探偵法間(のりま) ごますり事件簿 価格:¥ 1,680(税込) 発売日:2012-07-18 |
今日読み終わった本は東直己『探偵法間 ごますり事件簿』
一作目の没頭を読んだ時は
主人公がゴマスリなので、あまり感情移入出来ずに
面白くなかったんだけど
まぁ、感情移入するばかりが本を読む楽しさではない。
自分とは価値観など違う人が居るんだ、などと若干距離を
おいた感じで読むのである。
読み進んでいくと
『ゴマスリ』というのはいろいろな知識がなくては
巧く行かないものだと思った。主人公は博識なのだ。
会社には『ゴマスリ』みたいな奴が居た。
全然、会社の役に立っていないのに
ゴマスリだけで偉くなったようなものだ。
だが化けの皮が剥がれて、惨めに会社を去った。
立場的には送別会だとかやるはずなのに
あまりの人望の無さに、誰も辞めるのを残念がらなかった。
私は早くから化けの皮が見えていたので
遅すぎると思ったくらいである。
ゴマスリだって上手にばれないように気を使えばいいのに
底が浅いから、目の前の利益だけをもとめ
立場が低い人間にはいい加減な事しか言わなかった。
ああはなりたくないなぁって思った。
そこへ行くとこの本の主人公は分け隔てなく
ゴマスリをして、気持ちよくするのである。
ゴマスリとは言っても嘘は言わないわけで
誉め上手なのである。
誉め上手は良いよね。
誰だって誉めてもらえると嬉しい。
多分、誉められれば伸びるタイプの人がほとんどだ。