デンマークのコペンハーゲンからノルウェーのオスロまでは大型フェリーでの移動でした。
船が音もなく静かにオスロ港付近に近づくと、少し霧がかかった美しい森とその中に点在する赤い屋根に白い壁の家々(別荘?)が見えてきました。ガイドさんによると首都オスロは外海から100km程奥まったフィヨルドの奥の部分に位置するそうで、船で港に到着すると、これが首都かと感じる程、緑が多くて静かな街です。
街の中心部から少し離れたバイキング博物館やフログネル公園(ヴィーゲラン公園)を見学した後、中心部に戻り、市庁舎、国会議事堂、王宮、国立美術館などを駆け足で見て廻りました。
バイキング博物館に入ると、パッと目に入って来るのがオーセバルグ船です。この船は800年代から約50年間使われた女王の船で、女王の死後遺体とともに埋葬され1904年に発掘されたのだそうです。
他にも900年代に使われた喫水線が低い船や、当時の道具などが展示されていました。
とても1000年以上前の船とは思えない造形美ですよね~。その優美な形に驚きました!優美だけれど、ひ弱な船の様な気もしますが、19世紀終わり近くに、これらの船を真似た船で、実際に大西洋を横断しカナダまで到達したのだそうです。バイキング達は、この様な船で外洋に乗り出していたんですね~。
フログネル公園は彫刻家ヴィーゲランの作品が置かれた彫刻公園で、老若男女の喜怒哀楽を表現した200点もの彫刻があるそうです。彫刻のテーマは「人の一生」だそうで、なるほどと思いました。又園内には菩提樹の並木道があり、濃い葉陰が素敵な散歩道を作っていました。
オスロ市庁舎はオスロ港近くにありました。1Fの大広間に入るとまず目に入って来るのが、正面のヨーロッパ最大とも言われている絵画で、ノルウェーの生活、文化が描かれています。
そして毎年12月10日にこの大広間でノーベル平和賞の授与式が行われるのだそうです。授与式を描いた絵が額装して飾られていたので、パチリして来ました。
オスロのメイン通りはカール・ヨハン通りで、王宮からオスロ中央駅までまっすぐ延びています。国会議事堂もこのメイン通り沿いにあり、国会議事堂前からオスロ大聖堂前までの通りは歩行者天国になっています。
オスロを訪れる観光客の多くが必ず行くのが、ムンクの代表作、『叫び』が展示されている国立美術館のようです。美術館は王宮近くにあり、『叫び』のほか、ゴーギャン、ピカソなど著名な画家の絵が数多く展示されていました。館内はフラッシュ撮影以外は可でしたが、『叫び』だけは撮影厳禁でした。
一日の観光が終わりホテルで一息入れた後、夕方の自由時間に孫達へのお土産のセーターを買おうと、夫とカール・ヨハン通りをのんびり散策していました。その時、フッと、日暮れが日本よりだいぶ遅いのに気付き、「あぁ~、今、北欧にいるんだぁ~」としみじみとした気持になりました。
今回の旅行で訪ねるまで、自分の中でオスロの街のイメージがありませんでしたが、オスロはとても静かで落ち着いた雰囲気の街で、高層の建物はなく、緑あふれる自然と、博物館や美術館などの施設が調和する美しい文化都市(人口56万人)でした。