軽井沢からの通信ときどき3D

移住して11年目に入りました、ここでの生活と自然を写真と動画で発信しています

ジャコウアゲハ(5)産卵・孵化

2022-08-19 00:00:00 | 
 飼育していたジャコウアゲハの幼虫は、すべて順調に蛹になり、チョウになった。♂が8頭、♀が4頭という割合であったが、これらを猫用のケージにネットを貼ってその中に放し、一緒に吸蜜用の花と産卵用のウマノスズクサを入れてておいたところ、自然に交尾・産卵した。


交尾中のジャコウアゲハ、下が♂(2022.7.20 撮影)


産卵中のジャコウアゲハ♀(2022.7.25 撮影)

 卵はウマノスズクサの葉の表と裏両方に産み付けられていて、特にどちら側と決まっているのではないようであった。


 
ウマノスズクサの葉表面に産み付けられたジャコウアゲハの卵(2022.7.26 撮影)



ウマノスズクサの葉裏面に産み付けられたジャコウアゲハの卵(2022.7.26 撮影)

 写真に見るように、ジャコウアゲハの卵は表面に筋があり、色はオレンジ色である。これまでナミアゲハ、キアゲハ、ヒメギフチョウなどのアゲハチョウの仲間の卵を見る機会があったが、これらとはずいぶん異なっている。


産卵直後のジャコウアゲハの卵(2022.7.26 撮影)

 鉢植えや瓶挿しにしたウマノスズクサの葉に産み付けられた卵の総数は40ー50個ほどになったので、自宅での観察・撮影用に9個だけ残して、あとはウマノスズクサをいただいたMさんに、成虫と共に引き取ってもらうことにした。

 自宅用に残した卵は、鉢植えにしたウマノスズクサに産み付けられているので、孵化するまではそのままにしておくことにして、やや面倒であったが撮影は鉢ごと室内に持ち込んで行った。

 卵から孵化してくるタイミングを知ろうと思い、観察をしていたが、やや黒い部分が見えてくるものの、明確なサインは認められなかった。ナミアゲハやキアゲハの場合には、孵化直前になると卵の色は黒く変化し、よく見ていると中で幼虫が動いているすがたも見えるようになってくるのであるが、ジャコウアゲハの卵の場合そうしたようすは見られず、ある朝突然孵化してしまっているのを目撃することになった。

孵化直前のジャコウアゲハの卵(2022.7.30 撮影)

 9個ある卵は、5個、2個、2個とそれぞれ別のウマノスズクサの葉に産み付けられていたが、このうちの5個と2個から一斉に孵化が始まっていた。朝、孵化に気が付いて、かろうじて5個のうちの最後の1個からの孵化の様子を撮影することができた。次のようである。


ジャコウアゲハの卵からの孵化の様子(2022.7.31、7:08AM 撮影動画のキャプチャー画像)

ジャコウアゲハの卵の孵化  
ジャコウアゲハの孵化と1齢幼虫(2022.7.31、 7:08AM~9:23AM 一部30倍タイムラプスで撮影した映像を交え編集)

 孵化したジャコウアゲハの1齢幼虫は、卵の殻を残さず食べてしまった。5個のグループも2個のグループも同様であった。
 
 残る2個は産みつけられた時期が異なっていたようであり、この日は変化がなく、翌日の朝早く孵化していた。
  
 孵化したこの2匹の1齢幼虫は、すぐに卵から離れて移動していき、あとに卵の抜け殻が残されていた。2匹とも同じようであり、前日孵化した7匹の1齢幼虫の場合はそろって卵の殻を食べてしまったのとは対照的なことである。

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