氷のできる様子を前回に続いて紹介させていただく。撮影方法は前回の記事と同じであるが、今回は、ガラスの間隙を左右で1mmから0までのくさび型にしたものも追加したので、これを後半で紹介する。外気温についても、前回と同様でガラス容器を屋外に出した時のものを示していて、実際に凍り始める時刻には対応していない。あくまで参考程度の数字である。
そして、最後のところでは、夜間凍っていたものが、朝日を受けて再び溶けていく様子を見ていただく。ここでは前夜凍った部分が溶けていく一方で、新たな針状の結晶が成長するという、少し面白い映像が見られた。
左右方向に、間隙を1mmからゼロまでのくさび型にしたガラス容器を追加して撮影した
以下で、最初の2回は水道水との比較のため、手元にあったシリカ水というペットボトルに入っている水を使ってみた。ボトルにはシリカ42.5mg/lと表示されているが、この程度の量が水の結晶化に影響するものかどうか、まったくわからない。またこの水は炭酸水であるが、炭酸は時間をかけて抜いてから使用した。
氷のできる様子6(2019.1.13 03:18~03:55 30倍のT/Lで撮影、-1.5℃、シリカ水使用)
細かい羽毛状の結晶になったが、似たものは先週のブログで紹介した水道水を使用した中にも含まれていた。20時頃、外気温がマイナス1.5℃の時に、外に出して撮影を開始したが、記録を見ると凍り始めたのは、日をまたいで深夜3時であり、この時の外気温はわかっていない。
次は、これまでのタイムラプス撮影では、変化が速すぎて、凍り始めるところの変化を追えなかったので、実時間で撮影したもの。右下から凍り始める様子がわかる。そして氷が成長していく左側に向かって伸びるように氷が成長していくのがみられる。
氷のできる様子7(2019.1.14 00:20~00:50 実時間で撮影後編集、-6.5℃、シリカ水使用)
この2回の結果は、外気温の差によるものと思われるが、ずいぶん違った形状の氷の結晶ができた。どちらの形状も、水道水でも類似の結果が得られていたので、特にシリカ成分の影響が出たのではないと思われるが、色に関してはやや異なっていて、きれいな色が見られない。氷の厚さの違いとも考えられるが、十分時間が経過した後では結晶化は厚さ方向にも広がっているはずなので、この差についてはよくわからない。
次は、水を再び水道水に戻して撮影したが、より明確な色が確認できた。この違いについて、今後もう少し繰り返して確認しておこうと思っている。
氷のできる様子8(2019.1.16 21:31~22:50 30倍のT/Lで撮影、-7.0℃)
さて、次の2回は前述のくさび型のガラスセルを使ったもの。ガラスの間隙は向かって左側が1mmで、右側がゼロになっている。ここでも、2回でそれぞれ異なる形状の結晶化であった。この結果から判断すると、きれいな色を得るには水の層の厚さは0.2-0.8mm程度がいいのでないかと思われる。
氷のできる様子9(2019.1.26 19:28~20:46 30倍のT/Lで撮影、-5.5℃、くさび型ガラス使用)
氷のできる様子10(2019.1.27 21:31~22:30 30倍のT/Lで撮影、-5.5℃、くさび型ガラス使用)
ガラス容器は、南面のウッドデッキに置いているので、朝日が差し込んでくると、夜間にできていた氷は溶け始める。通常のガラス容器に水道水を入れて撮影したときのもので、くさび型のものではない。この様子も何回か撮影したが、その内の1回で少し興味深い現象をとらえることができた。
最初の映像は、夜間にできた氷が普通に溶けていく様子であるが、2番目の映像では溶けていく氷と同時に、新たに針状の結晶が成長しそしてその後再び溶けて行く様子が映っていた。1mmの厚さ方向で起きた温度差によるものだろうか、不思議な映像になった。
氷の溶ける様子1(2019.1.22 11:14~13:32 300倍のT/Lで撮影)
氷の溶ける様子2(2019.1.19 9:16~10:06 30倍のT/Lで撮影)
この氷の結晶の撮影をしている時期に、軽井沢の大賀ホールで「軽井沢クリスタルコンサート」が行われた。これは、軽井沢町教育委員会主催によるもので、軽井沢少年少女合唱団、軽井沢中学校吹奏楽部、軽井沢吹奏楽団の発表会であるが、これに東京都交響楽団団友会オーケストラが加わって行われた。
「軽井沢クリスタルコンサート」のパンフレット
妻も知っている若い友人が軽井沢吹奏楽団に参加していて、この演奏会のことを聞いていたので、聴きにでかけた。
曲目は、軽井沢少年少女合唱団による、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」からの合唱組曲に始まり、軽井沢中学校吹奏楽部による「ハナミズキ」と続くが、友人が所属する軽井沢吹奏楽団の2曲目は私の好きなフィンランドの作曲家、J.シベリウスの交響詩「フィンランディア」であった。
もう、ずいぶん前のことになるが、仕事で冬の季節にフィンランドのヘルシンキに行ったことがある。その時、同行したYさんが、上司のUさんから、ヘルシンキに行くのであれば、ぜひシベリウスのデスマスクの写真を撮ってきて欲しいと頼まれたという。
ホテルに一泊した翌朝早く、2人で雪が薄く降り積もった中を、ホテルから約1kmほどの距離にあるという公園に向かった。途中、出勤途中と思われる背の高い女性に出会い、場所を確認しながらであったが無事公園内のシベリウスのモニュメントにたどり着き、写真を撮って帰ることができた。
ヘルシンキの地図(1983年12月に入手)、〇で、ヘルシンキ駅、宿泊したホテル、シベリウス公園を示す
当時の写真を探してみたものの、なにしろ35年程も前のことで、すぐには見つからないのが残念であったが、シベリウスのことと同時に北欧のヘルシンキの雪と氷のことを思い出させてくれた楽しいコンサートであった。
そして、最後のところでは、夜間凍っていたものが、朝日を受けて再び溶けていく様子を見ていただく。ここでは前夜凍った部分が溶けていく一方で、新たな針状の結晶が成長するという、少し面白い映像が見られた。
左右方向に、間隙を1mmからゼロまでのくさび型にしたガラス容器を追加して撮影した
以下で、最初の2回は水道水との比較のため、手元にあったシリカ水というペットボトルに入っている水を使ってみた。ボトルにはシリカ42.5mg/lと表示されているが、この程度の量が水の結晶化に影響するものかどうか、まったくわからない。またこの水は炭酸水であるが、炭酸は時間をかけて抜いてから使用した。
氷のできる様子6(2019.1.13 03:18~03:55 30倍のT/Lで撮影、-1.5℃、シリカ水使用)
細かい羽毛状の結晶になったが、似たものは先週のブログで紹介した水道水を使用した中にも含まれていた。20時頃、外気温がマイナス1.5℃の時に、外に出して撮影を開始したが、記録を見ると凍り始めたのは、日をまたいで深夜3時であり、この時の外気温はわかっていない。
次は、これまでのタイムラプス撮影では、変化が速すぎて、凍り始めるところの変化を追えなかったので、実時間で撮影したもの。右下から凍り始める様子がわかる。そして氷が成長していく左側に向かって伸びるように氷が成長していくのがみられる。
氷のできる様子7(2019.1.14 00:20~00:50 実時間で撮影後編集、-6.5℃、シリカ水使用)
この2回の結果は、外気温の差によるものと思われるが、ずいぶん違った形状の氷の結晶ができた。どちらの形状も、水道水でも類似の結果が得られていたので、特にシリカ成分の影響が出たのではないと思われるが、色に関してはやや異なっていて、きれいな色が見られない。氷の厚さの違いとも考えられるが、十分時間が経過した後では結晶化は厚さ方向にも広がっているはずなので、この差についてはよくわからない。
次は、水を再び水道水に戻して撮影したが、より明確な色が確認できた。この違いについて、今後もう少し繰り返して確認しておこうと思っている。
氷のできる様子8(2019.1.16 21:31~22:50 30倍のT/Lで撮影、-7.0℃)
さて、次の2回は前述のくさび型のガラスセルを使ったもの。ガラスの間隙は向かって左側が1mmで、右側がゼロになっている。ここでも、2回でそれぞれ異なる形状の結晶化であった。この結果から判断すると、きれいな色を得るには水の層の厚さは0.2-0.8mm程度がいいのでないかと思われる。
氷のできる様子9(2019.1.26 19:28~20:46 30倍のT/Lで撮影、-5.5℃、くさび型ガラス使用)
氷のできる様子10(2019.1.27 21:31~22:30 30倍のT/Lで撮影、-5.5℃、くさび型ガラス使用)
ガラス容器は、南面のウッドデッキに置いているので、朝日が差し込んでくると、夜間にできていた氷は溶け始める。通常のガラス容器に水道水を入れて撮影したときのもので、くさび型のものではない。この様子も何回か撮影したが、その内の1回で少し興味深い現象をとらえることができた。
最初の映像は、夜間にできた氷が普通に溶けていく様子であるが、2番目の映像では溶けていく氷と同時に、新たに針状の結晶が成長しそしてその後再び溶けて行く様子が映っていた。1mmの厚さ方向で起きた温度差によるものだろうか、不思議な映像になった。
氷の溶ける様子1(2019.1.22 11:14~13:32 300倍のT/Lで撮影)
氷の溶ける様子2(2019.1.19 9:16~10:06 30倍のT/Lで撮影)
この氷の結晶の撮影をしている時期に、軽井沢の大賀ホールで「軽井沢クリスタルコンサート」が行われた。これは、軽井沢町教育委員会主催によるもので、軽井沢少年少女合唱団、軽井沢中学校吹奏楽部、軽井沢吹奏楽団の発表会であるが、これに東京都交響楽団団友会オーケストラが加わって行われた。
「軽井沢クリスタルコンサート」のパンフレット
妻も知っている若い友人が軽井沢吹奏楽団に参加していて、この演奏会のことを聞いていたので、聴きにでかけた。
曲目は、軽井沢少年少女合唱団による、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」からの合唱組曲に始まり、軽井沢中学校吹奏楽部による「ハナミズキ」と続くが、友人が所属する軽井沢吹奏楽団の2曲目は私の好きなフィンランドの作曲家、J.シベリウスの交響詩「フィンランディア」であった。
もう、ずいぶん前のことになるが、仕事で冬の季節にフィンランドのヘルシンキに行ったことがある。その時、同行したYさんが、上司のUさんから、ヘルシンキに行くのであれば、ぜひシベリウスのデスマスクの写真を撮ってきて欲しいと頼まれたという。
ホテルに一泊した翌朝早く、2人で雪が薄く降り積もった中を、ホテルから約1kmほどの距離にあるという公園に向かった。途中、出勤途中と思われる背の高い女性に出会い、場所を確認しながらであったが無事公園内のシベリウスのモニュメントにたどり着き、写真を撮って帰ることができた。
ヘルシンキの地図(1983年12月に入手)、〇で、ヘルシンキ駅、宿泊したホテル、シベリウス公園を示す
当時の写真を探してみたものの、なにしろ35年程も前のことで、すぐには見つからないのが残念であったが、シベリウスのことと同時に北欧のヘルシンキの雪と氷のことを思い出させてくれた楽しいコンサートであった。