私は、わたしの宿泊施設に愛情と情熱をこれでもかとそそいできた。
宿泊施設は生き物で、箱だけでなくそこで働いてくれるスタッフにも愛情と情熱をもって施設の一部と思い何よりフォローし大切に、仕事を、わたしの思いを伝えてきた。
四年間、背骨骨折したときも、病院のベッドから指示をおくり、一通たりともメールは見逃さない。予約メールも問い合わせも、キャンセルメールもすべて目を通した四年。旅先からもおなじ。毎日仕事してた。毎日思っていた。一輪の花の場所にも色にもこだわった。
返信が難しい問い合わせには私の経営の理念から考えて、こういう返信にしてと指導したり、差し入れ弁当やミーティングあとの焼き肉、急な休みのバイトの穴埋めに無理なシフト組んでも、必ずフォローして、スタッフには厳しくもしたけど充分な愛情をかけてきた。経済的にも、私の規模の会社としてはありえない退職共済なども筒一杯加入もした(ま、これは税金対策のいち面もあるが、、)
それでも、彼らのためのものだ。
スタッフに私の宿泊施設への思いが伝わっていったからこそ、皆、ゲストからも愛されるスタッフとなり宿泊施設に成長できた。
そう思っていたのに、、、
宿泊施設への思いはひとつ。
誠心誠意の一期一会。訪日旅の人達の日本そのものになりたい。うちは特別でいたい。なるんだ。それが売上になり繁栄になる。私のやり方はそうなのだ。
真っ白な空間。
茶道でゆう、客を招くまえにすべて清められたような気持ちで仕事をしてください。
これが願いだった。
なのに、、
汚れた。
業務上横領。
私は欺かれ、大切な売上とられ踊らされていたバカな経営者。
わたしは、理想、理念を伝える中で疑うことをしなかった、
私は経営者失格?
失格。そんなことどうでもいい。
私は私が愛情そそいで築いた私の場所にゲスな泥棒で汚されたことが悔しい。
四年間、何してなんだろ。
私は、まだまだやれるのか?、、、、
いや、もう人をピュアに信じられない。
愛した場所、皆に愛された場所が犯罪の場所になった。
私は今、敗北と無気力と悲しみと自己嫌悪を自問している。
今年も施設の桜は咲いたのに、枯れた鉢がテラスのはしっこにどす黒い葉を干からびさせながらゆれていた。
めまいがしたよ。
私のせいではない。
鉢も彼も、くさった生きものだったのだ。
はやく、そうわりきれたら楽になるかな、、、
どうしよ、これから。
人を機械のようには使えない。
機械はゲストの心に響かない。
どうしよ、、
あなたが盗んだお金は、頑張ってコツコツ予約ふやした、わたしや他の皆の汗と心の形なんだよ!