三菱一号館美術館で開催中の暁斎&コンドル展に行ってきた。
大胆な構図と卓越された暁斎の画技に驚くばかり。
枯れ木に泊まる二羽の鴉。威喝してきそうで少し恐ろしく感じた。
ぶら下がる猿やうずくまる猿は、どれも微笑ましかった。
蜥蜴を捕る勇ましい兎に、目新しい一面を覚えた。
鯉が水を切る瞬間の波紋と鯉の鱗の描写は、実にお見事だ。
浮世絵や妖怪のイメージが強かった暁斎の動物画に魅了された。
きっと自然界の動物に格別の思い入れを抱え、念入りの観察をされていた様子が目に浮かぶ。
本展に興味をもつもう一つの理由は、イギリス建築家ジョサイア・コンドル氏にある。復元されたこの三菱第一号館をはじめ、旧岩崎邸、旧古河庭園に訪れたとき、何度もでてきた名。前からコンドルのことに興味を抱いていた。
暁斎に従師し日本画を学んだコンドルは、多岐にわたって日本文化をこよなく愛したことが本展で感じ取れた。
近代日本における西洋建築の発展に多いに貢献したコンドルとその日本画の師暁斎の交流。
ぼんやりしていた明治という時代の輪郭に、一枚のパズルをはめた。
薄暗くなった三菱第一号館美術館の中庭は、夕暮れにとても似合う。
辺りのレストラン、杯を交わす人々で賑わっていた。
私も友人とともに仲間入りへ。
暁斎・惺惺狂斎画帖