
ジェームス・コバーンの米映画"Harry in your Pocket!"(邦題:「黄金の指」)は73年9月にニューヨークで公開されました。(洪金寶主演の「提防小手」(邦題:ピックポケット!)の元ネタ作品です)
音楽はラロ・シフリンが担当。香港では勿論「提防小手」のタイトルで日本より早い1973/11に公開されました。(監督は「キラービー」のブルース・ゲラー。ストーリーはこちら。)
ジェームス・コバーンはスリの名手ハリーを演じ、ベテラン俳優ウォルター・ピジョンがケーシー役。このケーシーがまず狙いを付けます。彼のハンカチが合図となり、どこに財布を入れているのかをハリーに伝えます。そして、紅一点のサンディが”オトリ”となって、すかさずハリーが素早いスリの手口を見せます。若手のレイはハリーから財布を受け取り、最終的にケーシーに渡す流れになっています。この流れが観ている人をアッと驚かせています。
洪金寶の「提防小手」(※)では、もっと映画的に進歩したスリの手口を見せていましたが、役割はまず目付役のケーシーが劉克宣、ハリーが洪金寶、レイが陳勲奇(但しハリー役を洪金寶と交互に演じる)、サンディは彭秀霞が相当します。
「提防小手」を見ていると、実際のスリの場面をそのまま「黄金の指」から流用しているのが分かります。
例えば、エスカレーターを使った犯行やバラまいたテニスボールを拾う瞬間に狙う(スローモーションになるところまでソックリ!)ところなどは顕著に表れています。
「提防小手」におけるハンカチの合図でスタートし、サイフをスッた後に新聞紙を使ってリレーするプロットも「黄金の指」と全く同じです。
「ピックポケット!」をフジテレビの深夜に観た当時、すぐにこの「黄金の指」を思い出したのですが、香港映画にはこういった文化が以前からあって、私の好きな70年代の人物の多くもその文化を大いに取り入れているのだと思います。やはり面白さという点では、この点が大きいということを今また思い出してひとり感激しているところです。
結局、ハリーはスリに関してプロフェッショナルでしたが、やや冷酷な面が強調されていました。
しかし最後に見せる人間の持つ”優しさ”。これが賞賛に値すると思います。
※58年にも同じ「提防小手」があり、こちらはジャネット林翠が主演。
Special thanks to S.Iさん
音楽はラロ・シフリンが担当。香港では勿論「提防小手」のタイトルで日本より早い1973/11に公開されました。(監督は「キラービー」のブルース・ゲラー。ストーリーはこちら。)
ジェームス・コバーンはスリの名手ハリーを演じ、ベテラン俳優ウォルター・ピジョンがケーシー役。このケーシーがまず狙いを付けます。彼のハンカチが合図となり、どこに財布を入れているのかをハリーに伝えます。そして、紅一点のサンディが”オトリ”となって、すかさずハリーが素早いスリの手口を見せます。若手のレイはハリーから財布を受け取り、最終的にケーシーに渡す流れになっています。この流れが観ている人をアッと驚かせています。
洪金寶の「提防小手」(※)では、もっと映画的に進歩したスリの手口を見せていましたが、役割はまず目付役のケーシーが劉克宣、ハリーが洪金寶、レイが陳勲奇(但しハリー役を洪金寶と交互に演じる)、サンディは彭秀霞が相当します。
「提防小手」を見ていると、実際のスリの場面をそのまま「黄金の指」から流用しているのが分かります。
例えば、エスカレーターを使った犯行やバラまいたテニスボールを拾う瞬間に狙う(スローモーションになるところまでソックリ!)ところなどは顕著に表れています。
「提防小手」におけるハンカチの合図でスタートし、サイフをスッた後に新聞紙を使ってリレーするプロットも「黄金の指」と全く同じです。
「ピックポケット!」をフジテレビの深夜に観た当時、すぐにこの「黄金の指」を思い出したのですが、香港映画にはこういった文化が以前からあって、私の好きな70年代の人物の多くもその文化を大いに取り入れているのだと思います。やはり面白さという点では、この点が大きいということを今また思い出してひとり感激しているところです。
結局、ハリーはスリに関してプロフェッショナルでしたが、やや冷酷な面が強調されていました。
しかし最後に見せる人間の持つ”優しさ”。これが賞賛に値すると思います。
※58年にも同じ「提防小手」があり、こちらはジャネット林翠が主演。
Special thanks to S.Iさん
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