寝転がって気ままに想う事

 世の中ってこんなもんです・・
面白可笑しくお喋りをしましょうか ^^

使える奴&使えない奴(八)

2010年07月07日 10時38分26秒 | 日記
今売り出し中の岩川さんのフォローに出掛けた長原部長は自らの失態で取引先を失いました。
このままでは親分の根本常務から使えない奴と見切られる恐れさえ出てきました。
…じっと考え込む姿に藤沢課長は嫌な予感がしていました。
(こいつが黙り込むとろくな事思い付かないぞ…)
その『そうだ♪』突拍子もない奇声が上がりました。見れば長原部長が焦点の違った目をギロつかせていました。
やっぱり…!嫌な予感は当たりました。
そして藤沢課長と目が合うとニコッと笑うのです。
この時ほど背筋がゾッとしたことは無かったと藤沢課長は言ってましたね(笑)
長原部長は下心いっぱいの顔つきで藤沢課長の側ににじり寄りました。 身構える藤沢課長の耳元を掴んで『あのね、岩川ちゃんに長崎へ行ってもらうよ』猫撫で声でそっと言いました。
『はぁ?』ながさき? なぜ今長崎なんだよ…
問題点が違うだろ! 藤沢課長は怒鳴りたくなりました。長原部長は気にする様子も無く
『藤沢さん東京へ帰りたくない?』 苦しい時の戦線拡大か(笑)
訳分からなくなった藤沢課長は質問をするにも長原部長の意図が計り兼ねました。
『さっきのクレームはどうしますか』藤沢課長には今別れたばかりのお得意の怒りの顔がまだ脳裏に焼き付いていました。
『あぁさっきの件ね~』あんな重大な失態を犯していながら他人事みたいな言い方です。『あれは品管だよ!』
『ひんかん!』
つまり品質管理部が悪い、と長原部長は宣(のたま)う のでした。
藤沢課長は開いた口が閉じませんでした。
確かに始めのクレームの原因は品質が問題でした。しかしそれはお客様と話し合い解決したのです。その後の手打ちに失態を犯したのがお客様を怒らせた原因でしょう。
『あんたが悪い!』口から出掛かっている藤沢課長を制して、長原部長はニッコリしながら
『なぁ藤沢さん東京で課長の欠員が出ているんだよ』 藤沢課長は千葉に自宅がありました。思春期の子供を残して単身赴任です。何度か勤務地変更を申請しているのですが希望は中々取り上げてもらえないのが現状でした。
『だ・か・ら、この懸案は私が責任をもつから…君は大丈夫だよ』
『…何が大丈夫なのですか』
人の弱みに付け込むような懐柔策が藤沢課長の自尊心を傷つけたのでした。
『まあまあ俺も悪かったから…』
この言葉で藤沢課長の怒りは頂点に達しました…
コメント
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