舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

メリーモナーク2008

2008-04-15 03:12:48 | ダンス話&スタジオM
こちらがメリーモナークフェスティバル2008のプログラム表紙です。
ちなみに今年の大会公式Tシャツもこんな感じ。ちょっと日本で着るのはどうだろうというハデハデ赤でした。
うちはTシャツを着ないのでどのみち買わないけれど(笑)。

プログラムを開くと例年どおり、「歴代優勝者」の冒頭部分にわれらがルーツ「ルイス・カレイキ・フラスタジオ」あるいは「イリマ・フラスタジオ」の名を見つけることができます。
書かれている内容は毎年変わらないんだけど、いつも敬意を表してプログラムを開いたらとりあえず一番最初に確認。


ご存じない方のためにもう一度、スタジオMのフラのルーツを紐解いておきましょう。
「イリマフラスタジオ」は母マミちゃんが1970年代に所属していたオアフ島の教室で、クムフラはアンティ・ルカ&ルイス・カレイキのご姉妹です。
彼女たちはめったに踊ってくれなかったそうですが、その雲の上で舞うような優美な踊りは、今もマミちゃんの目に焼きついて離れないのだとか。

しかしそのクム、踊りが素晴らしいだけではなかったのです。
物事を深く考えないマミちゃんは当時何一つ気にしていなかったのですが、クムが亡くなってから数十年経った今もハワイの人々の間でクムや教室の名があまりにも知名度の高いことを不思議に思い、ようやくどうやらそうとうな有名教室であったことに思いいたりました。

それもそのはず、アンティ・ルイス・カレイキとは、メリーモナークを現在の競技会形式にした張本人だったのです!!!
ほかにも現在活躍する著名なクムフラが「自分の教室を立ち上げるのを援助してくれた」とアンティ・ルイスの名を挙げていたりして、有名なだけでなくかなり偉大な人物であったらしいことが分かってきました。
そういうことをちまちま調べあげるのは私の性格だな。

っつーか、おいおい知らなかったのかよマミちゃん。それで素敵な踊りだとかのたまっていたのかよ。不遜すぎやしないか。
もっとも彼女の判断基準はすべて「素敵であるか否か」に尽きるので、どれほどの権威を背負っている人物であろうと、その人の踊りが素敵でなかったら、あるいは衣装のセンスが優れていなかったら、マミちゃんの前ではどんな威光も意味をなさないのです。
逆にいえば、アンティ・ルイスの成し遂げた偉業を差し引いても、マミちゃんにとって彼女は十分に尊敬できるすばらしい踊り手であったということですね。

メリモへの旅は自分自身のルーツと再会する旅でもあります。
私が生まれた時既にクムは亡くなっていたので、イリマの断片に出会うことは私に日本育ちのイグアナがガラパゴスに里帰りしたかのような感慨をもたらします。

日本で凄まじく浸透し、独自の様相を呈しつつあるフラですが、私は日本に生まれ育ちながら踊りのルーツはいっさい日本の干渉を受けていません。
だからまるっきり「ルーツはガラパゴスなのに日本で生まれ育っちゃったイグアナ」状態(笑)。
そんなときハワイで明らかに自分と同じ流れを汲むダンサーを目の当たりにしたりすると、自分の足下にちゃんと地面があるのを確認できたかのような、言い様のない安堵感を覚えるのです。

今回も思いがけず往年のイリマフラスタジオを知る方とハワイ島でお会いできまして、彼女はぜひとも母の踊りを見たがったのですが、お見せする機会がなかったのが残念です。

ホノルルにあったイリマフラスタジオの踊りの特徴は、女性はあくまで女性らしく、無駄は上品に抑え、洗練されていて都会的です。
大地と一体化してプリミティブに踊るよりも、エレガントなドレスを身にまとい気取って踊る方が性に合っています。

ということは、実を言うと昨日フェスタmy宇都宮で披露したばっかりのあのドレス!!そう、まさにあのイメージなんですよ
あのドレスを着て踊るとそのスタイルがいっそう際立ち、なんだかみんなの立ち居振舞いまで気取った貴婦人然としてくる気がします(笑)。

そんな姿を見ると、つくづくイリマ・スタイルの流れを色濃く感じます。
なにしろクム直伝なので、スタイルの特徴を色濃く受け継いでいるのは当然といえば当然ですが(伝言ゲームと同じく、フラツリーも枝の先にいけばいくほど本来の幹からは遠くなります)。

幹も枝も紛い物ではなく、正当な幹から伸びた本物の枝であるというのは、誇るべきことであると同時に実はとても責任の重いことです。
ハワイの人ならみんな知ってる「イリマフラスタジオ」の名に恥じぬよう、枝葉の一本としてこのスタイルをきちんと守っていかなければならないと、メリモに行くたびに肝に銘じる私です。

最新の画像もっと見る