私は新聞のスクラップも趣味の一つなので購読している産経新聞の中で最近気に入った2篇を載せたいと思います
ビブリオエッセー
感じた思いやりと寂しさ 大阪府 井村丕さん(78)
新装版 「詩集おかあさん」
サトウハチロー(講談社文庫)
図書館で見た光景が忘れられない。 本を探して書棚を行ったり来たりしていると、
棚の隅で母子と思われるお二人が目の入った。
まことに勝手な想像だが母と思しきご婦人はかなりのご高齢で90歳前後だろうか。
娘さんは多分、60代後半か。
母は車いすに乗り、姿勢は前屈みで体も小さくなっておられた。
娘さんはみんなの邪魔にならないような小さな声で本を読み聞かせていたのだ。
母は時々、納得したり感動したりするのか、うなずいていた。
そのうち寝息も聞こえたが娘さんは気にせず読み続けた。
すぐ目覚めた母は顔を近づけ、また聞き始める。
その様子がほほえましく、思いやりと、年齢を重ねる寂しさを感じた。
私も亡き母の姿を脳裏に思い浮かべながら、
「そうだ!」と愛読したサトウハチローの詩集を取りだした。
「ちいさい母のうた」「おかあさんの匂い」「母という字をごらんなさい」・・・。
読みながら胸が熱くなる。
一方、そんなハチローの詩を妹の作家、佐藤愛子さんはあるエッセーでこう書いた。
「とんでもない不良で、本当にどうしようも」ない男」だった兄の「おかあさんのうた」は有名になったが、
「センチメンタルな言葉を並べればそれでいいと思っているのか」と若気の至りで思ったそうだ。
「けれども、彼が作った詩の中で一つだけ、ああ、この詩はいいなあと思った詩がある」と挙げたのが次の詩だ。
「おかあさんはわたしを生んだの/それから/わたしをそだてたの/
それから/わたしをたのしみにしてたの/それから/わたしのために泣いたの
それから/あとはいえないの」
佐藤さんは「あ、これはハチローの本当の心が出ている」と書く。
長生きしてわかってきたという。
この言葉にも胸うたれた。
私はハチローさんの詩に感動、妹さんの佐藤愛子さんの言葉に感動、
そしてこの投稿者の優しい気持ちに感動して涙が止まりませんでした
「おばさん構文」ガラケーの名残
長い ☺ 絵文字だらけネ~
SNSは短文 世代ギャップ
LINEをはじめとする交流サイト(SNS)での中高年男性特有の言い回しを揶揄する「おじさん構文」に続き、
今度は「おばさん構文」がSNSで話題となっている。
共通するのは長文で話題であることに加え、絵文字や顔文字を多用する点。
違和感を覚える若者が多いとされる。
専門家は親しんできたコミュニケーションツールの違いがあると分析する。
「おじさん」に加え「おばさん」まで波及する世代間ギャップ。溝は埋まるか。
聞かれもしない近況をかたり、女性に対して名前をチャン付け、冗談めかしつつ遠回しにした心をのぞかせる・・・。
中高年のSNS言葉を揶揄(やゆ)する対象としてまずあげられたのが「おじさん構文」だ。
一方、最近話題の「おばさん構文」は、中高年の女性がSNSで使いがちな言い回しとされる。
語尾に「~だわ」「~よん」のくだけた表現や「しマス」とカタカナを多用。
また「よろしくねぇ」「ぁりがとう」とあ行」にたびたび小文字を使う。
共通するのは、長文で読点が多い事に加え、絵文字や顔文字をくどいほど使う点だ。
ITジャーナリストで成蹊大学客員教授の高橋暁子さんは、メールに長く親しんできた中高年と
SNSの時代に育った若者との間の、コミュニケーションツールの違いが背景にあると指摘する。
リアルタイムでコミュニケーションするSNSは相手を待たせない様に短く、一言でやり取りを済ませるのが主流。
一方メールは通常、1通で用件を完結させる。
そのため文章が長くなり、読みやすくするために読点が多くなる傾向がある。
また、ガラケーと呼ばれる従来型の携帯電話の時代の登場した絵文字や顔文字は中高年にとって
相手への気配りの印であり、こうした流儀をSNSに特に持ち込んだのが「おじさん、おばさん構文」になる要因だという。
ただ、過剰にくだけた言い回しや絵文字は若者からすれば媚と映り、違和感、ひいては嫌悪感につながってしまう。
高橋さんは、中高年には若者との距離感を見極める力が必要だと指摘。
その上で無理に媚びる必要はないとする。
一方、若者に対しては「おじさん、おばさん構文が気遣いの気持ちから生まれていることを理解し、
温かい目で受け止めてほしい」と訴えている。(村田幸子)
揶揄の意味=対象をからかって面白おかしく扱うこと。
現代では世情を風刺する意味合いで多く用いられる
『「おばさん構文」ガラケーの名残り』を面白く拝見。本当にそうだわと納得しました。
おまけ
たまにはグランドゴルフ仲間の訪問も有ります
グランドゴルフ近くの木
柿とレーズンの煮たのを頂きました