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俳人杉田久女(考)、旅行記&つれづれ記、お出かけ記など。

『終戦のエンペラー』

2013年07月29日 | お出かけ

友人と「TOHOシネマズ天神」で『終戦のエンペラー』を見て参りました。この映画はハリウッド映画でタイトルのエンペラーは昭和天皇を指しています。
 


『終戦のエンペラー』の日本での封切りは7月27日ですが、興行的にみて8月15日の終戦の日に近い、この時期の封切がベストとなったのでしょうね、おそらく。観客は私達位かそれより上の人が多く、若い人は少なかったですね~。ある意味、当然かもしれませんが。

教科書に載っていたので(今はどうなのでしょうか)、私達の世代なら誰でも知っている、モーニング姿の昭和天皇とマッカーサー元帥が並んで写った写真、あの敗戦の混乱の時代を、歴史をベースにフィクションを織り込みながら丁寧に描いた日米合作映画です。

日本の降伏により太平洋戦争が終わり、連合国軍最高司令官としてマッカーサーが厚木の飛行場に降り立ちます。彼の日本での最初の仕事が戦犯の特定で、特にアメリカ政府は昭和天皇を戦犯として裁きたいという意向のようでした。マッカーサーはその調査を部下のフェラーズ准将に命令します。

フェラーズ准将は日本をよく知るアメリカ人で、どのようにして日本が開戦に向かったのか、その責任は誰にあるのかを探り始めます。フェラーズは近衛元首相、木戸幸一内大臣、関屋宮内次官や軍部の高官たちを訪ね、天皇の役割などを調査しますが、誰もが昭和天皇が裁判で裁かれる事がない様に、
慎重な物言いに終始します。それらの人々とフェラーズとの静けさに満ちた会話が印象的です。この辺りの描き方はとてもハリウッド映画だとは思えません。

この映画では昭和天皇が開戦に果たした役割は、はっきりとは描かれていませんが、終戦を決断したのは昭和天皇となっています。そして映画の中でのセリフとしてマッカーサー元帥に昭和天皇が「この戦争の責任はすべて私にあるので、私を罰して、国を罰しないでほしい」と述べ、この態度に感銘を受けたマッカーサー元帥が昭和天皇を裁判には掛けず、国の象徴としての地位を維持すべしとの結論に到ったという事になっています。

マッカーサーが厚木の飛行場に降り立ってから、あの写真のマッカーサー元帥と昭和天皇との終戦直後の会見までの非常に短い間の出来事を映画にしたもので、私達より上の世代なら、引き込まれる内容のように思いました。それだけではストーリーがあまりにも重苦しいので、フィクションとしてフェラーズ准将と日本女性とのラブロマンスを織り込み、甘さもチョッピリ加えてありましたが。

私の個人的な思いは、太平洋戦争での敗戦の為、昭和天皇は歴代天皇とはまったく違ったご苦労をされたとは思いますが、天皇の御名のもとに、あのように多くの人々が亡くなられた事を思うと、たとえアメリカ政府から象徴天皇のままでよいといわれたとしても、昭和天皇ご自身でけじめをつけられ、戦後は退位されるべきだったのではと思います。たとえ形式だけのものであったとしても、統帥権は昭和天皇がお持ちだったのですから。

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