宿の千秋楽の日は一週間遅れの曼珠沙華がみおくってくれた。
ここは、うちの宿の目の前のマンションの植え込みで、毎年この場所で曼珠沙華鑑賞。もう20年
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/62/e94aba205e82a7c27ebccef29d19f37a.jpg?1601603550)
これも、見に来よう!そうおもわないと、もう来年からは見ることもないかもね。
私が宿を閉めたのは、もちろん予約ゼロが続いているコロナ以後の状態の経営的なことが一番ではある。
だけどね、経営なら、なにか別の方向に暫く舵切りすればあの宿、スペースを活かしてコロナが収束するのをまつこともできたかもしれない。
が、わたしは、辞めることにした。コロナが収束しても、世の中が直ぐに元にもどるか?人の気持ちがコロナ前に戻るか?これには「そうだ」とはいえないな、と感じたから。
わたしは、物心ついたときから、世の中には人種差別ってのが世界の色んな地域であることも感じ取っていた。それくらい露骨であったものが、成人し平成の時代になるころには、情報がさらに溢れていく中、人種差別はヒーローの美談や華やかな情報に埋もれ過去のもののように、意識することもなく、きっと
私世代だと幼い感覚もあっさり薄れ消えいっていたのではないか。
平和な世界。
そんな表面の光のなかでインバウンドがきてわたしの宿もその中で咲いた。
だけど、じっさい色んな国の人、、、うーん、国籍でもないな、、それは地域によって、多様な姿で、とにかく「人種差別」が根深き事もまのあたりにした。
それでも、うちのような宿にくる若者、学生さんたちは意識高い現代の人で、まして日本に旅にくるのだから日本が好きなわけで、
そしてうちの宿を選ぶのだから日本の文化に多少なりとも興味がある、
というオーナーとしては恵まれた状況、立場、完全ホームの中、わたしは彼らの中の少しの「差別感覚」を溶かし和をつくることに成功していただけ。
しかし、コロナおきて、もうそんな和を、平和的な場所を、そのことの心地よさを、提供する自信がなくなったのだよね。
インバウンド宿といっても、実際は中国人専用とか、韓国、台湾など得意とする国だけでやっている所も多かった。
うちのようにまったくの世界のどこからでも来てね、なんて宿のほうがめずらしかったんじゃないかな。
そのことが、またわたしの誇りでもあり、幕引きの引き金でもある。
だけど、
願わくば、幕引きが間違いだったと思えるような世界に戻ってほしい。
国家と国と民はちがうんだよ。
そう教えてくれた、うちのゲストさんたちは、変わらずに、どうか変わらずに。
やはり、最後はこれになる。
ありがとうと、祈り。
未来をつくる彼らの気持ちが歪まない世の中であってほしい。
わたしに幸せな時間をくれた彼らが自由に生きて行けますように。🍀🍀🍀🍀🍀✨
ゲスト皆は、うちの周りの地域の人達の事も幸せな気持ちにさせてくれたんだよね。ゲスト皆が人種を越え、仲良く行き交い礼儀正しい姿は地域の人達を疑心から安堵へ変え、いつしか癒やしにさえなっていた。
りこさんのとこのゲストさんは皆、かわいらしいね。
そう言ってもらえたのが何よりの誇りで私の活力だった。