茶語花香

人生は旅なり。
中国茶をはじめ、花のある暮らし、読書、旅などを中心に、日常の出来事を綴ります。

『翻訳夜話』

2019-11-17 22:03:00 | 本・映画・舞台


ヒント、ヒラメキ、納得、共感を覚える。
秋の夜長に読み進む『翻訳夜話』、なかなか面白くて…

『翻訳夜話』では村上春樹氏とアメリカ文学翻訳の第一人者である東大名誉教授の柴田元幸氏の対訳も載っています。
村上訳を読んだときに、これは、英語の感覚で書いた日本語だなぁと感じます。前のめりの訳でした。
一方、柴田訳の場合は、作者の母国語が日本語で、最初から日本語で書いたらこうなるだろうなぁ、という感じがしました。

欧米クラシック青春小説『ライ麦畑をつかまえて』。それを遺したサリンジャーについて描写する映画が昨年上映されました。その映画を観てから、サリンジャーの作品を熱心に翻訳し、翻訳家としての村上春樹氏に関心を向けるようになりました。

ほぼ同じタイミングで、柴田元幸教授の講演会に参加する機会がありました。片手を振りながら、自分の翻訳を声出して読み上げる柴田先生の姿、今でも目に浮かぶ。飾り気の全くない翻訳家の翻訳愛を強く感じた日でした。







形の素

2019-11-06 19:11:00 | 展示会・イベント
赤木明登(漆師)、内田鋼一(陶芸家)、長谷川竹次郎(錬金師)。作り手三人が長年にわたって蒐集してきた骨董が一堂に両足院で展示されました。
掌にすっぽり収まる小さなものもあれば、両足院の庭を背景に、しばらく眺めていたい大きなものもあります。
古代中国の品からインカ帝国の物まで、芸術家達の目に止まるものは、どれも遥か昔人類のご先祖が営んだ品々ばかりです。
ここでもキャプションを一枚一枚丁寧に書かれています。お宝と出逢ったときの心境、古人の営みから想いを馳せ、やがてご自分の作品の営みへとつなぐ。コレクションとともに、キャプションも一枚ずつ愉しめました。
内田鋼一さんのお碗、以前とあるギャラリーで一目惚れ。手に入れたいというよりかは、その作品を作った人物像を想像できた事に、とっても満足しました。

正倉院展奈良博物館2019

2019-11-06 18:12:56 | 街散策・旅行

日本を離れる前に、麗し奈良を訪れ、正倉院展を拝見してきました。

煌びやかな品々と想像していたのかもしれませんが、実物はどれも内側から輝く奥ゆかしい品々ばかりでした。ボランティアガイドによる解説は、分かりやすく、長きにわたり守られてきた宝物(ほうもつ)を鑑賞する紐解きとなりました。

今日は、古の人をとても間近に感じていた日でした。

和束茶源郷祭り

2019-11-05 05:34:47 | 展示会・イベント
大阪イベントの前日に、茶遊サロンの久美子先生が和束茶源郷に行ってみませんか、と誘ってくれました。
京都府の和束でいいですよね、と尋ねる私の愚問に、久美子先生はきっと呆れましたでしょう。
今年になってから、頻繁に関西に「挨拶」してから広州に戻ることにしています。関西の地理感はまだぼんやりだけれども、都をはじめ関西に惹かれるものは数えきれません。
和束茶は古くから高級煎茶の産地として知られているようで、現在宇治茶の四割ほどは和束産だそうです。そして近年では碾茶の生産量も全国トップクラスを誇るらしい。
屋号が書かれた茶櫃の内側にブリキ張りになっています。出荷するまで茶櫃で保管されるそうです。
和束茶源郷祭りは面白い。碾茶工場と煎茶工場を両方見学できるツアーに参加しました。

一番茶の時、霜が降ってくるので、山頂に扇風機を設置してあたらないようにする。

12月に刈り直したの作業が行われ、茶畑を整える。

碾茶工場では高さが必要。乾かす作業が大切。茎と葉っぱを分ける。。はじめて聞く事ばかり、新鮮でした。
ご先祖様が清の時代に、中国から茶種を日本の和歌山に持ち込み、それで育った茶樹は現在も和歌山の森の中に生きているらしい。お茶ブースでは興味深い話しを聞かせてくれた周さんが作ったお茶は、みんな面白い。
お茶に茶花を混ぜて天干しする様子を見て、なんだか親子丼と連想させてしまい、「親子茶」と名付けでもいいかと思いました。
中国茶を輸入している茨城笠間から出店しているtea happinessさんと、単そうについての情報交換ができました。そして雲南の豆腐寨について教えてくれた事も印象に残りました。
広州や潮州でお世話になっている先生方にも、変わった日本茶を紹介したい。
購入したのはヤブキタで東方美人に習って作った蜜香茶。味が楽しみ〜
腹ぺこして茶工場ツアーと茶ブースを立て続き回った後、ネギたっぷりぶっかけられたたこ焼きは最高に美味しかった。
誘ってくれた久美子先生、案内してくれたHAYAさん、ありがとうございました。
和束、また行きたい!