか、ご本人の生い立ちもとても気になりました。

今日、娘が第一志望の学部への入学が決まりました。

子育ては、教育より大切な事、ほかにたくさんあります。まだまだ課題の多い子育てに悩む母です。


直感力

2021-04-30 06:38:00 | 本・映画・舞台


一日雨の後、
朝の空気が清々しい。

永世七冠の羽生善治の『直感力』を読了。

直感とは、迷いや悩みも起こり得ない瞬間を捉えたものだ。その中にそれまで積み重ねた経験から発展したものであったり、大きなヒントが隠れていることも多い。ある意味で迷わずに決断する能力とも言えるでしょう。

かつて、私自身が手相を見てもらった時に、言われた事があります。
両手ともに直感力の線、鮮明にでてますね。そうなの。。。とその時はピンとこなかったです。自覚はなかったというか。

選択肢の分岐点に立つとき、失敗を恐れず、とりあえず前向きに進むことに、背中を押された気がします。
直感力は経験とともに育ちます。
そのヒントを手がかりとして考えを進めていくと、案外物事が良い方向へと導くでしょう。

それに、人間のメンタルや精神的な面での強さというものも、年齢や経験に比例するのではないかと思います。

本の最後に、ルーツだったインドの将棋が、各国で様々なスタイルへ変化していくその姿の垣根から見出した国柄の話しも触れました。

力をもらう一冊。物事を深く、そして多視点で観察する羽生七冠の人物像にも惹かれました。

夢とロマン

2021-04-06 09:07:00 | 本・映画・舞台



先日 森下典子さんの『一緒にいるだけで』の中国語全訳を終えました。家の前に五匹の野良猫が生まれ飼育する感動的な物語です。

出版に叶うことがなくても、自分にとっては大事な本です。

漕ぎ出しの車輪は重たくて、作業が進んだり休んだりしました。
最後の二ヶ月、思いっきりやり方を変えてみることに。
それは毎日どんなに調子がよくても悪くても、原作のニページのペースで作業を進めました。

二ページって、少ないようにも感じますが、予定が入る日でもできるページ数です。
やり方を変えてから、
追い風が吹いたかのように、
ペダルが軽やかになり、
足を乗せるだけでゴールインした感覚でした。
ラストスパートに、
予定より一日早く、
二校目まで完成させました。

書籍の翻訳、最初の挑戦は、
2015年より二人の仲間と挑んだ『茶味的麁相』です。
前作はかなり難易度の高い本でしたゆえ、
今回はかなりの手応えを感じました。
大きく一歩を前進した、
そのような実感が湧きました。

文才だけとれば自分より上手な人は山ほどいます。
自由に言葉を操る人も少なくありません。
そこは、書く事や翻訳という作業が、どれだけ好きかに尽きます。

ペンをすべらせる時の快感、
好きな作品を自分のコトバで変えていく時の躍動感。
一度それを味わった以上、
やめる事などできません。

その快感に"溺れる"と言われても気にしません。
筆力に浮き沈みがあっても気にしません。
読書や書き続ける事さえすれば、表現がじんわりと流れ出る、書いている時の気持ちが自然と伸びやかになります。

SNSの発信は自分にとっては、もはや日記のようなもので、後になって朧げなるような記憶を正してくれる存在です。そして筆力を磨く場でもあります。

また、それを読まれた誰かの役に立ったり、その人にヒントや励みになったりすればなおさら嬉しいです。そうでなくても、ただ読んでくれる数分の間に、ハッピーな時間になれば良いのです。

大局を俯瞰するようなものもいつかは書いてみたいです。

人生が八十年間あるとしたら、生涯現役で書き続けたいですね。

月影花之丞大逆転

2021-03-13 21:11:00 | 本・映画・舞台


おばさんの私が言うのも可笑しいけれど
私より年上のおじさんやおばさんが
舞台で踊ったり歌ったり
ユーモアもあり、舞台アイデアも満載
なんだか分からないけれど
とにかく目を離さず引き込まれていました。そしていっぱい笑わせてくれました。

それが劇団新感線の魅力かな。

生で見る古田新太は、やはり貫禄あります。
阿部サダヲも、一生懸命ってところは思った通りの役者でした。

はじめて劇団新感線のお芝居
たくさん笑えて身も心もほぐしてくれました。