楽して儲かる話は無い

稀な人というか犯罪を犯した人を思い出してみた。
昔は家まで御用聞きと言ってサザエさんのサブちゃんみたいな仕事があったのだが
その御用聞きは感じの良い人だったんだけど
ある日を境に見かけなくなった。
どうやら、寸借詐欺という事ですこしずつ客からお金を借りて
ある日、トンずらしたのである。
うちは幾らの損害をしたのかは判らないけど
何が原因だったのかなって今思う。
今頃、どういう生活をおくっているのだろうか？
顔も名前も忘れてしまったから、今あっても判らないけど
私には『寸借詐欺はしないぞ！』って教えてくれた事件だった。

次に記憶があるのは左官屋である。
調子のよいおっちゃんという感じで
良くうちにお酒を持ってやってきたような記憶がある。
この人、あるいは一家もある日を境にトンずらをした
貧乏なうちから、かなりの大金を借りて
まぁ、他の仕事仲間からも、すぐ返すような事を言って
借りて、夜逃げのように居なくなったのだ。
お金を貸してしまった母はだいぶ長い間、落ち込んでいた。
結局、見つからないままで終わってしまったわけであるが
貧乏な我が家を騙したものである。
逆に貧乏だった我が家は貧乏に慣れていたせいか
貧乏が続いたという事だけだった。
『人を信用し過ぎてはいけない』って教えた事件だ。

まぁ犯罪という事ではないけど
ネズミ講に色々な人から誘われたけど
ひっかからなかったのは、こういう人のお陰で
『楽して儲かる話は無い』って身に付いたのである。