冬至の日は、日本ではゆず風呂に浸かったり、カボチャを食べたりしますね。
中国の家庭では、その日の「温補」をとても大事にしています。「温補」とは、体を温める食材を取ることです。
実家では、冬至の日に、年に一度羊肉と大根の煮物が食卓にでます。それも生姜が効いたお味で、子供の頃は、どちらかと言うと苦手でした。
東洋医学の観点から、日が一番短くなった冬至には、人間の体の陰と陽のバランスがピークに達します。その日は、陰の気がマックスに達し、冬至以降には徐々にパワーダウンにしていきます。一方、体の陽気はその日を境に徐々にパワーアップしていきます。(「陽気初生」といいます。)
その日に「温補」しておけば、冬にはまるっきり風邪ひかずに過ごせるといいます。さらに、来年の春にはトラと戦うほどの力もでてくるとのことわざもあるようです(笑)。
そのために、体を温める食材を取り入れることです。
羊肉、牛肉、舞茸、ピーマン、かぼちゃ、胡桃、生姜、にんにく、らっきょう、ネギ等々。
食材以外、今日の料理に、どうしても入れたかった漢方薬があります。婦人の至宝である当帰(とうき)です。これが「補気活血」といい、体の気を補い、血液循環を促進する効用があります。
しかし、当帰の漢方香が半端なものではありません。子どもも主人も苦手かもしれません。そのために、鍋のベースは、市販のトマト鍋スープをベースにし、当帰のスライスを一枚、ニンニク・生姜・豆豆支のみじん切りを利かし、紹興酒を加えることで、まろやかな中華薬膳鍋のできあがりです。
この味は、何回か訪れたことのある銀座和食のやまとで頂いた「薬膳長生不老鍋(赤)」からもらったヒントです。和食の店とはいえ、紹興酒ベースのとても効いた中華風薬膳鍋が印象的でした。店のレシピを伺うことができないけれど、主婦の舌でおそらくこんな食材が入っているのかなと想像しました。それを今日は家で再現したかったのです。もちろん、冬至の鍋の中身は、体を温める食材ばっかりです。
鍋の蓋を開ける時、主人も娘も「え~っ」と苦手そうな顔しました。
食べてみてと薦めると、「全然見た目と違って、美味しい」と笑みに変わる二人。羊肉の臭みも、漢方香も気にしなくなったのは、すべてトマトベーススープのおかげです。
来年一月の新年茶会に、冬の養生の話し、そして、当日は、薬膳茶と薬膳粥もご用意する予定です。
年内に日程の詳細をお知らせしますので、ご興味のある方はぜひチェックしておいてください。
豚肉創作料理 やまと 銀座本店
http://frieden-dining.com/grandmenu.html
〒104-0061 東京都中央区銀座2-4-18 アルボーレ銀座 9F
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