軽井沢の春はコブシの花で始まる。それもあってか、軽井沢町の「町の木」にはこのコブシが選ばれている。桜の開花はコブシよりも半月ほど後になる。私が、今回大阪に来たのは今月11日だったが、そのときにはまだ桜は咲いていなかった。
14日になって、妻から庭のオオヤマザクラの花が咲き始めたとの連絡があったが、そうすると私が帰宅する下旬には、もう散ってしまっているかもしれない。今年は満開の桜をじっくりと楽しむ機会を逸したかなと思っていたところ、TVのニュースで大阪造幣局の通り抜けの桜が、ちょうど見ごろを迎えていると知り、早速出かけてきた。
前回、この通り抜けの桜を見に出かけたのは、まだ大阪に住んでいたころのことだから、もう50年、半世紀近くも前のことになる。夕方、環状線の駅から歩いた記憶があるので、京橋駅か桜ノ宮駅からであったのだと思う。
今回改めて調べてみると、実家のある堺からだと、地下鉄谷町線の天満橋駅が最寄り駅ということが判った。到着後、駅改札口を出ると、目の前に案内の表示があり、人の流れもその示す方に向かっているので判りやすく、行き先を間違うこともない。
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地下鉄谷町線・天満橋駅の改札口を出るとすぐに案内が目に入る(2108.4.16 撮影)
地上出口周辺も、通り抜け関連のおみやげ物を売る店が並んでにぎやかであった。
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地上に出るとみやげ物を売る店が並ぶ(2018.4.16 撮影)
人の流れに乗って歩き、大川にかかる「天満橋」を渡り右折、今度は川沿いの道を進むと、通り抜けの入り口に着く。途中には、食べ物を売るたくさんの屋台が並んでいる。
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天満橋上から見る「大川」と両岸のビル(2018.4.16 撮影)
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造幣局に向かう道に並ぶ食べ物を売る屋台(2018.4.16 撮影)
入り口周辺では、「通り抜け」内の案内と共に、主に外国人観光客に向けた各種注意を促すアナウンスが盛んに行われ、多くの掲示もなされている。これは中に入ってからも同じで、延々とこのアナウンスを聞かされることになった。
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「造幣局の通り抜け」の入り口(2108.4.16 撮影)
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「通り抜け」内での禁止事項がずらりと並ぶ(2018.4.16 撮影)
今年は、明治150年、すなわち1868年(明治元年)から起算して150年目の年に当たる。政府もこの「明治150年」をきっかけとして、明治以降の歩みを次世代に残すことや、明治の精神に学び、日本の強みを再認識することが大変重要であるとして、これに関連する施策に取り組んでいるとされるが、この造幣局でも、こうした取り組みのひとつとして、1883年(明治16年)から続く桜の通り抜けを「明治150年記念」として開催し、通路脇にある明治期の施設などの紹介をしていた。
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「明治150年」関連施策推進のロゴマーク(パンフレットより)
この通り抜けは、上記の通り1883年(明治16年)、当時の造幣局長遠藤謹助の発案で、すでに局内に植えられていた桜の花を、大阪市民に開放し、一方通行による花見が始まったとされる。
桜の通り抜けは、戦時中一時中止されたが、1947年(昭和22年)に再開、1951年(昭和26年)からは夜桜も始まり、以来大阪の年中行事の一つとして定着している。
現在134種、349本の桜が通り抜けの道の両側に植えられている。普段ソメイヨシノを見慣れる目には、これほど多くの桜の種類があるのかと驚きである。ほとんどが花弁数の多い八重咲き種で、その花弁数の違い、色、花の大きさ、花びらの形、しわの有無、垂れ下がり、密生咲きなど花の状態により分けられる。
中には八重と一重の混合咲きのものもあるという。また、樹姿の違いも種によっては見られ、楽しみ方も多様である。
大勢の人の流れの中で、樹種をひとつひとつ確かめる余裕もなかったので、写真だけをランダムに見ていただくことにする。
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・1/18(2018.4.16 撮影)
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・2/18(2018.4.16 撮影)
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・3/18(2018.4.16 撮影)
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・4/18(2018.4.16 撮影)
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・5/18(2018.4.16 撮影)
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・6/18(2018.4.16 撮影)
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・7/18(2018.4.16 撮影)
ひとやすみ・・・。
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・8/18(2018.4.16 撮影)
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・9/18(2018.4.16 撮影)
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・10/18(2018.4.16 撮影)
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・11/18(2018.4.16 撮影)
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・12/18(2018.4.16 撮影)
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・13/18(2018.4.16 撮影)
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・14/18(2018.4.16 撮影)
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・15/18(2018.4.16 撮影)
もう少し・・・
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・16/18(2018.4.16 撮影)
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・17/18(2018.4.16 撮影)
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・18/18(2018.4.16 撮影)
最後の写真の後に見える建物は、1871年(明治4年)に造幣局が創業した当時の正門の衛兵の詰所として使われていたもので、八角形をしている。後に紹介する「泉布観」と同様、イギリス(当時;現在はアイルランド)の建築技術者ウォートルスの設計による。
今年の花というものを毎年定めているとのことで、今回は「大提灯」という種が選ばれていたのだが、その場所に行ってみると、既に花は終わっていて見ることができなかった。パンフレットに写真が出ていたので紹介する。
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今年の花「大提灯」の前の立て札(2018.4.16 撮影)
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今年の花「大提灯」の説明写真(パンフレットより)
実家を出るときに、桜の花にくる蝶を見ることができればいいのだが・・・と思っていたが、通り抜けの半ばで実現。小さなナミアゲハの春型が元気に吸蜜に来ていた。
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通り抜けの桜の花に吸蜜に訪れたナミアゲハ春型・1/2(2018.4.16 撮影)
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通り抜けの桜の花に吸蜜に訪れたナミアゲハ春型・2/2(2018.4.16 撮影)
以前から、この通り抜けの桜を詠んで短冊をぶら下げることが行われていて、今回もたくさんの短冊が見られた。中には、葛飾北斎にこの桜を描かせたいとの句があったが、確かに北斎の手にかかるとどんな姿になるのだろうか、私も見てみたい気がする。
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「通り抜け」を詠んだ句が下がっている(2018.4.16 撮影)
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葛飾北斎がここを見て描いたらどんな絵になっただろうか(2018.4.16 撮影)
私も、一句、「通り抜け 老いも若きも モデルさん」。
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あちらこちらで記念撮影をする姿が見られる(2018.4.16 )
花見のほかに、今回もう一つの目的があった。それは、かつての造幣局の施設の一部であるが、その後桜宮公会堂となっていた建物「旧桜宮公会堂」の内部を見学することである。
造幣局の通り抜け出口を出て、国道1号線の向かい側、桜宮公園の入り口付近に2つの古い建物がある。一つは、「泉布観(せんぷかん)」で、明治時代に建てられたいわば造幣局の迎賓館である。大阪府に現存する最古の洋風建築であり、国の重要文化財に指定されている。3月下旬から4月上旬にかけて、この建物の前の桜もこの周辺の「桜めぐり」の一つとされていて、美しい姿を見せているはずであった。
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「泉布観」脇に立てられている説明板(2018.4.16 撮影)
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「泉布観」(2018.4.16 撮影)
目指していたのはもう一つの建物で、この後方にある。「旧明治天皇記念館」として建てられ、その後「桜宮公会堂」としても使用され、現在はレストラン旧桜宮公会堂として使用されているものである。この正面玄関部分は、かつて造幣局の鋳造場玄関として使用されていたものを、現在の場所に移して利用したとされる。
「旧明治天皇記念館(旧桜宮公会堂)」脇に立てられている説明板(2018.4.16 撮影)
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「旧明治天皇記念館(旧桜宮公会堂)」正面玄関(2018.4.16 撮影)
この旧桜宮公会堂・正面玄関の前では、結婚式の前撮りだろうか、幸せそうなカップルの写真撮影に余念がなかった。
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「旧桜宮公会堂」の案内板(2018.4.16 撮影)
内部を見学したく、ここでランチを食べようと思い係員に聞くと、メニューは5000円のフルコースだけという。断念せざるを得なかった。
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レストラン「旧桜宮公会堂」の入り口(2018.4.16 撮影)
帰りには、来たときとは別の、一段低い川沿いの道を戻って行くと、橋のたもとに天満橋の古い写真と、その当時使用されていた橋名飾板が展示されていた。
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古い天満橋の様子を示す写真と説明が記された石碑(2018.4.16 撮影)
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かつての天満橋に使用されていた橋名飾板(2018.4.16 撮影)
美しい桜花と人並みを十分に堪能して、再びこの天満橋を渡り帰路についた。
14日になって、妻から庭のオオヤマザクラの花が咲き始めたとの連絡があったが、そうすると私が帰宅する下旬には、もう散ってしまっているかもしれない。今年は満開の桜をじっくりと楽しむ機会を逸したかなと思っていたところ、TVのニュースで大阪造幣局の通り抜けの桜が、ちょうど見ごろを迎えていると知り、早速出かけてきた。
前回、この通り抜けの桜を見に出かけたのは、まだ大阪に住んでいたころのことだから、もう50年、半世紀近くも前のことになる。夕方、環状線の駅から歩いた記憶があるので、京橋駅か桜ノ宮駅からであったのだと思う。
今回改めて調べてみると、実家のある堺からだと、地下鉄谷町線の天満橋駅が最寄り駅ということが判った。到着後、駅改札口を出ると、目の前に案内の表示があり、人の流れもその示す方に向かっているので判りやすく、行き先を間違うこともない。
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地下鉄谷町線・天満橋駅の改札口を出るとすぐに案内が目に入る(2108.4.16 撮影)
地上出口周辺も、通り抜け関連のおみやげ物を売る店が並んでにぎやかであった。
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地上に出るとみやげ物を売る店が並ぶ(2018.4.16 撮影)
人の流れに乗って歩き、大川にかかる「天満橋」を渡り右折、今度は川沿いの道を進むと、通り抜けの入り口に着く。途中には、食べ物を売るたくさんの屋台が並んでいる。
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天満橋上から見る「大川」と両岸のビル(2018.4.16 撮影)
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造幣局に向かう道に並ぶ食べ物を売る屋台(2018.4.16 撮影)
入り口周辺では、「通り抜け」内の案内と共に、主に外国人観光客に向けた各種注意を促すアナウンスが盛んに行われ、多くの掲示もなされている。これは中に入ってからも同じで、延々とこのアナウンスを聞かされることになった。
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「造幣局の通り抜け」の入り口(2108.4.16 撮影)
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「通り抜け」内での禁止事項がずらりと並ぶ(2018.4.16 撮影)
今年は、明治150年、すなわち1868年(明治元年)から起算して150年目の年に当たる。政府もこの「明治150年」をきっかけとして、明治以降の歩みを次世代に残すことや、明治の精神に学び、日本の強みを再認識することが大変重要であるとして、これに関連する施策に取り組んでいるとされるが、この造幣局でも、こうした取り組みのひとつとして、1883年(明治16年)から続く桜の通り抜けを「明治150年記念」として開催し、通路脇にある明治期の施設などの紹介をしていた。
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「明治150年」関連施策推進のロゴマーク(パンフレットより)
この通り抜けは、上記の通り1883年(明治16年)、当時の造幣局長遠藤謹助の発案で、すでに局内に植えられていた桜の花を、大阪市民に開放し、一方通行による花見が始まったとされる。
桜の通り抜けは、戦時中一時中止されたが、1947年(昭和22年)に再開、1951年(昭和26年)からは夜桜も始まり、以来大阪の年中行事の一つとして定着している。
現在134種、349本の桜が通り抜けの道の両側に植えられている。普段ソメイヨシノを見慣れる目には、これほど多くの桜の種類があるのかと驚きである。ほとんどが花弁数の多い八重咲き種で、その花弁数の違い、色、花の大きさ、花びらの形、しわの有無、垂れ下がり、密生咲きなど花の状態により分けられる。
中には八重と一重の混合咲きのものもあるという。また、樹姿の違いも種によっては見られ、楽しみ方も多様である。
大勢の人の流れの中で、樹種をひとつひとつ確かめる余裕もなかったので、写真だけをランダムに見ていただくことにする。
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・1/18(2018.4.16 撮影)
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・2/18(2018.4.16 撮影)
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・3/18(2018.4.16 撮影)
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・4/18(2018.4.16 撮影)
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・5/18(2018.4.16 撮影)
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・6/18(2018.4.16 撮影)
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・7/18(2018.4.16 撮影)
ひとやすみ・・・。
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・8/18(2018.4.16 撮影)
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・9/18(2018.4.16 撮影)
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・10/18(2018.4.16 撮影)
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・11/18(2018.4.16 撮影)
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・12/18(2018.4.16 撮影)
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・13/18(2018.4.16 撮影)
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・14/18(2018.4.16 撮影)
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・15/18(2018.4.16 撮影)
もう少し・・・
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・16/18(2018.4.16 撮影)
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・17/18(2018.4.16 撮影)
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大阪「造幣局通り抜け」の桜・18/18(2018.4.16 撮影)
最後の写真の後に見える建物は、1871年(明治4年)に造幣局が創業した当時の正門の衛兵の詰所として使われていたもので、八角形をしている。後に紹介する「泉布観」と同様、イギリス(当時;現在はアイルランド)の建築技術者ウォートルスの設計による。
今年の花というものを毎年定めているとのことで、今回は「大提灯」という種が選ばれていたのだが、その場所に行ってみると、既に花は終わっていて見ることができなかった。パンフレットに写真が出ていたので紹介する。
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今年の花「大提灯」の前の立て札(2018.4.16 撮影)
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今年の花「大提灯」の説明写真(パンフレットより)
実家を出るときに、桜の花にくる蝶を見ることができればいいのだが・・・と思っていたが、通り抜けの半ばで実現。小さなナミアゲハの春型が元気に吸蜜に来ていた。
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通り抜けの桜の花に吸蜜に訪れたナミアゲハ春型・1/2(2018.4.16 撮影)
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通り抜けの桜の花に吸蜜に訪れたナミアゲハ春型・2/2(2018.4.16 撮影)
以前から、この通り抜けの桜を詠んで短冊をぶら下げることが行われていて、今回もたくさんの短冊が見られた。中には、葛飾北斎にこの桜を描かせたいとの句があったが、確かに北斎の手にかかるとどんな姿になるのだろうか、私も見てみたい気がする。
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「通り抜け」を詠んだ句が下がっている(2018.4.16 撮影)
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葛飾北斎がここを見て描いたらどんな絵になっただろうか(2018.4.16 撮影)
私も、一句、「通り抜け 老いも若きも モデルさん」。
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あちらこちらで記念撮影をする姿が見られる(2018.4.16 )
花見のほかに、今回もう一つの目的があった。それは、かつての造幣局の施設の一部であるが、その後桜宮公会堂となっていた建物「旧桜宮公会堂」の内部を見学することである。
造幣局の通り抜け出口を出て、国道1号線の向かい側、桜宮公園の入り口付近に2つの古い建物がある。一つは、「泉布観(せんぷかん)」で、明治時代に建てられたいわば造幣局の迎賓館である。大阪府に現存する最古の洋風建築であり、国の重要文化財に指定されている。3月下旬から4月上旬にかけて、この建物の前の桜もこの周辺の「桜めぐり」の一つとされていて、美しい姿を見せているはずであった。
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「泉布観」脇に立てられている説明板(2018.4.16 撮影)
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「泉布観」(2018.4.16 撮影)
目指していたのはもう一つの建物で、この後方にある。「旧明治天皇記念館」として建てられ、その後「桜宮公会堂」としても使用され、現在はレストラン旧桜宮公会堂として使用されているものである。この正面玄関部分は、かつて造幣局の鋳造場玄関として使用されていたものを、現在の場所に移して利用したとされる。
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「旧明治天皇記念館(旧桜宮公会堂)」脇に立てられている説明板(2018.4.16 撮影)
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「旧明治天皇記念館(旧桜宮公会堂)」正面玄関(2018.4.16 撮影)
この旧桜宮公会堂・正面玄関の前では、結婚式の前撮りだろうか、幸せそうなカップルの写真撮影に余念がなかった。
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「旧桜宮公会堂」の案内板(2018.4.16 撮影)
内部を見学したく、ここでランチを食べようと思い係員に聞くと、メニューは5000円のフルコースだけという。断念せざるを得なかった。
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レストラン「旧桜宮公会堂」の入り口(2018.4.16 撮影)
帰りには、来たときとは別の、一段低い川沿いの道を戻って行くと、橋のたもとに天満橋の古い写真と、その当時使用されていた橋名飾板が展示されていた。
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古い天満橋の様子を示す写真と説明が記された石碑(2018.4.16 撮影)
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かつての天満橋に使用されていた橋名飾板(2018.4.16 撮影)
美しい桜花と人並みを十分に堪能して、再びこの天満橋を渡り帰路についた。