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HABANASTATION

2011-10-15 | 映画の感想文(旧DVD体験談)
キューバ映画
『HABANASTATION』
監督:イアン・パドロン
主人公:ぼっちゃん君とカルロス君(仮名)

物語の面白さ:★★★★☆
風景や映像の美しさ:★★★★★
スペイン語の聞き取りやすさ:★★★☆☆

キューバの富裕層一家(ぼっちゃん君の家)の様子からこの映画は始まる。
外貨を稼げる人とそうじゃない人との貧富の差があるとは知っていたが、「あれ?キューバにもこんなお金持ちがいるんだ?」と驚かされた。

富裕層の子供もそうじゃない家の子供も、平等に同じ制服を着て同じ小学校で勉強しているので、ぼっちゃん君とカルロス君は同級生である。しかし、ある日バスを乗り間違え迷子になったぼっちゃん君が未知の世界(カルロス君の居住地域)に迷い込むまで、ふたりには何の接点もなかった。

凧がほしくて小銭稼ぎに空き瓶を集めるカルロス君。自分でご飯もつくるし鳩の世話もする。有名なミュージシャンを父に持つぼっちゃん君は、買ってもらったばかりのプレイステーション3をダメにしてしまい、修理代のために初めて「お金を稼ぐ」ことを体験する。そしてカルロス君と仲間たちに促され、スコールの中で泥まみれになって遊ぶ楽しさを知る。

そこでぼっちゃん君が見たものは、経験したことは、得たものはナンだったのか。
両親が立派な車でお迎えに到着したとき、ぼっちゃん君の大冒険の一日は終わり、何不自由ない日常に戻っていく。その切り替わりのシーンが見事である。

しかしそのとき何を思ったかぼっちゃん君は、カルロス君に修理済みのプレイステーション3を手渡すのだった。腑に落ちないのは、なぜそういうラストになったんだろう?ということである。カルロス君はニッコリ笑っていたけれど、プレイステーションをもらって本当に嬉しかったのだろうか? それってそんなに良いもんなのか? 服役中のパパが作ってくれた凧を受け取ったときはどうだったんだい?

カルロス、君の中には、君のまわりには、もっとすごいもんがいっぱいつまってるんじゃないのか? 

人間力満載のキューバ国よ、「お金がなければ楽しめない国」にはならないでほしい。プレイステーションがなくてもカルロス君は、地元のネイティブ仲間と楽しくやっていけると思いたい私であった。

キューバのスペイン語はわかりにくいと言われているが、この映画は何度も見たくなる映画なので、3回見れば理解度はかなり高まると思う。学校の先生が給料の半分を費やしてぼっちゃん君を探す場面(乗り合いタクシーとか自転車タクシーとか)、カルロス君の地域の修理屋さん、近所のパーティーなどなど、処々にキューバらしいシーンがあり、細かいところで色々目を留めると、3回でも見たりないくらいである。
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