寝転がって気ままに想う事

 世の中ってこんなもんです・・
面白可笑しくお喋りをしましょうか ^^

さあ大変、異動だ…(39)

2012年03月08日 09時03分04秒 | 日記
部屋の装飾品のなかで一番映えるもので眩(まばゆ)いシャンデリア…要するに天井から下がっているやつですが、ほとんどゴールド系ですね。
king &madam の天井にもゴージャスなシャンデリアが飾ってありました…
元々は照明器具でして、中世のヨーロッパでは電球の前はローソンが付いていましたが、さすがに現代では照明器具の役割は終えて装飾品として使われているようです。
そのきらびやかなシャンデリアの下で虚々実々の駆け引きがありました…
過去形であるのは既に勝負有りとなった訳でして、
若宮本部長は円山事業部長の軍門に下っていました。
(この男には勝てない…)
頭が良い分悟りも早かったのでしょうね…
物に動じない姿勢は若宮本部長が嘗(かつ)て遭遇したことがない人物でした。
育ちの良い若宮本部長から見て頭脳明晰で雑草みたいたくましさを兼ね備えた円山事業部長はとても敵わないと即断したのです。
よくいますね。インテリアや良いとこのボンは諦めが早い!
正に若宮本部長がそうでした。

…鬼塚専務は既に六十歳をかなり越えている…先は永くない!
これが若宮本部長の読みでした。
実際に現時点の力関係なら鬼塚専務でしょうけど、将来的には若い円山事業部長でしょうね(笑)
若宮本部長が今悩ませている、どうやったら鬼塚専務を誤魔化せるか…
その一点に絞られていました。
そして円山事業部長や亀田部長にはしばらく従う姿勢を見せなければなりません。
「今夜はどこに泊まってるの?」
「…」
「若宮本部長!?」
「あ、はい…」
「大丈夫かい?」
「何がですか…」
「ホテルだよ!」
「ホテル?あ…そうか…」
「酔ったんじゃあないの?」
「ははは大丈夫ですよ♪」
辛くも誤魔化してみたものの若宮本部長には鬼塚専務の面影がチラツイていました。
「どう、亀田も呼んで飲み直ししたら…」
下戸の円山事業部長でしたが、酒のみの心情はわかっているようですね♪
「ええ、亀田部長を呼んできましょうか!!」
「ああ~そうしょう」話が決まると若宮本部長は席を立ちました。その後ろ姿を見やると 「けっ!」
絨毯に唾を吐いて円山事業部長はコーラをグビリと飲みました。
亀田は永い付き合いだからわかるが、こいつは(若宮本部長)油断ならんなぁ!
従うフリしていやがる!
氷が溶けて薄くなったコーラの不味いこと(苦笑)
この味は煮ても喰えない若宮の味だなあ…

円山事業部長は新しいコーラを注文しました。
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さあ大変、異動だ…(38)

2012年03月07日 08時01分54秒 | 日記
魔界の巣窟みたいなキャバクラに招かれた亀田部長と円山事業部長…
二人は別に席を取ります。
妖艶な雰囲気を醸し出すマダムの虜になった亀田部長は鼻の下を伸ばしていました。
「ああ~色男もだいなしだなぁ…」円山事業部長に冷やかされてもどこ吹く風♪
円山事業部長は首を振りながら笑っています。
ところで…
こちら、ベールに包まれた席には若宮本部長と円山事業部長です。 面識はあっても東西に別れて勤めていましたから、初対面みたいなものでした。
おまけに円山事業部長は技術系だし若宮本部長は営業系で交流はほとんどありません。
最初に口を開いたのは若宮本部長でした。
「こんなむさ苦しいところですみませんね…」
円山事業部長は技術系の人でした。
余分な社交辞令は性に合わないのです。
黙っていると、
「いえ、ここはぼったくりじゃあありませんよ。」
言い訳を始めますが、この時点で勝負はついたようでした。
「けど高いやろう…」「あっ、高いのは高いですが、事業部長をお招きするのなら、と思いまして…」
若宮本部長は汗が流れ出していました。

「ふ~ん」
まるで興味なく円山事業部長は返事をしました。
この方にとって高級な飲み屋はまったく興味はありません。
常々話していらっしゃるのに「どうしてあんな高い店でめしを食うのがわからない…」
つまり普通の食事をしてその分まけてもらったほうがいいじゃあないか!!
これは随分ドライな考えですが、カンカチコンの技術系の最たる人なのでしょう(笑)
余談ですが、よく技術系の人が管理職に上がり取引先から接待を受けたとたん駄目になるパターン があります。 若い時から勉強一筋であったせいか、見るもの聞くもの食べるもの全てが初体験です…(笑) 今まで工場や研究室でコンビニの弁当食べていたのとエライギャップですから…
おまけに取引先からのヨイショが入ります。 これで人生おかしくなった人は数えきれないでしょうね(苦笑)

円山事業部長は賢い人だったのでしょう。
そんな先輩連中を見てきて自分流のスタンスを通さないと潰されてしまう、と感じていらっしゃったのです。
下戸だったのも幸いしましたね(笑)
円山事業部長は技術系の醒めた目で若宮本部長を見ていました。
「それで…」
円山事業部長は若宮本部長の出方を探っているのです。
一方若宮本部長は醒めた眼差しを痛感していました。
どうしょうか…
腹心の亀田は大体掴んだけど…こいつは骨が折れるワイ!
しかし親分の鬼塚専務からの指示がありましたから…
普通この店に来たら大概は腰が座らなくなるのに…
確かに亀田部長など完全に浮わつき状態でした(笑)
それをこいつ、さも平然と座っているぞ!

接待慣れしている若宮本部長は今までに経験したことのない人物を前にどうさたらよいか、当惑していました。
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さあ大変、異動だ…(37)

2012年03月06日 09時47分22秒 | 日記
異色のキャバクラking & madam
亀田部長はマダムに首っ引きになりましたが、円山事業部長は冷静沈着でした。
「こちらへ…」マダムが招く方に目を向けると円山事業部長は亀田部長に耳打ちしました。
「亀ちゃんはマダムと飲んでいていいよ。呼べば来たらいいから…」
「へ!俺マダムと…♪ほんとですか!!」
あの嫌みな若宮と飲まなくっちゃあ…とウンザリしていました。妖艶なマダムと一緒にいるのとは雲泥の差です♪
「ああ羽目を外してもいいけど、責任は持たないよ(微笑)」
円山事業部長はそう言うとウィンクして離れていきました。
「よし、」親分の許しがでて亀田部長は一遍にやる気が出てきました(笑)
「ねえ、マダム!俺はあっちの席で飲まないからさ~一緒に飲もうよ~」
早くもアタック開始です。
〓この辺りはさすが西の亀田、東の若宮と呼ばれる由縁!面目躍如です。
え、なんのこと?
皆さんご紹介しましょう(笑)
当社には指折りのヤツシ(関西弁ですが…いわゆるええ格好する人です。)
今その二人がここ京都のキャバクラに揃ったわけですが…
亀田部長は本来の目的をすっかり忘れていました。
コートを黒服に預けると空いている大き目のソファにデンと腰を据えました。
「ママさん早くおいでよ♪」

一方円山事業部長はホールの真ん中を通り奥にある薄いベールをくぐると用意された席にきます。
腰が沈んでしまうくらいの豪華なソファに同じようにドカッと座りました。

さてと…ぐるりと見渡します。
招待し若宮本部長を目で探しました。
「失礼します」
声が薄いベールの向こうからあります。
「…」
ベールを捲って出たのは若宮本部長でした。「…」
「どうも…」ペコリと頭を下げて若宮本部長も席につきました。
「今夜はお招きに預かりありがとう…」
円山事業部長は皮肉たっぷりにお礼を述べます。
「いえいえ」…手を振りながら若宮本部長は照れを隠して笑いますが、目は油断のない感じです。
「いらっしゃいませ」マダムが入ってきて改めてあいさつをします。
「あ、どうも」
「飲み物は何がよろしいですか」
「ああ事業部長は飲まれないから…」
「そうでしたか…」
「悪いね、コーラでも貰おうかな」
「はい承知しました」こちらは…マダムが若宮本部長を見ると「俺はビール貰おうかな」若宮本部長は大のビール党でしたから(笑)

マダムがオーダーを訊くと姿を消しました。 席に沈黙が流れます…
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さあ大変、異動だ…(36)

2012年03月05日 07時19分01秒 | 日記
円山事業部長と亀田部長…同期の師弟?(笑)は怖々(こわごわ)とキャバクラに向かいました。
「いらっしゃいませ」黒服が恭(うやうや)しく最敬礼でお出迎えでした。
入り口のドアは、これはかなりの年代物だと分かる木製のものでした。
壁はあくまでも穏やかなベージュカラーを基調に落ち着いた石垣をモチーフした造りです。「こんなもの…」張りぼてだろう…と亀田部長が「コンコン!」触ると本物です♪
ドアの上に黒塗りの看板が掲げていて、
king & madam
「う~ん」
見上げる二人…うち亀田部長はそれを見て「俺たちが王様だろうか…」たかがぼったくだとタカをくくっていたのが以外と豪華な作りにチョッピリイメージを変えていました。
「ねえ事業部長…」
ん?「何だよ」
「ここって…何だか響(ひびき…クラブ名)みたいですね」
亀田部長がいくつか接待に使う祇園の高級クラブとひけを取らない造りについ声を掛けてしまいました。
「ああ…凄いなぁ」
たかがキャバクラだと思っていた円山事業部長も驚きの声をあげていました。
「カード…」
「しっ!」
円山事業部長は口に指を当てて制しました。木製のドアが開かれると、中は眩(まばゆ)いばかりのカクテル光線が二人を迎えます。ソウル調の気だるい音楽が部屋内にまとわりつくように流れています。
「これはエライところにきたみたいだぞ」…亀田部長は経験からそう感じました。
「…」さすがの円山事業部長も唖然とするよりありません♪
二人が立ち尽くしているホールの入り口には洋風の衝立がありました。それがスーと、音もなく動くと中からベージュのドレス姿が現れました。
髪は艶やかな黒、
潤んだ瞳に摘まんだように高い鼻
真一文字に結んだ唇から白い歯が覗き笑みを魅せました。
万事が大用に作られた顔の箇所がバランスよく配置されていて外国人に見間違うくらいエキゾチックでした。
実はこのタイプに滅法弱い亀田部長は一遍に惚れてしまいました(笑)
「ようこそお出でくださいました」
会釈も堂に入っていて如何にもお客扱いに慣れている感じです。
「あ、どうも、」
マダムから目を離さない亀田部長…彼女にペコペコしてどちらがお客かわからない有り様ですが(笑)…
「若宮が待っているんだって!」
円山事業部長は冷静を取り戻していました。 「はい…中でお待ちかねですよ」
ニッコリ笑うと片笑窪「えくぼ」ができました。
「ほ~い♪」
元気よく返事する側で円山事業部長はあきれていました。
「お前なぁ…」さっきまでビビっていたのは何なんだょ(苦笑)
苦笑いしながら
「じゃあ案内頼むよ」場馴れした様子で円山事業部長の懐の深さを亀田部長は改めて感じましたが、
キリリとした円山事業部長にダレ~ンとニヤケた亀田部長…マダムの放つ妖艶な肢体に恋い焦がれる浅ましい中年に成り下がっているのに気がついていないのでしょうね(笑)
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さあ大変、異動だ…(35)

2012年03月02日 08時34分59秒 | 日記
細身の黒服から発する危険なオーラ…恐々(こわごわ)近づいて亀田部長は覚悟しました。 「あの~」
意を決して声をかけます。
すると細身の黒服は居ずまいを正すし深々と頭を下げました。
「いらっしゃいませ」 おっと!
亀田部長はのけ反ります(笑)
てっきり怒鳴り散らされるつもりでしたから…(笑)
黒服は満面に笑みを浮かべ「お待ちもうしていました」
「はぁ…」
鳩が豆を喰らったような顔になりました。
「亀田様と円山さまでいらっしゃいますよね♪」
「ち、ちょっとなんで分かるの?」
「はい…」黒服は首に着けた蝶ネクタイを直しながら 微笑んでいます。
「事業部長~」
亀田部長は円山事業部長を呼びました。
「?」
煙草を吸っていた円山事業部長はくわえ煙草のまま近づいてきて、「どうしたん?」尋ねますが亀田部長は言葉になりません。
「あの…その…」
やれやれ… 亀田部長と黒服を見比べて苦笑いです。
円山事業部長は大阪育ち!特にミナミは庭みたいにして遊んでいたそうで、下戸(げこ)ながら場数を踏んでいらっしゃいました。

〓ミナミ…西日本最大の歓楽街です。

「どう?」「はい、円山様でしょうか…」
「そうだけどなんで知っているのよ?」
「はい、ただいま当店にいらっしゃる若宮様がご案内するように…」
「若宮が!!…」
「はい、お待ちかねですが…」
「ほほ~う」これを唸らずにいられましょうか(笑)
円山事業部長は亀田部長を見ると、どうする?
「う…ん…」
亀田部長は腕組みして固まったまま動きません
それはそうでしょうね(笑)敵…とまでは言わなくても、こちらの内情を調べに来た「刺客」です。地の利はこちらに有り、と詮索しようとしていたところでしたから…
「おい、相手さんの方が一枚上手だよ」
確かにこそこそ探していたこっちの動きを見透かした様子に、二人は脱帽でした。
「…でどうします?」このまま店に入るのはなんだか癪に触りました。
「せっかくお招き頂いたんだから入ろうか♪」
最初度肝を抜かれた円山事業部長でしたが、さすがに肝が座っています。
「けど…」
ボッタクリの店を思い出した亀田部長は尻込みしていますが、
円山事業部長は違いました。
「よ~し案内してもらおうか♪」
黒服に頼むと堂々と歩き始めていました。

「待って下さい…」
亀田部長も仕方なく後ろをチョロチョロとついていくしかありません。
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