すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【キリン杯】消化不良のぬるいテストマッチ 〜日本2-1ニュージーランド

2017-10-07 10:09:10 | サッカー日本代表
守備の甘いチームにたった2点で辛勝する

 決定的なシュートチャンスを2度もはずした香川の「ゆるさ」がすべてを象徴していた。日本のポゼッション率は61%。格下相手に前半の日本はボールを握って何度も攻めるがどうしても点が入らない。後半5分にPKでやっと先制するが、同14分に同点に追いつかれると逆に相手のペースに。乾と小林祐希の途中投入が効き、試合終了間際に決勝点を取りなんとか逃げ切った。決定力不足はやはり日本の永遠の課題なのだろうか?

 日本のスタメンはGK川島に、DFは右から酒井(宏)、吉田、槙野、長友。ダブルボランチには日の出の勢いの山口蛍と井手口を配し、トップ下には香川。右SHには久保、左SHには武藤嘉紀。大迫をワントップにした4-2-3-1とした(後半に山口をアンカーとする4-3-3に変更)。ニュージーランドは5-3-2だ。

 ニュージーランドは局面によっては高い位置からプレスをかけてくるが、日本がうまくビルドアップしてボールが相手の1列目を抜ければあとはゆるい。日本の選手がワンフェイク入れれば簡単にフリーになれた。ゾーンの敷き方もニュージーランドは基本的に低く、日本のボールになれば早めに自陣に引いた。日本がボールを持てる展開だ。

 ところがニュージーランドはサイドからのクロスにめっぽう強く、日本は敵ゴール前へ何度もセンタリングを入れるが身長の高いDFにことごとく弾き返される。フィニッシュにはもっと工夫が必要だった。

力を出せない香川はもう切るべきだ

 毎度おなじみの決定力不足も響いた。香川は前半23分までに決定的なシュートチャンスを2度も決められず、あとは試合から完全に消えた。同じく不調だったのは久保で、右サイドにほとんどポイントを作れない。前半の日本はもっぱら武藤嘉紀のいる左サイドが基点になっていた。武藤はポストワークもこなすし、もっと時間をやればきっかけをつかみそうだ。

 この試合で唯一の救いは、後半に投入された乾と小林祐希だった。乾は左サイドで何度もチャンスを作り、自身が芸術的なウイングであることを証明した。またシステム変更で右のインサイドハーフに入った小林祐希は、井手口と巧みにポジションチェンジしながら多くの局面に顔を出しリズムを作った。

 結論としてこのゲームは勝敗にこだわるには相手が弱すぎ、逆に選手のテストとしては極めて中途半端だった。相変わらずデキの悪い香川は前半だけで交代させ、他の選手にチャンスをやるべきだった。同様に調子の悪かった久保の交代ももっと早くてよかった。

 最悪なのは、試合終了間際の後半48分にまるで時間稼ぎのようにアリバイ投入された若い遠藤航だ。将来性のある彼をなぜもっと早く使わないのか? ハリルは試合途中から山口を持ち味とは真逆のアンカーに置いたが、あのシステム変更をするならアンカーには遠藤航を入れて経験させるべきだ。なぜなら日本代表では、長谷部以外にアンカーの適性があるのは遠藤航だけなのだから。

 最後にひとこと。ハリルはもういいかげん、香川に固執するのはやめてスッパり切るべきだ。ハリルの迷采配をイヤというほど見せつけられた90分だった。
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