茶語花香

人生は旅なり。
中国茶をはじめ、花のある暮らし、読書、旅などを中心に、日常の出来事を綴ります。

情緒のおびるガラス蓋碗

2015-01-22 11:14:53 | 茶器

外は、雪降りそうな寒さなのに、久々緑茶を淹れた。
新緑だった開化龍頂が、黄色く帯びはじめていた。

昨日は誘われて、出かけていた日本橋。
えむにさんのガラス蓋碗を持ちかえった。

こうやって、手に取りたい器が先に決まり、それに合わせてお茶を選ぶ日は、
一人飲みの時は、意外にも少ないことに気がついた。

昨日は、ユニットであるえむにさんの奥さん方に会え、
気さくな方で、とても話しをしやすかった。
そして耐熱ガラスの作家さんがまだ少ない日本では、
中国茶のための器づくりに、
どんな要素がいいか熱心に尋ねるお方。

会場には、顔見知りもいて、
もうえむにさんのこと、
この中国茶の世界では、とっくに秘密でもなんでもない。

それにしても、えむにさんのガラス茶器が、眩しすぎる。
エレガントなものは、私には似合わないと思って手を伸ばすことはほとんどなかった。
でもこの蓋碗だけは許してって感じ。
伸び上がる優美な曲線たちは、
たまらないほどの情緒がおび、
それがうまく伝わるような写真を撮れなくてごめんなさい。
そして今日は、申し訳ないほど、
とても優雅な気分にさせて頂いたのでありがとう。

大きめなガラス蓋碗を持っていなかったので、
大きめの方を頂くことにした。
これで春になれば、また仲間と緑茶の新茶を愉しもうと思っている。
でもね、今日だけは、豪快に一人飲みにさせて頂こう。

えむにさんのガラス蓋碗のおかげで、
今日のデスクワークがはかどる。

えむに日本橋三越展
1月21日(水)から2月3日(火)
日本橋三越5階特選和食器売場

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無痕

2014-10-22 16:25:28 | 茶器

飮杯の底に映る

無痕(wu2 hen2)

の文字が、心に響きます。

台湾茶人李曙韻氏が、
2012年北京国家大劇院で開かれた茶会も、
たしか「無痕茶会」というような名でした。
目の前の飲杯は、そのイベントのために作られた飲杯かな。

痕とは、痕跡(こんせき)のことです。

魚過水無痕
鳥飛天無痕


の歌にあるように、

魚が通り過ぎても、
水に跡が残らず
鳥が通り過ぎても、
空に跡が残らず


人間は、水中の魚や空中の鳥のようにはいきません。
人間のおかれる環境は、もっと複雑で、出来事があるたび、心が揺れ、時には動きだす時も免れないのでしょう。

宋の時代の大詩人、蘇軾が歌ったように、

事如春夢了(liao3)無痕
(物事を春の夢のごとく、傷跡残さず終わらせるように)

当時、挫折を味わった蘇軾は、自分へのたしなめとして、残した歌。

このように、多くの詩人、文人は、
「無痕」というものを、目指すべき最高な心境にしていたことが伺えます。
心に響く言葉でした。


こちらの飲杯の、表の顔も、美しい。

そこにある文字は、春秋時代の五音音階っぽく見えます♪
読めませんけれど、なんだか悠久な感じがしていいですね。

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脇役の茶托

2014-04-12 20:24:04 | 茶器
茶壺よりも、茶杯よりも、最近目に止まるのは、意外と茶托です。

手に持つ時の感覚といい、大きさといい、メンテナンスのし易さを、まず考慮したいのです。

最近出会ったものの中、三つのバランスがうまく取れたのは、こちらの茶托です。

煌びやかな茶托。

どの茶席においても、脇役にすぎない茶托ですが、さりげなく茶杯の美をより引き立ててくれるのは、良い脇役だと思います。

茶壺や茶杯の注目を奪うことのないように、そんな茶席ができたらいいなと思います。

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その地の茶壺にその地の茶 その一

2014-03-12 16:29:35 | 茶器
紫砂壺ビジネスの過熱により、現地宜興では、紫砂壺に適する良い紫泥や朱泥が、とっくに少なくなりました。現実では、良い紫砂壺に出会うのがなかなか難しいのです。

そのような話しを中国にいる古き友人にボソッと話したことすら、自分が忘れていました。

半年前に、その友人の来日中、写真の紫砂石瓢壺をプレゼントされました。

有名作家一族の作品だそうです。

友人は騙されたのではないかと気になり、お返しにも実に悩みました(苦笑)。でも、心の底では、やはり涙を汲むほど嬉しかったのです。真的非常感謝!

気心の知れた友人のためにも、頂いた茶壺を大切に育てていきたいのです。

大きめな茶壺に、大きめな茶杯二客がついています。

紫砂壺の世界では、決まった種類の茶を決まった茶壺に淹れることにより、茶壺にそのお茶特有な香りを吸い込まれ、使い込むことによって、茶壺のツヤも淹れる茶の味わいも日に深まっていきます。

けれど、余りには大切な茶壺なので、何のお茶を淹れるか、考えるうちに、日数ばかり経ってしまいました。

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玉器の茶托

2014-02-14 20:33:47 | 茶器

右側にあるのは、玉器収集が趣味の義理の父が、我が家にくれた、白玉の羅漢の置物。

台北故宮博物館所蔵の背掻き羅漢とは、質材も違いますし、細工の細やかさも、月とすっぽんの違いかもしれません。
けれど、遠くから眺めると、いきいきとした姿態の羅漢ではいます。


雪が再び降ってきた今日は、日月潭紅茶を淹れました。

お茶を頂いている間に、遊び半分で、羅漢さんの下の台をお借りして、茶托代わりにしてみました。

玉器の茶托ってなかなか贅沢なティータイムですね^^。

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