...といってもオズの魔法使いとは何の関係もありません(って、この断りが通じるあなたは既にかなり同好の士ですね)。
昨日辺りから荻原規子さんの『西の善き魔女』シリーズを片端から手に取っています。
イベントが終わって少し時間に余裕ができると、活字中毒が頭をもたげるのですね。
異世界を舞台にした作品を得意とする荻原さんの中でも、このシリーズは特に異色です。
これ、世にも珍しい王道ファンタジーの皮を被ったSFなのです。
十五になったヒロインが生まれて初めてお城の舞踏会に出かける幕開けは眩しいくらいベタなファンタジーです。
そして物語のかなり前半で明かされる、じつはヒロインが王女の娘であり女王継承権を持ちうるという衝撃の展開も、いってみればそうとうベタ。
これが物語終盤でいきなりこてこてのSFに変身するのですから、ある意味アガサ・クリスティの『ステロイド殺し』より凄まじいどんでん返しです。
ちなみに冒頭のシーンを指して「女の子なら誰でもドキドキするような」と書いてあったけど、そりゃあ女の子の買いかぶり過ぎってもんです。
少なくとも私ゃ、こういうお伽噺が大好きな幼児だったくせに舞踏会に出かけることにもお姫さまにも憧れはなかったぞ(笑)。
まあ私の変態的嗜好はさておいて、実はお姫さまであったところのヒロイン・フィリエル(おお、名前もベタ!!)はたいへん意志が強く行動的な少女です。
私は行動力のある女の子が大好き(いやもちろん女の人でも男の子でもいいんだが)。しかし、フィリエルにはひとつとても困ったことがあります。
それは行動力の動機が筒井筒の少年てことです(笑)。
フィリエルときたらせっかく強い意志と行動力を持ち合わせているのに、それが発揮されるのは常に恋愛方面、つまりその筒井筒の少年をひたすら追いかけて一緒にいるためなのです。
あああ、いかん。お姉さんはそれでは共感できないのだよ。
その点フィリエルの政敵のレアンドラ・チェバイアット様は、ただ純粋に女王の座を手に入れるために合法・非合法の別なく策を弄するところ、非常に私好みです。
動機としてたいへん正しい。まあ、動機っつーのはあくまでも主観のものだから正誤はないんだけど、私は断然こちらに共感します。
だから『西の善き魔女』を読んでいると、私はどうしても敵役のレアンドラ様の方にうっとりしながら読んでしまい、ヒロインの活躍を素直に喜べないことさえあります。
『王家の紋章』の真の主人公キャロルよりアイシス様に憧れてしまうのと同じ現象ですな。
レアンドラ様もアイシス様もヒロインに殺意すら抱いているありさまなので、あまり彼女たちが思いどおりになってしまうと物語の展開上まずいのですが、物語に支障がない程度に活躍してほしいなあと複雑な心境で読んでいるのです。
そもそも彼女たちは「様」づけでヒロインは呼び捨てって時点でなあ(笑)。
昨日辺りから荻原規子さんの『西の善き魔女』シリーズを片端から手に取っています。
イベントが終わって少し時間に余裕ができると、活字中毒が頭をもたげるのですね。
異世界を舞台にした作品を得意とする荻原さんの中でも、このシリーズは特に異色です。
これ、世にも珍しい王道ファンタジーの皮を被ったSFなのです。
十五になったヒロインが生まれて初めてお城の舞踏会に出かける幕開けは眩しいくらいベタなファンタジーです。
そして物語のかなり前半で明かされる、じつはヒロインが王女の娘であり女王継承権を持ちうるという衝撃の展開も、いってみればそうとうベタ。
これが物語終盤でいきなりこてこてのSFに変身するのですから、ある意味アガサ・クリスティの『ステロイド殺し』より凄まじいどんでん返しです。
ちなみに冒頭のシーンを指して「女の子なら誰でもドキドキするような」と書いてあったけど、そりゃあ女の子の買いかぶり過ぎってもんです。
少なくとも私ゃ、こういうお伽噺が大好きな幼児だったくせに舞踏会に出かけることにもお姫さまにも憧れはなかったぞ(笑)。
まあ私の変態的嗜好はさておいて、実はお姫さまであったところのヒロイン・フィリエル(おお、名前もベタ!!)はたいへん意志が強く行動的な少女です。
私は行動力のある女の子が大好き(いやもちろん女の人でも男の子でもいいんだが)。しかし、フィリエルにはひとつとても困ったことがあります。
それは行動力の動機が筒井筒の少年てことです(笑)。
フィリエルときたらせっかく強い意志と行動力を持ち合わせているのに、それが発揮されるのは常に恋愛方面、つまりその筒井筒の少年をひたすら追いかけて一緒にいるためなのです。
あああ、いかん。お姉さんはそれでは共感できないのだよ。
その点フィリエルの政敵のレアンドラ・チェバイアット様は、ただ純粋に女王の座を手に入れるために合法・非合法の別なく策を弄するところ、非常に私好みです。
動機としてたいへん正しい。まあ、動機っつーのはあくまでも主観のものだから正誤はないんだけど、私は断然こちらに共感します。
だから『西の善き魔女』を読んでいると、私はどうしても敵役のレアンドラ様の方にうっとりしながら読んでしまい、ヒロインの活躍を素直に喜べないことさえあります。
『王家の紋章』の真の主人公キャロルよりアイシス様に憧れてしまうのと同じ現象ですな。
レアンドラ様もアイシス様もヒロインに殺意すら抱いているありさまなので、あまり彼女たちが思いどおりになってしまうと物語の展開上まずいのですが、物語に支障がない程度に活躍してほしいなあと複雑な心境で読んでいるのです。
そもそも彼女たちは「様」づけでヒロインは呼び捨てって時点でなあ(笑)。