茶語花香

人生は旅なり。
中国茶をはじめ、花のある暮らし、読書、旅などを中心に、日常の出来事を綴ります。

養肝茶

2020-04-26 12:50:00 | 養生・薬膳



天地間の万物が芽生え、生気を発動し、新しいものがうまれてくる、春の三ヶ月。一方、この時期では、心持ちがたかぶり、怒りやすく、東洋医学では、いわゆる「肝の気」の亢進という。

生ぬるい日常に心が揺さぶり、鈍麻になってしまった本来の感覚に、怒り出したりする人、周りにいませんか。

今日のお茶は、以前、母がくれた春の花草茶ー養肝茶。独特の芳香をもつ、心持ちを鎮める。

この時期の養生食材として、芹(セリ)やウドがおススメ。食べると肝気を鎮めると、東洋医学のバイブル『黄帝内経』では、春の養生について、このように述べた。

ほかに、大いに心をはげまし目を楽しませる。
精神生活を大事にする。

自身を顧みる。それまで気が付かなかった新たな扉を開いていこう。

有意義なステイ・ホームを過ごそう。



ナズナ(薺菜)

2020-04-21 15:53:00 | 花を愉しむ



ほろ苦さを思わせる早春の山菜ナズナも、
穀雨を過ぎると
実を孕み
ハート型に❤︎
タンポポの花と生けてみた。



買物の帰りに、路傍のナズナが白い花を咲いた
七草がゆの一つとして知られるナズナは、
故郷でも早春に親しまれる山菜の一つ。
性質 涼、淡
味 甘

地べたに這うように成長するナズナは、「ペンペン草」との愛称も。
来年の早春 ナズナの葉がまだ柔らかいうちに、故郷の味を再現してみようと




昨夜のカレー、明日のパン

2020-04-18 14:48:00 | 本・映画・舞台



数年ぶりの暴雨だと、天気予報士のアナウンスが流れてきた。

ザーザーの雨音は、聴き慣れた広州の音に似た。広州の雨は、こんなに一日降り続けることはない。しかし、約束したかのように、確実に毎日、俄然に訪れてきて、また突如に消えてゆく。

広州と日本の二拠点で生活している我が家だが、コロナの影響で広州便が止まり、次の広州行きがはかなくなった。外の雨音がなんとなく懐かしく切ない。

ここ数年買いためていた本を、少しずつ消化していく。

2014年の本屋大賞第二位。
私の読む力にも限界があろうかと思う。
とにかく最初の数ページをめくった時、
「何を書きたいのか?」
はてな❓❓❓の連続でした。

あまりにも平凡すぎる日常を描く中、何を伝えたいのか、何でこんなの賞まで取ったの、と迷路に迷い込んだ。

読み進むと、
「あれ、この話しにはほんとうはこういう話と繋がっているんだ!🤭」
「あの話にでてきた人は、この人だったのか」
の「発見」、そして肩を下ろしたような「解放」の瞬間が、次から次へと訪れてくる。サスペンスではないのに、すごい!

平凡の暮らしが、徐々に、徐々に違う景色が見え、深いぬくもりに包まれました。

最初の数ページで決めつけなくてよかった。
途中でサジを投げなくて正解だった。

こういう作品を書こうと、作者の意図を覗けた気ができ、作品の構図に改めて感心した一冊でした。

単叢貢香

2020-04-12 21:16:00 | 中国茶・世界のお茶



今日のお茶は、2019年単欉貢香。

昨年八月、ほぼ蒸し風呂状態の潮州を訪れた最終日に、出会った単欉。

三日間、単欉を立て続き試飲していました。ヘトヘトに疲れ果てていて、体力も味覚も、そろそろ限界に達した状態でした。

最後訪れるお茶屋さんで
「貢香を飲んだことありますか」と勧められ、頂くことにしました。

一口含んだだけで、同席した三人が思わず
「これ、おいしい!」と異口同音。

一番簡潔でストレートな言葉だけれども、みんな口揃って感嘆な声をあげるのが珍しい。

鼻から抜ける香りも、味のバランスも、ほかの単欉にないものでした。大半の単欉を覚えてきたはずの体に、まるで新鮮なエキスを与えられ、素直に反応した不思議な体感でした。きっと疲れた体をいたわったのか、元気を取り戻しました。

貢香(gong4 xiang1)の名付け親が、このお茶を最初潮州で「ゴンシャン」と名付けました。潮州語の「ゴン」とは、「高い、突き抜ける」という意味になるそうです。高い香りをもつこちらのお茶をアピールする狙いです。
それを標準語の普通話に書き直すとき、「ゴン」の発音に近い「貢gong4」を選び、貢香として表記するようになりました。

お茶を飲んで今の危機を乗り越えましょう。

IPS細胞の山中伸弥教授が先日TVインタビューの際、こう語りました。

コロナ危機が終わるごろ、気がつけば、社会が十年も先に進んだ、そうでありたい。

その言葉に、グッと力をもらいました。

危機がチャンス。
働き方、教育のあり方、医療の問題、抜本的に改善されますように。


ムスカリ

2020-04-12 15:35:00 | 花を愉しむ


近くの空き地が野花天国。
地味な小花も、よく見ると、密かに可愛い。

沢山ある種類の中、癒しのブルーが目を引く。ブドウのような壺状の花を鈴なりに咲かせる。

中国語名 葡萄风信子(pu2tao2feng1xin4zi)

同色系の花と、数種類寄せ合わせすれば、キュートな寄せ植物ができる。
異色系の鮮やかな花一種とのコントラストも、もしかして良さそう。
小さな土器に、間隔を開け球根ごと土に、埋めることにしてみようかなぁ。
きっと部屋をパッと明るくしてくれる。

と想像を膨らませていた。