さて、メスを入れる場所三か所がきまったら、そこに線を書いて麻酔していく。本当に歯科医でする麻酔ってかんじなのよ。
腕全体が感覚無くなるのかと思ったら、切るところだけ!
これは良かった~
でで、
その切るとこきめる図面作戦、つまりICGとかエコーとかのときに、でましたよん、嵐ちゃんの御話し。
看護師さんが、嵐きこえますか~って聞いてこられたので、
あ、そういえば、ピッピッ・・というような機械音とかであんまりわからなかったな~、緊張してたしというと、
先生がそのうちちゃんと聞こえてくるよと。
で、暫し、先生の嵐談義。ってか、外科医と音楽についてのお話。
先生いわく、嵐はいいね~。あと松田聖子もいいと。理由は、声とメロディーが脳にいい感じにはいってくるらしい。
で、外科医はここでスピード出したいって曲は危険なんだという。
車運転していて、どうしてもアクセルふんでしまうような曲ってあるでしょ、あれが、オペの慎重に処理しなければならないところでくると大変なんだよ。その点、嵐と聖子ちゃんは、のせてくれるんだけど、気分よくいられ、が~~~というアクセルにはいらないね。と。
ほんとは2~3年前の曲も好きといってたけど、今回は10周年のときのベストアルバムがかかっていた。
これは、私と嵐の初の出会いのアルバムでもある。抗がん剤と闘病のころ、このアルバムに出会い、嵐ファンになったんだ~
でも、が~~~ってスピードでそうなのは編集でいくつか飛ばしてたきがする(笑)
さてさて、それで最初にメスをいれたのは三か所のうちの、真ん中の部分。
前腕内側の上のほう。オペは楽しかった~ここの写真参照してね。
メスが入って皮膚がわれるところからしっかりモニターをみた。
あけてみて思ったのが、脂肪、ま、皮下脂肪を拡大してみてるんだからぎゃわ~って思ってとうぜんだけど、
このぼこぼこぶわぶわ脂肪のなかに押し込められるように、リンパ管と静脈がある。
先生はこまかく、うす膜をはがしながら、脂肪の間を探していく。
検討はつけていたのではやい。いくつかみつかるけど、これぞというのを吟味。
で、リンパ管って、硬いというか、筒状である以上筒の感じがあるのだろうと思っていたのだけど、
一見は、そ~だな、細い茹でた冷めたい「そうめん」みたい。
そのリンパ管をこれだよと、クタッとしてるのを断面をカメラに向けてくれて、モニターに映し出してくださった。ピンセットで広げると、たしかに小さな筒状になってる!
静脈はもう少し透明でやや太い、それでも0.5mm以下くらい。
二つがみつかると、吻合のまえに、脂肪や他の神経などと区別するために、ま、まな板の超小型版、ライブの紙ふぶきみたいなんだろうね、そんなのを下にしてくっきり二つの管がみえるように、みごとな手さばきで縫い始めた。この紙ふぶきには1ミリの切れ込みが少し入っていて、全体の色んなものの大きさの指標の役割をしていた。
と・・・・
先生が・・・ぅん?的な。
私も、あれ?的な。
「嵐、はやくない?」と同時に。
それは、嵐ファンならわかるかな~
♪とまどいながらぼくたちは変わらない日々すごして涙の粒をあつめてる、
忘れかけた夢きっとてにいれるまで♪
嵐の「とまどいながら」という曲。わりとスローなメロディなんだけど、ここちよく切ない感じの応援歌。
ちょっと、軽く早送りなテンポだったのよ!私も先生もそうかんじたんだな~
私はファンで耳が憶えてる感覚。先生は手と脳が憶えてる感覚なのかな?
で、同時に、だよねだよねとなって、またオペ看護師さんが機敏にうごいて、
「少しアップになってました~、しつれいしました」となおしてくれた。
で、すごいですね~、さすがですね~と、それぞれが、みんなでお互いをたたえ合う不思議な光景が一瞬うまれたんよ~~
も~~楽し~~♪
そんなこんなで、1か所完成。あっというまに開いた皮膚が閉じられていく。
ここまでで、だいたい37分ですよ。と。
腰大丈夫ですか、ちょっと、今のうちうごかしておいてね。
看護師さんが、腰当のクッションいれてくれたり、下半身ストレッチみたいなのするのにベットからおちないように身体をおさえていてくださったりで、ほんの3分くらいのリフレッシュでもこれで、腰痛の心配もなく、快適でいられた。
そんな感じで、2か所目へ。
次は、前腕の外側。今回の腕の中では一番下部分へ。
この頃になると、皮下組織みながら、なんかもつ鍋にみえてしかたないとか、たらの白子のようだとか、私がいうと、蒔絵リコさんは朝抜きだったから、お腹空いてるでしょうと。食べものにみえたらたいしたのも的褒められ方した~
で、リンパ管さがすのも、けっこう上手いね~と褒められた。それは?っていうと、そだね。的な。
その間、看護師さんたちの、あの、ぃよっしゃ~という「風」が常にある。
一体感な感じ。それでも、
なにか先生が道具を支持すると、ぴっぴっと瞬時にモニターの中にそれが登場するのがお見事。
最後に二の腕内側を無事終え、メスをつかってからは2時間ちょっと、合計でも3時間ちょっと。
ライブの時間とほぼ同じ。
あ~楽しかった。本当に。
これが、無言でも、良い吻合ができてるなとモニターみてるだけでも充分患者としては満足で楽しいことなんでしょう。それに加えての心遣いや、先生のお人柄も加わってより楽しい。
それに、冗談ばかりでは無く、いろいろ医療の事、リンパ浮腫や再建のことなど、興味深いお話もきけたり、3分診察と言われる中、主治医とこうして独占してゆっくりいろんなことをお話できるのは、それだけで信頼感も増すし、スタッフさんの気配り、仕事ぶりもすべて、最高の「おもてなし」
仕上がった私の腕は、私だけの緻密な逸品だな。