季節の移ろいとともに、チョイスする中国茶が変わっていくことで、四季の変化を実感できることが、中国茶の一つの魅力です。
そのような考えを裏付けるのは、東洋医学的な働きが大きいと思います。
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春には、あらゆる生命が、冬の長い眠りから目覚めます。芽出しや花咲きのパワーを頂き、新緑茶や花茶を飲むのが、良いとされています。
天人相応の考えは、ここにも通用します。
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(写真)緑茶 開化龍頂
夏になると、体の余分の熱を、取ってくれるのは、白牡丹等の白茶。白茶のもつ体を冷やす性質が「
涼性liang2 xing4」と言います。
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(写真)白牡丹
逆に、冬の寒さを乗り越えるには、体を温めてくれる紅茶が一番だとか。それは、紅茶のもつ「
温性wen1 xing4」の働きです。
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(写真)滇紅金芽(
オーガニックプーアルさんのもの)
涼しくなった秋頃には、性質がマイルドの鉄観音や高山茶等が、もってこいです。
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(写真)矮脚烏龍
「
津液jin1 ye4」という言葉があります。体の潤いや水分だと思って下さい。夏の間に消耗した体内の津液は、涼しくなり始めた初秋には、まだ回復されていません。そのため、この時期に、もし身体を温め発散作用のある物を早く取り入れてしまうと、乾燥がひどくなります。
初秋には、焙煎のかかっていない青茶や軽焙煎の青茶から飲み始め、秋が深まるにつれ、焙煎のかかった青茶を取り入れます。
東洋医学の考えでは、季節の移ろいに、体にゆるりと気候の変化のシグナルを送ることがお薦めです。
香りや味わいで、リラックス効果に期待されることの多い中国茶ですが、お茶のもつ性質のうんちくを少し知っておくだけで、体に訴えがある日に、調子に合わせて選ぶことができれば、一層楽しみが増えます。
次回は、もう少しこの話しの続きをしたいと思います。
来月には、地元で「秋の養生セミナー」を開催する運びになりました。
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