電影フリークス ~映画のブログ~

電影とは、映画のこと。その映画を一緒に楽しみましょう。

クレージーモンキー笑拳

2012-07-06 00:00:00 | 劇場公開作品研究

「Mr.BOO!」に代表されるコメディ映画も昔の香港映画の特色でもあったと思いますが、79年香港で大ヒットしたのはコメディ映画「ザ・ポップマン」を抑えて(注1)、第1位に輝いた「クレージーモンキー笑拳」(原題:『笑拳怪招』)でしたね。
でも、香港で1位になったからといってやはりそのまま日本に持ってきても映画会社は受けはしないと踏んだのですね。

日本での劇場版(80年4月公開)だと広東語でしたけど、アニメーションが挿入されていたり、主題歌を流してみたりと、日本のアレンジを日本人向けに思いっきり入れ込んだ、逆に言うと日本人にしか見れないバージョン、日本人にしか楽しめないモノになってしまっていたかも知れませんね。
 劇場版

当時の人気を調べてみると(注2)あまり順位はよくなかったようで、テレビで昔、何度か放送されたのに笑拳があまり支持されないのって、(でも、いまだに日本で「酔拳」に絶大な人気があるのは、やはり”酒”。酔っ払いの拳法が凄いと思ってしまう。)喜怒哀楽の拳法なんてどこかつかみ所が無くって中途半端で、感情よりも人間の状態(眠っている、死んでいる、酔っている、狂っている(病気)・・・etc)を表す方が面白いってこともあるんじゃないかと思うのですね。

小説読んでたら八足麒麟は足技が早くて八本に見えるから八本足とか書いてありました。キリンじゃなくてタコみたいですね(笑。

 

字幕は山崎剛太郎氏。
CRAZY MONKEYなのだ~

上の画像の鉄の爪・任。この任を”エン”と訳したのがなんとも不思議ですが、リュウ・バチョン(笑)こと柳葉刀なんて人までしっかり字幕に刻まれてました。劇場版はスコープサイズで見れるのが利点ですけど、このVHSはあたまの方だけがそうなってたみたいでした。。そして、モンキー・パンチ先生とのコラボもここまで・・。

最近はまた日本語版(吹き替え)の良さを実感しつつ、いろいろ気になってたことを思い出したり、今まで気がつかなかった事とかを整理しながら
記憶も薄れてしまいますので、何がよかったのだろうとか、どの辺が突っ込みどころだったのだろうかなんて考えています。「笑拳」は劇場版にあったディーン・セキ(石天)の出演シーンがまるまるカットされてしまってもしあったらどうなってたのかなと思うのですが、何といってもシーフー(李昆さん)の声がバカボンのパパなんですからね(笑。(ジェームス・ティエンの声はハイジのおじいさん!!)あそこでバカボンを出されたら一溜まりもありません!

自分自身がどれだけ楽しむことができるのか、これが重要でこの日本語版を通して、アメリカ人が英語吹き替えを求めるのと同じように、日本語で聞ける楽しさ(日本的ギャグを笑う)、気楽さ(すぐに意味が分かる)、分かり易さ(全体を把握して感想を持てる)などを実感しています。

特別な思いがあるのでとりあえずジャッキー・チェン主演映画を除くと、いま現在の私の日本語版ベスト3は、
1.「モンキーフィスト猿拳」(師匠との対決の発展型。)
2.「少林寺拳道」(ニセ修行僧の活躍。)
3.「南北酔拳」(酔っ払い拳法の発展型。病拳が登場する。)
の順になるでしょうか。(一応、これはカンフー部門になりますか。)
カッコで映画を分類してみましたが、どうしてベストなのかを簡単に言うと私が日本語で頻繁に見てたという映画がそれでした。

コメディーはどうなるかなぁ??

 


注1:参考「ザ・香港ムービー下巻」「香港電影百科」
注2:「シネアルバム1981」

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7 コメント

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笑拳と台湾 (醒龍)
2020-10-13 07:42:16
夢森さん。いつもコメントありがとうございます。酔拳で花開いて、確かに笑拳で爆発しましたね。この続きが見たかったです。
この映画のロケ地はいろいろあったと思いますが、古い映画の場合、台湾が都合がよかったんですよね。
私もあの映画村は好きで過去の記事にもいろいろ書いてあったかと思います。当時のままでなくなってしまったのは残念ではありますが、映画そのものはしっかり残っていますので、ジャッキー以外でも制作本数はいっぱいありますが順番に見ていきたいと思っています。
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Unknown (夢森翔也)
2020-10-10 22:01:08
相変わらずの過去ブログへのコメントスミマセン😅笑拳はジャッキーカンフーのスタイルが爆発したカンフー映画だと思います😃因みに台湾のロケ地は僕的には気に入ってます😃台湾映画村が閉鎖したのは残念無念ですが、カンフー映画があまり製作されない昨今なので寂しい限りです😅
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ですね。 (醒龍)
2012-07-12 22:37:59
じゅの樣
私もおかしくてクスクスと笑いました~。またお願いしまーす。
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こーいうことですね!(爆) (じゅの@孟飛城)
2012-07-12 14:15:45
もらさん>

くすくす笑いが止まりませんでした…
この長文の後に自己ツッコミが入るかと思いながら読むとwww
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笑拳について (醒龍)
2012-07-09 07:35:29
もらさん。すばらしいコメントありがとうございます。
明るさがいまいち伝わらないというのは撮り方プロダクションの違いもあるでしょうね。あと台湾モノばかり見てると香港ロケが結構新鮮に見えたりして。
そうか。訛りの英文があるんですね!(なるほど、なるほど。)
あとから字幕を付けたのはいくらでもあるんですがオリジナル字幕は私も長年探してますが見つからないですね。(程のお話のように音から文字を起こしてると誤字になりますもんね)で、柳さんは名前じゃなかったんですか!これにはびっくりですよ(笑。(正式な方は確認済みです)日本語ならではのセリフになってしまいましたが面白かったやりとりでした。(オリジナル通りにするのは難しいですが。)
まだまだ当時の面白い映画もいっぱいありますね。よく見てた若かった頃のドニー・イエン「女デブゴン」も最近は見なくなってしまいました。「ピックポケット」は香港らしくて好きですね~。また笑いを求めてコメディーを楽しみたいと思います。
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でた、こういうことかwwww (もら)
2012-07-06 15:51:25
翟=曜の日がないやつ!ww
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Unknown (もら)
2012-07-06 15:48:19
拳法の種類の影響がどれだけあるかわかりませんが、
なんか酔拳、蛇拳に比べて殺伐とした印象を受けるんですよね。
お笑いは沢山入れてるんだけど、なんか二作に比べて底抜けな明るさがないというか…
あとロケ地が全編台湾(韓国部分は全面カットし『醒拳』に活用)というも
雰囲気の違いを出してますね。

拳法と言えば、程鵬飛※1が興隆に伝える武術は「形意門(形意拳)」※2だけど、
だけど歩法練習は洪家拳のものだし、
八本脚に教わる秘伝「鉄線拳※3」も洪家拳の型で、もうデタラメww。
もちろんアクションそのものは完全にジャッキーオリジナルなのは当然ですが、
本当の意味で当時の集大成でしたね。

「任」が「エン」になるのは、任世官の英語表記「YEN SI KUAN」から取ったのでしょう。
でも「イェン」では読みにくいから「エン」にしたのではないかと。
ちなみにこの「YEN SI KUAN」というスペルは「広東語訛りの北京語表記」
とでも言える物で、かなり適当なスペリングですw。

あと「バッカッチョン」もとい「リュウ・バッチョン」こと「柳葉刀」さんですが、
「柳葉刀」は彼が持っている武器の名前ですww。
あの刀は日本ではいわゆる「青龍刀」と呼ばれてますが、
「柳葉刀」と呼ぶのが正しいのです。
本来「青龍刀」は全く別の武器(正式には「青龍堰月刀」)で、
関羽が使ってたとされる(ので「関刀」とも呼ばれる)、柄が長くて重い刀のことです。

で肝心の「ンッギッチョン」さんの名前ですが、「翟仲(ザック・ジョン)」さんです。
恐らく山崎氏が、中文字幕の「柳葉刀翟仲」というフレーズのうち、
「柳葉刀」を名前と勘違いしたのでしょう。

なので、字幕では「野郎め!」「野郎めだと!?」、
吹替えでは「リュウバッチョンという者だ!」「んん?バッカッチョン?」
となっているやりとりは、原語では、
「俺は柳葉刀の翟仲(ザック・ジョン)だ」「何?雑種(ザップ・ジョン)?」と、
音の近い「雑種」という言葉でからかっているのです。

日本語吹替えベスト、「南北酔拳」いいですな。
信義くんがかわいそうですが…(:_;)

ぼくは、民初以前の功夫片では『女デブゴン強烈なんちゃら(ドラゴン酔太極拳)』、
(てこれもコメディーかww)ですが(ていうかこれでも信義くんかわいそだった(:_;))
現代劇でコメディーでよければ、ぼくはダントツ『ピック・ポケット!』ですなww。


※1
中文字幕でも「陳鵬飛」となっていますが、これを広東語で読むと「チャン・パンフェイ」、
でも実際の広東語発音は明らかに「チェン」と言っており、
これに相当する苗字は恐らく「程」で間違いないと思います。
しかし北京語では「陳」と「程」はほとんど同じ発音なので、
北京語版音声を中文字幕に起こす際に、間違って起こされたのでは、と推測します。
できれば上映当時のオリジナル中文字幕も見てみたいですが…

※2
「行意門」と「形意門」は北京語発音「シンイーメン」で全く同じ。
でもそれを読み変え、もう一つの読み方である「ハンイーメン」と名乗ってます。
広東語だと「形意門」=「イェンイームン」、「行意門」=「ハンイームン」or「ホンイームン」
で、全くつじつまがあわないですねw。

※3
本物の「鉄線拳」ショーブラ系の映画の中でも見ることができますが、
これが一番笑えますwww
http://www.youtube.com/watch?v=CYUp-pPp42g
(この動画ではわかりにくいですが後の女の子思わず笑っちゃってますww)


自分とこのブログで書けってぐらい長文になってしまいましたwwサーセンwww
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