軽井沢からの通信ときどき3D

移住して11年目に入りました、ここでの生活と自然を写真と動画で発信しています

今月の雲場池(7月)

2023-07-28 00:00:00 | 軽井沢
 7月22日に関東・甲信地方の梅雨明けが発表された。雲場池の定点の朝の様子は次のようで、サンプリングではあるが、先月に比べるとこのところ青空の写真がずいぶん増えた。

 今月中・下旬の写真に見られる、池表面に浮かんでいるものは池の底から浮き上がってきた藻のようで、景観面では美しいものではない。ただ、池で繁殖しているカルガモの親子は、この藻を熱心に食べていて、清掃に貢献している。

7月1日撮影

7月6日撮影


7月10日撮影

7月15日撮影

7月21日撮影

7月25日撮影

 先月に引き続いて、7月の雲場池の主役はカルガモの親子であった。それも、今年は2組の親子の登場である。

 一組目のカルガモの親子は、雛が9羽いて、6月1日に初めて雲場池で見かけた。その後、雛の数は7羽に減ってしまったが、下旬にはすっかり大きく成長した雛の姿が見られた。

 そして、6月29日に小さな12羽のヒナを連れた2組目のカルガモの母親が突然姿をみせて、驚かされた。

 今月は、この2組のカルガモの親子の様子を追ってみたが、どちらのカルガモの親子についても、揃って池を泳いでいるところを見かける機会はほとんどなかった。池に生えている菖蒲の陰に、上手に隠れてしまったのか、池中央部の小島に上陸して休息していたのだろうと思うのだが。

 以下、撮影した写真をご紹介する。

 先ずは先月から続いて、1組目のカルガモの親子から。

雲場池上流の川沿いで母親に見守られて休息するカルガモの雛(2023.7.1 撮影)

休息する7羽のカルガモの雛(2023.7.1 撮影)

休息するカルガモの雛(2023.7.1 撮影)

母親と共に再び下流に下る7羽のカルガモ雛(2023.7.1 撮影)

 翌日も同じように水辺で休息する姿が見られた。

水辺で休息する7羽のカルガモの雛(2023.7.2 撮影)

 しかし、これ以降この親子の姿を見る機会がなくなり、次に見かけたのは7月24日で、7羽の雛たちは無事成長し、母親と区別がつかないほどにまでなっていた。それでも、やはり親鳥は常に周囲に気を配りながら、子供たちを見守っていた。
 橋の上で雛を見守るカルガモの親鳥(2023.7.24 撮影)

親鳥と同じくらいに成長した7羽のカルガモの子供と親鳥(右端 2023.7.24 撮影)


成長した7羽の子供を見守るカルガモの親鳥(左から2番目 2023.7.24 撮影)

 続いて、2組目のカルガモの親子。初めて見た6月29日時点での雛の数はで12羽であった。

 先月報告したが、6月下旬に偶然見かけた2羽の雛と、親子は、この2組目の親子の一部だけを目撃していたようで、その後雛だけ、あるいは雛1羽と親鳥の姿を見ることはなかった。ただ、一度だけ、家族からはぐれてしまったと思われる1羽の雛を小池で見かけたことがあった。
 
2組目のカルガモの雛 1/2(2023.6.30 撮影)

2組目のカルガモの雛 2/2(2023.6.30 撮影)

2組目のカルガモの親子 1/3(2023.6.30 撮影)

2組目のカルガモの親子 2/3(2023.6.30 撮影)

2組目のカルガモの親子 3/3(2023.6.30 撮影)


池を元気に泳ぐカルガモの雛 (2023.7.2 撮影)

カルガモの雛 (2023.7.2 撮影)

頭上を飛ぶシジミチョウを目で追うカルガモの雛 1/2(2023.7.3 撮影)

頭上を飛ぶシジミチョウを目で追うカルガモの雛 2/2(2023.7.3 撮影)

菖蒲の葉上で休息するカルガモの雛 1/2(2023.7.3 撮影)

菖蒲の葉上で休息するカルガモの雛 2/2(2023.7.3 撮影)

雲場池の小池で1羽だけになり仲間を呼んで鳴き続けるカルガモの雛(2023.7.10 撮影) 

 この日から10日以上カルガモの親子を見ることはなく、次に見かけたのは7月21日であった。雛の数は9羽に減少していた。

雲場池を泳ぐ9羽のカルガモの雛と親鳥(2023.7.21 撮影)

元気に餌を探して食べるカルガモの雛(2023.7.21 撮影)

 しばらく雲場池で餌を探して泳いでいたが、気が付くと池から上がり、私の足元を通り過ぎて、隣接する精進場川の護岸壁の茂みに姿を消した。 
  雲場池から隣接する精進場川に移動するカルガモの親子(2023.7.21 撮影)

 まさかと思い、川の流れが見える場所に移動してみたところ、5-6mほどの護岸壁を飛び降りたようで、カルガモ親子はすでに川の中で餌を探していた。

精進場川に下りて餌を探すカルガモの親子 1/2(2023.7.21 撮影)

精進場川に下りて餌を探すカルガモの親子 2/2(2023.7.21 撮影)

 2組目のカルガモ親子は、雛の数は12羽から9羽に減ったものの、元気に成長しているようである。

 さて、梅雨の季節になり、池周辺ではキノコも多数出てきている。名前の判らないものが大半であるが、中には姿や色に特徴があって、名前の判るテングタケやタマゴタケが含まれている。


テングタケ(2023.7.1 撮影)

テングタケ(2023.7.3 撮影)


テングタケ(2023.7.11 撮影)

タマゴタケ(2023.7.2 撮影)

タマゴタケ(2023.7.3 撮影)


苔の中に生える大きなキノコ(2023.7.22 撮影)

 先月紹介したギンリョウソウの集団のほかにも、今年はギンリョウソウをよく見かける。それも例年に比べると一か所に生える株数が多いようである。


ギンリョウソウ1/7(2023.7.2 撮影 )

ギンリョウソウ2/7(2023.7.8 撮影 )


ギンリョウソウ3/7(2023.7.8 撮影 )

ギンリョウソウ4/7(2023.7.11 )

ギンリョウソウ5/7(2023.7.11 )

ギンリョウソウ6/7(2023.7.11 )

ギンリョウソウ7/7(2023.7.11 )

 山野草では、7月中旬頃から多くのヤマユリが咲き、周囲に芳香を漂わせる。ほかには、ウバユリ、オオウバユリ、ノカンゾウ、ホタルブクロが咲き始める。

別荘内を流れる小川に倒れこむように咲くヤマユリ(2023.7.24 撮影)

別荘の浅間石の擁壁の上に咲くヤマユリ 1/2(2023.7.25 撮影)

別荘の浅間石の擁壁の上に咲くヤマユリ 2/2(2023.7.25 撮影)

別荘の庭に咲くオオウバユリ(2023.7.22 撮影)

遊歩道脇に咲くウバユリ(2023.7.25 撮影)


遊歩道脇に咲くノカンゾウ(2023.7.24 撮影)

遊歩道脇に咲くホタルブクロ1/2(2023.7.6 撮影)

遊歩道脇に咲くホタルブクロ2/2(2023.7.15 撮影)

 別荘地の浅間石の擁壁に沿って、少し珍しいランの仲間が花をつけているのを見つけた。花がラン独特の形状をしているので、それと判る。これまで私は見たことのない種であったので、原色牧野植物大図鑑(北隆館発行)で調べたところ候補として、ジンバイソウとクモキリソウが挙がった。どちらも双葉で、葉の周辺が細かく波打つようになっている特徴がある。

 迷うところだが、図鑑のジンバイソウには長めの茎に小さな葉が多数描かれているが、今回撮影した写真にはそうした葉は見られないので、クモキリソウではないかと判定した。


浅間石の擁壁のそばに咲くクモキリソウ(2023.7.6 撮影)

 今月は野鳥の種数も個体数も多くなく、キビタキとヒタキの仲間の幼鳥らしい姿をみかけたのにとどまる。白い斑点が見られることから、この幼鳥はジョウビタキではないかと推測している。ウグイスは鳴き声は聞こえてくるが、姿は見られない。このほか、久々にカワウの姿を見かけた。

キビタキ(2023.7.10 撮影)

ジョウビタキの幼鳥1/3(2023.7.25 撮影)

ジョウビタキの幼鳥2/3(2023.7.25 撮影)

ジョウビタキの幼鳥3/3(2023.7.25 撮影)


カワウ(2023.6.30 撮影)

 昆虫ではトンボが飛びはじめ、雲場池近くの民家に咲く花にはミヤマカラスアゲハが吸蜜に来るようになった。


飛び始めたトンボ1/2(2023.7.15 撮影)

飛び始めたトンボ2/2(2023.7.25 撮影)

ダビドサナエ1/2(? 2023.7.6 撮影)

ダビドサナエ2/2(? 2023.7.6 撮影)
ミヤマカラスアゲハ♂1/2(2023.7.20 撮影)

ミヤマカラスアゲハ♂2/2(2023.7.20 撮影)

ホシミスジ(2023.7.20 撮影)

 ちょうどこの間に、我が家で飼育していたアサギマダラが羽化した。数日はケージの中で様子を見たが、やがて飛び立っていった。

アサギマダラの蛹(2023.7.16 撮影)

羽化が近くなったアサギマダラの蛹(2023.7.17 撮影)

羽化後ブッドレアで吸蜜するアサギマダラ♀1/2(2023.7.22 撮影)

羽化後ブッドレアで吸蜜するアサギマダラ♀2/2(2023.7.22 撮影)


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今月の雲場池(6月)

2023-06-30 00:00:00 | 軽井沢
 関東甲信地方の今年の梅雨入りは6月8日ごろであったが、これは例年とほぼ同時期である。雲場池の定点写真で見ても5月下旬以降ずっと曇り空が続いていて、すっきりと晴れる日はあまりなく、青空がのぞいている写真も少ない。


5月28日撮影

6月5日撮影

6月11日撮影

6月20日撮影

6月27日撮影

 水鳥の数も種類もどんどん減っていき、一時どうなることかと気になっていたマガモ♀は6月中旬頃までいたが、その後姿が見えなくなり、コガモも姿を消し、6月の主役はカルガモの親子になった。

 そのカルガモの母親が9羽のヒナを伴っているところを初めて見たのは、6月1日であった。雲場池で子育てをするカルガモのヒナの数は昨年が7羽、その前の年は3羽であったので、年々増えていることになる。

9羽のヒナを連れたカルガモの母親(2023.6.1 撮影)

 今月はこのカルガモのヒナの成長を追うことになった。

カルガモの母と9羽のヒナ (2023.6.7 撮影)


カルガモのヒナ 1/2(2023.6.7 撮影)

カルガモのヒナ 2/2(2023.6.7 撮影)

 母親に伴われて、前日まで元気に育っていると見えたヒナ達であったが、翌日、6月8日にヒナの数は7羽に減少していた。周辺を目で探ってみたがやはり見当たらない。親子は雲場池を広範囲に移動しているので、どこかではぐれてしまったのか、それとも何か事故に遭ったのか。

カルガモのヒナの数が7羽に減っていた(2023.6.8 撮影)


カルガモのヒナ(2023.6.8 撮影)

 その後もカルガモのヒナの数は元の9羽に戻ることはなく、2羽のヒナの行方は分からないままである。

全速力で競争しているような6羽のヒナ(2023.6.12 撮影)

羽ばたくしぐさはするが、まだ羽はごく小さい(2023.6.12 撮影)

6羽が一緒に行動する(2023.6.12 撮影)

1羽だけヒナの集団と母親の後ろからついていく(2023.6.12 撮影)

母親を取り巻くようにして揃って泳ぐ7羽のヒナ(2023.6.12 撮影)

母親と7羽のヒナ(2023.6.12 撮影)

 15日には小池の方に移動しているのが見られた。遊歩道と池水面との段差は30ー40cm程はあるが、ヒナ達は何とか乗り越えて行き来していることになる。以下成長の様子を日を追ってみていく。

 近くにいればその存在がよく目立つはずのカルガモの親子であるが、実際には散歩をしていても、毎日出会うわけではない。私は雲場池を1周するのを日課にしているが、どこにも見当たらないことがしばしばである。

 池の中に生えている植物は大きく成長しているので、その中に入って、じっとしていたり、池の中央にある小島に上陸して休息したりしていることがあるのだろうと思っている。

小池に移動した母親と7羽のヒナ(2023.6.15 撮影)

小池の7羽のヒナ(2023.6.15 撮影)

遊歩道に上った母親と小池に残る7羽のヒナ(2023.6.15 撮影)

小池を泳ぐカルガモ親子と池の大きなコイ(2023.6.15 撮影)

成長したカルガモのヒナ(2023.6.20 撮影)

大池で餌を探す母親とヒナ(2023.6.20 撮影)

橋のたもとに上った母親を追う7羽のヒナ(2023.6.20 撮影)

橋のたもとで休息する母親と7羽のヒナ(2023.6.20 撮影)

 このころからヒナの行動範囲が広くなってきたのか、親子が揃っているところを見かけなくなってきた。ヒナはさらに大きくなり、顔つきも親に似てきた。

カルガモ親子(2023.6.23 撮影)

カルガモのヒナ(2023.6.24 撮影)

羽ばたくしぐさのカルガモのヒナ(2023.6.24 撮影)

カルガモ親子(2023.6.24 撮影)


カルガモのヒナ(2023.6.25 撮影)

 ヒナ達もずいぶん大きくなってきたなと思いながら遊歩道を歩いていた6月26日の朝、2羽のカルガモのヒナが寄り添っているのが見えた。前日まで見てきたヒナ達に比べるとかなり小さく、次のようである。

突然姿を見せた2羽のカルガモのヒナ 1/2(2023.6.26 撮影)

突然姿を見せた2羽のカルガモのヒナ 2/2(2023.6.26 撮影)

 この2羽のヒナはすぐにキショウブ(黄菖蒲)の群生している中に隠れて見えなくなったが、辺りに親の姿や他のヒナ達の姿はなく、もしかしたら行方不明になっていた9羽のヒナの中の2匹かと思えたが、それにしてはずいぶん成長度合いに差があるようなので、別の個体の可能性がある。

 その翌日は、この2羽のヒナの姿も、いつもの7羽のヒナたちの姿も見ることはなかったが、今度は別荘地の中を流れる小川の中に親鳥と一緒にいる1羽のヒナを見つけた。このヒナもまた前日の2羽のヒナと同じくらいの成長度合いに見えた。

雲場池沿いの別荘地の中を流れる小川でみかけたカルガモ親子 (2023.6.27 撮影)

 1日散歩を休んで出かけた6月29日の朝、雲場池の奥では様子が一変していた。一面に茂っていたキショウブが橋の手前まですべて切り払われていた。


パノラマ撮影した橋の両側の様子(橋の右が上流:2023.6.29 撮影)

 26日に見かけた2羽のヒナはこの茂みに消えていったのであったが、この日ヒナの姿は見えなかった。

 橋から上流部のキショウブなどは残されていて、そこにはこれまで見てきたカルガモの親子の姿があった。

中央の橋の上流部に移動していたカルガモ親子(2023.6.29 撮影)

 更に上流に進むと最上流部近くの流れの中に生えていた植物も切り払われていて、2人の作業員が反対側の遊歩道で下草の手入れをしているところであった。

 この時、上流部から一斉にカルガモの親子が飛び出してきて流れに乗って下流に移動し始めた。


雲場池の最上流部から飛び出してきたカルガモの親鳥(左側)と12羽のヒナ(赤丸印:2023.6.29 撮影)


飛び出してきた最後のヒナと共に下流に移動する親鳥(2023.6.29 撮影)

 この親子はこれまで観察してきた親子とは別で、次々と現れるヒナを数えると12羽いることが判った。26日と27日に見たヒナ2羽や親子はこの一部を見ていたのだろうか。判らなくなってしまったが、引き続き観察していくことにする。

 さて、カルガモの親子の紹介が長くなってしまったので、6月の雲場池周辺の様子を以下簡単に紹介する。

 先月まで元気に囀っていたミソサザイは、子育てが始まったようで、静かになった。これに代わって雲場池周辺の高い木の上からキビタキの鳴き声が聞こえるが、なかなか姿を見せない。

キビタキ♂(2023.5.31 撮影)

 次の動画でキビタキの囀りを聞いていただく。

 
キビタキの囀り(2023.6.3 撮影)

 シジュウカラやジョウビタキも子育て中と見え、大きな虫を捕まえたり、たくさんの虫を咥えたりするところを見るようになった。

大きな虫を咥えるシジュウカラ(2023.5.31 撮影)

たくさんの虫を咥えるジョウビタキ♂(2023.6.24 撮影)


虫を咥えて巣に運ぶジョウビタキ♀(2023.6.24 撮影)

 このほか、コサメビタキ、メジロ、ヒヨドリの姿を撮影できた。

コサメビタキ(2023.6.17 撮影)

メジロ(2023.6.17 撮影)

ヒヨドリ(2023.6.17 撮影)

 植物では別荘地の庭にギンリョウソウや各種キノコ類が出てきた。モンローの唇(イオウゴケ)は冬も消えずにいたが、赤の鮮やかさが増したようである。

珍しく大きな株のギンリョウソウ(2023.6.24 撮影)


ギンリョウソウ 1/2(2023.6.17 撮影)

ギンリョウソウ 2/2(2023.6.20 撮影)

別荘地の庭に出てきたタマゴタケ(2023.6.23 撮影)

カサが開いたタマゴタケ(2023.6.26 撮影)

別荘の苔庭に出てきた大きいキノコ群(ヤマドリタケモドキの仲間?:2023.6.24 撮影)

小さなキノコ群(2023.6.16 撮影)

浅間石の隙間から顔を出したキノコ(アシベニイグチの仲間?:2023.6.16 撮影)

モンローの唇(イオウゴケ:2023.6.16 撮影)

 チョウの種類は相変わらず少ないが、僅かにスジグロシロチョウとヒメキマダラセセリらしいチョウが見られた。

スジグロシロチョウ(2023.6.25 撮影)

ヒメキマダラセセリ(? 2023.6.16 撮影)

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今月の雲場池(5月)

2023-05-26 00:00:00 | 軽井沢
 コブシとサクラの花が終わった雲場池では日増しに緑が濃くなり、池に面してズミの花が咲きはじめた。

 我が家の購読紙の2面には、毎日掲載されている「四季」というコーナーがあり、俳人の長谷川 櫂さんが俳句や短歌から、さらには古今東西の文学などからの引用文を紹介し、解説をされているのであるが、5月13日の内容は次のようであった。

 「木の花の降りつぐ中の五月かな  柴田美佐

 五月は新緑の季節。森の中では若葉にまじって、さまざまな木の花が咲く。ズミ、イボタ、サワフタギ。春の桜ほどはなやかではないが、どれも心惹かれる小さな白い花である。人知れず咲いては散る木の花を愛しむ。句集『深紅』から。」

 雲場池のズミは5月中旬に咲き始めた。次のようである。


白いズミの花(2023.5.13撮影)


池にせり出した枝先に咲くズミの花 (2023.5.7 撮影)

 では、例月の通り定点からの今月の雲場池の様子をご紹介する。

4月28日撮影

5月3日撮影

5月11日撮影

5月18日撮影

5月25日撮影

 上で紹介したズミのほかにも、別荘地や雲場池の遊歩道沿いに植えられているドウダンツツジの白い小さな花が咲き、場所によってはトンネルのように頭上に伸びた枝にも花が咲く。

池の周囲をめぐる遊歩道に沿って植えられているドウダンツツジの花(2023.5.7 撮影)

隣接する別荘地の庭からは頭上に覆いかぶさるようにドウダンツツジの枝が伸びている(2023.5.7 撮影)

白いドウダンツツジの花のトンネル 1/2(2023.5.13 撮影)


白いドウダンツツジの花のトンネル 2/2(2023.5.18 撮影)

 やがて、ドウダンツツジの小さく白い花が遊歩道上に散り敷かれるが、これに混じってやや黄色味を帯びた別の花が見られるようになる。

 上を見上げるとオニヒョウタンボクの花が咲いていることに気がつく。

オニヒョウタンボクの花(2023.5.18 撮影)

オニヒョウタンボクの花(2023.5.11 撮影)

オニヒョウタンボクの花(2023.5.11 撮影)

オニヒョウタンボクの花で吸蜜するマルハナバチ(2023.5.11 撮影)

 このほか、別荘地の庭には、シャクナゲやミツバツツジが美しく咲き、遊歩道近くに植えられているヤマツツジは、ドウダンツツジと同じように、遊歩道のところどころにトンネルを作っている。

雲場池の周辺の別荘地に咲くシャクナゲ(2023.4.28 撮影)

シャクナゲの陰で休むヒヨドリ(2023.4.28 撮影)

雲場池の周辺の別荘地に咲くミツバツツジ(2023.4.28 撮影)

美しいミツバツツジの花(2023.4.28 撮影)

 別荘地に植えられたヤマツツジは一部がドウダンツツジと同じように、遊歩道に覆いかぶさるようにたくさんの花をつけている。

散り始めたヤマツツジ(2023.5.22 撮影)


遊歩道にせりだして咲くヤマツツジ(2023.5.22 撮影)

 池に何やら白っぽいものが多数浮かんでいたので、見上げると大木の枝先に絡みついて咲くフジの花があった。

多数の白いものが浮かぶ(2023.5.22 撮影)


高い木の枝先で咲くフジ(2023.5.22 撮影)

 遊歩道脇には山野草もいろいろと咲き始めた。

ムラサキケマン(2023.4.28 撮影)

白花のエンレイソウ(2023.4.28 撮影)

ルリソウ(2023.5.22 撮影)

ルリソウ(2023.5.18 撮影)


数は少ないがピンク色の花をつける株もあるルリソウ(2023.5.22 撮影)

咲き始めがピンク色をしているルリソウ(2023.5.22 撮影)

ピンクの花をつけるルリソウ(2023.5.22 撮影)

花が開き始めたクワガタソウ(2023.5.22 撮影)

ユキザサ(2023.5.18 撮影)

マイズルソウ(2023.5.13 撮影)

ニョイスミレ(2023.5.18 撮影)

マムシグサ(2023.5.18 撮影)

 水鳥はほとんどが姿を消し、通年生息しているカルガモとカイツブリの他にはコガモが数羽だけになった。そう思っていたら、下旬になり突然マガモの♀が一羽姿を見せた。

通年棲んでいるカルガモ(2023.5.11 撮影)

カイツブリ(2023.4.28 撮影)

コガモ♀(2023.5.13 撮影)

コガモ♂(2023.5.11 撮影)

コガモ♂(2023.5.9 撮撮影

突然現れたマガモ♀(2023.5.25 撮影)

 野鳥の仲間も減っている。相変わらず元気な鳴き声を響かせているのはミソサザイであるが、これにキビタキの美しい鳴き声が加わった。ただ、キビタキは梢の高いところにいてなかなか下に下りてきてくれないので、姿を見るのはまれである。

元気に囀るミソサザイ(2023.5.9 撮影)

高い木の上で美しい鳴き声を聴かせてくれるキビタキ(2023.5.3 撮影)

コサメビタキ(2023.5.9 撮影)

地上に降りて餌を探すヒガラ(2023.4.28 撮影)

オニヒョウタンボクに止まるシジュウカラ(2023.5.9 撮影)

 池には30㎝ほどに成長したニジマスらしい姿をよく見かけるが、時々水面近くまで浮き上がり波紋をつくっている。

30cmほどに成長したニジマスと思われる魚影 1/2(2023.4.28 撮影)


30cmほどに成長したニジマスと思われる魚影 2/2(2023.5.11 撮影)
  
 広い別荘地の庭ではニホンリスが元気に走り回り、愛らしい姿を見せてくれる。


別荘地の庭で遊ぶニホンリス(2023.4.28 撮影)

クルミを食べるニホンリス(2023.4.28 撮影)

                                 完

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軽井沢の夜咄

2023-05-12 00:00:00 | 軽井沢
 「やなぎ書房」のAさんから、突然閉店の連絡をいただいた。4月13日に届いたメールには次のように書かれている。早速、この「ラスト夜咄」に参加する旨返信を送ったのは言うまでもないが、私はこれまで開催された「夜話」(これまではこの語がつかわれていた)に3回と「軽井沢で文楽を楽しむ会」に参加してきた。

「M様
 軽井沢も桜が咲き出し、春が駆け足に過ぎていく予感です。いかがお過ごしでしょうか?
 2021年8月1日にオープンしましたやなぎ書房は、閉店することになりました。・・・
 やなぎ書房の締めの会を「ラスト夜咄」としてやなぎ書房店主の T が語ります。

【やなぎ書房ラスト夜咄】
 “4月28日㈮・4月29日㈯の二日間連日企画”
 スピーカー:T
 場所:やなぎ書房

 2023年4月28日㈮
  17:00〜 ウェルカムドリンク
  18:00〜20:00頃 Tの夜咄パート1

 2023年4月29日㈯
  17:00〜 ウェルカムドリンク
  18:00〜20:00頃 Tの夜咄パート2
 *夜咄後は時間の許す限りのワインパーティー
・・・
 
 やなぎ書房     A  」

 28日の夜咄に出かけたのは17時40分頃で、会場のやなぎ書房にはすでに多くの人が集まっていて、中央の大きなテーブルは満席で、いつもと同じようにワインを飲みながらの談笑が始まっていた。顔なじみの方もいて、軽く会釈をしながら後方に用意された椅子席に着く。

 係の人がワインを勧めてくださったが、この日は車で帰る予定であったので、ノンアルコールタイプをお願いしてカップに注いでいただいた。配られたおつまみを食べていて、ふと目の前にある小さな書棚に並べられている立花隆さんの名前が背表紙に見える本に目が止まったので、手に取って目次をみると心理学者の河合隼雄さんや免疫学者の多田富雄さんなどの名前が並んでいて対談集のようである。パラパラと中身に目を通していると、チンチンと合図の音が聞こえて、Tさんの話が始まった。

 いつもはゲストのスピーカーを招いて行われた夜話であったが、今回は店主のTさん自らの話である。しかも2夜に亘ってと異例のことである。これまでも、最初の長めの挨拶や、Q&Aの際にTさんの話を聞く機会が結構あったので、この夜話された内容も一部すでに聞いたことのあるものが含まれていたが、今回やなぎ書房を閉店することになった理由については、最後まで明確な説明はなかった。

 話の中で、やなぎ書房の経営面の話もあった。それは、このやなぎ書房の建物の年間家賃は、1000万円ほどをかけて集められた本をすべて1年間で販売したとしても、その売り上げ益では到底まかないきれないといった内容であった。そのことを明るく話されたのであったが、それは当初から織り込み済みであろうから、今回の閉店の理由には当たらないだろう。

 書房はもともと営利を目的としたものではなく、壁紙のごとく壁面一杯に並べられた本には岩波文庫とブルーバックスがすべて含まれているというTさんのこだわりと、そのほかにもTさんの関心分野の本が多数集められているので、ここはTさんの書斎であり、Tさんの交流の場であり、また多くの人が自由に集うことのできる場でもあった。

 今回の閉店の理由が、所期の目的を達成したためなのか、何か他に突発的な理由があったのかがわからないままに20時少し前まで続いたTさんの楽しい話を聞いて私は会場を後にしたが、翌日聞いたところでは、多くの方々は21時・22時まで会場に残り、Tさん自身は深夜まで場所を移しながら参加メンバーと飲み、話を続けたという。

 初日の話題はこれまでの夜話での内容を含むもので、多岐にわたったが、最も印象に残ったのは彗星X集団と原発に関する部分であり、これまで聞いたことのないものであった。しかし、帰宅後Tさんから昨年の「軽井沢で文楽を楽しむ会」でいただいたままにしていたミニ書籍「原発のミニ知識」を改めて読んでみるとそこに「データ資料」として紹介されている内容であった。


原発のミニ知識(所 源亮著、2020年2月 やなぎ出版発行)の表紙
 
 当該部分には次のように書かれている。

 「地球は、約15,000年前長い”氷期”を脱して、温暖化しました。現在は、約260万年前から続く”第四紀氷河時代の中の温暖な”間氷期”です。この”間氷期”の前の”氷期”は、約7万年前から始まり約1万5千年前に終結した、”最終氷期(ペルム氷期)”です。

 ”最終氷期”が終わり、現在の”間氷期”に至った説明として多くの仮説があります。しかしながら、その何も、地球の気象が突然変化したこと(氷期から間氷期)に対する科学的な根拠が不十分です。最も説得力のある仮説は、W.M.ナビエとS.V.M.クリューブ(Nature Vol.282, 29 November, 1979)が提唱し、後にF.ホイルとN.C.ウィックラマシンゲが修正を加えた以下の”彗星X集団ミサイル攻撃”仮説です。

 『推定直径200㎞の巨大な彗星(以下、”彗星X”)が、地球の300倍以上の質量を持つ木星によって、その軌道が摂動されただけでなく、粉々となった。その結果、10から1,000メートル級の塊が100億個以上の集団となり、一定の周期(約1,500年)で地球軌道に遭遇する。彗星Xがバラバラになった塊の集団(”彗星X集団”)は、約1万5千年前に形成され、前述の通り、地球軌道と約1,500年の周期で遭遇してきたと考えられる。遭遇時の”彗星X集団ミサイル攻撃”は、数十年にわたって地球を襲ったと推定。』

 人類史を約1万5千年前から1,500年の周期で顧みると、以下の通り”彗星X集団”と”人類史の大変化と転換”には、相関があります。15,000年前(氷期から間氷期)、13,500年前(一時的に氷期に戻る*パレオ・インディアンのクロービス文化とマンモスの消滅。12,900年前のヤンガードリアス)、12,000年前(再び間氷期、農牧畜始まる)、10,500年前(温暖化定着、間氷期定着)、9,000年前(農耕牧畜本格化)、7,500年前(文明始まる)、6,000年前(銅の製錬始まる)、4,500年前(エジプト文明ピラミッドを、王の天体衝突からの防衛シェルターとして建立。インダス文明モヘンジョダロ消滅、3,000年前(エリコの破壊、神話の創造)、1,500年前(紀元476年の西ローマ帝国の崩壊、紀元535ー536年の世界的な異常気象)。
 
 以上より、次回の”彗星X集団ミサイル攻撃”は、2035年頃から始まり数十年間続く可能性があります。その被害の程度を想像するには、1908年にロシアのツングースカ上空で爆発した隕石(広島原爆の約300~1,000倍と推定)と、2013年にチェリヤビンスク州上空で爆発した隕石(広島原爆の約30倍と推定)の破壊を見れば十分です。沖縄を除いて全ての地域が原発から100㎞以内という日本は、”彗星X集団ミサイル攻撃”を受けたなら、真っ先に、電力会社と国家が”無主物”と規定する”原発のゴミ”によって住めない土地になります。」

 といった仮説である。これを分かり易く図示すると次のようである。


過去15000年の地球の歴史で起きた1500年ごとの大きな事件(原発のミニ知識より、筆者作成)

 T氏はこの仮説を支持し、過去とは全く異なり、原子力発電所を多く抱えるようになった現在の地球に起きる災害を予測しているのであった。
 
 この彗星Xという仮説が提出されていることを、全く知らなかった私は衝撃を受けた。この仮説を鵜呑みにするわけではないが、かといって否定するだけの知識を今はまだ持ち合わせていないということである。

 「夜咄パート1」はとんでもない宿題を与えてくれることとなった。

 次の日はショップの顧客で、別荘の住人でもあるKさんと一緒に「夜咄パート2」に参加した。昨夜と同じような時刻に出かけたが、参加者は前夜よりもやや少なく、私たちは大きいテーブルの方に座ることにした。

 テーブルの上と、テーブルの周囲や後方に配置された椅子席にはA3の資料集と後に紹介する3冊の本が置かれていた。A3用紙に一部手書きされている7枚の資料は、T氏の大学での講義のまとめや、これまでの夜話のテーマになった内容などが記されている。

 2日目の夜咄もまた多岐にわたる内容であったが、T氏が書いている私小説「いつの日か、ふたりは恋人」にまつわる話と前夜に続いて彗星Xの話題に多くの時間が割かれた。

 そして、話の半ばで松井孝典さんが3月に亡くなられたこと、今回の夜咄は松井さんの追悼を兼ねていることが明かされた。

 松井孝典さんには2年前にこの軽井沢の夜話ではじめてお目にかかり、「宇宙から俯瞰する人類1万年の文明、ウイルスはどこから来たのか」という題のお話を聞いたのであった。興味深い内容であったので、その時のことは当ブログで3回にわたって紹介している。

 昨年秋、「軽井沢で文楽を楽しむ会」が開催され、この日も松井さんの姿を会場で見かけたが、以前に比べて痩せた姿が気になっていた。こんなに早く亡くなられるとは意外であった。

 帰宅後ウィキペディアを見て、松井さんが2023年3月22日に前立腺がんで亡くなられていたことを知った。また、学長を務めていた千葉工業大学からの次のようなお知らせの文章が公表されていることも知った。

「                              令和5年3月24日
 学校法人千葉工業大学
本学学長 松井孝典 逝去のお知らせ

 本学学長 松井孝典は、前立腺がんのため、2023年3月22日午後9時53分に逝去いたしました。なお、葬儀は密葬にて近親者のみで執り行われます。
 ここに生前の皆様のご厚誼に深く感謝いたしますとともに、謹んでお知らせ申し上げます。

 後日、「お別れの会」を予定しております。詳細はこちらをご覧ください。
 
参考
氏  名:松井 孝典(まつい たかふみ)
生年月日:1946年3月7日(満77歳)
〈略歴〉
静岡県生まれ。理学博士。東京大学理学部卒業、同大学院博士課程修了。専門は地球物理学、比較惑星学、アストロバイオロジー。
NASA 客員研究員、マサチューセッツ工科大学及びミシガン大学招聘科学者、マックスプランク化学研究所 客員教授、東京大学大学院新領域創成科学研究科教授(理学系大学院教授兼担)を経て東京大学名誉教授。
2009年4月より千葉工業大学惑星探査研究センター所長、2016年より学校法人千葉工業大学常務理事。
2019年より地球学研究センター所長、2020年6月より千葉工業大学第13代学長。
2012年発足した政府の宇宙政策委員会委員(委員長代理)、静岡文化芸術大学理事、2018年3月から岐阜かかみがはら航空宇宙博物館館長兼理事長、そのほかにも各種財団の理事、評議員など多数。1986年、学術誌『ネイチャー』に海の誕生を解明した「水惑星の理論」を発表し、世界の地球科学者から注目を集めた。日本の惑星科学の第一人者。NHKの科学番組『地球大紀行』の制作に関わり、企画段階から参加した。学際的な活動は近年、製鉄の人類史に宇宙分野の分析技術を応用し成果を上げている。1988年、日本気象学会から大気・海洋の起源に関する新理論の提唱に対し「堀内賞」、2007年、著書『地球システムの崩壊』(新潮選書)で、第61回毎日出版文化賞(自然科学部門)を受賞。このほかにも『地球進化論』『地球倫理へ』『宇宙人としての生き方』『われ関わる故にわれ在り』『文明は見えない世界がつくる』『138億年の人生論』など著書多数。
以上」

 お別れの会については、別途次のようなお知らせの文章が出ている。

「       本学学長 松井孝典 「お別れの会」のお知らせ

  本学学長 松井孝典は
  令和5年3月22日に永眠いたしました
  ここに生前のご厚誼を深謝し謹んでご通知申し上げます
  なお密葬の儀は近親者のみにて相済ませました
  追って「お別れの会」を下記の通り執り行います

 記

    【日時】 5月9日(火)正午から午後2時               
    【場所】 オークラ東京 オークラプレステージタワー1階「平安の間」 

    誠に勝手ながらご香典ご供物ご供花の儀は固くご辞退申し上げます
    またご来臨の際は平服にてお越し下さいますようお願い申し上げます
                               令和5年4月19日
                            学校法人 千葉工業大学
                             理事長 瀬戸熊 修」

 この2日目の夜咄で、Tさんから最近松井さんと会って話をした時の様子が語られ、がんに対して松井さんは延命治療を断ったということが紹介された。そしてその後数週間で亡くなられた。

 帰宅後、プレゼントされた資料集や書籍に目を通したが、もちろん2日間の夜咄に関係のあるものであった。以下に写真を示す2冊はミニ書籍で、内1冊は夜咄の後に出版予定のものであった。このほかに松井孝典さんの名前のある単行本「超入門 生命起源の謎(いけのり著 松井孝典監修 所 源亮原案 2018年地湧社発行)」も含まれていた。

天降感染ー宇宙から来た生命ー
(チャンドラ・ウィックラマシンゲ著、2021年1月 やなぎ出版発行)

文明と彗星衝突
(チャンドラ・ウィックラマシンゲ著、2023年5月 やなぎ出版発行)

 これらの本を通して、Tさんが我々に伝えたかった内容がさらに補強された形になる。

 そして、やなぎ書房閉店の理由がようやく理解できた気がした。

 小説「いつの日か、ふたりは恋人」の完成と松井孝典さんの逝去という最近の2つのできごとによって、Tさんが開催してきた一連の「軽井沢の夜咄」に区切りがついたということだと思えるのであった。
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今月の雲場池(4月)

2023-04-28 00:00:00 | 軽井沢
 4月になると雲場池とその周辺を取り巻く様子は一変する。木々が芽吹き、コブシ、チョウジザクラ、オオヤマザクラ、ネコヤナギなどの花も揃って咲き始める。遊歩道の足元には数種のスミレが咲き始め、散歩が楽しくなる。

 3月にはまだ増減を繰り返していた水鳥たちの数や種類にも変化があり、マガモ、オカヨシガモ、キンクロハジロ、オオバンなどの姿は消えてしまう。期待していたマガモのエクリプスの姿を、今年は見ることができそうにない。

 4月下旬時点で見られるのはなぜかコガモと、通年生息しているカルガモ、そしてこのところよく姿を見せるようになったカイツブリである。

 池の周辺では3月から引き続いてミソサザイの大きな鳴き声が響き、ウグイスの鳴き声も遠くから聞こえる。どちらもその姿を見つけるのは難しいが、ミソサザイは先月に続いて動画を撮ることができた。ウグイスの方は鳴いている姿の撮影に何度か挑戦したものの、姿をはっきりととらえらることができず、雲場池の景色を背景に鳴き声だけを録音してみた。

 野鳥の仲間では、いつも見られるシジュウカラのほか、ヤマガラ、ヒガラ、コゲラ、アカゲラ、キセキレイ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、コサメビタキ、アオジなどが見られた。少し珍しいところではソウシチョウの姿を一瞬茂みの中に認めた。

 シジュウカラは子育ての準備を始めているようである。別荘地の中でなにやら不思議な動きをしている個体がいたので、レンズ越しに見ると、巣の材料を熱心に咥えようとしているところであった。苔をむしっているのかと思っていたが、妻に見せるとヤママユガの繭を見つけてそれをほぐそうとして格闘しているようだとのこと。確かに苔ではなく緑色の繊維が見える。
 
 では、まずは定点の変化をスマホで撮影したパノラマ写真で。

3月24日撮影

3月30日撮影

4月4日撮影

4月12日撮影

4月19日撮影

4月25日撮影

4月26日撮影

 続いて、春を告げてくれるミソサザイとウグイスの鳴き声を聞いていただく。
  ミソサザイの囀り(2023.4.12 撮影)

 ウグイスの囀り(2023.4.26 撮影)

 次の動画は巣作りの準備に余念のないシジュウカラ
  巣作りの材料を集めるシジュウカラ(2023.4.25 撮影)

 冬の間目を楽しませてくれた水鳥たちに代わって、池周辺の別荘地の庭ではコブシの花が咲き始めた。

コブシ(2023.4.12 撮影)

コブシ(2023.4.19 撮影)

コブシ(2023.4.19 撮影)

コブシ(2023.4.12 撮影)


コブシ(2023.4.14 撮影)

コブシ(2023.4.14 撮影)

コブシ(2023.4.14 撮影)


コブシ(2023.4.14 撮影)
 
 名前のチョウジの由来が花を横から見ると丁子(クローブ)のように見えることから名づけられているというチョウジザクラは小型の花が清楚で美しい。

チョウジザクラ(2023.4.14 撮影)

チョウジザクラ(2023.4.12 撮影)

 オオヤマザクラは花びらがピンク色で大きい。これらの花が同時に咲き始めるのは寒冷地の特徴といえる。

オオヤマザクラ(2023.4.12 撮影)

オオヤマザクラ(2023.4.14 撮影)
 
ネコヤナギ(2023.4.2 撮影)

タチヤナギ(2023.4.19 撮影)

 目立たないが遊歩道の足元にはアオイスミレ、タチツボスミレ、ヒカゲスミレが見られる。別荘地の周囲に積み上げられた浅間石の隙間には小さいがピンク色のヒナスミレの花が美しい。

アオイスミレ(2023.4.2 撮影)

タチツボスミレ(2023.4.19 撮影)

タチツボスミレ(2023.4.12 撮影)

タチツボスミレ(2023.4.14 撮影)

タチツボスミレ(2023.4.19 撮影)

ヒカゲスミレ(2023.4.14 撮影)

ヒカゲスミレ(2023.4.14 撮影)

ヒナスミレ(2023.4.3 撮影)

ヒナスミレ(2023.4.14 撮影)

種子をつけるヒナスミレ(2023.4.25 撮影)

 雲場池に至る道路沿いには日本の野生種ではないが、数種のスミレの仲間も咲き始める。

フイリゲンジスミレ(2023.4.12 撮影)

ニオイスミレ(2023.4.12 撮影)


アメリカスミレサイシン(2023.4.12 撮影)

 スミレのほかにも可憐な花をつける植物を見かけるようになる。
 
エンレイソウ(2023.4.25 撮影)

フデリンドウ(2023.4.25  撮影)

フデリンドウ(2023.4.25 撮影)

ユキザサ(2023.4.25 撮影)

オトメエンゴサク(? 2023.4.25 撮影)


ヤマエンゴサク(? 2023.4.14 撮影)

 続いて、他の水鳥たちはいなくなってしまったが、今もまだ見られた水鳥たちの姿。通年見られるカルガモは別にして、今年はなぜかコガモが今も数羽残り、昨年ここで繁殖していたカイツブリの姿も見られる。 

カルガモ(2023.4.4 撮影)


餌を採るカルガモ(2023.4.2 撮影)

樹上のカルガモ(2023.3.31 撮影)

コガモ♂(2023.4.2 撮影)

コガモ♂(2023.4.19 撮影)

コガモ♀(2023.3.24 撮影)

カイツブリ(2023.4.2 撮影)

 野鳥の仲間では、いつも見られるシジュウカラのほか、ヤマガラ、ヒガラ、コゲラ、アカゲラ、キセキレイ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、コサメビタキ、アオジなどが見られた。少し珍しいところではソウシチョウの姿を一瞬茂みの中に認めた。

シジュウカラ(2023.3.27 撮影)
 

川で遊んでいるようにみえるヤマガラ(2023.4.4 撮影)

モミジの花芽をついばみに来たヒガラ(2023.4.25 撮影)

ヒガラ(2023.4.25 撮影)

枝から枝へと飛び移るヒガラ(2023.4.25 撮影)

コゲラ(2023.4.3 撮影)

アカゲラ(2023.4.19 撮影)

キセキレイ(2023.4.12 撮影)



ハクセキレイ(2023.4.3 撮影)

ヒヨドリ(2023.4.26 撮影)

コサメビタキ(2023.3.27 撮影)

コサメビタキ(2023.4.26 撮影)

コサメビタキ(2023.4.25 撮影)

カワラヒワ(2023.4.4 撮影)

アオジ(2023.4.14 撮影)

上の写真撮影後、後を追うようにやってきたアオジ(2023.4.14 撮影)

チラと姿を見せて飛び去った外来種のソウシチョウ(2023.4.19 撮影)

 霧の出た日、多数のツバメが餌を探して飛び交っていたが、中には枝先で休憩する個体もいた。


霧の中を飛びまわるツバメ(2023.4.26 撮影)
枯れ枝の先で休むツバメ(2023.4.26 撮影)

 動物ではニホンリスの姿を時々見かける。樹上からこちらの様子をうかがっていたと思うと、さっと身をひるがえして消えていく。


ニホンリス(2023.4.26 撮影)

 雲場池周辺でチョウの姿を見かける機会はあまりないが、今月はミヤマセセリとシジミチョウに出会った。ミヤマセセリは幼虫で冬を越して早春蛹になり羽化するというから、羽化して間もない個体である。
   
 シジミチョウの方は大きさからヤマトシジミかと即断していたが、よく考えてみると発生時期が少し早いようである。翅裏の紋様からスギタニルリシジミかとも思えるが、これまで見たことが無いのでよく分からないでいる。

 このシジミチョウがスギタニルリシジミだとすれば、ミヤマセセリとともに年1回の羽化で、ヒメギフチョウと同じで今の時期だけに見られる種ということになる。

ミヤマセセリ(2023.4.14 撮影)

スギタニルリシジミ(? 2023.4.19 撮影)

開翅したスギタニルリシジミ♂(? 2023.4.19 撮影)





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