舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

大冒険譚

2007-03-19 23:02:28 | ぼくはこんな本を読んできた
「ライラの冒険シリーズ」
第一巻『黄金の羅針盤』 ("Northern Lights/ The Golden Compass")
フィリップ・プルマン 著
新潮社、1999


ついに私が世界で最も好きな本のご紹介です。

幼稚園に上がるより前から本を読み出して、字はすべて本で覚えたほどの活字中毒の私にとって「世界一好きな本」とは、よくよくのことなんですよ。
今までいろんな作品を読んできましたが、とにかくこれがダントツに好きです。

そんな重要な本を今になってようやくご紹介するのは、この作品が映画化されるタイミングを待っていたからですね。
とはいえ日本での公開は2009年なので、「待ってた」とか偉そうに言えるほど待てなかったわけですが(笑)。
撮影は進んでいるらしく、最近映画雑誌の片隅に写真などが載るようになってきました。

この作品は厚さにして最近のハリーポッター3冊分くらいある上、字の大きさがハリポタより遥かに小さいので、そうとうな大長編です。
しかし読み出したら最後、長いことなどものともしないほどの面白さです。「ページを繰る手がもどかしい」とは、まさにこのこと。
しかも1巻→2巻→3巻と読み進むにつれ、物語の舞台がどんどん広がってゆく壮大な作品でもあります。
私は現実世界でも狭い範囲内で生きていけないタイプなので、いわんや本の世界をや。

1巻ではまず、ヒロイン「ライラ」の冒険が描かれます。
ライラはオックスフォードのジョーダン学寮で育った勝ち気な女の子。
ここで注目すべきは、オックスフォードといってもライラのそれは我々の世界のオックスフォードではないということです。
いわゆるパラレルワールドですね。

たとえば「第三次世界大戦があった地球」みたいに、現実とはちょっと違う実在の場所を描いた作品は数多いですが、「ライラ」シリーズにおけるパラレルワールドにはもうひとつユニークな設定があります。
それがダイモンの存在です。

ダイモンは「守護精霊」といわれ、人間一人に一匹ずつ存在します。
ライラのダイモンは「パンタライモン」という名前で、どんなダイモンも名前を持っています。
ダイモンは人間にとってかけがえのない存在で、ダイモンと離れれば息苦しさを覚え、もしむりやり引き離されれば人間は命を落としてしまいます。また、他人のダイモンに触れることはもっとも無礼であるとされています。
人間が子供の間、ダイモンは自在に姿形をかえますが、大人になるにつれてあまり変身しなくなり、やがて姿が定まります。

面白いのは、こうして定まったダイモンの姿が人間の本質ともいうべきものをあらわしているということです。
魔女(この世界にはほうきで空を飛ぶ魔女が存在します)のダイモンは鳥であったり、船乗りのダイモンはイルカになってしまうことも。忠実な人間のダイモンはイヌです。
つまりダイモンを見ればだいたいの人となりが分かるのですね。
それはまだダイモンの姿が定まらない子供の頃でも同じで、人間同士の諍いはダイモンが決着をつけたりします。

主人公であるライラの性格がこれまた凄い。なんたって、ガキ大将で嘘つきの天才なんですぜ(笑)。そんな主人公めったにいません。
おまけにそうとう短気で直情的、屋根には登るしお墓で悪戯までするジャジャ馬娘なんですがその反面、とても意志が強くて必ず筋を通すタイプです。
得意の嘘をつくのだって、いつも彼女なりの信念に基づいているのです。それは誰か大切な人を守るためだったり、自分の定めた使命を果たすためだったりします。

1巻ではライラが生まれ育ったオックスフォードを出て大冒険の末に北極までたどり着くところまでが描かれ、2巻はダイモンをもたない人間の世界=私たちの世界に舞台を移し、3巻ではさらに多くの世界を股にかけて物語が展開されます。

その過程でライラが出会う人々がまた個性的。
船で旅して暮らすジプシャン(たぶんジプシーのこと)に助けられ、優秀な戦士にして職人でもあるクマの王イオレク・バーニソンと盟友になり,テキサスの勇敢な気球乗りのリー・スコーズビーや魔女の一族に助けられながら、ライラの冒険は続きます。
もちろん中には敵も現れますし、ライラのたった二人の肉親は敵か味方か最後まで分かりません。
そのうちの一人・アスリエル卿は、壮大な野心を持った冒険家ですが、この作品中一番私のタイプなのはこの人です(笑)。
野望の実現のためなら人の命を犠牲にすることもいとわず、神にすら反逆する困ったオジサンですが、ライラの肉親なだけあってこの人も自分の信念がめっぽう強く、それを曲げることを潔しとしないタイプです。それが高じ過ぎてとんだ野心家になっちゃったのねえ。
それはそれで困った人ですが、私も人の言いなりになったり、周りに流されて自分の意見を曲げるのが許せない性格なので、それをトコトン貫くアスリエル卿にはうっかり惹かれてしまいます。

あいにくライラの好みは私と違いまして、彼女は2巻でウィル・パリーという運命の男(by道明寺くん)と出会います。
ライラとウィルはあたかも陽と陰、動と静です。つまり、嘘をついたり行動を起こすことによって目的を達しようとするライラに対し、ウィルはきょくりょく周囲に溶け込み、目立たないように振る舞う「演技」をすることで生き抜いてきた少年なのです。
方法は違えど、二人の本質はまったく同じ。まさに運命の相手です。

どうも作者(訳者?)が感情移入し過ぎるきらいがあるようで、おもに終盤でしばしば「神の視点」になりきれてない箇所が見受けられますが、とにかく物語の面白さ、そして登場人物の魅力がそれを補って余りあるほど秀逸です。

3巻では雰囲気ががらりと変わり、哲学や宗教色が濃くなります。教会の描き方など、キリスト教国でそんなこと書いちゃっていいのかと思うくらい。
でもそのあたりの描写も作者の示唆に富んでいて、キリスト教的一神論への批判や提言としても十分に読みごたえがあります。

もちろんそんなこと考えず、ライラの冒険譚に快哉を叫ぶのも一興です。
こんなふうにいろんな角度から味わえるのが、この作品を名作たらしめている所以だと思いますね。

天は赤い河のほとり

2007-03-09 23:54:50 | ぼくはこんな本を読んできた
『王家の紋章』に続き、「古代オリエントにタイムスリップ少女マンガ」が文庫化されました。
それこそ篠原千絵『天(そら)は赤い河のほとり』です。

『王家』連載スタートから約20年後に始まったこの漫画は、かなりのところで『王家』との類似点が見られます。
何たって物語の軸となる「現代の少女が古代オリエントにタイムスリップし、彼の地の敏腕(しかも美形)な王様と恋に落ちるストーリー」という基本設定がまるっきり一緒です。
まあ確かに『王家』の舞台はエジプトで、『天河』はヒッタイト(今のトルコあたり)という違いはあります。
とは言え、そんな違いは私みたいなオリエントフェチでない限り、たいした違いじゃないといえましょう。
『王家』を読んでいるうちからこのソックリ設定の漫画の存在を知っていた私は、文庫化されたら必ず読もうと思っていたわけです。

でもね。
実際に読んでみたらアラびっくり、なかなかどうして違うじゃないですか。
しかもけっこう面白いのです!!

まず第一に、ヒロインは『天河』の方が断然好きです。
どちらも現代からタイムスリップした十代のお嬢さんで、見てくれはとりたててゴージャスボディでも絶世の美女でもないのですが、ビジュアルよりむしろ内面の魅力で王様や古代の人々を魅了してゆく...という設定までは同じです。
しかしながら、『王家』のヒロインであるキャロル嬢に比べ、『天河』の夕梨ことユーリちゃんの方が遥かにかっちょ良い!!
そのサマはヒロインというよりむしろヒーローです(笑)。
これじゃあ名君カイル皇帝がめろめろになってもしょうがない気がしますね。

まず運動神経が異様に良い
名馬だけど暴れ馬な「アスラン」を(時には馬具もつけずに)乗りこなし、武術の腕もピカイチで、屈強な兵士に襲いかかられてもわりかしアッサリのしてしまいます。
仰天の運動神経に加え、このお嬢さんはやたら機転がきき、行動力に溢れているタチです。
彼女の功労で平定された戦も数知れず。
そんなわけでヒッタイトでは戦いの女神「イシュタル」として崇められ、その名声がユーリ嬢にめろめろな皇帝カイルさんの人気にもつながっているというわけです。

そのカイルさんと『王家』のメンフィス王を比べると...う~む、こっちはメンフィスに軍配が上がるかなあ(笑)。まあ個人的見解ですが。
何故ならカイルさんは私から見るとちょっとうじうじ気味なところがある上、どうもヒーローの素質ばっちりのユーリを内心は宮の中で大事に囲っておきたいと思っているフシがあるのが、若干気に入らないですね。
まあ、目を離すたびに方々で騒動を引き起こす上、ほかの男に狙われまくっているとなれば、そうなっても仕方ないかもしれませんが...。

どのみち私ゃ若者はけっきょくタイプじゃないです(笑)。
私が惚れているのはほかでもない、カイル皇帝の優秀なブレイン、イル・バーニ様ですわ

イル・バーニ様...長いストレートヘアを凛々しくポニーテイルにし、秀でた額に理知的な切れ長の瞳。
皇族の中でも若手ホープのカイルの腹心とあって、若者のうちに入る年頃でしょうが、カイル派の中では年長者(と信じたい)。
おそらく30代はいっていると見た(※30代中盤から対象となります←だから何のだ)。
おまけにこの方、それはそれはもう頭脳明晰でいらっしゃるのです。
将来の元老院議長と目されているイル・バーニ様は皇帝の参謀で、ヒロイン含め(笑)体育会系が多いカイル皇帝一派きっての頭脳派です。
優秀な為政者とされるカイル皇帝よりもさらに先の先を読み、ヒッタイとの政治のことをまるで知らないユーリ嬢への説明もこの上なく簡潔で的確。複雑な物事を明快に伝える能力は、真に優秀な証です。

仲間がどんなに熱くなろうと一人いたってクールなイル・バーニ様ですが、ある時彼の知られざる一面が発覚。
なんと彼、歌い手としてもすっごく優秀だったのです~~!!

小型のリュートのような楽器をつま弾きながら、しかも歌うは恋の歌。
聴衆もウットリしながら「素敵な声だわ」とか言ってました。おおお、やはり私が思った通り、イル・バーニ様の声はよく通る深いバリトン・ボイスに違いありません...ッ!!!
もう萌え殺されそうです。
このシーンで私のイル・バーニ様びいきが本格化(悪化?)したのは当然の成り行きといえましょう。

今ではすっかりイル・バーニ様一筋となり、ページにポニーテイルの後ろ姿を発見しただけで興奮する始末ですが、こないだ同じ漫画が好きなうちのベリーダンスの生徒さんに想いの丈を吐露したところ、まったく共感を得られませんでした
やっぱし趣味がヘンかなあ、私。

女神降臨

2007-01-27 23:56:21 | ぼくはこんな本を読んできた
前から申しておりますが、我々の理想の女性像は「エロく美しくカッコよい女」です。
世の中にはビヨンセ嬢やプッシーキャットドールズなど、我々の理想を体現している女性たちがたくさんいらっしゃいますが、その中でも女神と呼んでいる人物は、ただお一人でございます。

彼女こそがディータ・フォン・ティース様
画像の本、"Burlesque and the Art of Teese"の著者にして、稀代のバーレスク・クィーンです。
最近マリリン・マンソン(そうとう過激な風貌のミュージシャン)と古城で結婚式を挙げたことでも話題に上りました。

ディータ様はこの表紙を見てもおわかりの通り、この上なく容姿端麗でいらっしゃいます。
それも、生まれもっての美しさのみではなく、研究し計算し尽くされてこの美しさが演出されているところが彼女の素晴らしいところなのです。
そう、ディータ様は名セルフ・プロデューサーなのですね。

どんなにプロデュース能力がある人でも、こと自分のこととなるとなかなか客観的にプロデュースできないものです。
なのにディータ様は、メイクもコーディネイトもご自分でなさってまして、芸術的なヘアスタイルもすべて自作なのだとか。
それがいつも完璧に美しく絵になっているのですから、彼女の卓越したセルフ・プロデュース能力がうかがえます。
なんでも「ノーメイクや普段着をパパラッチされるのは、ちっとも気の毒ではない。つねに人から見られてもいい姿でいればいいのだから」というのが彼女の持論なのだそうです。
だから、どこかのプレミアパーティーにやってきたハリウッド女優やセレブがしばしば垢抜けない格好やどっかヌケちゃってるポーズで映ってしまっているのに対し、ディータ様のそんな姿は一度も見たことがありません。
たとえ自分が主役でないときでも、一分の隙もない演出を決して怠らないのが、ディータ様なのです。

ディータ様はマミちゃんの一番好きな雑誌"VOGUE"によく登場します。
彼女の姿はどんなモデルよりも美しく、どんなデザイナーより着こなしが洗練されています。
しかし、彼女の体型がモデル並みというわけではありません。むしろ彼女を見ていると、モデル的な美しさ(スレンダーだとか八頭身だとか)なんて、女性が本当に美しくあるためにはほとんど価値をなさないんじゃないかと思ってしまいます。

そして最も重要なことは、ディータ様はエロいと同時にエレガントなことです。
エロさとエレガンス。およそ共存できそうにない両方の要素を、ディータ様は完璧に持っていらっしゃいます。

写真集などでの彼女のポーズや表情は非常にエロく、大変ソソられるものがあります。
ディータ様がエロいのはバーレスク・ダンサーという職業を考えると、不思議なことではありませんね。
バーレスク・ダンスとは、日本語だとストリップと言った方が通りがよさそうなたぐいのダンスです(ほんとは芸術性においてまったく違いますけどね)。

それなのにディータ様には、エロさにまとわりつきがちな下品さがまったくありません。逆にエレガントなのですよ。
下着のコルセット姿すら気品が漂っているんです。
エロいのにエレガント...そんなことが可能だとは、よもや思ってもみませんでした。

私は個人的に、踊りには色気が必要不可欠だと思っていますけれど、あまり色気を出そうとし過ぎると下品になってしまうと常々思ってきました。実際そういうダンサーをゴマンと見てますし(笑)。
だからディータ様を見るたびにウットリ憧れると同時に、彼女の足下どころか美しくペディキュアされた親指の爪にすら及ばないけれど、「エロくてエレガントな踊り」をもっと探究せねばと心に誓う私です。

ま、目標だけならいくら高くたっていいのさ(笑)。
というか、私は「ドングリの背比べ」とか「目くそ耳くそを嗤う」的な趣味がないタチなので。隣のミヨちゃんと自分を比べようとは思ったことがないんですね。
いくら足掻いたって近付けないとしても、目標はつねに高く持っていたいと思うのであります。

『あなたもフラガール』

2006-09-20 01:08:02 | ぼくはこんな本を読んできた
『あなたもフラガール~DVDで学ぶはじめてのフラレッスン』
カレイナニ早川 監修
2006年 実業之日本社


本日は、映画『フラガール』にあやかって出版されたフラ本のご紹介です。
紹介されている曲は "Puamana" ・ "To You Sweetheart, Aloha" ・ "Blue Hawaii" ・ "Tahuwahuwai" の4曲です。
劇中でもこの曲が踊られているようですね。
ちなみに、今ちょうどプアマナをやっているクラスのA子さんからいただいた情報ですが、プアマナは映画予告にも使われてました

まずはこの本の68ページ、に注目です
監修の早川先生が何人かのお名前に謝辞を述べられているのですが、そこに早川先生と並ぶマミちゃんの恩師、佐竹先生のお名前が挙げられているのです
そして、イリマフラスタジオのクム・ルカ&ルイス・カレイキのお名前もあります。このお二人こそマミちゃんがハワイでお世話になった先生方なのです。

ですから、この本に書かれているフラはかなりのところでウチのそれと共通点が見られます。
ハワイのクムは数十年前に亡くなってしまっていても、学んだフラの根本はいつまでも生徒の中で生きているのですねえ。ちょっと感動します。
基本ステップの解釈もかなり近いですし(注:ただし早川先生とマミちゃんが同じクムに学んだ時には、カホロはバンプ、レレはスウェイ、コアカはクォーターターンと呼ばれていて、ハワイ語では呼ばれていませんでしたが)、プアマナの振付けなどはだいぶ似てます。

本には付録DVDも付いていて、基本のレッスンシーンに始まり、デモンストレーション、『フラガール』映像資料までなかなか盛り沢山です。
マミちゃんによれば、レッスン場面で解説なさっているのが早川先生ご本人だそうです。

なお、デモを担当しているハワイアンズのダンサーさんたちのダンスの腕前に関しては...ええと、ご自身でご覧になって確かめるのが一番よろしいかと思います。
スパリゾートでのショーは大人数ですし照明などの演出が入ってますので、たった二人の踊りをシンプルに大写しにしているこのDVDの方が、ダンサーさんの踊り自体、つまり表情とか手の使い方などをジックリ見られます。

また『フラガール』のダンスシーンもタファファイだけですが一曲全部見られますし、他の踊りも少しずつ見ることができますので、劇場に行く前にチェックすることをお勧めいたします。

好きな雑誌(2)

2006-07-20 23:40:46 | ぼくはこんな本を読んできた
こないだはフラ雑誌をズラズラ羅列しただけで、ちゃんとした書籍情報を書き忘れてしまったので、探しやすいようご紹介しておきます。

画像は『フラレア』最新号(No.25)です。
メリモリポートを載せる時は毎年そうですが、今年のミス、バーニスさんのカヒコの模様が表紙になってます。
あ、本文中では「ナマカナ」というハワイ語のお名前で呼ばれてますね。

フラレアは今やたいていの本屋さんで入手できます。
この書き込みをプリントして持ってくのが一番手っ取り早いですが(笑)、私みたいにひとに物をたずねられない人や自力で開拓するのが好きな人は、「海外ガイド」または「ダンス」「音楽」のコーナーにあることが多いです。
というのは、まだ一般社会におけるフラの地位が確定していないらしく、お店によっていろんなとこに置いてあるのです。

今回は年に一度のフラの最高峰「メリーモナーク」特集なので、特にお勧めです。
会場でもかなりの人数のフラレアスタッフを目撃したので、ずいぶん気合い入れて取材してるんでしょう。

また、今回は54ページにいとしいしとの写真が載ってまして、私はこの写真のためだけにだって1,200円払いますとも。ええ。
店頭で見たときは思わず頬ずりしました。
なんたって「孤高のアウトサイダー」ですぜ。これ以上私のツボを刺激しないでくださいよ。
しかも、「伝統的なものをそのままやっていたら、未来のフラの展望はない」なんて、私の主張そのものじゃないですか。


しかしまあ、これだけの量の写真を見ると、「上手い人の写真うつり」がよく分かります。
一番分かりやすいのはミスアロハフラの写真です。(グループの写真だとどうしてもタイミングがそろってるかどうかに目がいってしまいますので)
出場者全員の写真が載ってますが、やはり上位入賞者のポーズは秀逸ですね。
特に会場で見たときマイ予想でミス候補に挙げていた3人=2位のマカラニさん、5位のタチアナさん、そしてミスになったバーニスさんは、ポーズの美しさが抜きん出ています。

って、ポーズしてるところを撮ったんじゃないのですものね。
踊っている最中を撮ったにもかかわらず、全身に神経の行き届いた(だけどムダな力は入ってない)ポーズで写っているということは、そうとうなダンサーだってことです。

メリモはさすがに綺麗なポーズができてる人の割合がかなり高いです。あくまでも上手いチームの話ですが。
あ、正確にいうと違いますね。本番を真横から見ていた印象だと、あまりよろしくない人(首が据わってない人など)は前から見えないよう巧妙に隠されているので、写真に写るような位置にいる人はうまい人である可能性が高いのだとおもいます。
だから移動の仕方もそうとう差別的でした。
まあ、これがコンペで審査員が正面カブリツキの位置にいるので、仕方ないのでしょう。

どうもそういうことを考えると、私は基本的にコンペはあまり好きではないですね。
メリモ以外のコンペは頑なまでに観ないですねそういえば。
メリモだけは例外で、それは最高峰の大会なので実力派どうしの競演を観ることができるからですね。
それ以外のになるとどうも「実力...?」と首を傾げたくなるものがチラホラしてくるので、まったく感興がわきません。

好きな雑誌

2006-07-17 23:55:02 | ぼくはこんな本を読んできた
活字中毒の私は、雑誌も結構好きです。
ジャンルでいうと『ニューズウィーク』みたいなのが一番好きで、それは活字量が多いからですね。
内容も、インドの経済成長や映画「スーパーマンリターンズ」特集など、私の好きな国際ネタを幅広く扱ってるのがいいです。
英語直訳まるだしの文章も好感が持てますね。
大学の図書館に行くと必ず読みましたっけ。今も特集をチェックしてたまに買ってます。

ファッション雑誌なら『Harper's BAZAAR』がイチ押しです。
これは『VOGUE』と似たような洋物ファッション誌で、マミちゃんは断然VOGUE派なのですが、私はとにかく写真に動きがあるという点でBAZAARがお気に入り。
目のつけどころもいいですねえ。こないだは大好きなジョン・ガリアーノ(ディオールのデザイナー;但しデザイナーが好きだからといって、ブランドも好きとは限らない)のインタビューをやってましたが、彼のエキセントリックな世界を見事に写真で表現してて、とってもステキでした。

どちらの雑誌も、「本場の」「高級な」「最先端」ファッションを紹介している点が素晴らしいです。
あくまでマミちゃんや私個人の意見ですが、着回しテクだの安いアイテムを高そうに見せるワザだの載せてる雑誌は読みません。
かといって、VOGUEとかに載ってるブランド物を買うために読んでるわけじゃなく、そこから流行の兆しをキャッチするために読むわけですよ。
そりゃそうだ。誰が五百数十万のルイヴィトンのチャームなぞ買うかァァァ!!!っていうか買えるかァァァァァ!!!!(※逆ギレ
...と己の経済状態と照らし合わせつつ読むと、このテの雑誌は相当哀しい気持を呼び覚ましてしまうので、あくまでも最先端で起きてる現象を知るために読むんですのよあたくしたち庶民は。

ちなみにマミちゃんはこういう雑誌から次の衣装の着想を得てます。
過去のネタから挙げれば、数年前に見せブラなど胸強調シリーズが来る気配を感じ取ったマミちゃんは、今のベリーダンスの一連のトップスをデザインしました。
って私がこんなとこに書いてる頃には、マミちゃんのアンテナはすでに次に来るモノを見つけてると思いますので、次回の衣装もお楽しみに。

色もそうですね。ここ数年、恒例の大きなイベントが固定しつつあるので、そこの照明状態に合わせた色を選ぶと同時に、来そうな色かどうかも重要なポイントです。

ファッション雑誌を見てると、生ミッキーを見ても眉一つ動かさないマミちゃんがいやにコーフンしてることがあります。
そういうときはどうやら何かを受け取ってますねアンテナが。
そして、後日衣装のおもいがけないところに反映されてたりします。

話がすっかりファッション雑誌の方に飛んでしまいましたが、先日3種類目が創刊されたフラ雑誌のことにも触れておこうとおもいます。
今までに出ている季刊誌はアドウェーブの「フラレア」、イカロス出版の「素敵なフラスタイル(通称すてフラ)」の2冊。

今やフラ雑誌が片田舎の書店ですら手に入るようになりましたが、まだご存じない方や何を買ったら良いのか分からない方のために、このさいだから解説いたしましょう。
はい、フラレアを買って、すてフラはフセボ先生のハワイ語講座だけ単行本で読みましょう。
おちまい。おちまいじゃないよ。なんて不親切な解説だ。

2冊の雑誌の大きな違いは、主だった書き手がフラを理解しているか(あるいは理解しようと努めているか)であるといえます。
私にとってこれはすごく重要な要素です。
たとえば、ファッションセンスのまるでない人がファッション雑誌を書いていたり、ハワイに行ったことのない人がハワイの旅行ガイドを書いていたら、それは問題でしょう。

フラレアは踊る編集長こと平井氏以下、自分が踊っていらっしゃる書き手がけっこう多いんですね。ということは、もう一つの方がそうではないというわけです。
自分で書けない代わりに、もう一つの雑誌は数名の専門家に執筆をお願いしてます。これはおもわぬうれしい副産物ですね。
たとえば私が師事しているフセボ先生は希有なハワイ語の先生ですし、もう一人の矢口先生にも卒論でお世話になりました。

雑誌に載っていたお二人の記事は、まとめられて本になってます。
したがいまして、それらの本を読むことをおすすめします。
フセボ先生の記事と本に書かれたことを比べると、だいぶ加筆されていました。
先生によれば、雑誌では3ページしかもらえないので提出した原稿がかなり削られてしまうのだとか。
これはやはり最初から本で読んだ方がいいですよ。

一方のフラレアは、最近『フラ事典』も出しましたが、雑誌は雑誌で読んでおくことをおすすめします。
がさばるしすごく重いけど、その分写真資料が豊富です(ちなみに、写真を見ると、それを撮っている平井編集長自身が踊る人なんだというのがよくわかります。いいシーン狙ってますもの)。

なおかつ、フラレアはさっきのファッション雑誌と同じで「今の本場の姿」を伝えようとしてくれてるのがうれしいです。
ハワイのイベントリポートとか、クムフラやダンサー、ミュージシャン(もちろんハワイのですよ)のインタビューなど、今のハワイの姿が鮮やかに伝わってきます。
私は踊りも「本場のを見るに限る!!!」と頑なに信じてますが、雑誌などの情報も同じです。本場のことだけを知りたいのです。

たださすがのフラレアも、記事が多いからどうしても玉石混淆ですね。
つまり、すごく素敵な記事の間に、「エ???」というシロモノも紛れてるということです(笑)。
まあ、ソレは全ての雑誌や新聞にいえることなので、仕方ないですけれどもね。

ようは書かれてることのすべてを信用しないことです。
前、「レッスンにパウスカートを持ってかないのは柔道をやるのに柔道着を持ってかないのと同じ」と書いてた人がいたときは盛大にのけ反りました。
そりゃあなたの教室ではそうかもしれんがね。マミちゃんがハワイで勉強してたとき(30年ほど前)、彼女のスタジオはパウスカートなんざほとんど履かれてなかったらしいですぜ。
時代や各教室によって違うってことです。決めつけぬように。
ちなみに現在のウチでは、「パウスカートでもいいけれど、女らしい踊りを踊りたい時にはタイトなスカートにしようね。ガニ股も心配だし」というスタンスです。

で、今回新しく出た「フラヘブン」という雑誌です。
なにぶん創刊したばかりなので、まだこの雑誌の方向性を探るのは困難ですが、今の時点ではハワイの人々やお店などを紹介していて、いいんじゃないですか。
創刊号を見た限りではすてフラよりは色彩などの趣味もいいし、分かってる人が現地で取材してる感じがします。
すくなくとも創刊号だけはチェックしてはいかがでしょうか。
これの2~3号目が出た頃、改めて三つ巴で検討したいとおもいます。

読了!!

2006-05-18 23:25:06 | ぼくはこんな本を読んできた
こないだから言っていたハリーポッター最新作、先ほど読み終わりました。
ここ3巻ほどずっとそうですが、読了後はあまりに重い内容ゆえ深い虚脱感が...。
だいだいあと数カ月は読み直したくなくなります。
まあ、前作ほどではなかったですけれど。
読んでない方のために説明いたしますと、実は前作で好きでたまらなかった人物が亡くなってしまいまして、ショックのあまり今回の最新刊発売までの長きにわたって読み返せなかったのですね。
今回も残念な人物とのお別れがありましたが、この人の場合、ある程度予測していましたから前回ほどは辛くなかったです。

好きでたまらない人が亡くなってしまうというのは私のベストオブファンタジーに燦然と輝く作品『ライラの冒険3部作』も同じなのですが、こちらにおいては物語のかなり終盤でそれが起こった一方、『ハリー』は大切な人を失ってもなお物語がまだまだ続くというのが辛いです。

しかしそれよりも印象に残ったのは...
ジニーあんた、すんごくいい女になったなぁ

ジニーとは、主人公ハリーの親友・ロンの妹です。
映画化された2作め『秘密の部屋』では厄介な日記を手に入れてしまって大変なことになってましたが、登場当初からずっと目を付けていた(ってオイ)ところ、前作あたりからいい女度が増してきて、今回モロ好みのタイプです。

そんな私にとって、今回の物語はまさに妄想いや理想どおりの展開。
かつての私の師匠が作った名曲"Girl, Girl, Girl"を彷佛とさせるストーリーに垂涎ものでした。

その一方で、私はなぜかどうしてもスネイプを憎めません
スネイプといえば一作目からハリーとその仲間たちをネチネチといびる先公...あッ失礼、先生のことです。
しかも激しい依怙贔屓で、生徒に嫌われる先生ワースト1...のはずなんですが、私はどうも最初から彼のことが嫌いになれません。
ユゴーの『ノートルダム』のフロロー判事しかり、私はこのテの人物をどうしても嫌いになれないタチのようです。
それとも、私の「理由のいかんに関わらず全てのイジメが許せない」というかたくなな信念ゆえに、いじめられっ子だったスネイプに同情しているのでしょうか。

いずれにしても私にとって、「強者にくっついてないと自分じゃ何もできない人」に比べたら、
スネイプのような善か悪か判然としない人はもちろん、完全な悪人のほうがまだマシ!!

件のスネイプ、最終巻を目前にして未だ敵か味方か知れません。
もし100%敵とわかっても、ダンブルドア校長と同じくやっぱり憎めないんだろうなあ、私。

明日ですね。

2006-05-16 23:59:51 | ぼくはこんな本を読んできた
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』発売日が、いよいよ明日となりました。

ハリーポッターといえば邦訳が発売されてほどなく驚異の大ヒットを記録、映画化されてさらにその地位を不動のものとし、昨今のファンタジーブームに火をつけたといわれる作品です。

主人公のハリーは幼い頃に両親を亡くし、意地悪な叔母さん夫妻に育てられていたが、ある日実は両親が魔法使いであったことが発覚、名門魔法学校「ホグワーツ」に入学することとなり、そこで幾多の事件が...なんてくだりを説明するまでもなく、今や読んでない人もその筋書きくらいは耳にしたことがあるでしょう。

かくいう私もハリーポッターはかなり好きな方です。
日本で売れる数年前、アメリカの書店で異常に見かけるようになり、「そんなに流行ってるわけ...???」と気にしていたところへ邦訳が出たため、すぐ買い求めました。

ちなみに私の愛するファンタジーシリーズベスト6を挙げますと:
1.『ライラの冒険』3部作
2.『マジカルランド』
3.『指輪物語』
4.『ゲド戦記』
5.ハリーポッター
6.『ナルニア国ものがたり』

って5位かよ。と突っ込む方もおられましょうが、私のファンタジーランキングの中で5位とは、そうとう高い方なのですぞ。

ちなみに、1位の『ライラ』は広い世界観と魅力的な人物設定が大好きです。
2位もこれまたマイナーですね。ハヤカワ文庫から出ているユーモアファンタジーです。
特に最初の3巻、類を見ないほど秀逸な面白さです。
3位の『指輪物語』は、お話そのものよりも、作者のトールキン氏が並々ならぬ言語ヲタクであるが故に生み出された完璧な言語を愛しています。
驚くべきことに、指輪に書いてあった文字もそうですが、氏は物語中に断片的に現れる言語と文字を創造したのです。文法書も書いています。
4位の『ゲド』は一人の大魔法使いのドラマチックな人生が綴られたものですが、もっとも魅力的なのはゲドの最盛期ではなく、年老いて自分の力に自信が持てなくなっちゃってからのゲドです(出たオヤジキラー)。
6位のナルニアは、聖書をモチーフにした奥深いストーリーが楽しめます。
映画を見るとライオンの王アスランがキリストになぞらえられていることがわかります。
シリーズを年代順に読むと、もっと分かりやすいですね。

で、ハリーポッターの面白さは、ほかの作品とはちょっと違います。
なぜならハリーポッターは漫画だからです。
字で書いてあっても、ストーリーの展開の仕方、たくさんのフォントを利用するなど読みやすくするための工夫、読後感まで、漫画と全く一緒です。
「テレビゲームに夢中だった子供に活字を読ませた」ともてはやされたりもしましたが、そう考えるとごく自然なことだったのですね。
だから、本嫌いの人も、あの分厚さに引かないで一度は読んでみた方が良いと思います。

よく考えたら同じような「活字漫画」の感触を昔一度感じたことがありました。
シドニー・シェルダンの『ゲームの達人』です。
当時私は小学校の高学年だったはずですが、大人向けの本なのにたいへん読みやすく、どんどん次が読みたくなったのを覚えています。

今のところハリポタ以外にこの独特の「活字漫画」の感触を覚えたファンタジー本に出会ったことがありません。
だから、もしかするとハリポタはほかのファンタジーと同列に論じるべきではないのかも...。
いずれにしても、ハリポタが面白いことは確かなので、今夜は前作「不死鳥の騎士団」を読んでハーマイオニーよろしく予習復習につとめます。

銀ちゃんねる!

2006-05-09 23:58:31 | ぼくはこんな本を読んできた
今日はハワイ語のレッスンに行く前に本屋さんで『銀魂』のキャラクターブックを入手しました。

銀魂とは...ご存じない方もこのブログのせいで名前だけは覚えていらっしゃるかもしれませんが...私が唯一無二といっていいほど愛している漫画です。

私は漫画はめったに愛しません(アニメはたまに愛しますが)。
そんな私がこの漫画に限って溺愛しているのは、ひとえにセリフ回しの絶妙さゆえです。
私たちは普段、書き言葉とは明らかに違う言葉でしゃべっているわけですが、いざこれを文章にしようとするとこれが意外と難しい。
それなのに、作者の空知英秋先生がこの作品の登場人物にしゃべらせるセリフときたら、まるで本当の会話の如くリアル。
どのくらい的確かって、チョーサーの『カンタベリー物語』なみの妙技です。

そもそもこれを読む気になったのは、大好きな新選組が出てくるためでした。
(作品では「真選組」となってますが)
新選組といっても普段は浅田次郎氏の『壬生義士伝』のような正道をいくタイプだったのに、なぜか明らかに大河ドラマに便乗したようなこの漫画に興味を示し、読んでみたらそのセリフ回しの妙技にすっかり惚れてしまったのです。

「真選組」のメンバーも多分全員本物のパクリです。
組織図を見たら、私の一番好きな斉藤一(はじめ)さんは「斉藤終」にされてます(笑)。
漫画でも、おもに登場するのは近藤さんと土方さんと沖田さん(のパクリ)。
しかし近藤さんはストーカー、土方さんはマヨラーで沖田さんにいたってはサボリ魔。
新選組ファンが聞いたら御用改めしたくなる過激なキャラ設定ですが、みんななかなかどうして魅力的。
特に私のお気に入りは、ストーカーゴリラの近藤さんです。
いや、けっこう侠気があってカッコいいんですってば!!

なおこの『銀魂』、空知先生によればなぜか主婦層に人気なのだとか。
よろしければ、火曜夜7時からのアニメ放送からお始めになってはいかがでしょうか。

たまには本の話でも

2006-02-02 03:37:02 | ぼくはこんな本を読んできた
「大学も終わったことだし、今度は何を読もうかな」と期待を膨らませつつ、私が普段読んでいる本をちょこっとずつご紹介してみます。

今日お話しするのは小野 不由美『十二国記』です。

もう好きでたまらず繰り返し読んでいる作品です。
いわば中国風の異世界ファンタジー。ですから、名詞や政治制度などは歴史の中国史が苦手だった私にとって不馴れだったはずなのですが、あまりの面白さに抵抗は全くなかったですね。

その世界には十二の国があり、各国を麒麟(首が長くない方ですよ)によって選ばれた王が統治します。
王には不老の命が与えられ、名君は何百年も生き続けて国を栄えさせますが、道を誤った王は倒れ、王を失った国は荒廃の一途をたどるのです。
ほかにもこの世界と私達の世界との関係や、麒麟の性質、王に選ばれるための儀式など、かなり細かい設定がされており、しかもそれらが物語の中でしっかり活かされています。

物語は日本の女子高生・陽子がある日突然この世界に連れてこられる所から始まります。冒頭の可也重い展開にくじけず読んで行くと、とんでもなく特殊なこの世界の有り様が少しずつ明らかになって行くと同時に、主人公陽子が成長、というよりもむしろ本当の自分の姿を見つけて行く過程が面白いです。
そして作者の小野さん、この過程を書くにあたってマジで逃げません。陽子の出会う人々や巻き込まれる事件は人間の汚さや酷さを露呈させます。殺生シーンもばんばん出てきます。陽子自身も、そんな世界で生き延びるためには綺麗事は通用しません。ときには盗みを働き、敵を殺めてでも自分の命を護らねばならない状況に置かれるわけです。

しかし、そんな過程を経たからこそ陽子は最終的にすごく魅力的な人物になり、信頼できる人々とも出会います。
で、登場当初とはほぼ別人格になります。なんたって喋り方からして変わります。最初はいまどきのお嬢さんには珍しい程めめしい女言葉で喋っていたのですが、どうもそれは彼女の本質ではなかったらしく、フト気付くとかなり男の子っぽいいさましい口調に変わっているんです。
こっちの方が彼女の性格に合ってて素敵なんですけどね。

とはいえ、シリーズを通じて陽子が主人公かと思いきやそうではありません。様々な国が舞台となり、そのたびに主人公も代わりながら、徐々にこの世界の全貌が眺め渡せるようになっていきます。
(そして読み進むほどに伏線の多さにクラクラします。いや~、これに比べるとハリポタの伏線を伏線と呼んで良いものか悩むほど。小野さん、いったいどこまで考えてあったんだ!?)

登場人物もみな非常に魅力的。
とくに王様ですね。どの国の王も、さすが選ばれた人ってだけのことはあると思わせる優れた人物ばかりなのですが、その優れ方が王様によってえらくちがうのです。
それでも私が一番愛しているのは延王尚隆様ですが。(たぶん一読されれば、なぜに愛しているのかおわかりいただけるはず。見た目が若いのが難点ですが、もう500年も王様やってるので年齢の点では問題なし)


ただ、この作品の問題は、2001年に刊行された短編集『華胥の幽夢』を最後に、続刊が出されていないこと...
嗚呼、まだ解明されてない謎や知らない国がいくつもあるのに!!折角N●Kがアニメ化したのにい~~!!

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