軽井沢からの通信ときどき3D

移住して10年目に入りました、ここでの生活と自然を写真と動画で発信しています

浅間満月

2024-12-20 00:00:00 | 日記
 2年前の年末に、ちょっとしたきっかけで浅間山麓に沈む、その年最後の満月を撮影して以来、年末になると、浅間山に沈む満月(以下、浅間山から昇るものも含めて浅間満月とします)を撮影してきた。今年で3回目になる。




浅間満月の連続写真(2022.12.9, 6:55~57 撮影)

 浅間満月(沈)を見ることができる日は、年に12回訪れるが、当地軽井沢からという条件をつけると、適期は限定され、さらに沈んでいく位置が頂上付近となると、撮影に適した場所という条件もあるので、年に1回か2回になってしまう。

 昨年はこの頂上に沈む浅間満月を撮ってみたいと思い、条件を満たす撮影場所を探し、11月と12月の2回の機会をとらえて撮影に臨んだ。11月にいい具合に雪が降り、浅間山は白くなっていたが、満月(月齢14.7)となる11月28日の早朝に現地に行ってみると、浅間山の上には厚い雲がかかっていて、撮影はできなかった。


すっぽりと雲に覆われた浅間山(2023.11.28, 6:44 撮影)

 翌日も目視ではほぼ満月(月齢15.7)なので、再度撮影場所に出かけてみた。月がまだ高い位置にある時に日の出時刻となり、朝焼けで空と浅間山に積もった雪がピンク色に染まるところを撮影できた。しかし、その後急に湧くように雲が現れてきて、月が浅間山山頂にさしかかるころには頂上付近はすっかり雲に覆われてしまった。



浅間山の山頂付近にかかる雲の変化(2023.11.28, 6:37~7:34 撮影)

 翌月、12月28日に2023年の2回目の機会が訪れ、浅間満月(月齢15.1)の撮影に出かけた。この日もはじめのうちは浅間山周辺に霧が立ち込め、山体は見え隠れしていたが、幸いなことに満月が浅間山山頂に近付くにつれて霧が下がり、山頂にピタリと接するところを撮影できた。ただ、この頃浅間山の雪はほとんど消えており、目指していた雪化粧した浅間山山頂に満月が沈むシーンの撮影は翌年まで持ち越しとなった。

浅間山の周辺は霧に隠れていた(2023.12.28, 6:47 撮影)


朝焼けの頃には次第に霧が晴れてきた(2023.12.28, 7:10 撮影)


山頂部の霧が晴れて、浅間満月の撮影ができた(2023.12.28, 7:18 撮影)

 さて、今年もまた浅間満月の撮影の時期になった。新聞紙上では12月15日はコールドムーンと呼ばれる満月が見られるとの記事も出、それではと、いつもの早朝の浅間満月の他に、夕方浅間山から昇ってくる満月を撮影することにし、適地を探して出かけた。

 浅間山は雲に覆われていたが、しばらく待っていると、雲の縁が明るくなりコールドムーンが顔を出した。これもまた浅間満月である。

コールドムーンが浅間山山頂から昇ってきた(2024.12.15, 17:00 撮影)

 このコールドムーンが明朝、浅間山に沈むところを撮影することになるが、同じ満月を日をまたいで撮影するというのは、ちょっと不思議な気もする。

 その、12月16日朝の満月(月齢14.9)の撮影に出かけた。少し前に降った雪が残っていて、浅間山は雪化粧しており、条件は申し分なかった。しかも、この日は、日の出時刻と満月が浅間山山頂にかかる時刻もほぼ同じで、うまくいけば、山肌を覆う雪がピンク色に染まる浅間山の山頂に満月が沈むところを撮影できるかもしれないと思えた。

12月16日朝の満月/コールドムーン(2024.12.16, 6:31 撮影)

 しかし、またしても浅間山の山頂付近に雲が移動してきて、満月の姿を隠してしまった。自然相手の撮影はなかなか難しいものである。


12月16日朝の浅間満月(2024.12.16, 6:50 撮影)

 しかたなく、翌日17日(月齢15.9)に、今年最後の機会でもあり撮影に出かけてみた。雪の浅間山がピンク色に染まる時刻には、月はまだ高い位置にあり、浅間山山頂にさしかかる頃には日が昇り、周囲はすっかり明るくなった。それに、この日もまた山頂部には僅かに雲がかかり、月が山頂に接するところは隠されてしまった。


朝焼けにピンク色に染まる浅間山上空にかかる十六夜(いざよい)の月(2024.12.17, 6:50 撮影 )


浅間山山頂に近付く十六夜の月(2024.12.17, 6:54 撮影 )


浅間山山頂に接した状態の十六夜の月(2024.12.17, 6:56 撮影 )

 今年もこれで浅間満月の撮影は終わった。来年また挑戦することにしようと思う。ただ、満月だけにこだわることはやめにして、浅間山と月との様々な関係を撮影してみようと思うようになった。これは妻のアイデアなのだが。

 ところで、今年のNHKの大河ドラマで、次の和歌が話題になった。

 * この世をば 我が世とぞ思う 望月の 
     欠けたることも なしと思えば(藤原道長)

 この世は自分のためにあるようなものだと、自らの人生を足りないもののない満月(望月)に譬えたものとされるが、満月には人は特別な思いを寄せるものらしい。次のような文や歌もある。

 * 望月のくまなきを千里の外まで眺めたるよりも、暁ちかくなりて待ち出でたるが、いと心ぶかう、青みたるようにて、ふかき山の杉の梢に見えたる木の間の影、うちしぐれわたる村雲がくれのほど、また哀れなり(吉田兼好/徒然草)
 * 願わくは 花の下にて 春死なむ
     そのきさらぎの 望月のころ(西行・続古今集)
 * 望の月 雨を尽くして 雲去りし(渡辺水巴)
 * 木がくれて 望のいさよふ けしきかな(阿波野青畝) 

 

 


 



 

 

 

 

 
 
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