すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【都知事選 2024】疑惑だらけの小池氏に都知事を任せていいのか?

2024-06-29 10:57:28 | 政治経済
カイロ大とツーカーで情報操作を行う

 カイロ大学卒業にまつわるニセ書類疑惑や、卒業偽装に関し「カイロ大とグル」説が盛んに取り沙汰される小池百合子・東京都知事である。

 こうした現象の背景には、いったいどんな力が働いているのだろうか?

 実は小池氏は国会議員時代に、カイロ大学日本語学科に対し熱心にパイプを作っていた。

 例えばこの「小池案件」に関し数々のスクープ記事をモノにしているイギリス在住の作家・黒川亮氏によれば、なかでも日本語がペラペラのアーデル・アミン・サーレハ・カイロ大学日本語学科長がカイロ大学における小池氏の右腕だ。

 それだけでなく歴代の日本語学科長とも親しく、前日本語学科長のハムザ氏とも親密である。

 こうしたカイロ大・コネクションが、今回の「各種偽装」にひと役買った可能性がある。

エジプトの大学は偽造した証明書に合わせ学内の個人データまで改竄する

 一方、これらの疑惑にはエジプトの国情も密接に関係している。

 観光大国で産油国でもあるエジプトは頼りの観光収入が激減し、さらに原油価格も暴落している。IMF融資と年間数十億ドル規模の先進国や産油国からの経済援助がなければ経済が破綻する状態だ。

 そんなエジプトに多額の経済援助をしている友好国のひとつが日本であり、エジプト側とすれば経済的事情を勘案すれば「小池氏は実はカイロ大を卒業していない」などとは口が裂けても言えない。

 そんな状況に持ってきて、冒頭に挙げたように小池氏が個人的に作ったカイロ大内のコネもある。

 加えて小池氏の側近(当時)だった元都特別顧問の小島敏郎氏が画策した、エジプト側に対し「カイロ大卒業を証明する声明を求める催促」も行われた。これではエジプトが「NO」と言うわけはない。

 で、東京にあるエジプト大使館は6月9日にfacebookで、「小池氏は卒業した」という例の声明を出したわけだ。

 ちなみにエジプトは、腐敗や汚職に取り組む国際非政府組織「トランスペアレンシー・インターナショナル」(TI)が出した2023年度の「腐敗認識指数」で世界108位(つまり腐敗度が非常に高い)国だ。

 エジプトでは有力者に命令され、大学がニセの卒業証明書や卒業証書を作らせるなんて行為が堂々と日常的に行われている。

 しかも大学が偽造し発行した書面に合わせ、なんと大学内にあるデータまで改竄されて辻褄合わせがキッチリ行われる。つまり「完全犯罪」だ。

 すなわち小池氏に関しては、「カネかコネで、1976年から現在に至るまでのどこかで大学内の記録が書き換えられた可能性がある」(「カイロ大卒業」を取り繕うエジプトの小池人脈」文・黒川亮 / JBpress掲載)ということだ。

 なお上記の作家・黒川氏のほかの「小池案件」記事を最下段に【参考文献】としてあげておく。

 都知事選で投票する前に、ぜひ以下を読んで投票行動を決めてほしい。

【参考文献】

徹底研究!小池百合子「カイロ大卒」の真偽〈3〉エジプトで横行する「不正卒業証書」』文・黒川亮(JBpress

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【都知事選 2024】コトは学歴問題じゃない、日本がエジプトに「支配されるかどうか?」だ

2024-06-27 11:12:02 | 政治経済
日本は「小池起因」でエジプトに従属する国になる

 X(旧ツイッター)上で、「えっ? 小池百合子氏はカイロ大卒じゃなくて、カイロ・アメリカン大なの?」と今ごろ驚いている人たちがたくさんいるのを見て、非常に危機感を抱いた。

 つまりごくふつうの一般的な人は、こういう認識なのだ。まあもっともそれが標準だろう。

 そしておそらくこれらの人々は全体の大多数を占める無党派層であり、小池氏に「なんとなくのイメージだけ」で大量に投票してしまう人たちのはずだ。

 そこでそんな方たちに向けたメッセージの意味も込め、(小池氏のカイロ大・学歴詐称疑惑の経緯や証拠は専門家におまかせするとして)、ここではそれらとならび非常に重要な問題点をほんの2つだけカンタンにわかりやすく述べておこう。

 まず「学歴で人間の価値が測れるわけじゃない。学歴なんてどうでもいいじゃないか」と反論する人たちがいる。この点についてだ。

 いや、元東京都特別顧問の弁護士・小島敏郎氏ら今回の案件の告発者たちは、別に小池氏の学歴が「高いか? 低いか?」を問題にしているわけじゃない。

 都民(や国民全体)に「ウソ」をつき、平気で都知事という要職に長年収まってきた「人間的な不誠実さ」や「狡さ」を追及しているのだ。

 つまり告発者たちは、この学歴詐称疑惑を通して「こういう行為を働く人物が指導者としてふさわしいのか?」を問うている。

 そういうことだ。

エジプトは苛烈な軍事独裁政権が支配する国だ

 第二に、冒頭に挙げたような一般の人たちは、コトの重大性がわかっていない。この問題は単に権力者が「何かをごまかした」みたいなレベルの話じゃない。

 たとえば日本人から見るとカイロ大学のあるエジプトといえば、スフィンクスあたりを思い浮かべて「平和な観光国家だよね」とでも考える程度だろう。

 だが今のエジプトは苛烈な軍事独裁政権が支配しており、軍の都合で国政なんてどうとでもなる国家である。つまり権力者の意向により、規則や法律が簡単に捻じ曲げられる国なのだ。

 そしてもちろん国立のカイロ大学は、その軍が完全に支配しコントロールする国家機関だ。そんなエジプトでは、政府や国家機関など「信用できない」というのが常識である。

 小池氏は「カイロ大そのものが自分の卒業を認めている」(主旨)というが、そもそも両者はグルなのだからそんなものは何の証明にもならない。そのあたりの事情は以下の記事が特に詳しい。忙しい人は、せめてこれら2本の記事だけはぜひ読んでほしい。

【小池都知事学歴詐称問題】告発者たちとカイロ大学の言い分は、なぜ真っ向から食い違うのか?』文・黒木亮(JBpress)

卒業証書を公開しても疑惑を払拭できない小池都知事』(同上)

 イギリス在住作家で中東に詳しい上記の筆者・黒木氏は、同メディアで今回、多くの「小池案件」スクープ記事を連発している。

 特に上にあげた1本目の記事の文末には、それら過去記事のリンク付きリスト集がある。もし時間がある人は、ぜひほかの記事も読んでみてほしい。

 なおこれらの記事を掲出し、文字メディアのなかでは今回の案件で唯一、気を吐いている上記の『JBpress』は、もともと2008年3月に日経BPや時事通信社、中央公論などの元記者により設立されたオンラインメディアだ。

 かたやズラリと居並ぶ朝日、読売、毎日その他の大手メディアは、今回の件に関し完全に全滅だ。まるで沈黙しているに等しい。彼らが書く記事はすべて当たり障りのない埋め草みたいな記事でしかない。そんなものを読んでも何の意味もない。

もし小池氏が日本の首相になったらどうなるか?

 さてエジプトには、日本は巨額のODA(政府開発援助)を供与している。これらに(間接的・直接的を問わず)小池氏による何らかの関与があるのかどうかは不明だ。

 だがもしその小池氏が将来、自民党入りして日本の首相になったらどうか?

 同氏に「恩を売った」エジプト軍事独裁政権が、小池首相に対し政治的に何を要求してこようが日本は断れない。「従わなければバラすぞ」と脅されれば一発だ。

 万一、そんな小池氏が首相になれば、その時点で日本は(アメリカに続き)エジプトにも政治的に従属することになる。彼らに生殺与奪を握られる。そんなことになれば、もう日本は終わりだ。

 まだその芽が小さい今のうちに、完全に刈り取ってしまわなければ日本は窮地に陥るだろう。

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【都知事選 2024】「静観する」というれいわ新選組の無策ぶりに呆れた

2024-06-22 08:41:23 | 政治経済
なぜ小池氏の「落選運動」をしないのか?

 ネット上では、小池都知事の「カイロ大学卒業」疑惑やその他の諸悪がさかんに飛び交う今日この頃である。(大手メディアはまるで報道しないが)

 そんななか、れいわ新選組は今回の都知事選で誰も候補を出さず、かつ、よその誰をも応援しない「静観する」態度を決めたようだ。

 もちろん自党から候補を出さないことや、だからといって他の誰をも応援しないことに異存はない。

 だが「静観する」という姿勢には大反対だ。

 なぜ嘘と虚飾にまみれた小池氏を「落選させよ」と叫ばないのか? 彼女はもはや一刻の猶予もなく、都知事の座から引きずり下ろすべき人物だ。でなければ東京が腐ってしまう。

 応援したい候補がいないから「静観する」というのは、「入れたい候補がないから投票を棄権する」というのとまったく同じだ。

 どうしてれいわは小池氏の「落選運動」をしないのだろう? いやこれはそのために蓮舫氏を応援するとか、石丸氏を支援するとかいう話じゃない。

 単にひたすら「小池を落選させよ」と人々に向かって大声で叫べばいいのだ。

弁護士の郷原信郎さんは「小池落選運動」をやっている

 たとえば元東京地検特捜部検事である弁護士の郷原信郎さんは、「小池落選」という横断幕を掲げて単独で小池氏の落選運動を行なっている。

 いやだからといって何も蓮舫氏や石丸氏を支援するのではない。ただ「小池氏落選」だけをえんえん呼びかけているのだ。つまり間接的には他のいずれか候補への投票促進は(結果的には)暗示しているわけだが。

 もっともこうした「落選運動」は、6月20日の告示以降は、団体や組織で行うことは禁止されている。

 だかられいわ新選組がもしやるとすれば、組織の構成員がバラバラに単独で行うことになるだろうか(もっともその状態でも法的には「組織でやった」とみなされるのかどうかは判然としないが)。

 しかしいずれにしても「静観する」という山本太郎の言葉には、脱力した。

 れいわ新選組は、東京が完全に腐って落ちるのを黙認するのだろうか?

 やれやれである。

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【都知事選 2024】出馬を宣した蓮舫はまるでジャンヌ・ダルクだった

2024-05-29 05:11:10 | 政治経済
「攻める」時には無類の強さを発揮する

 立憲民主党の蓮舫参院議員が27日、小池学歴詐称疑惑で混迷を極める都知事選(7月7日投開票)への立候補を宣言した。

 壇上に立ち、利権政治を脱し新しいステージへ進もうと毅然として宣言する蓮舫の言葉には力があった。さすが「敵を攻めること」にかけては無類の強さを発揮するキャラクターだ。

 ただしこの日の蓮舫の言葉にはいつもの過激でヒステリックな攻撃性がなく、適度な抑制が効いていた。

 どこか達観した「もっと大きな何か」に挑戦するかのような意志が読み取れた。後述するが、おそらく彼女の真の狙いは都知事ではなく政権交代だろう。

 さて、この蓮舫による清新な出馬宣言が出された時点で、もはや膿んで爛れた小池・現都知事の命運は決まったかのようにさえ見えた。

 ただ、蓮舫には(おそらく)都政への具体的な政策がない。

「東京をこう変えよう」というビジョンも、それを実現するための諸施策もまだ何も見えない。なにしろ彼女は都知事の向こう側にある政権交代を見ているのだから、そうした施策がないのは当然だ。

 つまり蓮舫が今回出馬した意味は「都知事になるため」じゃない。

 むしろ、5月26日の静岡県知事選での野党側勝利ほか直近の野党勢力4連勝の勢いに乗って反自民勢力の地歩を固め、勢いに乗り一気に国政で政権交代まで持って行くために彼女は出馬したのだろう。

「コンパクトシティ」を謳う石丸候補は具体論を語った

 一方、すでに立候補を表明している広島県安芸高田市の石丸伸二市長は、5月28日にYouTubeチャンネル「一月万冊」で元朝日新聞記者・佐藤章氏のインタビュー(リンク先に動画あり)を受け、東京改造計画を具体的に語った。

「東京の人口が増えるのは2040年まで。それ以降は先細る。あと20年でなんとかしないといけない」と改革のビジョンを語る石丸氏は、地元で公共施設を廃館にした経験などを語った。

 石丸氏は蓮舫氏とはまるで対照的に具体性の詰まった主張をし、東京一極集中問題や人口問題などへの問題意識を語った。

 勢いでは蓮舫氏だが、政策では石丸氏、という印象だった。

 どうやら近来まれに見るおもしろい都知事選になりそうだ。

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古いiPodの圧縮音源を聴いてびっくり

2024-04-29 17:56:45 | 音楽
「音の良さ」は解像度やビットレートの問題じゃない

 もう何年かぶりぐらいで、戸棚の奥から古いiPodクラシックが出てきた。

 分厚い150GBくらい入るやつで、見るとまだ80GBも空きがある。

 昔はCDを買ったらシコシコとマメにリッピングし、圧縮ファイルにしてモバイル環境でも聴いていた。

 だがリッピングがもう面倒になり、このiPodは存在自体、すっかり忘れていた。

 で、久しぶりに首からiPodをぶら下げ、自転車で外へ出てみた(本当はいけません)。

 すると驚いたことに、圧縮音源のはずなのに凄く音がいい。
(ただしイヤホンはデフォルトから交換している)

 なんとまぁ、あふれるようなエネルギー感と躍動感に満ちているのだ。

「なんだこれ? 凄く音がいいなぁ」

 とても驚き、またiPodを聴いてみる気になった。もうずっと音楽ストリーミングで高ビットレートな音しか聴いてないので、圧縮音源なんて久しぶりだ。

 で、1日中、聴いてみると、「音の良さ」って実は解像度とかビットレートの問題じゃないんだな、とよく分かった。

 明日からも、この圧縮音源を聴きながら外出しよう。

 外へ出るのが楽しみになりそうだ。

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音質を除けば「Spotify」はなかなかイケる

2024-04-27 12:12:12 | 音楽
ロッシー圧縮の320Kbpsなのは見劣りするが……

 音楽ストリーミング・サービスの「Spotify」(スポティファイ)に、無料体験で入ってもう何日かになる。

 なかなかこのサービスはいい。

 こと音質に関しては、まあロッシー圧縮の320Kbpsなので「Apple Music」や「Amazon music Unlimited」には劣る。

 だがレコメンド機能(おすすめ機能)に関しては、まちがいなくこれらのうちでもトップだ。

 レコメンドとは、例えば自分が好きな曲を何曲か聴いたあと、再生の動作をせずに放置したとしよう。

 するとサービス側がそれらの私の再生履歴などをもとに「このユーザさんはこういう音楽が好きなんだな」と分析し、それらと似たジャンル・似たミュージシャン等を自動的に再生させて「おすすめ」してくれる機能のことだ。

 ストリーミングでは、これが実に便利なのだ。

もう何人も「未知のミュージシャン」を教えてもらった

 つまりサービス側が「あなたはアレを聴いてたんだから、きっとコレも好きですよね?」てな感じで、どんどん私の知らないミュージシャンを自動再生してくれる。

 この機能がすごい。

 もちろん同じ機能がAppleやAmazonにもあるが、明らかにSpotifyは飛び抜けて優れている。

 たとえば私は主に、現代ジャズを聴く。

 で、Spotifyに無料体験で加入してからというもの、もうすでに何人ものまるで知らない海外ジャズメンを教えてもらった。

 しかもそれらはAppleやAmazonでは、まだ一度も「おすすめ」されたことがないミュージシャンばかりなのだ。

「えっ? こんなに自分の知らないミュージシャンがいたの?」てな感じ。

 これに関しちゃ、自分でシコシコ検索して探すのとくらべ、圧倒的に効率がいい。

 で、初めて出会えたミュージシャンがどんどん増えて行く。

 おかげで聴く音楽の幅も広がり、自分で作っている好みのプレイリストの数もみるみる増えた。

 これでもし有料加入したとしても、月1000円ほどなのだから驚かされる。

 まあこれじゃあ、もうCDは売れないよね。

 CDなんて棚からあふれて管理が大変だし、いちいちリッピングするのも面倒だし。

 もう何か聴きたくなったら、ネットにアクセスしてストリーミングで聴く。

 そんな時代になったわけだ。

 まだストリーミングを体験したことがない人は、ぜひ無料で試してみるといい。

 世界が変わりますよ?

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音楽ストリーミングのSpotify Premiumに入ってみた

2024-04-22 01:39:49 | 音楽
「エド・チェリー」というギタリストを発掘できた

 音楽ストリーミング・サービスの「Spotify Premium」が、3か月無料キャンペーンをやっていたので試しに入ってみた。

 私が最近、よく聴くのは(昔のじゃなく)今どきのジャズだ。

 で、Spotifyの公式プレイリストを入れてみたが……居並ぶ楽曲とミュージシャンがかなりイマイチだった。なんだこりゃ。

 それでもしばらくガマンして聴いていたら、突然、超絶的にかっこいいいギター演奏が始まったのでびっくりした。

 誰だろう? と思ってクレジットを見た。すると「Ed Cherry」とある。黒人ギタリストだった。

「Peace」というアルバムだ。

 えっ? ぜんぜん聞いたことない名前だ。そう思い調べてみると、なんと1954年生まれだという。

 なんでも1980年代にディジー・ガレスピーと共演し名をあげたギタリストらしい。

 ええっ? もういい年じゃん。70歳くらいか?

 でもアルバムはいままで、たった7枚しか出してない。

 自分はけっこうジャズを聴いてるのに、なんでこの人を知らなかったんだろう?

 ……と思って彼の写真を探したのだが、これが検索してもなかなか出てこない。うわー、どマイナーな人だな、こりゃ。

 そういえば、すでに加入している「Amazon Music Unlimited」でも「Apple Music」でも、この人を今まで一度もすすめられたことがなかったし。

 でもメッチャかっこいいギターを弾くのだが。

 こういうふうに、売れずに人知れず消えていくミュージシャンって多いのだろう。

 今まで「Spotifyに入ろう」なんて一度も考えたことがなかったが……こういう人を発掘できたりするんだから、世の中、何が起きるかわからない。

 なんでもやってみるもんだなぁ。

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天才ピアニスト、ブラッド・メルドーがまたロッシと演り始めた

2024-04-19 20:02:41 | 音楽
かつて首を切ったが仲直りしたようだ

 最近、YouTubeを観ていると、現代ジャズの超天才ピアニスト、ブラッド・メルドーが、またかつてのように盟友ドラマーのホルヘ・ロッシとともにライブ演奏をし始めたようだ。

 知らない人のためにちょっと説明しておくと…………天才ブラッド・メルドーは、現代ジャズ界で知られた名ピアニストだ。

 彼は以前、このドラマーのホルヘ・ロッシといっしょに、10年以上も「ブラッド・メルドー・トリオ」という自身の人気グループで活動していた。

 ところがあるとき突然メルドーはこの竹馬の友・ロッシの首を切り、「ブラッド・メルドー・トリオ」にこれまた売れっ子ドラマーであるジェフ・バラードを入れたのだ。

 首を切られたロッシのショックは大きく、それはそれは見ていて痛々しいほどだった。

 彼はそのトラウマのあまり、突然、ドラムをやめてしまい、なんと急にピアニストとして活動し始めた。

 どう見ても、自分を切ったメルドーへの当てつけにしか思えなかった。

新ドラマーはうまくいかなかった

 ところが一方、トリオに新しく迎え入れられた新ドラマーのバラードはといえば、演奏がどうもうまく合わない。

 で、ずっとトリオはギクシャクしていた。

 彼のドラミングは悪い意味でうるさくて目立ち、主役であるメルドーのピアノをジャマしてしまうのだ。

 で、私はずっと「ああ、かつてのロッシのほうがずっとよかったのに……」と思っていた。

 案の定、メルドーもそう思っていたらしく、いつしかこの新「ブラッド・メルドー・トリオ」はきれいに雲散霧消してしまった。

 そしてメルドーはロッシにまた声をかけ、最近いっしょに演り始めたようだ。

 いまも私の目の前にあるテレビでは彼らのYouTubeの最新映像が流れ、その新々トリオの演奏が続いている。

 ロッシのドラミングは本当にぴったりメルドーのピアノに影のように寄り添い、完全に一心同体になっている。

「ああ、ロッシ、本当によかったね」

 心からそう思った。

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また「豆柴」に会ってきた

2024-04-13 10:32:54 | エッセイ
彼は嬉しくて左回りにくるくる回る

 近所へ散歩に行き、いつものコース上にある例の家の庭先でまた「豆柴」に会ってきた。

 やつは私の姿を見つけると、「もう嬉しくてたまらない」というようになぜかくるくる左回りに激しく回転する。

 毎回、くり返す謎の動きだ。

 私が檻に顔を近づけると、柵の間から鼻を突き出して私の匂いクンクン嗅ぐ。

 私の頭から顔、首筋へとくまなく鼻先を移動させ、香りを調査している。

 だが、そのうちに檻の中を落ち着きなくうろつき始め、突然、その場でおしっこをした。

 やっぱり散歩に連れて行ってもらえてないのだ。その証拠に糞の山も2つある。

先代犬と同じく散歩してもらってないようで心配だ

 ここの飼い主は無責任で、自分の飼い犬をまったく散歩させてないのだ。いわば飼い殺しである。

 そのせいで先代のデカい犬は、真夏のものすごい暑さの中、檻で死んでしまった。

 彼もまったく散歩に連れて行ってもらえてない様子だった、で、檻の中でたくさん糞をしていた。

 なのにここの飼い主は、また厚かましくも2代めの犬を飼い始めたのだ。

 もしまた酷暑の夏が来て、この豆柴にもあの先代犬と同じ惨劇が起こったらどうしよう?

 まだ春だというのに、そんな心配でいっぱいだ。

 動物愛護団体にでも通報し、この無責任な飼い主を指導してもらえないものだろうか?

 出過ぎたマネをするのはもちろん本意ではないが、そんなふうに私がためらっていたせいで、酷暑のなか先代のデカい犬は死んでしまった。

 もう二度とあんなことは繰り返したくないのだが……いったいどうすればいいのだろうか?

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Appleの「おすすめ機能」も侮れない

2024-04-06 18:34:35 | 音楽
「Apple Music」で私好みの曲がドンピシャで自動再生された

 実は私は音楽ストリーミング・サービスの「Apple Music」と「Amazon Music Unlimited」の両方に入っている。

 だが私などは「自分だけのこだわりプレイリスト」をガッチリ作り込み、もうそればっかり聴くみたいなパターンに陥りがちだ。

 しかしあるときApple Musicで自分のプレイリストを聴いたあと、たまたましばらく放置した状態になったのだ。

 するとすかさず自動的に「ピーター・ザック」という、聞いたこともない名前のピアニストの曲が自動的に再生された。

 これがまた、すごく良いのだ。

 で、それ以来すっかり気に入り、そのピアニストの楽曲も自分のプレイリストに入れるようになった。

自分を広げるために「わざと放置」してみるのもいい

 過去の記事で、Amazon Music Unlimitedについては似たような「おすすめ機能」をさんざん私の体験談で書いた。

 だがApple Musicでは、まったく初めての体験だった。

 いつもApple Musicではすっかり自分の作ったプレイリストばかり聴いているからだ。

 それで思い知ったのだが、やっぱり自分を広げるためには自分のリストを聴いたあと、ときには「わざと放流してみる」のもいいな、と感じた。

 で、私の好みをいつもの再生履歴から十二分に把握しているであろうApple Musicは、あのときテキメンに反応してくれた。

 だから二度あることは三度あるだろう。

 そうやって自分の知らない世界を体験できるのはとても貴重だ。

 何もAmazonだけじゃなく、Appleの「おすすめ機能」も強力なのだ。

 それを享受しないなんて、実にもったいない話である。

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MacBook Airのスピーカーは超絶的に音がいい

2024-04-03 10:08:28 | エッセイ
まちがえてスピーカーから音を出しビックリ

 私は過去、パソコン内蔵のスピーカーに音質を期待したことは一度もない。

 あれはもう「ただ音が出るだけのシロモノだ」とばかり思っていた。

 いや、いままで出会ったパソコンは実際みんなそういうレベルの音だった。

 だからいまでもその認識はまちがってないと思っている。

 ああ、正確に言えば思って「いた」だ。

 すでに過去形である。

何の気なしにイヤホンで音を聴こうすると……

 先日、MacBook Airの最新型を買った。

 で、届いたばかりのそいつで、何の気なしに高音質イヤホンをPCに挿して音楽を聴こうとした。

 いや、まさかパソコンのスピーカーで音を聴こうなんて考えてもみなかった。

 なのでMacBook Airにイヤホンを突っ込み再生ボタンを押すと……よく考えたらそやつはハイレートなDACを内蔵した通称「USBドングル」に挿したままのイヤホンだった。

 つまりパソコンに対し、USBドングル経由で再生できるよう必要な設定をしてなかったのだ。

 だから不意に意図せずパソコンのスピーカーの方から音が出た。

 瞬間、凍りついた。

 え? なにこの音は? これ、このパソコンから出ているの?

 思わず唸ってしまった。

 いやもう、その音がいいのったらない。

 もう超絶的なのだ。

すばらしい立体音響だった

 しかもただ音が出ているだけじゃなく、鳴り方にすごく立体感がある。

 見事に空間が鳴っている。

 思わず音が出ているディスプレイの下部を覗き込んでしまった。

 つまり本体のうしろから、まずユーザとは反対側に前方へと向かっていったん音が出る。

 で、その出た音が傾斜のついたディスプレイの下端に反射し、今度はぐるりと回ってユーザに向けて聴こえてくる仕掛けである。

 なんだかディスプレイの下から「音がたちのぼってくる」ような感じだ。

 しかもその音がもう、いいのなんのって。

 こんなに音がいいパソコンは初めて聴いた。

 もうびっくりだ。

「Apple Music」を知った時にも思ったが……

 実は「Apple Music」が揃える楽曲のラインナップ(これがツウ好みなのだ)を初めて知った時にも感じたが、Macの設計者って本当に音楽をよくわかっている。

 このレベルなら別に高音質イヤホンを使わなくても、軽く流し聴きするくらいなら十分だ。

 そんな聴き方なら肩も凝らないし願ったり叶ったりである。

 いやはや、MacBook Airが届いてからまだ数日しか経ってないが、もう驚かされることばかりだ。

 それら驚愕の事実はおいおい書くつもりだから、今日はこの辺にしておこう。

 いやぁ、もうびっくりですよ?

 本当にこいつは。

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近所の「狂暴犬」と仲良くなる

2024-03-31 13:17:38 | エッセイ
一度は噛まれたが粘りが奏功した

 近所の散歩コースに非常に狂暴な大型犬がいた。その家は大きくて、家の前にでかい犬小屋があったのだ。

 彼は人が近くを通るたびに吠え狂い、小屋の中で暴れていた。

 で、ここからが物好きなのだが……よりによって私はヤツとなんとか仲良くなれないか? と考えたのだ。

 なわけで散歩のたびにその犬小屋へ寄るのだが、ことごとく吠えられて退散していた。

 で、このままでは埒が明かないと考え、私はあるとき大胆な行動に出た。

 檻に張られた柵の間から鼻先を突っ込み、こっちには敵意がないことを示したのだ。

 ところが彼には当然そんなことは通じず、たちまち私はガブリとやられた。

 すごく痛かった……。

威嚇の一撃を機会に仲良くなる

 いや彼は単なる威嚇のつもりだったのだろう。

 攻撃が直撃してしまった私がしきりに痛がるのを見て、彼はそれまでとはまるで豹変した。

「しまった」

「やっちまったぞ」

「悪かった」

 そんな意を示してきたのだ。で、急に彼は大人しくなった。

「ここが攻め時だ」

 そう見た私はヤツの首周りをしきりに撫で(これは私の必殺ワザだ)、お近づきになろうとした。

 すると彼はそれを大人しく受け入れ、恭順の意を示した。

 これで一連の儀式は終わった。

 以後、私は散歩のたび彼の檻に寄り、「はぁはぁ」いうでかいヤツを撫でまわした。彼はもうなされるがままだ。

夏の暑さで彼は苦しそうだった

 そして季節は夏になった。

 折からの猛暑が容赦なく檻を襲い、ヤツは暑そうにまた「はぁはぁ」していた。

 とても苦しそうだ。

 大丈夫なのか? このままで?

 家にいるはずの飼い主さんに一声かけ、このままでいいんですか? 暑そうですよ? と言おうか考えた。

 だがそんな出過ぎたマネをするのもなんだか気が引けてしまい、そのままズルズルと時が過ぎて行った。

 そして別れは突然、やってきた。

彼は突然いなくなった

 ある日、いつものように彼の檻を訪れると……彼がいない。だが辺りには明らかに彼の体臭がもうもうと立ち込め、こんもりと糞もある。

 散歩に連れて行ってもらってないから糞が溜まっているのだ。

 いなくなったのは最近みたいだ。

 何が起こったんだろう?

 おそらく私のイヤな想像が当たっているのだ。

 この暑さにやられて、もう彼はこの世にいない。

 あまりのことに、しばらく呆然と檻の前に立ち尽くした。

 彼の身近にいて状況がよく分かっている自分は、なぜもっと事態を回避する適切な行動が取れなかったのか?

 こればかりは後悔しても、し切れない。

無責任な飼い主は散歩にも連れて行かない

 それにしても飼い主さんも明らかに無責任な人物なのだ。

 あんなでかい犬がいるっていうのに、散歩に連れて行った形跡がまるでない。

 いつも糞がたまっている。

 まるで飼い殺しのような状態なのだ。

 それからしばらく散歩のたびに檻の前を通り、ひょっこり帰って来てないか? と覗いてみた。だがそんなことはあり得ない。

 ああ、自分はなんてことをしてしまったのか?

 ただ後悔だけが胸を突いた。

あるときそこにちょこんと「豆柴」がいた

 だがそうこうするうち、ある日いつものように檻の前を通ると、あの檻の中に小さな豆柴がちょこんといたーー。

 なんと代わりの犬を飼い始めたのだ。

 私が近寄ると、人懐ッこいそいつは喜んで左回りに激しくぐるぐる何度も回る。

 そんな奇妙な動作を繰り返した。

 私はうれしさ半分だが、それにしても散歩にすら連れて行かないクセにこの飼い主はまた新しい犬を飼うなんて……。

 非常に複雑な気分になってしまった。

 さて、新入りのそんな豆柴とのことは、また機会があれば書くとしよう。

 では今日はこんなところで。

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【PC廃棄】やっと捨てる決心がついた

2024-03-30 23:08:07 | エッセイ
去り行く名機を惜しみながら初期化した

 新しいモデルを買った入れ替わりで、古い方のHPパソコンを廃棄処分することになった。

 なのでついでに、我が家の押し入れの奥底に安置され続けてきた歴代PCもいっしょに廃棄する決心がついた。(いまごろかい)

 どれも古いが、しっかり電源が入る。まるで長年、放ったらかしにしていた主人を待ちかねたかのように勢いよくランプがつく。

「おい、なぜ放置していたんだ?」

 そんなふうに訴えかけてきているかのように感じられた。

 しかもOSさえ新しいものに載せ替え、セキュリティを担保してやれば使えそうなものばかりだ。

 まずは去り行く名機を惜しみながらパナソニック、レッツ・ノートの古い個体をBIOSから初期化した。

 こやつはまだぜんぜん現役で動きそうだ。だが、なんせOSがWindows Vistaなのでセキュリテイがダメだ。しかたない。

すばらしいキーボードのThink Padだった


 続いてIBM時代の懐かしい黄金時代の名機Think Padも取り出してみた。

 本当に大事に使ってきた。

 しょっちゅう磨いていたから外見はピカピカの新品同様だ。

 こんなものを捨てるなんてまったく信じられない。

 あのすばらしい打ちごたえあるのキーボードも見事なほどきれいに保存されている。

 このキーボードだけは、さすがに惜しくなった。

 だがOSは……なんだったかな? ああ、Windows XPだな。

 問題外だ。

OSだけ入れ替えてワープロとして使えないか?

 でも、これってOSだけ入れ替えてワープロとして使えないのか?

 そんな想いでかなり後ろ髪を引かれたが……やっぱり同じく廃棄処分に決めた。

 だがそれにしても、もったいない。この立派な傑作キーボードがまるで泣いているかのように感じられる。

 ただこの個体は初期化の手順がネット検索ではなかなか出てこず未だ処分保留になっている。

 なんだか「オレを捨てないでくれ」って訴えてるみたいで忍びない。

 いっそ初期化の手順なんていつまでも見つけられなければいいのにーー。

 心のどこかでそう願っている自分がいる。

別れもあれば新しい出会いもある

 去り行く名機たちを見送る主人の気持ちはとてつもなく重い。

 だが人生、別れもあれば出会いもある。

 今後、新しく我が家の一員になるHP EliteBook、そしてMacBook Airといっしょに、また心機一転、あれやこれやで泣き笑いの人生が始まるのだろう。

 そんな未来に想いを馳せ、やっと初めて主人は前を向けたようである。

(追記)

 その後、Think Pad X31のマニュアルをネットでやっと入手できた。

 無事、カンタンに初期化できた。工程が進むたび、うれしいやら悲しいやら悲喜こもごもで複雑な思いに囚われた。

 ああ、新しいOSさえ入れられれば…。

 Think Padよ、来世で会おう。

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【画像変換の凄み】Windows OSとMac OSの決定的な違いとは?

2024-03-27 08:57:08 | エッセイ
*我が家のHPパソコン EliteBookは、北欧ならではの美しいスカンジナビア・デザインによる「Bang & Olufsen」(デンマーク)のスピーカーを搭載している。(上の画像をクリックすると拡大します)

Windowsな頭を襲ったMacBook Proの衝撃

 個人的な話になるが、パソコンなら私はWindows OSのほうが圧倒的に歴史は長い。

 そんな私がひょんなことからMacBook Proを使い始めたのはいつごろだったかなぁ?

 すっかりWindows頭だった私の五感を、こいつは絶えず刺激し続けてくれた。

 いやぁWindowsはユーザへしきりに再起動を求めてくる。

 だがMacBook Proを使い始めてからというもの再起動なんてトンと縁がなくなった。

 Mac OSは実に強靭で頑強なヤツなのだ。しかも画像処理にめっぽう強い。

 私は動画編集みたいな負荷の高い作業はやらないが、自分のブログに画像をアップロードしたりはする。

 そんなとき威力を発揮してくれるのが、MacBook Proがもつ実に優れた機能だった。

手元で拡張子を変えただけでファイル変換しちゃう

 なんとヘタすればこやつは単に手元で拡張子をチョチョイと変えただけで、ファイル変換を一気に終わらせてしまう。

 しかも最低、右クリ一発でpngをjpgにできたり、サイズ変換まで一度にやっつける。

 いやはや、その威力にはまったく恐れ入った。完全にWindows脳だった私の記憶の扉をゆさぶり起こしてくれるヤツだった。

 そんなこんなでMacBook Proはもう10年も使い続け、このたびめでたくMacBook Airへと発展的に昇華することに。


*MacBook Air

 この新顔はM3チップなるProと同等の頭脳をもち、しかも軽くて小さくモバイルにイケる。

 後生大事にモバイルルータを持ち歩き、ちょいと外で時間があればたちまちモバる私の生態にぴったりなのだ。

 てなわけでこのたびめでたく発注が終わり、あとは納入を待つ身となった。

かくてHPのEliteBookと出会う

 だがWindowsマシンの個人史もまた終わらない。

 あの忘れもしないSOTECで悲惨なパソコン史をスタートした私は、たちまち再起動と初期化の荒野に見舞われるハメになる。

 衝撃的なWindows世界の厳しい洗礼を受けた。

 その後、パナソニックのLet's note を愛用し、すっかりモバな世界に目覚めた。

 あるいは全盛期だった時代のThink Pad信者になったこともある。

 物書きにとっちゃ、あのThink Padの素晴らしいキーボードは一生忘れられないなぁ。

 かくて流れ流れて、やがて出会ったのがHPパソコンだった。ここのビジネスモデルはなかなかイケるのだ。

Bang & Olufsenのスピーカーを搭載したデキる奴

 なんと本機はあのスカンジナビア・デザインによる、Bang & Olufsen(デンマーク)のスピーカーをステレオ搭載したスゴ腕だ。

 その名もEliteBookである。


*HP EliteBook

 スカンジナビア・デザインとは、北欧特有の美しいデザインのことを指す。

 主にスウェーデンとデンマーク、ノルウェーの3か国、それに加えればフィンランドとアイスランドなど、スカンジナビア半島とその周辺で発展してきた独特のテイストをもつデザインだ。

 で、EliteBookの設計はあくまでシンプルにしてスタイリッシュ。渋いナチュラル・シルバー仕上げのボディがうれしい。

 おまけにキーボードは薄型であくまで指にしっとり馴染み、全盛期のいい時代だった頃のThink Padともタメを張るデキだ。

 そんなこんなでMacBook  AirとEliteBookの両刀使いで2024年の新学期を迎えることになった私の背筋は、もちろん新入生よろしくピッタリ伸びていることはいうまでもない。

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永六輔さん著書『結界』は実は私が書いた

2024-03-25 05:10:30 | エッセイ
私も「セクシー田中さん」問題を構成者として経験した

 さて今回は「ドラマー・村上“ポンタ”秀一さんインタビュー」、そして「実録・石原慎太郎氏インタビューの裏側」に引き続き、いまだからこそ言える「実はこうだった」シリーズの第3弾だ。

 永六輔さんも、もうお亡くなりになっているので時効だろう。

 出版社のマガジンハウスさんが、1998年に永六輔さんの書籍『結界』を出版されている。

 で、そのとき私は件の元ポパイ編集長さんから依頼を受け、黒子としてこの本の「構成」を手掛けた。

 同書は、永さんがラジオ番組で女性パートナーと2人でトークした内容をまとめたものだ。

 こう書くと素人さんは「なーんだ。トークをそのまま文章にしただけか」と思うかもしれない。

 いやいや、そんなのはあり得ない。

 そもそもラジオのトークなんて、そのまんま喋った通りじゃ書籍化なんてできないのだ。

 だから当たり前の話だが、もちろん放送の内容がその通り本になってるわけじゃない。

 この本を実際に書いた私の元には、永さんがラジオで喋った内容がテープ化されて山と持ち込まれた。

 で、それを元に実は私が「本にできる形」にかなり加工し、「それなり」に仕上げて綴って行ったわけだ。

永さん「おや、私はラジオでこんなこと言ったかな?」

 そしてこのことは自殺者を出した「セクシー田中さん」問題とも、まるっきり共通している。

 永六輔さんの著書『結界』を構成した私は、立場上でいえば「セクシー田中さん」問題における脚本家に当たる。

 つまり原作者の芦原妃名子さんを死に追いやった側だ。

 確かに私は、永六輔さんのラジオ放送を聞き、元の音源をかなり脚色した。

 そして「書籍として辻褄が合う」よう、きっちり巧妙に章ごとにいちいち面白いオチを付け加えながら文章化した。

 もちろんそんなことは元の音源で永さんは喋っちゃいない。

 だがそんな一種の越権行為を犯さない限り、プロの目で見てラジオ放送を書籍になんてできないのだ。

 で、仕上がった私の原稿を読んだ当の永さんは、「おや? 自分はこんなことラジオで言ったかなぁ?」などと不思議に思いながらも許容して下さった。

 脚色が行われたことをわかった上で、だ。腹の太い方である。

本の「あと書き」で私の名前を出しリスペクトしてくれた

 そのとき永さんがお書きになった「あと書き」の該当部分を、そっくりそのまま以下に転記しよう。こんなふうだった。

『エーッ、こんなこと言ったっけ、という言葉もあるが、電波にのった僕の声であることに間違いはないのだ』

 つまり私が独自の判断でやらかした(気の利いた脚色を)いったん飲み込んだ上で、「これは私の言葉だ」と言い換えて下さったわけだ。

 しかも本のあと書きでわざわざ私のフルネームを明記した上で、「この本はあくまでリスナーとしての松岡美樹さんの耳にとまった言葉を構成したものです」と、ご自身で断り書きを付けている。

 つまり本来なら「名前すら出ない黒子」の存在であるはずの私がやったことを、クレジット入りでプロの仕事としてリスペクトしてくれたわけだ。

 いや実際、この最終原稿が出来上がった時点で、例えば永さんに「俺はラジオでこんなこと絶対に言ってないぞ」なんて言い出されたらもう収拾がつかない。

 だけど繰り返しになるが、そもそもラジオでその場の言いっぱなしになったセリフなんて、そのまま本になんかできないのだ。

 書籍化するにはちゃんとそれなりの落とし前をつけ、書籍の文章として成立するよう要所でオチを付けたり説明を加えたりしなきゃなんない。それがいわゆるプロの仕事である。

「セクシー田中さん」問題とまるで同じ構図だ

 そんなわけで「セクシー田中さん」問題を知ったとき、もちろん私はとても複雑な気持ちになった。

 明らかに私は「セクシー田中さん」の原作者を死に追いやった立場側の人間なのだ。

 だが私のケースでは、永さんの太っ腹な対応とプロ的な仕事への理解がなされ、それなりに処遇された。

 しかも永さんはわざわざ構成者である私の実名を明記した上で、「これはプロの仕事です」とリスペクトしてもらえた。

 実際、本になってみれば関係者一同に大好評だった。

 編集者さんの側にも「この本は面白く仕上がった」と認知されたし、恐らくそれをお読みになった永さんもそう思われたのだろう。

 だから掲載されるはずのなかった私の実名をわざわざあと書きで取り上げるなどという、これまた私がやったのと同じ「逸脱」を犯したのだ。

 いや、それによってひょっとしたら読者の側に「なんだ、この本は永さんの言葉を別人が脚色したものか?」などと思われ、まかり間違えば本の売れ行きに影響しかねないにも関わらず、だ。

 あえて永さんはそんなリスクを冒した。私をプロとしてリスペクトするために。

 こんなふうに「セクシー田中さん」問題って、立場によって各人各様だ。

 もちろん実にさまざまな反応が起こるだろう。

 ただし原作者が亡くなるという悲劇が起こった以上、私はこのケースでは「脚本家の側」に立って論じる気は毛頭ない。

 だが実際、かなり複雑な気分でいることだけは確かである。

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