![]() | 半島を出よ (上)幻冬舎このアイテムの詳細を見る |
![]() | 半島を出よ (下)幻冬舎このアイテムの詳細を見る |
上下巻合わせて926ページ、大変なボリュームでした。
近未来小説ってやつですが、舞台は2011年の福岡です。
日本経済は崩壊していた。国債が下落し海外からの資金は引き揚げ、政府は銀行預金の引き出しを制限した。インフレで物価が高騰し、失業者・ホームレスが増え続けていた。
米国は日本に見切りを付けて中国に接近しており、中韓朝の関係は良好だった。
北朝鮮では軍の強硬派が南北統一に向けての障害になっていた。
この強硬派を反乱軍と云う名目で福岡へ送り込み九州を日本から切り離し、九州を独立国家とすることを企み高麗遠征軍を名乗らせた特殊部隊先遣隊の9名が福岡ドームを占拠し、2時間後に500名、9日後には12万人が福岡に押し寄せてくる。
北朝鮮の計画は失敗しても反乱軍が遣ったことなので北朝鮮の責任にはならず、南北統一の障害になっている軍強硬派を粛清出来るという損の無い計画なのだ。
対する日本は初期の段階で福岡ドームでの特殊部隊9名を攻撃できず、後続500名の高麗遠征軍侵入を許してしまう。
福岡市民を人質にとられた政府は、対策のない儘12万人の上陸の日を向かえてしまう。
少数を犠牲にしてでも多数を救う事が国家としての責任ではないのか、責任逃れの為に結論を先延ばしにする事が結果として大きな損失になってしまうと作家は言いたいのでしょう。
作者のメッセージが詰まっている箇所が沢山あって諄くて疲れるが、後半の展開はスリリングでスピーディー、映画を観ているような感覚で楽しめました。
ブログランキングに参加中、気に入ったらクリックお願いします。
![](http://blog.with2.net/img/banner_04.gif)