講談社野間美術館で開催中の近代日本の水墨画展を観たく、行ってきました。
濃淡渇潤(濃淡枯潤ともいう)の世界は、中国の水墨画に共通しているものですが、日本画家の細かな筆致や丁寧さは、特別なように感じとります。
川合玉堂の描く連綿な渓山に、月に追われ、帰路を急ぐ老翁の「渓山月夜」はすっと心に入ります。
下村観山の「竹林賢人」は、中国古典水墨画のルーツに辿りつき、観ていてホッとします。
女流画家の川端龍子氏の「白梅殿」と「鯉」には、女性らしさがあふれており、思わず画家さんの名を書かれた札に目を移してしまいます。
墨ぼかしの雲煙の彼方に、富士が威風堂々にそびえる横山大観のフジと対照的に、
佐久間鉄園の富士は、金と墨のコントラストによって絶妙に表現され、金色の光に浮かび、照り輝く富士でした。
富士のように、同じ題材でも、画家さんの手によって表現の仕方が百人百色です。
どちらも傑作ですけれど、自分の好みは、こっちだなんて考えたりするのも楽しいのです(笑)。
どっぷり墨彩の世界に浸かった後は、野間美術館お隣にある椿山荘の日本庭園を散歩しました。ゆかりのある庭園と建物、やはり見応えがたくさんありました。
その後、江戸川橋駅の向こう側にある水道ギャラリーにはじめて行ってみました。
昭和の面影を感じさせる外観で、一目で分かりました。
器のギャラリーですが、酢飯屋という名の食事処としても機能しています。やはりそこも昭和の風情が感じた空間でした。
メニューにあるゴマ味噌鯛冷茶漬を頼んでみました。趣のある器が出され、ゴマ味噌をトッピングされたお味がなかなか美味でした。
体のバッテリがしっかり充電できた一日でした。
野間講談社美術館
近代日本の水墨画展
2014年5月24日―7月21日
水道ギャラリー/酢飯屋
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