茶語花香

人生は旅なり。
中国茶をはじめ、花のある暮らし、読書、旅などを中心に、日常の出来事を綴ります。

工房からの風へ

2014-10-27 20:13:10 | 街散策・旅行

散歩日和の週末に、娘と一緒に地元市川にあるニッケコルトンプラザへ出かけました。

年に一度、全国からみずみずしい工芸、
手仕事を生み出す作り手六十名余りが、その作品と共に集います。

作品は、陶磁、金属、木、ガラス、革、竹、紙、布と多岐な分野にわたります。身につけるモノから、食器、日常雑貨まで、暮らしの中で息づきそうな、美しい作品に、初めて訪れる私と娘が、迷い込んでしまいました。

親子共にそれぞれ好みの品物に出会いました。そこで、やはり私に一つ、娘に一つ。娘がいなかったら、もっと自分のために買っていたのかもしれません(笑)

大人向けの、子ども向けの、体験教室も盛りだくさんでした。


年に一度しかない「工房からの風」。爽やかな秋風とともに、モノづくりの素晴らしい風が、ニッケコルトンプラザの庭に吹きつけていました。

情報を教えてくれた中部地方にいる親友、ホントにありがとう。

来年も、スケジュールをマークしてまた行きたいですね。

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無痕

2014-10-22 16:25:28 | 茶器

飮杯の底に映る

無痕(wu2 hen2)

の文字が、心に響きます。

台湾茶人李曙韻氏が、
2012年北京国家大劇院で開かれた茶会も、
たしか「無痕茶会」というような名でした。
目の前の飲杯は、そのイベントのために作られた飲杯かな。

痕とは、痕跡(こんせき)のことです。

魚過水無痕
鳥飛天無痕


の歌にあるように、

魚が通り過ぎても、
水に跡が残らず
鳥が通り過ぎても、
空に跡が残らず


人間は、水中の魚や空中の鳥のようにはいきません。
人間のおかれる環境は、もっと複雑で、出来事があるたび、心が揺れ、時には動きだす時も免れないのでしょう。

宋の時代の大詩人、蘇軾が歌ったように、

事如春夢了(liao3)無痕
(物事を春の夢のごとく、傷跡残さず終わらせるように)

当時、挫折を味わった蘇軾は、自分へのたしなめとして、残した歌。

このように、多くの詩人、文人は、
「無痕」というものを、目指すべき最高な心境にしていたことが伺えます。
心に響く言葉でした。


こちらの飲杯の、表の顔も、美しい。

そこにある文字は、春秋時代の五音音階っぽく見えます♪
読めませんけれど、なんだか悠久な感じがしていいですね。

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Peruさんのお茶

2014-10-18 21:08:17 | 茶会・茶勉強会
忙しかった夏休み。遡ってあるお茶経験を、記録しておきたい。

七月、初めて頂いたPeruさんのお茶。

この日も、ルハンさんに誘われて、ルハンさんの友人と三人でPeruさんのサロンに向かいました。


美味しいPeruさんの台湾ご飯とデザートの後、いよいよお茶の時間。


Peruさんのお茶淹れのスタイルは、特別なものでした。
茶海を使わず、茶壺から直接茶杯に少しずつ注いでいきます。
スピード感もあり、新鮮なものでした。
茶盤を使う大陸茶芸とはまた違って、一つの茶杯にキレよく注ぎ、素早く次へ移る。
それを何往復しているうちに、茶杯に一杯のお茶が増えていきます。

不思議なことに、この淹れ方が原因なのか、
茶杯の中、何層の味わいが五感で感じます。

Peruさんの甘い声のように、
淹れたお茶は、どれもとろんとしていて、
甘韵がうまく引き出ていることが印象に残りました。
淹れ手のイメージ通りの出来栄えです。

ちなみに、その日は、たしか...朝から雨模様でした。
炭火でお湯を沸かしたり、
茶葉の入ったお茶入れを炭火の横で温めたりすることもされていました。

時間がゆっくり流れ、
Peruさんがお茶に対する哲学、
印象に残るPeruさんの言葉の数々。

お湯のコントロール、
淹れる時のフォーム、
美味しく出来上がった時のシグナルなど。

今までどこかで教わったことのある要素の数々ですけれど、
アングルを変えれば、吟味する意義が十分にあるPeruさんのお言葉。

復帰されてくるPeruさんのお茶を、
また楽しみにしたいですね。

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茉莉紅茶

2014-10-14 14:20:21 | 中国茶・世界のお茶

台風が過ぎ去り、玄関先のハナミズキから、赤い実がたくさん落ちてきました。

中国語教室に生徒さんが見え、今日は、茉莉紅茶を開けました。

春に飲んでいた茉莉龍珠と同じオーナーのものです。使用した紅茶は、武夷山桐木村産正山小種です。二年越しでジャスミンの香りを吸わせた茉莉紅茶は、新しいものを生み出そうとするオーナーの思いが詰まっています。

ジャスミンの香りを漂う紅茶は、やはりチャイニーズの感じがしました。ジャスミンのフレーバーでリフレッシュし、ほっこりします。

それにしても、春に綺麗に咲くハナミズキは、秋になると、赤い実が実ることは、こちらの地に越してきてから、ようやく気がつきました。

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花について-「風姿花伝」読書感想

2014-10-12 09:53:32 | 本・映画・舞台

ようやく読み終えた風姿花伝の現代語訳版。
その風(伝統)を得て、心より心に伝えていく花として、「風姿花伝」書名の由来らしい。

民衆芸能申楽を、美と幽玄を主とする能へと、
昇華させた室町時代の世阿弥は、
稀代な能芸者らしい。

「風姿花伝」をはじめとする
二十一冊にも及ぶ能役者の心得を綴った彼は、
きっとものすごく繊細なお方。

七歳の初稽古から、年齢に応じた稽古の心得を綴った「年来稽古條々」の章では、人間の生きざまを綴られた気がする。

無邪気と見る子どもの初花
若さゆえの一時の花
そして...まことの花


「風姿花伝」では、「花」をキーワードに。世阿弥生涯の著作では、この「花」の探究と解明のためになされたという。

ここまで考えたことのなかった、多岐な意味がもつ「花」という言葉の奥義。

もの珍しさの花
花を、咲かす
花を、知る


色々なことが、「花」という粋の言葉に繋がる。

今は、花(華)のある茶席を想像してみた。

と同時に、能という伝統芸を、観てみたくなった。

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