「旅の指差し会話帳」シリーズの メキシコ-メキシコ(スペイン語)-は、メキシコ特有の表現、食べ物や飲み物の名前がイラスト入りで載っていて、見ているだけでも楽しい本で、私の愛読書?とも言えます。メキシコ滞在中5年間手元にあったし、スペイン語を教えているとき生徒に見せたり勧めたりもしていました。
最近、この本でメキシコ特有の形容詞を確認していて気付いたことがあります。「人の性格・特徴」という、二つの対照的な単語をセットで紹介しているページです。
気まじめ:serio ⇔ 冗談好き:burlón
(記載は ↑ なぜか「生」じゃなくて「気」を使った真面目)
メキシコでは(ほかのスペイン語圏でも同様かも)日本人が美徳とする「真面目」はあまりポシティブな意味を持ちません。「serio/a な人」は「笑わない人」とか「堅苦しい人」みたいなイメージなので「生真面目」の対義語が「冗談好き」というのは納得のいく話です。
ですが「burlón」というスペイン語自体は、なんかちょっと違うかもしれませんねー。というのは、メキシコ人に言われたんですが、burlón は他人を馬鹿にして笑う人のことを指すらしいんです。。。確かに、元になる動詞 burlarse には「からかう」「嘲笑する」という意味がありますし、辞書には「burlón/a:ふざけた、からかうような」と記載があります。
では「serio/a:笑わない人/堅苦しい人」の対義語としてスペイン語ではどの形容詞があてはまるのかしら?と考えてみました。こういった「形容詞」は地域性もあるし、個人の感覚も違うし、時代とともに意味が変化したり、新語が生まれることも考えられます。日本語の「ヤバイ」や「ムズイ」のように、です。
メキシコ人の友達は「vaciadoというのもある」と言っていましたが、辞書に記載はなく、メキシコだけなのかもしれません。また「simpático/a」も「感じのいい」の他に「おもしろい、おかしな」という意味もあるので使えそうですが、serio/a の対義語としてはいまひとつ。
色々考えたあげくの候補3点。
候補1)bromista:冗談好きの、いたずら好きの
候補2)vacilón/a :[俗] 冗談好きの
候補3)gracioso/a:おもしろい、おかしい、こっけいな etc.
「候補1:bromista」も良いですが、冗談好きに限定されるような気がするので、「ひょうきん」な感じが出せる「候補2:vacilón/a」が好きです。ただしこれは2007-8年のコスタリカで良い意味で多用されていたもののスペイン語圏の共通語ではないようなので、私の一番のお勧めは「候補3:gracioso/a」ですね!
ニュートラルな感じです。
※辞書は小学館「西和中辞典」を参照しました。
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