寝転がって気ままに想う事

 世の中ってこんなもんです・・
面白可笑しくお喋りをしましょうか ^^

さあ大変、異動だ…(49)

2012年03月23日 08時44分49秒 | 日記
昨日はずいぶん横道に入りました(謝)
本題に戻りましょう。
まず状況ですが、役員に推薦してくれた鬼塚専務、高辻役員…
事業部内の人事について円山事業部長は自分の思いとおりにしたい様子。
慣例ならば上役のお二人(鬼塚専務、高辻役員)の意向を汲むべきものなのですが、
頑なに拒みます。
憤(いきどお)を感じる鬼塚専務や高辻役員ですが、結果的に高辻役員は身を引いてしまいます。
高辻役員の真意もわからないまま盟友を失った鬼塚専務は失意、自嘲気味に同期生の山形副社長に愚痴っていました。
一方円山事業部長は鬼塚専務派の若宮本部長も取り込んで益々息盛んになっています。
どこかで役員お二人のプレッシャーやご自身の新任役員のストレスは凄いものでしょうが、 円山事業部長には発散させるお遊びがあったのです。
ストレスは抑えていると僅かずつ蓄積されて思わぬ病気になるのですよ。
皆さんストレスの貯めすぎには注意しましょう(笑)
因みに大阪まれ大阪育ちの円山事業部長は学生時代も含めてミナミを根城に遊ばれたそうです。
今でも高島屋、とおっしゃれば、それは難波の高島屋を指していらっしゃるのですが、それくらいミナミ大好き人間でした。
ミナミ(大阪の繁華街の通称名)には恐らく考えられる遊び全てが存在していると言っても過言ではないでしょう… 又繁華街の規模、えげつなさ、楽しさ、庶民的な面まで全てが日本一ではないでしょうか!!
よく比較される新宿の歌舞伎町は暴対法によりやくざが閉め出されたので変にヤバくなりすぎてしまいましたね…
その点ミナミは今でも各種やくざが頑としていまして、いい意味での繁華街の秩序を確保ってくれています。

円山事業部長は役員の特権の一つ、タイムカードがないのを利用して空いた時間にこっそりミナミに通っています。(ここだけの話しです…)

一般の方でも仮に夕方4時半の新幹線に乗って後は家に帰るだけ…なんて時は車内でビール飲んでいるでしょ(笑) あれと同じようなことです(笑)

その円山事業部長です。
この日は大阪近郊の工場の打ち合わせを早めに終わりました。

私はこの日のお伴です。
午後からの予定を見てピン♪ときましたね。
京都営業所13:00-S工場14:00報告会、会議
S工場18:00-京都営業所 19:00

要するに午後はS工場で缶詰めになるわけですね。
それから営業所に戻る…
これは秘書さんから頂いた゛あくまでも"予定表です(苦笑)

私がなぜピンときたと言いますと、まずこの予定に高辻役員や他の役員さんがいらっしゃらないこと、
次にS工場が比較的ミナミに近いこと! でした。

S工場に入る前に円山事業部長は私に
「高村さん、そんなに遅くならないと思うよ」
「はい、何時くらいですか?」
「う~ん、四時過ぎくらいかなぁ…」
「はい承知しました」四時過ぎ、とは随分早いと思いましたが、私たち運転士には要らぬ詮索は出来ません!

6時の予定が早くなるのを前以って教えて貰うのは有りがたいことです(笑)
夕方6時の予定なら5時半過ぎからスタンバイしていますが、いきなり四時過ぎでは準備もなにも出来ません。 抑(そもそも)役員さんの社内の会議や打ち合わせなどはスケジュールより早めに終わりますが、それでも二時間近く早いのは滅多にありません。
私たち運転士はあくまでも黒子に徹しなければなりません。
だから然(さ)り気無く、「承知しました」となるわけですね♪

そして時間になりました。
4時に総務から携帯に連絡です。
「高村さん、事業部長がもうすぐ出てこられますから」少し慌て気味でした。
「はい、了解です」
ここで、ああ、事業部長から訊いています、なんて野暮なことは言いません。
あくまでも淡々と業務としてこなしています。
クルマを(勿論黒塗りのクラウンですよ)
玄関前に寄せました。
しばらくして円山事業部長の姿が見えます。 あとからぞろぞろ出てくるわ♪
工場長以下製産管理、品質管理、資材、総務…など各責任者がズラリとお見送りです(笑)
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さあ大変、異動だ…(48)

2012年03月22日 10時06分14秒 | 日記
人には各々癖がありますね。
無くて七癖…と言いまして、「癖なんか無いよ」とおっしゃる方でも七つ、癖があると言います。
よく見かけるのが爪を噛む、髪を触る、鼻をほじる、空咳をする、目を瞬たかせるなどなど…
口癖もその一つでしょう…
あの~、それで、いわゆる、それと、えっと…
あと癖ではないかも知れませんが、好きなものです。
大会社の専務取締役がたこ焼が好きだったり、鮭茶付けだったり、 昨日の山形副社長のうなぎだったり…
しかしうなぎ…はまだ役職と釣り合いがとれていますが、不釣り合いな好物が私のブログに採用されるので、役員の皆さん変わった趣味はどうぞご内密に…(笑)
そんな訳で円山事業部長のご内密をご披露しましょう(笑)
円山事業部長…この方今話題の人ですね。
役員心得、つまり見習い、代理、みたいなもので役員にも定員があるのは以前紹介しましたが、これにひっかかり゛心得゛なんて不恰好なものがついていました。
もっともこれはそう珍しい話ではなくて、たとえば鬼塚専務なども役員に成り立ての頃やっぱり心得だったのです。
これはご本人がお話していらっしゃったから間違いないでしょう…(笑)
゛心得"はあくまでも仮免許みたいなものでいずれ外れて正式の役員になられるのに違いありませんが、
話にもありましたが、上司…役員でもやっぱり松竹梅とありまして、円山事業部長(役員心得)には常務や専務、副社長、社長と上が未々(まだまた)ありました。
その上司に逆らうような人事を考えていましたから、これが問題がになっていたのです。 組織的には事業部の人事権は事業部長にあります。
いくら専務であろうと、直接に関われないのが組織ですね。
しかし゛天の声"があるのも組織です。
たとえば平社員の異動は課長か部長の裁量ですが、上司の本部長や所属の役員にお伺いをたてるのが慣例になっています。
よく車内で耳にしますよ♪
亀田部長「今度近藤を2課から3課に替えようかと思っていますが…」
家田本部長「近藤…?」
亀田部長「ええ、○○担当なんですが、技術的な解釈が相手方に合わなくて… 」
家田本部長「そう、俺は構わないけど高辻(役員)さんはどう言ってる?」
亀田部長「はい、まだ話してませんが…」
家田本部長「高辻さんがOKなら構わないよ。近藤もそっちの方が力が出せるんじゃあないかな」
亀田部長「はい、じゃあ高辻役員に話をしてみます、」

とまあこんな感じで人事権をもっている部長ですら異動には気を使うのです。
そしてあらかた話が決まっていても、
高辻役員「近藤か…う~ん…」なんだか了解していただけない雰囲気だと亀田部長や家田本部長は慌てだします。
「ああ…いいんじゃあないの♪」
或いは「近藤も勉強になるかもな」
なんて返事をいただけたら話しは簡単ですね♪
それを今みたいな言葉を濁して来られたら要注意です。(苦笑)

役員さんは心得ていらっしゃるのですよ。
平社員の人事権は部長に有るのをね…
これをうっかり

「近藤は優秀なヤツだからあそこから動かすのはダメだ」
なんて口にしたらこれはもう越権行為になってしまいますから…

まあ伺う部長も部長なら話を聞く上司も上司です(笑)
いくら会社が組織的にと言っても組織なんてこんなものなのですね…
横道に逸れましたが明日また…
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さあ大変、異動だ…(47)

2012年03月21日 07時12分59秒 | 日記
「逃げたら…か…」
鬼塚専務は考え込みます。
「おい、食べないのか!?」
「ああ…お前に任すよ」山形副社長の喰いっぷりに唖然としながら、 こいつはつくづくハートが強くできているなぁ…と改めて眺めていました。
「なぁ…山形よ」
「うん?」
「円山の事だけど…」「円山?」
「ああ…あれを役員に推薦したのは俺達だけど」
それがどうした…と言わんばかりにギョロリと目を剥きますが、鬼塚専務は怯(ひる)みません。
「お前だったらどうする」
この勝ち気一辺倒な男に訊くまでもなく答えは出ていましたが、
案の定山形副社長はギョロリギョロリと目を回しながら
「お前俺に何を言わせたいんだよ」
箸は止まりません(苦笑)
「いやぁ~お前と腹の探り合いはしたくないからハッキリ言ってほしいよ」
「う?」ここで箸が止まりました。
ビールをグビリと飲み「うなぎはやっぱり白焼きだな…」
九州出身の山形副社長は腹開きのタレの掛かっていない白焼きが好物です。東京で腹開きがお目にかかれるのはここくらいです。
因(ちなみ)にうなぎの裂き方は背開きと腹開きがあります。(この話しは結構有名ですが…)
東京は江戸時代の名残で切腹を連想する腹開きは敬遠されてきました。 関西は逆に腹開きが主流ですが…

二人前のうなぎをぺロリと平らげた山形副社長は満足気にビールを飲み干していました。「お前昔からうなぎが好きだったからなぁ」山形副社長にとってうなぎは○○の次に好物でした。
タレの付かないうなぎは巧く焼かないと泥臭さが鼻につきますが、さすが名物の看板を掲げている老舗でした。 「ここの焼き方は抜群だよ、」
「そうか…」
「ああ…ちょっと焦げ目が着いているんだよ」
大柄な山形副社長は身体を縮めてクスリと笑いました。
こんな仕草をするときはご機嫌の時です。

「この香ばしいさと歯触りがいいんだなぁ…」
名残惜しそうに空っぽになったお皿を撫でていました。
そんなものか…鬼塚専務は思いますが「うなぎを語らせたらうるさいで、俺は!! 」
(うそぶ)嘯く山形副社長(笑)訊いた俺がバカだったかな(苦笑)

「円山はだめなら切ったらええんじゃあ!」お皿を眺めていた山形副社長がいきなり話し始めます。
「社長もあまりいい印象をもっていらっしゃらないからなぁ」
去年円山本部長を役員に推薦したとき確かに速答が貰えなかったのは事実でした。
「う~ん」
鬼塚専務は腕組みしながら唸ります。
自ら推薦した円山事業部長が降格になれば推薦した自分の責任も問われてしまいます。

「それはマズイ…」
「だろ!!」
山形副社長はうなずきながら鬼塚専務をジロッと睨み付けました。 「だったら円山を育てるしかないんだよ」「う~ん」
人事ですら言うことを訊かない円山事業部長…
わしらが育てるなんて、いずれ力を付けた円山にクビにされるかもしれないぞ…
「う~ん」
又々唸り出しました(笑)
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さあ大変、異動だ…(46)

2012年03月19日 07時20分21秒 | 日記
「そうだよな …」
一般社員の本部長から役員になっていきなり数千万円の給料になるのは鬼塚専務や山形副社長も経験済みでした。 役員には色々な特権がありますが、サラリーマンならまず給料の三倍増加に驚くはずです。
二人はもう10年以上前に同じように数千万円の収入に上がった日を懐かしく思い出していました。
「あの頃は良かったよなぁ…」
山形副社長も箸を止めていました。
「なんだよ~お前らしくもないなぁ(笑)」
イケイケの山形副社長がたまに漏らす弱気な一面を鬼塚専務は知っていました。
「いや、お前の気持ちを代弁しただけだよ…」サラリとかわして山形副社長は猛烈に料理を片付けだします。
それを頼もしそうに眺める鬼塚専務は「そう言えば高辻さんの同期生は誰だったかなぁ…」
鬼塚専務が知る限り定年を終えて既に社内にいません。山形副社長と鬼塚専務が同期生で同時に役員なんて奇跡に近いのですが、それくらい役員の席は難しいものでした。
だから役員同士はたとえ競争相手であってもお互いを認め合う一種の尊敬を含んだ連帯感みたいな感情がありました。

「高辻君は身を引いたんだ…」
うんうん…頷いていながら目は違う場所を見ています。
「ははは」力なく笑うしかない鬼塚専務はグビリグビリとグラスを飲み干しました。
問題を一生懸命考えて結論をつけたら次の日に残さない。
これは鬼塚専務に限らず役員さん一般に言えることですね。
多忙で多種に亘り決断、実行、検証の繰り返しの毎日に小骨の引っ掛かった感傷などに浸っている暇はありません。
ただ…長い付き合いだったからなぁ~

高辻役員は推薦した円山事業部長が意のままにならないのを悔やんでいました。
いや、後悔していたのは鬼塚専務自身でした。
それを看破した高辻役員がいち早く身を引いたのは責任感の強い高辻役員らしさ… か!?
「いやいや…」鬼塚専務は首を振っていました。

あの、高辻さんが、潔さを持っているとは信じられない。
長い付き合いで高辻役員ほど物欲に執着心を抱いていた人を鬼塚専務は知りません。
専務と平取締役の立場で幾度もあった修羅場で折れそうになる鬼塚専務を励まして支えたのは高辻役員でしたから…
これくらいの… つまり師弟関係みたいな円山事業部長の裏切りなど露ほどの後悔もしていないと鬼塚専務は思っていましたが…

例えどんな思案があったにせよ、自らの役員を降りたら、もう何の権力も使えなくなるのは本人が一番わかっているからです。

この件で臼井事業部長が驚いたように鬼塚専務は正に青天霹靂でした。 本人の「疲れましたよ…」
力なく笑ったのがすべてを物語っているのでした。ただ…何かあるぞ~鬼塚専務は感じましたが、それが何かはわかりません。
「ああ…これからは若い奴等の時代なのか…」ついボヤいたのを山形副社長は聴き逃しませんでした。
「弱気は禁物、逃げたくなったら逃げたらいいんだよ!」
歯に衣を着せぬ言葉に鬼塚専務も口をつぐみました。
「なぁ…逃げたら楽になれるんだよ~鬼塚!!」
静かな言葉には鬼塚専務を黙らせるだけの凄みがありました。
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さあ大変、異動だ…(45)

2012年03月16日 10時15分40秒 | 日記
東京駅のには二つの顔があります。八重洲と丸の内です。
丸の内方面は皇居があります。 江戸の時代から幕臣が多く住んでいました。今でも名残で官公庁が群集している地域です。
一方八重洲側は庶民の街ですね。
今でこそオフィスビルが立ち並んでいますが、戦前は飲食店がところ狭しとありました。現在もビルの合間に風情のあるお店ポツリと点在していますが、
河口…明治から続く料理屋です。
京都でもそうですが、こんな然り気無い店名を付けていながらなかなかの料理を食べさせるお店は今でもあちこちにありまして、 是非とも長続きできるよう心から祈っています。
話が横道になりましたが、ここの(河口です)二階の座敷にどかっとすわっていたのが、鬼塚専務と山形副社長でした。
「山形よ、俺は参ったよ」
好物の梅割りをチビチビやりながらため息まじりに話すと
「えらく弱気だなぁ」堅肥り(かたぶとり)した身体を窮屈にしている山形副社長は忙しく箸を動かせていました。
「よく喰うなぁ…」
二人っきりの場合同期生のよしみで鬼塚専務は言いたい放題です。
「俺は喰わないと知恵が沸かないんだよ」
屈託のない笑顔です。 「ところで、高辻君はああしかしょうがないだろう…」
鯛の白身を口に放り込みます。
高辻役員を食べてしまったよ!
態度には威厳がありました。
「俺はどうなるのよ!?」
鬼塚専務も負けじとテーブルの料理を選んでいますが、
「迷っているな~」
山形副社長は笑いながら、
「ほれ、迷い箸はエチケット違反だぜ」
邪魔だと言わんばかりに鬼塚専務の箸を払うしぐさで山形副社長は次から次と料理を摘まんでいきます。
鬼塚専務は諦めたように箸を下ろすと、
お湯割りのグラスを手に取りました。
「円山は一人でいけるかな…」
鬼塚専務と高辻役員の推薦で役員心得に上げていた手前弱音は吐かないつもりでした。
弱音を言えばそれは推薦した自らの墓穴を掘る訳ですから…
同期生の気安さでつい本音がでていたのです…
これには山形副社長も沈黙するしかありません。
肯定も否定も出来ないのは親友鬼塚に気を使っているからです。
しかしよければ、旨くいくんじゃあないか♪と気安く言える間柄で無言を通すことはある意味問題の深さを意味するものでしょう。
「ああ…」
思い出したように山形副社長は箸を止めました。
「なんだ?」
「いや、さっき臼井が帰ったけどあいつは給料前がったんだな… 」
役員…取締役になると一般社員と違い給料は年棒制に変わります。 まず給料が三倍になるのが普通で、
いきなり数千万円に年収が上がるのです。
臼井事業部長は山形副社長に冷やかされながらその報告をしていました。
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