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トーン、トーン、トーン
朝明け眠りの中から聞こえてくる音。
最初は誰かがドアを叩く音かと思った。しかし、音はしばらく止み、もう一度鳴った時は、窓からだった事が分かった。
昨日はとってもいい眠りだった。
朦朧とした意識の中、そう思った。
近年、眠りが浅くて、朝になっても体の疲れが取れない事しばしば。
普段の睡眠と比べ、昨夜の睡眠のクオリティは10 点中9.5点だったことに満足。
昨日は朝日のアンコールワットを観ようと、四時起きしていました。夜のプログラミング、カンボジア伝統舞踊を鑑賞するまで17 時間のフル稼働だった。結局、ホテルに戻ったのが夜の10時だった。
トーン、トーン、トーン。
再び音が鳴った。
一体なんの音なんだろう。
昨日の朝も同じ音がした。
一緒に旅行に来ている娘は、昨日、鳥の「仕業」だと言う。
キツツキが木を突く音かもという。
身を起こし、カーテンを開けた。
私達の部屋は二階にある。
プライベートベランダにレジャー椅子ニ脚置いてある。
俯瞰して一階庭中心にあるプールはほとんど見えない。二階にある自分達の部屋から、視界は密々した樹々に遮断されていたから。
その瞬間、目の前に一羽褐色系の鳥が横切った。樹の枝に止まった。
口ばしに何か餌のようなものをくわえていた気がした。
この樹に母鳥の子達でも栖っているかな。
母鳥が小鳥に餌をさがしている。
この発見を隣のベッドにいる娘に知らせようとして、部屋に振り向いてみた。メイキングされたベッドはきれいなまま。
そうだ。
昨日二人とも一日汗ったくしてアンコールワットやアンコールトムを回った後、この子ったら、ホテルに戻る途端、ソファーにバタンキューしてしまい、今も眠っています。
アンコールワットの三日目の朝。