NEST OF BLUESMANIA

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音曲日誌「一日一曲」#89 エイモス・ミルバーン「Chicken Shack Boogie」(Chicken Shack Boogie Man/Proper)

2023-06-29 05:04:00 | Weblog
2009年8月30日(日)

#89 エイモス・ミルバーン「Chicken Shack Boogie」(Chicken Shack Boogie Man/Proper)





ピアニスト/シンガー、エイモス・ミルバーンの代表的ヒットを。ローラ・アン・カラムとミルバーンの共作。

エイモス・ミルバーンは1927年、テキサス州ヒューストン生まれ。80年、52才で同じくヒューストンにて亡くなっている。

テキサス出身ながら、おもに西海岸で活躍。10代末にアラジンにて初録音、後にはキング、モータウンほかでも録音しているが、彼の全盛期はやはり、アラジン在籍時だろう。

アラジン時代(1946~57)、20代のミルバーンの人気はホント、すごかった。ビルボードR&Bチャートにたて続けにヒットを送りこみ、ナンバーワンを、4曲もモノにしている。

今でこそ、彼の名前はマニアしか知らないものになってしまったが、当時は黒人音楽界のスーパースターだったんである。

ナンバーワン・ヒットのひとつが、この「Chicken Shack Boogie」。アルバム・タイトルが示すように、彼の代名詞とすらいえるビッグ・ヒットだった。

まずは、聴いてみよう。軽快でドライブ感にあふれたブギ・ビートに乗せて、どこかとぼけた味わいのあるミルバーンのボーカル(歌というより、ほとんど語りですな、この曲の場合)、そして玉を転がすような流麗なピアノ・プレイが楽しめる。

バック陣の演奏も、実に達者だ。ソリッドなギター、ノリノリのベース&ドラム。これぞブギウギ!といいたくなる。

いつも満面の笑みを浮かべている彼の顔写真を見るとわかるように、とにかく底抜けに陽気なのですよ、ミルバーンの楽曲は。こういう曲を、酒とともに聴けば、一日の疲れなど一瞬に吹き飛ぶこと、うけあい。

このアルバムでいえば、「Roomin' House Boogie」も、やはり超ノリノリのブギでおすすめ。

また、彼は「酒飲みブルース」というジャンルの第一人者でもある。「Bad Bad Whisky」に代表される酒飲みブルースは、この1枚には2曲程度とあまり収録されていないが、上戸なひとにはこたえられない味わいがある。

強力無比のブギ・マン、エイモス・ミルバーンのビートは、永久に不滅であります。