寝転がって気ままに想う事

 世の中ってこんなもんです・・
面白可笑しくお喋りをしましょうか ^^

逆鱗に触れず〓

2010年07月14日 08時23分21秒 | 日記
今期の大型プロジェクトの成否を握る代表者許夫人の接待は鬼塚専務、高辻役員、円山本部長の幹部三人がおもてなしをされました。それくらい大切なお客様だということです。 しかし許夫人はまるで子供みたいな駄々っ子振りを発揮して閉口するお三人を煙に巻いていました(笑)
そしてそれに耐え兼ねた円山本部長はつい口がすべったのか悪口を喋ってしまいました。許夫人が日本語が分からないと思ったからでした。
しかし許夫人は日本語が分からない振りをしていただけで実はペラペラだと分かりました。それを知った円山本部長は思わずへたりこんでしまいました(笑)
『おい円ちゃんお前何を喋ったのだ…』
心配顔で鬼塚専務と高辻役員が尋ねます。
どうせろくな事を話していないだろう… 円山本部長は頭をかきむしり呻いているばかりで 取り付くしまもない状態でした。
高辻役員は仕方なく金満家夫人に向かって
『うちの円山が何を言ったか分かりませんがとにかくお許し下さい』と頭を下げました。とにかく謝るのが先決と思ったからです。
それを見た金満家夫人はケラケラと声を立てて笑いました。
『あら、私何も怒っていませんわ』『そ、そうですか』『私はまた何か失礼な事を申したのかと思いましたので…』
冷や汗をかいた高辻役員はホッと胸をなで下ろしました。
『円ちゃん立ちなよ!』鬼塚専務もやれやれで円山本部長に声を掛けました。
『円山本部長さん大丈夫ですか〓』金満家夫人も心配顔で声を掛けると、 ようやく円山本部長はノロノロと立ち上がりました。 『どうも失礼しました』ペコリと頭を下げて醜態を詫びたのです。
『さあ、社長次はどこへ行きましょうか♪』執り成すように高辻役員は元気良く言います。このあたりはさすがに営業で腕を磨いて来た経験でした。折角金満家夫人がご満悦でいたのですから、気分を壊さないように配慮していました。
『ありがとうございます。もう十分に頂きましたよ』『朝が早かったせいか私疲れましたからホテルに帰って休みたいです』
『そうですかそれは残念です』
『それじゃホテルまでお送り致しましょう』鬼塚専務はホッとした表情で私の方を見て合図を出しました。 私は静かにクルマを金満家夫人の側に寄せます。
するとまるでホテルのドアマンみたいに素早く円山本部長がドアを開けました。『それではご馳走さまでした』
吸い込まれるように金満家夫人がクルマに乗り込みました。
『高村さんホテルまでお願いします』『はい!』クルマの窓を少し開けた金満家夫人はニコニコしながら『円山本部長さん今日はご馳走さまでした』と頭を下げてお礼を言いますと鬼塚専務以下平身傾頭で 『ありがとうございました』
いつもの通りお礼を合唱されました(笑)
…いつも思うのですが、こっちが致せり尽くせりでご馳走しておきながらまだお礼を言うなんておかしいなぁ(笑)皆さんそう思いませんか!
それは扨置き(さておき)
立ち去る車を見えなくまるまでお見送りを済ませて
『おい円ちゃんあのおばはんに何を言ったんだよ』
鬼塚専務はぶり返してきました。
『お前変なこと喋ったんだろ』高辻役員も冷やかします。
『いやぁ~参りましたね』頭を掻き掻き苦笑いをしながら円山本部長は 大したことにならなかったのでやれやれでした(笑)
『しかしあのばあさんがペラペラとは思わなかったなぁワッハハハ』口の悪いのでは鬼塚専務の右に出る者はいません。金満家夫人が帰ってホッとしたのかいつもの悪舌が復帰しました(笑)『さあ飲み直しだぞ』怪気炎を上げていました。
『はい行きましょう!』元気を取り戻した円山本部長も意気盛んです。 ところが高辻役員だけは浮かぬ顔つきでした…
『円ちゃんくどい様だけど許夫人に何を言ったか教えてくれよ』
高辻役員は南京でも許夫人と会っていて別に噂も聞いていましたから納得が行かなかったのでしょう。
許夫人…南京ではビジネス第一、プライドが人一倍高い冷徹な女傑で通っていましたから。 まさか悪ジャレを笑って許すような寛大な性格じゃありません。
だからあの笑顔で帰った姿が信じられませんでした。 笑いの消えた真顔の高辻役員を見て ただならぬ様子に鬼塚専務も心配になってきました。 『まぁ本人が笑って聞けるくらいの事なのだろう?』 円山本部長に同意を求めて来ます。 『えぇ…まぁ…』 言葉を濁す円山本部長に高辻役員は『あの場は笑って済ましたが後からシッペ返しが怖いなぁ』とつぶやきますが、こうなると円山本部長も事の重大さに改めて気付きました。
『あ~なんてことや!まずかったなぁ』今度は泣きべそをかかんばかりです。
まぁ泣いたり笑ったり…口は災いの元…とはよく言ったものです(笑)
それで…鬼塚専務と高辻役員は脅したりなだめたりとしながら渋々の円ちゃんから聞き出したのでした。
その言葉とは…
『好きな事ばかり言ってると×××するぞ♪』
これにはお二人もあんぐり(笑)
そして鬼塚専務が笑い出すと高辻役員も大笑いです。ワッハハハハ♪
『なんだそんな事言ったのか』
鬼塚専務は笑いながら円山本部長をからかいます。
だからあんなにご機嫌だったのか!『よ~し円山本部長今から業務命令を出すぞ~(笑)』『専務その先は私が言います(笑)』高辻役員も笑い過ぎて涙を拭きながら『それじゃ円ちゃん今からホテルに言って接待してくることいいな(笑)』 『社運を掛けた大切なお客様だぞ!頼んだよ~(笑)』『真面ですか~』『当たり前だ!』
『頑張れよ(笑)』これだけ言うとお二人は爆笑また爆笑で木屋町のネオン街へと消えて行きました(笑)
後に残された円山本部長が私の携帯に連絡してきたのはしばらくしてからでした(笑)
あぎゃ~♪
コメント
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