南京から来た金満家夫人は今期の大型プロジェクトの代表です。そんなV.I.Pなのにどうしてもお好み焼きに行きたいと駄々っ子みたいにねだります(笑)
『仕方ないね』
溜め息混じりに円山本部長は私に 『じゃあ木屋町辺りまで行ってよ…』と指示してきました。
金満家夫人・鬼塚専務・高辻役員と乗り込みましたら、円山本部長が『後ろから追いて行くけど一応場所を決めておこうよ…』
なるほど途中ではぐれた用心だな(笑)
『それじゃ四条木屋町で下ろしますから…』
あの辺りには食べ物屋さんがいっぱいあるからお好み焼き屋さんもあるでしょう(笑)
実際お好み焼きはありましたがやはり場所柄狭くてもとてもゆっくりと食事ができる感じではありませんでした。
しかしそんな雑踏の中の廉価なお店でも金満家夫人には返って珍しくこれ又ご満悦のご様子でしたね ただ私は困りました。あの辺りは当然ながら駐車禁止であります。停めることすら憚(はばか)れるくらいですから…
まぁこんな接待はついぞ無かったでしょうね。 けど接待がお客様を持て成すのが目的としたら正に今夜のコースは絶好でしょうね(笑)
金満家夫人は普段はやはり金に糸目を付けない生活振りだそうです。
だから贅沢な食事も飽きていたのでしょうね。
円山本部長が最後に『ご満足頂けましたでしょうか』 手揉みしながらお伺いを立てますと 金満家夫人はニッコリと微笑みながら、『いろいろとご無理申しましたね♪とっても美味しかったですわ』と流暢な日本語で話しました。
これには一同唖然としました。
さっきまでの片言言葉はどうしたんだよ!
鬼塚専務は高辻役員の脇腹を突いて 『こりゃあ一杯食わされたな…』
と嘆く始末…です。高辻役員も『参りましたなぁ』
と頭を掻きながら『何かいらんこと言わなかったかなぁ』と苦笑いです。
さすがに生き馬の目を抜く南京の財閥だけありますね。実は金満家夫人は若い時に日本に留学に来ていたそうで某国立大学を卒業している才女でありました。
帰国後父の家業を継ぎ指折りの財閥まで押し上げたのでした。
そんな経歴など微塵も見せなかった金満家夫人は一枚上手でしたね(笑) そんな時円山本部長がしゃがみ込んで頭を抱えていました。
『どうしたんだ?』鬼塚専務が心配していると、
円ちゃん(円山本部長)は絞り出すように『しもたことした!』(訳・しまったことをしましたの関西弁です♪♪)はは~ん!
私には分かりました。
口の悪い円山本部長の事だから日本語の分からないのを良いことに金満家夫人に聞こえるように悪口を喋ったのでしょうね(笑)
それがまさか日本語が判るとは思わなかったのでしょうね。きっと金満家夫人の語学力からして全部理解しているでしょうね(笑)
『おい円ちゃん』 鬼塚専務がうつむく円山本部長に声を掛けました。
『何を喋ったんだ』高辻役員も重ねて聞いて来ます。 『うう…』円山本部長からは声にならないうめきが出ています…
『仕方ないね』
溜め息混じりに円山本部長は私に 『じゃあ木屋町辺りまで行ってよ…』と指示してきました。
金満家夫人・鬼塚専務・高辻役員と乗り込みましたら、円山本部長が『後ろから追いて行くけど一応場所を決めておこうよ…』
なるほど途中ではぐれた用心だな(笑)
『それじゃ四条木屋町で下ろしますから…』
あの辺りには食べ物屋さんがいっぱいあるからお好み焼き屋さんもあるでしょう(笑)
実際お好み焼きはありましたがやはり場所柄狭くてもとてもゆっくりと食事ができる感じではありませんでした。
しかしそんな雑踏の中の廉価なお店でも金満家夫人には返って珍しくこれ又ご満悦のご様子でしたね ただ私は困りました。あの辺りは当然ながら駐車禁止であります。停めることすら憚(はばか)れるくらいですから…
まぁこんな接待はついぞ無かったでしょうね。 けど接待がお客様を持て成すのが目的としたら正に今夜のコースは絶好でしょうね(笑)
金満家夫人は普段はやはり金に糸目を付けない生活振りだそうです。
だから贅沢な食事も飽きていたのでしょうね。
円山本部長が最後に『ご満足頂けましたでしょうか』 手揉みしながらお伺いを立てますと 金満家夫人はニッコリと微笑みながら、『いろいろとご無理申しましたね♪とっても美味しかったですわ』と流暢な日本語で話しました。
これには一同唖然としました。
さっきまでの片言言葉はどうしたんだよ!
鬼塚専務は高辻役員の脇腹を突いて 『こりゃあ一杯食わされたな…』
と嘆く始末…です。高辻役員も『参りましたなぁ』
と頭を掻きながら『何かいらんこと言わなかったかなぁ』と苦笑いです。
さすがに生き馬の目を抜く南京の財閥だけありますね。実は金満家夫人は若い時に日本に留学に来ていたそうで某国立大学を卒業している才女でありました。
帰国後父の家業を継ぎ指折りの財閥まで押し上げたのでした。
そんな経歴など微塵も見せなかった金満家夫人は一枚上手でしたね(笑) そんな時円山本部長がしゃがみ込んで頭を抱えていました。
『どうしたんだ?』鬼塚専務が心配していると、
円ちゃん(円山本部長)は絞り出すように『しもたことした!』(訳・しまったことをしましたの関西弁です♪♪)はは~ん!
私には分かりました。
口の悪い円山本部長の事だから日本語の分からないのを良いことに金満家夫人に聞こえるように悪口を喋ったのでしょうね(笑)
それがまさか日本語が判るとは思わなかったのでしょうね。きっと金満家夫人の語学力からして全部理解しているでしょうね(笑)
『おい円ちゃん』 鬼塚専務がうつむく円山本部長に声を掛けました。
『何を喋ったんだ』高辻役員も重ねて聞いて来ます。 『うう…』円山本部長からは声にならないうめきが出ています…