デンマークの首都、コペンハーゲンがあるシェラン島の北部に建つお城を幾つか廻りました。
最初のクロンボー城までは、シェラン島東部のオーレスン海峡沿いをバスで北上し、その途中ホムルベックという所に立ち寄りました。その昔、この辺りは小さな漁村で、当時の漁民の茅葺屋根の家が、今も何軒も残っています。どの家も百年以上は優に経っているそうですが、とてもその様には見えず、よく手入れが行き届き、周りもキレイに整備され、可愛らしい家並みでした。
クロンボー城はシェラン島北部にあり、元々は15世紀にエリック7世王が通行税徴収の為に建て、シェクスピアの「ハムレット」の舞台ともなったお城です。お城からオーレスン海峡をはさんで、対岸のスウェーデンまで5kmという近さで、お城の庭から対岸のスウェーデンの町がみえました。私達のバスの運転手さんは、ここを泳いで渡った事があると言っておられました。隣国とのこの近さ故か、過去に幾度かの戦争を経て、1924年にこのお城は現在の姿に改修されたのだそうです。
お城の内堀には白鳥の雛が育っていました(^-^)
クロンボー城の約10km程南西にある、フリーデンスボー宮殿にも立ち寄りました。フリーデンスボーとはデンマーク語で「平和」という意味なのだそうです。以前、日本の皇太子殿下も、デンマークの皇太子様の結婚祝賀行事出席の為に、ここに来られたのだとか。このお城は現在は王室の夏の別荘として使われているそうです。
フリーデンスボー宮殿の南西6~7kmにフレデリクスボー城があります。
ガイドブックによると、【クリスチャン4世は父から受け継いだこのお城を、1560年から60年の年月をかけてルネッサンス様式の壮麗なお城に修復したが、1859年に大火にあい、お城の大部分は失われた。民主憲法のもとで王室は既に経済力を失っていたが、ビール王、J・Cヤコブセン の援助で再建され、完成後は国立歴史博物館として、デンマークの歴史を物語る装飾品、絵画、宝物などが展示されている】となっています。
このお城へは、お城を囲む湖の対岸に作られたバロック式庭園がある方から、入城しました。
そして1859年の大火の際に焼失をまぬがれた、礼拝堂を中心に見て廻りました。礼拝堂内部はすべて当時のもので、天井の装飾は素晴らしかったです。私達が見学した時、二階席(?)中央にある1610年製パイプオルガンが開けられていて、観光客が次々に通り過ぎる中、オルガニストが当時の音色を奏でていました。
又、礼拝堂内には銀箔で覆われた見事な黒檀製の説教壇などもありました。
謁見の間にはデンマークで初めて用いられたエレベーター(人力)がありました。
フレデリクスボー城で見学した部屋は、すべてが当時のオリジナルというわけではなく、後に再建された部分も多かったのですが、それでも煌びやかに装飾された壮麗な部屋々々を見ていると、当時の王達の栄華を極めた様子が偲ばれ、興味深いものでした。