NEST OF BLUESMANIA

ミュージシャンMACが書く音楽ブログ「NEST OF BLUESMANIA」です。

音曲日誌「一日一曲」#75 オーシャン「Put Your Hand In The Hand」(The Buddah Box/Essex)

2023-06-15 05:00:00 | Weblog
2009年4月26日(日)

#75 オーシャン「Put Your Hand In The Hand」(The Buddah Box/Essex)





カナダのグループ・オーシャン、71年の大ヒット(全米2位)。日本では原題よりも邦題「サインはピース」で、あまりにも有名なあの曲だ。

この曲が出た頃、筆者は中学2年だったかな。とにかく、当時ものすご~く流行った。AMラジオではひっきりなしにかかっていた記憶がある。

で、いま考えてみれば、この曲が筆者にとって初めての「セカンド・ライン」体験だったように思う。

同系統の曲、ザ・バンドの「Upon The Cripple Creek」は69年発表のセカンド・アルバムに収録されていたから、そちらを先に聴いた可能性もないではないが、ザ・バンドなんておっさん臭いバンド、ボクらの間ではまったく流行ってなかったから、たぶん当時は聴いていない。やっぱり、「サインはピース」が、生まれて初めて聴いたセカンド・ラインだったのだろう。

もちろんその頃は「セカンド・ライン」という言葉すら知らなかった。ただただ、「なかなか新鮮な、かっこいいビートだな」と思っていただけだった。

その後、セカンド・ラインの曲で流行ったのはニール・セダカ(とエルトン・ジョンのデュエット)の「Bad Blood」だが、これは75年、筆者が高3のときのヒット。だいぶん後になってからである。

しかも、その時点でもまだ「セカンド・ライン」という言葉は知られていなかった。ようやくその言葉を覚えたのは、大学時代にリトル・フィートにハマったあたりからだ。

ということで、いまでは当たり前のように自分のレパートリーの中に取り入れられているセカンド・ラインも、こうやって長い時間をかけて、徐々に意識されていったわけだ。自分の音楽史において、この「サインはピース」は、実に記念すべき曲だということやね。

ここでオーシャンについて少し紹介しとくと、女性リード・シンガー、ジャニス・モーガンを中心とする5人組バンド。ヒットらしいヒットは「サインはピース」のみで、後は3曲ほどがビルボードの70~80位台に入っているだけである。

典型的な一発屋といえそうだが、実はこの「サインはピース」、彼らのオリジナルではなく、ソング・ライターが別にいる。

彼らと同じカナダ出身のシンガーソングライター、ジーン・マクレランである。

もともと彼はいまのフリーター達のようにさまざまな職業につきながら、セミプロとして音楽活動を続けていたが、70年前後、カナダのTV番組に出演するようになってから、大きくチャンスが広がった。

当時売り出し中の女性シンガー、アン・マレーと知り合い、彼女に「スノーバード」を提供したことで一躍注目され、キャピトルと契約、カナダのみならず米国でもデビューを果たす。

そして、オーシャンに提供したこの曲でいま一度、そのたぐいまれなるソングライティングの実力を証明したのである。

当時筆者は、雑誌などメディアの情報量不足ということもあって、そんな裏話をまったく知らなかった。が、とにかくこの曲については「いいものはいい」と感じていた。他のリスナーも、みんなそうだったのだと思う。だから、大ヒットとなった。

当時のレコード会社やラジオ局はこの曲をソフト・ロック、あるいはバブルガム・ロック的なものとして紹介していたという記憶があったけど、いま聴いてみると、実にしっかりとした骨太なサウンドなんである。

歌いかた、ハモのつけかたはいかにも白人的なカントリー・ロック路線なんだが、曲の底流にあるのは、セカンド・ラインの本質、ゴスペル・ミュージックそのものなんだと感じる。

それはやはり、作曲者であるマクレランのセンスによるところだろう。

「一発屋ヒット」というと、曲もチンケでつまらないものだという先入観があったりするが、必ずしもそういうものではない。全く無名のアーティストが出したホームラン級ヒットには、それなりのワケがある。

マクレランの作曲センス、ジャニスの声の魅力、バックの4人の確かな演奏力。この3つがそろったからこそ、この曲はすべての人々から熱狂をもって迎えられたのだろう。

ぜひいま一度、聴き直してみてほしい。

音曲日誌「一日一曲」#74 アル・キング「Reconsider Baby」(Blues Master the Complete Sahara & Shirley Recordings)

2023-06-14 05:00:00 | Weblog
2009年4月19日(日)

#74 アル・キング「Reconsider Baby」(Blues Master the Complete Sahara & Shirley Recordings/Forever More)





今年83才を迎えるブルース・シンガー、アル・キング。60年代のレコーディングから、ローウェル・フルスンのカバーを。

アル・キングは、三大キングやらアール・キングやらの影に隠れて、一番ジミなキングといえそうなシンガーだが、なかなかいい味をもっている。

26年、ロサンジェルス州モンロー生まれ。本名はアルヴィン・スミスといい、51年の初録音はこの本名で行っている。

64年にシャーリーに移籍。このアルバムはシャーリーと、それに続くサハラ時代の録音をまとめたものだ。

アルは他のキング達と違ってスタンダップ・ブルースマン、すなわち楽器を弾かないシンガーだ。そのため、他の連中より注目度が低いということなんだろうな。特に日本ではまったく人気がない。ボビー・ブルー・ブランドと同じような憂き目にあっているのだ。

しかし、歌に関しては、他のキングにも負けない実力をもっていると思う。

中音中心の伸びやかな歌声は、非常に説得力がある。ローウェル・フルスンにも通じるところのある、声質だ。

また、バックにも恵まれている。ギターのジョニー・ハーツマン、このひとのプレイが実にカッコいいのだ。

クールでスマートという形容がピッタリのジョニーの演奏は、アル・キングの洒落心のある歌に見事にマッチしている。いかにもウェスト・コースト・ブルースなサウンド。

アルはその後、寡作ながらも音楽活動は続け、98年にもアルバムを出すなど、マイペースでその存在をアピールしている。

チョビ髭をたくわえた小粋なオジさんという感じのアル。他のキングたちとは、ひと味違ったブルースが味わえます。必聴。

音曲日誌「一日一曲」#73 ロビン・トロワー「Looking For A True Love」(Someday Blues/V-12)

2023-06-13 05:32:00 | Weblog
2009年4月12日(日)

#73 ロビン・トロワー「Looking For A True Love」(Someday Blues/V-12)




洋モノに再び戻ろう。息の長い英国のギタリスト、ロビン・トロワー1997年のアルバムから、彼のオリジナルを。

45年ロンドン生まれ。クラプトン、ペイジらとほぼ同世代のトロワーは、プロコル・ハルムを経て73年にソロ・デビュー。以来ずっと自分のバンドを率いて35年以上活躍し続けている、超ベテランだ。

彼の人気を決定づけたのは、76年にリリースした「ロビン・トロワー・ライブ!」だろう。このライブ盤で、スタジオ録音を上回るハイテンションなギター・プレイを披露、世のギター小僧どもの度肝を抜いたのだった。

当時の評価としては、「ジミ・ヘンの再来」みたいなギター・テクニック面のものばかりだったように記憶している。

たしかに、フレージングやエフェクトの使いかたは、かなりジミへンライクではあった。でも、ギタープレイ「だけ」に注目が当たるのは、彼にとって不本意なことだったのではなかったかと思う。

なにより彼はバンドのほぼすべての曲を作っていたのだから、もっとコンポーザーとしての面を評価すべきだったのだと思うね。

とはいえ、彼のように、派手に歌いまくるわけでもなく、格別イケメンでもない、地味~なミュージシャンに一躍スポットが当たったというのも、実に興味深い現象だ。まだロックが、ロックということだけで世間の注目を集めていた時代だったから、ともいえる。

当時から「実力派」の評価が高かったトロワーだが、それがウソでなかったのは、35年余りを経て、いまだにプロとして活躍している事実で、十分に証明されているね。

さてこのトロワー氏、キャリアを重ねるとともに、ジミ・ヘンのモロな影響は次第に消えていき、よりルーツ・ミュージックに根ざしたブルース・ロック、ハード・ロックへとシフトしていった。

97年の本アルバムでも、かなりブルース色の強いサウンドになっている。ジミ・ヘン的弾きまくりでなく、アルバート・キングのようなタメのギター、中音をきかせたボーカル、オルガンを加えたタイトなリズム隊。実にブルーズィだ。大半はトロワーの作品だが、「クロスロード」「スウィート・リトル・エンジェル」「フィール・ソー・バッド」の3曲のカバーがいいスパイスになっている。

きょう聴いていただく「Looking For A True Love」も、アルバート・キング・マナーのツイン・ギターがバッチリ楽しめる佳曲。

ときにトロワー、52才。若い頃のギラギラした感じがうまく枯れて、ブルースがサマになってきたのだ。ブルースマンは50から、とはよくいったものだ。

アルバート・キングやレイ=ヴォーンの路線が好きなかたには、お薦め。キャリアを積んだミュージシャンならではの、味わい深い音に触れてみよう。

音曲日誌「一日一曲」#72 THE BAWDIES「EMOTION POTION」(THIS IS MY STORY/Getting Better)

2023-06-12 05:33:00 | Weblog
2009年4月5日(日)

#72 THE BAWDIES「EMOTION POTION」(THIS IS MY STORY/Getting Better)





今週も和モノだ。まずはMySpaceへの投稿映像を観ていただこう。彼らのメジャーデビューアルバム「THIS IS MY STORY」からのシングル、「EMOTION POTION」である。

いやー、びっくりした。見た目はフツーの日本のバンドなのに、生み出しているサウンドがものスゴく洋楽っぽいし、クロいんである。

揃いのスーツに身をつつんだ彼らがたたき出すビート、そして歌声は、60年代の英国R&Bバンド、たとえばヴァン・モリスン率いるゼムあたりを彷彿とさせる。

これまでの日本のバンドで言えば、パブ・ロック系ということで、ミッシェル・ガン・エレファントの流れか。でもボーカルの黒さ、太さということでいえば、サザンとかウルフルズとかにも近い。リード・ボーカル兼ベースのROYこと渡辺亮は、ひさびさの逸材といえそう。

しかも、リード・ボーカルだけでなく、バッキング・コーラスも黒い。モシャモシャ頭のギター&ボーカル、TAXMANこと舟山卓も、実にヘビーな歌声の持ち主。いうなれば、桑田が二人、あるいはトータスが二人いるようなスゴいバンドなのだ。

レノン&マッカートニーがソウルフルになったような亮・卓コンビをバックアップするのは、ギターのJIM(木村順彦)、ドラムスのMARCY(山口雅彦)。この4人はともに学生時代からの友人で、卓以外は小学校の同級生、そして卓が高校のとき以来の付き合いで、一緒にバスケをやりながらバンドも始めたとか。つまり、完全に自然発生的なバンドなのだ。

すでに海外(オーストラリア)でもライブを行い、大好評を得たというTHE BAWDIES。日本のバンドというと、オリエンタリズムを表に出さないとウケない時代があったものだが、モロに洋楽指向、それもルーツミュージックに根ざした、かなーりレトロな音作りにもかかわらず、すんなりと受け入れられたということである。なんか時代の変化を感じるねぇ。

ま、どこの国の人間がやっているかなんて意識させないくらい、ごくごくストレートな王道ロックンロール/R&Bなんだな。

それから、THE BAWDIESというネーミングも、実に大胆だ。直訳すれば「スケベエズ」だぜ。これ以上スゴいバンド名はなかなか付けられません(笑)。

ロックンロールという言葉の意味はメイクラブ、つまり●ックスだということは、洋楽に通暁したひとならご存知かと思うが、まさにその通りのバンド名を名乗ってしまったTHE BAWDIES。あっぱれ!という他ない。

まだ20代の若者たちが、40年以上前のサウンドを追求し、しっかりと自分たちのものとして消化している。これには驚きを禁じ得ない。

欧米の影響を受けること50数年、ようやくにして日本人も、ロックの本質を体得したのかもしれない。

THE BAWDIES、今後がメチャ楽しみなバンドだ。ぜひ名前を覚えておいてほしい。

音曲日誌「一日一曲」#71 Aice5「Get Back」(Aice5 Final Party LAST Aice5/スターチャイルド)

2023-06-11 05:18:00 | Weblog
2009年3月29日(日)

#71 Aice5「Get Back」(Aice5 Final Party LAST Aice5/スターチャイルド)





今日はちょっと趣向を変えて、YouTubeの映像を引用させていただく。Aice5(アイスと読む)、2007年9月の横浜アリーナにての解散ライブDVDから、デビュー・シングル「Get Back」である。

Aice5は、女性声優5人によるユニット。ほっちゃんこと堀江由衣をメインに、ほぼ同世代の浅野真澄、木村まどか、神田朱未、たかはし智秋によって2005年10月結成、07年9月に解散するまで約2年間活動していた。

結成のきっかけは、この手の声優系アイドル・ユニットの代表格、國府田マリ子率いる「DROPS(ドロップ)」の成功を見て、堀江が自分もやってみたいと思い、親しい声優仲間に声をかけたということらしい。メンバーの中には、DROPSにいた神田朱未もいる。

Aice5のシングルは、1stと5thがアニメイトで限定発売されたりしたことでわかるように、マニア向けで、マイナーな販路によって売られていたのだが、それでも地道にファンを獲得し、わずか2年で横アリ単独公演を果たすまでに人気を伸ばした。すごいといえば、すごい。モーニング娘。も顔負けだ。

パフォーマンスを観ても、現在の娘。にも見劣りすることのない、しっかりした歌を聴かせてくれる。副業とはいえ、そのレベルは高い。

リーダー堀江の個人的人気にのみ頼ることなく、他のメンバーのスキルを合わせての総合力で勝負しているのだ。

基本的にはタテ乗りポップスで、娘。よりはAKB48の路線。でも、AKBとはダンチの実力だな。まず、発声からして違う。

アイドル歌謡の基本はユニゾン・コーラス。Aice5もその例にもれないが、ユニゾンになったときの声の揃い方が、AKBあたりとはまるで違う。男性グループでも嵐とSMAPではまるで声の揃い方が違うように、である。さすが、発声のプロ。

下手すると現在の娘。よりもいいんじゃないの~?、とまで思ってしまう(笑)。

筆者が思うには、最近のプロデューサーつんく♂氏は、娘。のメンバー総入れ替えがもたらした歌唱力低下への対策として、楽曲の傾向そのものを変えていっているように思う。久住にアニメ声優をやらせて、立て続けにアニメソング的な曲をリリースしていっているのも、もはや現在の娘。(およびその妹格のベリキュー)に以前のようなグルーヴのある、R&B的な曲を歌わせるのが無理だと判断してのことだと思う。

研究熱心なつんく♂Pのこと、畑違いの声優ユニット、Aice5やDROPSらも大いに参考にしているんじゃないかな。久住のあの甲高い煽り声は、まさに女性声優たちのお家芸をパクったものといえそう。

日本女性の歌声って、やはり、民謡の囃子方のような「赤い声」のほうがサマになる。そのへん、こういうユニットを聴くと痛感する。

アイドルグループ以上にアイドルっぽい、Aice5。さすがに年齢的に照れがあったのか、メンバーの大半が30代を迎えたこともあり解散に至ったようだが、昨今、声優さんたちのルックスがアイドル並みになってきている現状を考えれば、今後もこういう声優界からアイドル界への殴り込みがどんどん出てきそう。

何より彼女たちは声がいいし、歌もうまいひとが多い。音楽面の充実という点から考えれば、それも大いに結構なことだと思うよ。異種格闘技戦、バッチコイ!である。

音曲日誌「一日一曲」#70 B・B・キング&アルバート・コリンズ「Stormy Monday」(Blues Summit/MCA)

2023-06-10 05:33:00 | Weblog
2009年3月22日(日)

#70 B・B・キング&アルバート・コリンズ「Stormy Monday」(Blues Summit/MCA)





70曲目はこれ。B・B・キングがアルバート・コリンズ、バディ・ガイ、ジョン・リー・フッカー、ロバート・クレイ、ルース・ブラウン、ココ・テイラー、アーマ・トーマスといったトップ・アーティストたちと共演したアルバム(93年)より、コリンズとのトラックを。

おなじみの名曲ストマンなわけだが、同年11月に亡くなってしまったコリンズとの共演ということで、実に貴重な記録であります。

ブルース界に王として君臨して50年以上、さまざまなミュージシャンと"謁見"してきたBBだが、それぞれの共演相手に花を持たせるような、心遣いが感じられますな。

この曲ではギターのイニシアティブはあくまでもコリンズにとらせ、ボーカルの大半を担当するBB。後半ではちょこっとパート交換もあるが、イントロから、エッジのたったコリンズのサステイン・トーンが前に出てきている。

コリンズは「Sun rises in the east~」という、BB版4番コーラスの歌詞を歌った後、スキャット付きのギターソロへとなだれ込みますが、このあたりがいかにもコリンズらしい"けれん"といえそう。

歌もギターもスタイルはかなり異なるふたり。でも、その個性の違いが見事にコントラストをなしており、聴きごたえ十分な一曲となっている。

アルバート・コリンズも、亡くなって15年以上たってしまったが、いまだその「破壊力」をしのぐギタリストは登場していない。

イントロの、たったの一音で、弾き手が誰か知らしめる強烈なトーン・キャラクターを持ったギタリストは、今後も出てこないような気がするね

音曲日誌「一日一曲」#69 ピーター・グリーン「Born Under a Bad Sign」(Blues For Dhyana/Culture Press)

2023-06-09 05:03:00 | Weblog
2009年3月15日(日)

#69 ピーター・グリーン「Born Under a Bad Sign」(Blues For Dhyana/Culture Press)





ピーター・グリーン、98年のアルバムから。アルバート・キングでおなじみのナンバー、「悪い星のもとに」である。

グリーンは10年ほどのブランクののち、97年にスプリンター・グループを結成して音楽活動を再開する。翌年に発表したのが、この「Blues For Dhyana」というアルバムだ。

12曲中10曲はグリーン自身のオリジナルだが、この「悪い星~」と「セイム・オールド・ブルース」はカバー。

聴いてみると、実に肩の力が抜けているといいますか、歌にせよ、ギターにせよ、まったくリキんだところがない。

クリーム(歌はジャック・ブルース)やロベン・フォードあたりの同曲と比較してみるとよくわかると思いますが、歌はモノローグのようで枯れまくっているし、ギターはひたすらソリッドでシンプル。

まさに枯淡の境地なんであります。

昔の、つまりフリートウッド・マック時代の「神がかった」プレイを期待して聴いたファンは、見事な肩すかしをくらうことでしょう。

でも、これもまたブルース。書にも楷書、行書、草書などとさまざまな書体があるように、ブルースにも草書のようなそれがあるってことです。

重厚、コテコテなブルースばかりがブルースじゃない、そうゆうこと。

スルメのように、聴けば聴くほど味が出てくるのも、この曲の身上。ぜひ5回はリピートしてほしいです。

音曲日誌「一日一曲」#68 ビッグ・ジャック・ジョンスン「Dust My Broom」(The Memphis Barbecue Sessions/M.C.)

2023-06-08 05:14:00 | Weblog
2009年3月8日(日)

#68 ビッグ・ジャック・ジョンスン「Dust My Broom」(The Memphis Barbecue Sessions/M.C.)





ビッグ・ジャック・ジョンスンといっても、マニアなひと以外はまずご存じでないと思うが、息の長い、ベテラン・ブルースマンである。

40年ミシシッピ州ランバート生まれなので、今年で69才。もちろん現在も活躍中である。

10代でギターを始め、BBに強く影響を受けるようになる。クラークスデールでフランク・フロスト(kb,hca)、サム・カー(ds)と出会い、ジェリー・ロール・キングスを結成、本格的なプロのキャリアが始まる。

87年以来、キングスの活動と並行してソロ・レコーディングもおこない、7枚のアルバムがある。「The Memphis Barbecue Sessions」はその中では異色の、アンプラグド・セッションだ。

ファビュラス・サンダーバーズのハーピスト、キム・ウィルスンとデュオ共演。今日聴いていただくのは、ブルース・スタンダード中のスタンダード、ロバート・ジョンスンの名曲である。

他のアルバムでは、コテコテのエレクトリック・ギターが売りのビッグ・ジャック・ジョンスンも、ここではアコースティックのみで、軽やかなプレイを聴かせてくれる。スライドを織り交ぜ、スナップをきかせたブギ・ビートがいい感じだ。

歌のほうは、声がつぶれていて発音もあいまいだし、ギターに比べてお世辞にも上手いとはいえないが、それでいいんである。ブルースマンの歌は声質や技術を競うんでなく、ハートが伝わるかどうかがポイントなんだから。

相方のキム・ウィルスンも、ノン・アンプリファイドでいい感じにひなびたハープを聴かせてくれる。音が前に出過ぎず、少し遠くで鳴っているふうのバランスで録れているのも◎。

このレコーディングは、ジョンスンのガンガンのエレキ演奏を期待するムキには評判があまりよくないようだが、筆者的にはけっこう気に入っている。

サニー・テリー&ブラウニー・マギーにも通じるところのある、いなたさ。その一方で、ジュニア・ウェルズ&バディ・ガイのような、陰にこもったスゴみのようなものも感じさせるし。このデュオ、臨時編成にしとくには、惜しいね~。

他にはハウリン・ウルフの「Smokestack Lighting」、リトル・ウォルターの「My Babe」、ウィリー・ディクスンの「Big Boss Man」などもやっている。最小の編成でブルースの本質を伝える演奏がつまっているのだ。

少ない音数で、聴き手をノックアウトさせる音楽というものがある。ジョンスン&ウィルスンのデュオも、その見事な一例だと思います。

音曲日誌「一日一曲」#67 ジュニア・ウェルズ「Everybody's Gettin' Them Some」(Everybody's Gettin' Some/Telarc)

2023-06-07 05:08:00 | Weblog
2009年3月1日(日)

#67 ジュニア・ウェルズ「Everybody's Gettin' Them Some」(Everybody's Gettin' Some/Telarc)




早いもので、もう3月になってしまった。今月の一曲目は、これ。ジュニア・ウェルズ、晩年(95年)のアルバムより、フレッド・ジェイムズの作品を。

ジュニア・ウェルズについては、今までほとんど取り上げる機会がなかったが、ブルース史上、非常に重要なアーティストのひとりだ。

本名エイモス・ブラックモア。34年、アーカンソー州ウエスト・メンフィスに生まれ、50年代よりシカゴ・ブルースの立役者として活躍、60年代以降はファンク色を強めていく。98年に63才で亡くなっている。

ジュニア・ウェルズといえば、ギターのバディ・ガイとのコンビがあまりにも有名だが、ピンでの録音も結構あり、このアルバムはそのひとつ。

ギタリストとして、バディ・ガイの代わりにボニー・レイット、カルロス・サンタナ、サニー・ランドレスといったベテラン、実力派をゲストに迎えた、なかなかの話題盤だ。

この「Everybody's Gettin' Them Some」はほとんどカバーされていない曲だが、なかなかファンキーでロック感覚にも溢れる、いかしたブルースだ。

歌はジュニア・ウェルズからスタート、ボニー・レイット姐さんが途中から絡んでくる。スライド・ギターも弾く彼女だが、この曲ではサニー・ランドレスにまかせて、歌に徹している。このふたりの相性がなかなかよろしい。声質もうまくマッチングしている。

ジュニア・ウェルズの歌って、シャウトし過ぎず、ちょっとドスをきかせた低めの声が、いい感じなんだわ。

ボニーのツボを押さえたコーラス・ワーク、サニーの伸びやかでパワフルなプレイも楽しめて、一粒で三度おいしい、そんな一曲なんであります。

ジュニア・ウェルズ=おどろおどろしい、はったりじみた、みたいなイメージの強い人で、それはそれで間違いじゃないですが、基本は実にしっかりとした歌がうたえる人なのです。

60代に入ってなお意気軒昂なジュニアの会心の一曲、ぜひ一聴を。

音曲日誌「一日一曲」#66 meg「GROOVE TUBE」(room girl/ワーナーミュージックジャパン)

2023-06-06 05:20:00 | Weblog
2009年2月21日(土)

#66 meg「GROOVE TUBE」(room girl/ワーナーミュージックジャパン)





しばらくブルース漬け状態だったので、ここいらで気分転換、口直し的な一曲。日本の女性シンガー、megのデビュー・アルバムより、4thシングルを。樫原伸彦プロデュース。

シブヤ系がお好きなひとなら当然ピン!と来るだろうが、フリッパーズ・ギターのヒットのカバー。DOUBLE KNOCKOUT CORPORATIONこと小沢健二&小山田圭吾の作品だ。

meg(現在はMEGに改名)は広島県出身の28才。上京してファッション・モデルとして活動、そのかたわらインディーズでCDを出し、2002年に岡村靖幸のプロデュースでメジャーデビュー。

モデル、シンガー、そしてファッション・デザイナーの三足のわらじを履く彼女だが、「デキる女」ふうの肩肘はった感じはみじんもなく、キュートな容姿、自然体のキャラ、抜群のファッション・センスで若い女のコたちに人気が高い。

歌のほうも、実力派というよりは、ちょっと舌足らずな発声がチャラ&ユキふう。最近では、中西ヤスタカ(Perfumeを手がけている)のプロデュースでエレクトリック・ポップ路線のシングルを数曲出しているが、着ぐるみの猫をバックに従えたダンスなど、ファンシーな演出がどこかトミフェブを連想させたりする。ポップでおしゃれでキュート、それが彼女なんである。

さて、今日の一曲は、ファンクだけどめちゃポップ。バンドの編成はシンプルながら、ボーカルの多重録音や凝ったミキシングにより、カラフルなサウンドに仕上がっている。

この人の声の、独特の甘さと透明感をそこなわずに、ダンサブルな曲になっているのだ。樫原というプロデューサー、なかなかの仕事人と見た。

最近のテクノな音(アルバム「BEAM」「STEP」)も決して悪くはないんだけど、期間限定的な試みにしといたほうがいい気がする。あくまでも、MEG本来の持ち味は、ナチュラル系だと思うから。

ステージでは思い切りポップではじけて、でもスタジオでは彼女の「生成り」のような歌の魅力を引き出していってほしいもんだ。

彼女は地方出身ながら、ローカルな匂いが全くしない。「都会的でポップでキュート」という女性シンガーが最近あまりいないけど、MEGはかなりいい線いってる。お客さん、今年はブレイク必至、買いでっせ。

音曲日誌「一日一曲」#65 ビッグ・ジョー・ウィリアムズ「Wild Cow Moan」(Big Joe Williams and the Stars of Mississippi Blues)

2023-06-05 05:00:00 | Weblog
2009年2月14日(土)

#65 ビッグ・ジョー・ウィリアムズ「Wild Cow Moan」(Big Joe Williams and the Stars of Mississippi Blues/JSP)





しばらく更新が出来なくてゴメン。三週間ぶりの一曲はこれ。ビッグ・ジョー・ウィリアムズ、45年の録音から。トラディショナルにウィリアムズが手を加えたナンバーだ。

ビッグ・ジョーは1903年、ミシシッピ州クロフォード生まれ。

ギター一台を道連れに、街から街へと演奏旅行をして渡り歩く、典型的な放浪のミュージシャンだった。

したがって彼の録音は弾き語りスタイルのものが多いが、これは珍しくバンド編成のもの。

彼と同じく放浪のブルースマン、サニーボーイ・ウィリアムスンIIのハープ、ランサム・ノウリング、ジャッジ・ライリーのリズム隊がバックをつとめている。

ビッグ・ジョーの音は、一聴してすぐわかる。声も枯れた味わいで特徴があるし、ギターも9弦という変則的なもので、高音部の響きが独特だから、間違えようがない。まさにオリジナルなのだ。

82年に79才で亡くなるまで終生、ビッグ・ジョーはカントリー・ブルースのスタイルを変えなかったが、この曲もまた、典型的な田舎のブルース。

歌詞がまずいなたく(野生の牛だもんね、まさに村(ソン)の世界!)、歌唱もまた、ひなびた感じ。ギター演奏も実にそれっぽい。さらにサニーボーイのもの憂げなハープが、歌やギターを引き立てている。

以前に「一日一枚」で、彼とライトニン、テリー&マギーと共演したライブの曲を取り上げたことがあるが、その四人の中でも、ビッグ・ジョー・ウィリアムズは、ダントツでいなたい(あ、この場合の「いなたい」は、勿論、ほめ文句だからね)。

ミシシッピという土地とともに生き、死んだブルースの巨人。このどっしりとした生き方、憧れですわ。

ビッグ・ジョーのように音楽と日常生活が一体化している、そういう「生涯ミュージシャン」を、ワタシも目指したいと思っております。ハイ。

音曲日誌「一日一曲」#64 ジョニー・ウィンター「Mother-In-Law Blues」(Raisin' Cain/Blue Sky)

2023-06-04 05:01:00 | Weblog
2009年1月25日(日)

#64 ジョニー・ウィンター「Mother-In-Law Blues」(Raisin' Cain/Blue Sky)





ジョニー・ウィンター、CBS~ブルースカイ時代の最後を飾る、80年のアルバムよりの一曲。

ジョー・パリス、ボビー・トレロとのトリオ編成によるスタジオ録音盤だが、ここではハープを加え、カルテットで演奏している。まるでライブ録音のように、生々しい音だ。

「Mother-In-Law Blues」というと、「アーニー・K・ドゥの?」とか聞かれそうだが、これはまったく別の曲で、ボビー・ブランドがオリジナル。例によってドン・ロビー(ディアドリック・マローン)名義の作品だ。

アーニーのほうの、ほのぼの系の曲調ではなく、かな~りハードな味わいのブルース。

オヤジの後添えに、うっかり惚れちまった、やるせなさ。まさにブルースな内容の歌を、辛口のボーカルでシャウトするジョニー。

また演奏のほうも、相変わらず息もつかせぬハイスピードで、飛ばしまくってる。

彼のギター・ソロって、ホント、目一杯音符が詰まっていて、密度がハンパなく濃ゆい。

ワンパターンといえば、ワンパターンなんだが、こういうハード・ドライヴィングなノリの曲でこそ、彼の歌やギターは、最大限に威力を発揮しますな。

最近では、04年以来レコーディングもなく、体調不良という便りしか聞かないジョニー・ウィンター。一度も来日をしたことがなく、初公演も夢のまた夢になりそうで、非常に残念であります。

一ファンの筆者としてはともかく、彼の過去のレコーディングを聴いて、気持ちをたかぶらせる。これしかありませんな。KEEP ON ROCKIN'!!

音曲日誌「一日一曲」#63 ボー・カーター「Banana In Your Fruit Basket」(The Essential/Classic Blues)

2023-06-03 05:05:00 | Weblog
2009年1月18日(日)

#63 ボー・カーター「Banana In Your Fruit Basket」(The Essential/Classic Blues)





新年早々「今年も地道に更新してまいります」と書いたわりには、相変わらずのマイペース更新になってしまった。スマソ。

で、今年の二曲目はこれ。ちょっと意表をついて、戦前のカントリー・ブルースでは代表的なグループ、ミシシッピ・シークス出身のギタリスト/シンガー、ボー・カーターの作品だ。

ボー・カーター、本名アーメンター・チャットマンは1893年ミシシッピ州ボルトン生まれ。ミシシッピ・シークスではメイン・ボーカルをウォルター・ヴィンスンに譲っていたが、ソロ・シンガーとしては20年代後半から40年頃まで、多数の曲をレコーディングしている。

ところで、日本のブルース・リスナーは、言語の問題があるためか、ついつい忘れがちなことがひとつある。

それは、ブルースは原初的な形態において、猥雑な内容のものがかな~り多かった。すなわち、ブルース曲のかなりの部分は、春歌・猥歌のたぐいであったということだ。

ロバート・ジョンスンのいくつかの曲しかり、もっと時代が下ってもウィリー・ディクスンの「スプーンフル」しかりである。そのものずばりでなく、巧妙にダブル・ミーニングにしてあっても、要はBawdy Songなのである。

まあ、カネのない社会の最下層の人々にとって、数少ない娯楽のひとつが●ックスだったわけだから(あとはギャンブルね)、ブルースのモチーフとしてよく出てくるのは、いたしかたないことなんである。

さて、このカーター氏も、ご多分にもれず、そういうちょっとエロティックな比喩の歌をよく歌ってらっしゃる。今日の曲も、タイトルからして、いかにもそれっぽい、意味深な感じでしょ?

聴いてみると、歌は素朴な味わいのものなので、特別エロい印象はないのですが、歌詞はモロにあのことを歌っております。

ギター伴奏も実にシンプルといいますか、かなりシロウトっぽいのですが、むしろそれがいい雰囲気を醸し出してて、◎。

同じアルバムでいうと、「Cigarette Blues」「Let Me Roll Your Lemon」あたりもその系列の作品といえそう。

どこか突き抜けてしまったところさえある素朴なエロティシズム。これも戦前ブルースならではの特徴であり、魅力ともいえましょう。ぜひご一聴を。

音曲日誌「一日一曲」#62 ビッグ・ジョー・ターナー「TV Mama」(The Very Best Of Big Joe Turner/Rhino)

2023-06-02 05:16:00 | Weblog
2009年1月4日(日)

#62 ビッグ・ジョー・ターナー「TV Mama」(The Very Best Of Big Joe Turner/Rhino)





明けましておめでとうございます。今年も地道に更新してまいりますので、巣ならびに一日一曲、よろしくです。

さて、今年の一曲目はビッグ・ジョー・ターナー、50年代のヒット「TV Mama」。

ビッグ・ジョー・ターナーといえば、1911年カンサスシティ生まれ。30年代、スウィング・ジャズの時代から一貫したスタイルで歌い続けてきた黒人シンガー。

その名の通り堂々たる体躯から発するビッグ・ボイスで、ジャズ~R&B~ロックンロールの時代を制覇して来た、ステージ・キング的な存在だ。

代表曲は40代にして吹き込んだロックンロール・ナンバー「Shake, Rattle And Roll」や「Flip, Flop And Fly」。いずれも、アトランティックでの録音。

これが何故かティーンエージャーにも大ウケ。いまでいえば、40代半ばになっても「ゴールドフィンガー'99」みたいなイケイケのヒットを出してしまうヒロミ・ゴーみたいなもんか。

ノリのよさ、陽性のキャラも、どこか郷と似ているような気もするね。

さて、この「TV Mama」は、イントロを聴くとおわかりいただけるかと思うが、エルモア・ジェイムズとの共演盤。

ラジオに代わって、当時マスメディアへの主役へと躍り出たテレビをモチーフに、ユーモアあふれるターナー・ワールド全開のブルースに仕上がっている。

いわゆる「ブルーム調」なれど、ひと味違ったものになっているのは、ターナーのキャラクターゆえか。

テンポを上げ過ぎず、一歩一歩確実に進んで行く感じのビートが、いかにも王者の風格だわな。

ビッグ・ジョー・ターナーはその後、ジャズ系のパブロ・レーベルなどで数多くのアルバムを遺し、いわゆる流行歌手としてのピークを過ぎてからも、70代まで意欲旺盛な音楽活動を続けていた。日本の懐メロ系歌手で、こんな人、なかなかおらんよね。

年をとろうが、流行が変わろうが、泰然として音楽道を突き進む。こういう爺サマに憧れますな、ハイ

音曲日誌「一日一曲」#61 ザ・ヤードバーズ「Boom Boom」(Collection/Castle)

2023-06-01 05:00:00 | Weblog
2008年12月29日(日)

#61 ザ・ヤードバーズ「Boom Boom」(Collection/Castle)





早いもので、今年ももう終わりになってしまった。今年は、しめて43曲紹介してみたが、どの曲が皆さんの心に残ったことだろう。

今年最後の一曲はこれ。ジョン・リー・フッカーの必殺的一曲を、ヤーディーズがカバーしてる。

「Boom Boom」といえば、ブルース発祥の一曲ながら、エリック・バードン率いるジ・アニマルズも取り上げたということで、日本でも結構よく知られている。

いくつかのグループサウンズもカバーしており、その中にはスパイダーズのバージョンなんてのもある。これです。



リード・ボーカルはムッシュだが、これがけっこうカッコいいのですわ。永井ホトケさんも、このカバー・バージョンが好きだったとか言ってましたし。

さて、きょうの本題。アニマルズと同じく英国のバンド、ヤードバーズもこのジョン・リーの曲を気に入ったらしく、エリック・クラプトン在籍時にレコーディングしてる。

聴いてみての感想は‥‥うーん、こりゃまたえらく迫力不足なブーン・ブーンやな~というのが、正直なとこだろう。

キース・レルフのヘタレな歌声は、元祖・激ワルオヤジ、ジョン・リーのあのドスの利いた声、あるいはいかにも不良っぽいバードンの塩辛声に比較すると、まあ、聖歌隊の少年のそれみたいだわ。

ブルースというよりは、スパイダーズ以上にガレージ・サウンドっぽく、軽~いのであります。

その軽さは、ヤーディーズのポップさにもつながっているわけで、彼らが次第にブルース・バンドを卒業して、ポップ・バンドへと変貌していったのも、むべなるかなと思います。

バンドにおいて、リードボーカルの声質がいかに重要であるか、この一曲を聴いただけでも、よくわかるはず。

ヘビー級ならぬモスキート級の「ブーン・ブーン」。まさに蚊が鳴いているようで情けなくはありますが、バンドがさまざまな試みをして、その中から自分たちに合った道を選び取っていく、その過程を知ることが出来るかと思います。

ヤーディーズ版「ブーン・ブーン」、ジョン・リーやアニマルズと、ぜひ聴き比べてみて欲しい。