茶語花香

人生は旅なり。
中国茶をはじめ、花のある暮らし、読書、旅などを中心に、日常の出来事を綴ります。

宋汝窯風茶器セット

2013-08-21 22:10:33 | 茶器
台北故宮博物館に訪れた時、実物の汝窯青磁の美しさに魅了され、その際色々調べた覚えがあります。温潤の色合いが印象的でした。

北宋の時代(960年 - 1127年)に現在の河南省に作られた汝窯は、内戦があったため、わずか二十年で滅びてしまいました。そのせいで、製造工程は残されず、現代に残されている本物は、わずか60点。北京故宮博物館や台北故宮博物館を中心に所蔵されています。

最近、中国に出張した主人が汝窯青磁風の茶器セットを買ってきてくれました。いわゆるレプリカですね。

レプリカとはいえ、汝窯青磁のいくつかの特徴がしっかり再現できています。


趣深い青。半透明の釉薬、器壁が薄く、一見玉のようにも見えます。ちなみに、博物館にある本物の逸品に使う釉薬は、宝石の瑪瑙(めのう)の粉末が混ぜてあるらしいです。

茶杯は、花びら五枚の形。茶杯の縁側や内側の模様で見られるように、淡い灰色を帯びた黄色で施しています。ほかに、茶壺の注ぎ口などもその工夫を語るような作りとなっています。


茶器の底に特徴があります。底部に、3-6個まで足のような支えがあります。「芝麻鋲」と言われるものです。


茶こしセットは蓮の葉をイメージした作り。
蓮の花や菊の花の形にした茶杯や酒付きは、古代の文人の間で人気でした。手に花の形をした杯を持つと、まるで花そのものを持っているようと言われています。なんて優雅の発想だろう。

あれっ、しかし、宋の時代のお茶と言えば、まだ固形茶と粉茶しかない時代です。あの時代に、このような形の茶壺もないはず。やはり、あくまでも汝窯青磁風にした現代の茶器ですね(苦笑)。

汝窯青磁のことをもっと知りたいならば、「宋汝窯(song4 ru3 yao2)」と調べてみるといいです。


どのお茶が合うかな。とこれから色々試していくのが楽しみです。

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緑豆湯

2013-08-15 17:30:00 | 料理・点心・菓子
 今年の夏も暑いですね。

 緑豆湯を作ります。

 今日はこのようにアレンジします。

(左)ハトムギ(中国語:苡仁yi4 ren2) 
(中)緑豆              
(右)蓮の実(中国語:蓮子lian2 zi) 

この配合は、体の熱や湿気を取り除き、健胃の効果があります。

蓮の実がない場合は、百合の根も合います。ハトムギを選ぶ際に、平べったい小粒のものよりは、ゴロゴロした大粒のものを選んでください。種類自体違います。平べったい小粒は、ほとんど薬用効果がありません。一方、大粒のものは、煮込むのに少々時間がかかりますが、湿気を取り除く効果が抜群と言われています。

分量は、お好みですが、今回は、ハトムギ2:緑豆4:蓮の実1で作りました。

手順:(シャトルシェフの場合)
1.三つの材料を2時間ほど水に浸ける。緑豆は後で煮るので、別のボールで浸けておいた方がよい。
2.少し柔らかくなった蓮の実の真ん中にある緑の芯を取り除く。芯は非常に苦いが、デドックス効果が強いので、八宝茶の一つの材料として使える。
3.ハトムギと蓮の実が先に一緒に煮る。沸騰して1分後火を消す。
4.緑豆・ハトムギ・蓮の実を一緒に煮る。今度はたっぷりの水。沸騰したらシャトルシェフに入れるだけ。

圧力鍋でもOK。普通の鍋は、煮る時間を適当に延長する。

シャトルシェフの場合は、30分後、緑豆も割れるほど柔らかくなっているはず。粗熱を取り、冷蔵庫に移す。

ダイエット中の主人は、夕食は炭水化物を取らないので、冷やしたプレーン味の緑豆湯がご飯代わりに喜んで食べてくれます。
夏らしいおかゆを食べたい時、作っておいたプレーン味の緑豆湯に、ご飯を加えて少々塩気をつけて緑豆粥に仕上げます。
子どもには、食欲のない朝の一品や食後のデザート風にアレンジします。粗熱が取れる前に、氷砂糖を付け加えます。氷砂糖自体も漢方の効用があり、しかも糖分が脳の働きを促進してくれます。多めに入れています。

冷やして食べる緑豆湯は、夏バテ予防の一品。母の味を思い出させてくれる一品でもあります。


デザートで召し上がる場合、緑豆かき氷風にアレンジするのも良さそうですね。

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胖大海の八宝茶

2013-08-14 17:13:45 | 中国茶・世界のお茶
今日は、胖大海の八宝茶を作りました。

胖大海 1個
バラの花 2-3個
クコの実 3-4個
白キクラゲ 1枚
棗 1個
キンモクセイの花 少々
緑茶 少々
氷砂糖 適当

 お湯を注いだ30秒後の様子です。固い殻がポロリと割れ、中からモヤモヤとしたものが見えてきます。見るうちに、膨らみ、茶湯も段々茶色になります。味はしませんが、ほんの少しの薬香です。


 出来上がった頃の胖大海が随分膨らんだのが分かりますか。左側にあるのは、胖大海の正体です。アーモンドのような実で、アオギリ科ピンポン属植物の果実です。一見怪しそうに見えますが、デドックス効果があり、中国では、喉の腫れや痛みの治療に漢方薬として処方されることが多いです。


 ちなみに、上海で購入した胖大海のパッケージはこちらです。


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茶語花香

2013-08-12 10:37:14 | 茶語・茶ノ史
ブログのタイトルを考案した時に、思わず「鳥語花香(ニャーウィーホァーシャン)」という中国語を思いつきました。

 四字熟語である「鳥語花香」が描く風情は、鳥がさえずり花が香る、麗しい春景色。


 写真の茶筒(お茶入れ)は、今年の春、上海近郊の金山を訪れた時、ある茶屋で偶然に出会い購入したものです。鳥語花香の境地を描くには、ぴったりですね。

 それをもじり、ブログのタイトルを「茶語花香-cha2 yu3 hua1 xiang1」と決定。

 季節の中国茶が、形、香り、味をもって、季節の花とともに、みずから語ってくれるような華やかな世界。それは、私の心中の中国茶の世界。イメージは、春先に、小鳥が新緑の枝先で歌う風景。その枝の下に、私が友達と、蓋碗を手にして、季節の一杯を頂きたいです。
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太平猴魁を頂く朝

2013-08-12 10:07:43 | 中国茶・世界のお茶

 繊細な味がほしい朝は、太平猴魁を淹れました。

 手前にあるのは、最近購入したガラススガハラの作品です。ガラススガハラの作品は、昨年出会ってからずっとほしかったのです。写真のせいで、ぽってりしていて、本当は、くぼみのあるデザインの方も、つるっとした方も、どちらもたまらなく可愛いのです。手のひらに載せる時のフィット感はなんとも言えない心地よいのです。これで中国の緑茶を飲もうと一目ぼれしました。

 しかし、主人は太平猴魁が淡泊しすぎて好みではないと言います(笑)。もったいないなーと思いました。

 太平猴魁は、安徽省黄山の銘茶。炒り茶がメインである中国緑茶のなか、「烘青」といって網の上でいぶるタイプの緑茶。筒状のグラスに丁寧に淹れると、まるでわかめのように膨らみ、水中で自由自在に舞います。そのうちに、茶葉の細い繊維が本体からポロリと離れ、浮遊しはじめるのがまた面白いのです。中国では、古くから太平猴魁がグラスに入った時の姿について、このような言葉が残されていました。

 刀枪云集,龙飞凤舞

刀と槍が空中に集まるようであり、龍と鳳凰が共に舞うようである。どちらも、太平猴魁が水中でたくましく変化するのをイキイキと表現する。

 
 太平猴魁は、味よりも、優雅な姿を楽しむ一品だと思います。

 癒されるひと時、今日も一日頑張ろうと思えました。

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