魔女のひとりごと

★ 魔女になろう!

最高に感銘を受けた 映画『雨月物語』

2016-10-22 | 観劇・ライブ・映画など
京都文化博物館に行った10/4に、映画『雨月物語』を
10/22(土)に見られることを知った。

ここにも書いたのだが、
30代の前半、私はしばらくの間、英会話を習っていた。

講師は京大の文学部で、
日本文学を研究している米国人で、
上田秋成を専門的に研究をしている人だった。

仕事と育児で多忙な、我々6人ほどの仲間は、
英語だけでなく、日本語や日本文学
祭りのことまで教えてもらいながら
土曜の午後
しばし高尚な時間を楽しんでいた。

しかし、生来文学を読むのが苦手な私は、
『雨月物語』を読もうなんてことは全く考えなかった。

でも長年、「どんなものなのかくらいは知りたい」
との想いだけは温め続けていた。

そして、10/4にこのポスターを見て、

  

「絶対に見たい!」と、シアターの日程を見ると…
幸いこの日は休み\(^o^)/

待ちに待った10/22(土)、折しもこの日は時代祭。
午前中は「若冲展」午後は『雨月物語』の計画を立てた。

9時前にトコ会館を発ち、徒歩で京都市美術館に向かう途中
平安神宮から御所に向かって歩く祭の行列とすれ違った。

しかし、衣装を着て歩いているだけの
時代祭には、私はあまり興味がない。

若冲展+αを観て、美術館を出た時はすでに正午。
京都府文化博物館へと足を速めた。

途中のコンビニで買ったサンドイッチを、
博物館の中庭で食べて、

13時過ぎから、南観音山の宝物展などを観て、
13:30~、映画『雨月物語』!

1953年大映京都作品(モノクロ・97分)
監督:溝口健二 

上田秋成の「雨月物語」の9話のうち「蛇性の婬」
「浅茅が宿」の二つを採ってアレンジした、
川口松太郎の小説を原型として脚色した映画。

ヴェネチア映画祭で「戦争の悲惨さと改悟を、
雨後の月のように悲しく、愁いに煙って描いた」と
絶賛、銀獅子賞を獲得。

京マチ子(若狭)、田中絹代(宮木)という、
往年の大女優の演技に、
私はすっかり引きこまれてしまった。 写真はこちらより
                      ↓


特に、京マチ子さん。
若狭姫という幽霊の、妖艶・魔性・凄み…、
何度もゾク~ッしながら見入った。

これほどの演技を、私はこれまでに見たことがない。

(私は映画というものをほとんど見ていないので、
あまり大きなことは言えないのだが…)

ホラー時代劇とも言える、戦争と貧困、
人間の欲望と怪異を描いた映画。

現代を生きる私達にも十二分に伝わり、
考えさせられる物語である。



皆さん、映画を見られる機会があれば、
ぜひ、映画『雨月物語』をご鑑賞ください。
DVDもあります。

難を言えば、
・フィルムが相当古いので音声が悪い。
・北近江の話なのに、言葉は標準語なのが違和感。

現代は関西弁がテレビなどで、
しょっちゅう報道されているので、
ほとんどの日本人は関西弁を理解できると思う。

しかし、この映画が作られた1953年当時は、
たぶん、関西弁だと理解できない人が多かったのだと思う。

願わくば、このお話をそのまま、
現代の俳優で作ってほしい。

としたら、若狭を演じられる女優は?
松たか子・仲間由紀恵・宮崎あおい、
いやもっと若い人…、と思うと、全く思い浮かば

・・・・・・・・  あらすじ  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

こちらを引用しながら、私なりにまとめてみた。

琵琶湖周辺に荒れ狂う羽柴・柴田間の戦火を縫って、
北近江の陶工源十郎は造り貯めた陶器を売るため、
船に積んで身内とともに5人で琵琶湖に漕ぎだした。

妻 宮木(みやぎ)と息子 源市は、海賊の襲撃を怖れて
引返させられ、帰宅後、宮木は飢えた落武者に
食べ物を奪われ、殺されてしまう。

大溝城下に無事上陸した源十郎と、義弟の藤兵衛と
妻 阿浜(おはま)の3人は、陶器を売り大儲け。
しかし、その金で藤兵衛は具足と槍を買い、
念願の羽柴の雑兵となり妻を捨てた。
藤兵衛を探し回り湖畔で一休みしていた阿浜は、
荒武者達に冒され、お金を投げ与えられた。

源十郎は陶器を多数注文した美女(朽木屋敷の若狭姫)に
一目惚れ。注文品を携えながら屋敷に案内された彼は、
若狭と乳母から思いがけぬ饗応を受ける。
若狭に陶器を褒められ、魔性の美しさの虜となった彼は、
この屋敷で悦楽の日々を過ごすようになった。



一方、戦場で敵将の首を拾った藤兵衛は、
馬と家来持ちの侍に立身する。
しかし、街道の宿で遊女に落ちぶれた阿浜と遭遇し、
涙ながらに痛罵され改心。

源十郎は、街に買い物に出たある日、
一人の僧に死相を指摘される。

屋敷に戻った源十郎は、若狭達に別れを切り出すが、
「帰らせません!」と正体を現した若狭に凄まれる。

しかし、呪符が書かれた彼の体に、
触れることができない若狭。
死に物狂いで逃げた源十郎は、
翌朝、廃墟の中で目覚める。
若狭達は織田信長に滅された朽木一族の幽霊だったことを知る。

源十郎は郷里へ帰り、久方ぶりで宮木と
息子 源市に再会するが、
夜が明けると村名主が源市を探しにやって来た。

宮木の死後、村名主の家で育てられていた息子は、
昨晩抜け出して実家に戻り、
宮木は幽霊となって彼を迎えたのだ。

金持ちになる夢を追いかけ妻を失った源十郎は、
その後、宮木を弔いつつ陶器創りに精進。
侍になって身を立てる夢を捨てた義弟 藤兵衛は、
阿浜と共に地道で穏やかな日々を送った。

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