私は
言葉の力を信じている。
学校を出て
東京へ向かう朝
苦労の道と楽な道があったら
苦労の道を選びなさい。
家業に戻るべきか
進路に迷ったとき
お前は親を手伝って安心させろ
おれは研究者の道を歩む。
その半年後、彼は長い旅に出た。
行き詰って夜も眠れず
ノイローゼにかかった私に
心配するな。命までは取られん。
私が何かをやるにつけ
いつもダメ出しをして
でも最後には
大丈夫よ。あなたならできる。
彼女のギリギリの言葉は
一緒にいてくれてありがとう。
最期の最期まで
旅発って行った人たち。
でも
人は去っても言葉は残る。
私はその言葉に支えられ
いままで生きてきた。
言葉の力。言葉は力。
人に力を与える言葉を
私も残してゆけたらと思う。
「菜心是愛」
我が心の朋、陳建一さん
師伝のことばです。kyokukenzo