人気ランキングで上位のニュースだけ流す。あとのニュースはただのゴミだ――。ほりえもんさんは、ジャーナリストの江川紹子さんにこんなことを言っていた。だから以前、私はブログで「彼は矛盾している」とだけ書いた。
つまりこういうことだ。
そもそもインターネットがおもしろいのは、品揃えが徹底的な「専門店型」だからだ。途方もない数の人間がネットにつながっていて、その1人1人が自分の興味あること、自分が専門的に語れることを情報発信してる。
たとえばサッカー・アルゼンチン代表のユニフォームの「袖だけ」を見て、「これは○年に開かれたW杯『○○大会』でアルゼンチン代表が採用したユニフォームだ」なーんて即答できるオカルトな人が世の中にはいる。
そんなやつが自分のウンチクをこれでもかと振り絞り、だれも知らないマニアックなサッカー・ネタをウェブ・サイトで開陳する。これって興味のない人にはおもしろくもなんともない。だけど「わかる人」が見れば、狂喜乱舞するコンテンツだ。
かと思えば音楽の分野でも、こんなやつがいるだろう。彼はジェスロ・タル(イギリス出身の古いバンド)マニアで、世界に流通してる彼らの音源をほとんど聞いてる。もちろん非公式なものまですべてだ。
で、ジェスロ・タルが1968年に結成して以来、ベストなライブは○年に出た「○○」という海賊版だ、その中の3曲目がベストテイクである、てなことをねっとりとサイトに書き連ねる。
しかもそのページにはデビュー以来、ブートレッグまで含めたアルバム「ベスト10」の表かなんかがついちゃってる。これもサッカーの話と同じだ。おもしろいと思わないやつは鼻もひっかけない。でも好きなやつはそれこそ徹夜で読んでしまう。
ネットのおもしろさはまさにコレでしょう。いろんなコア人間がいろんなことを勝手にやってる一種のカオス。ひとつひとつの「お店」がその分野に特化した専門店になっている。
ひとつのサイトにいろんなものが揃ってる「百貨店型」だと、ひと通りのものは見られるかわりに深みがない。1コンテンツあたりの情報の深度がどうしても浅くなる。でもコアな人が作るコアなサイトは、情報だってコアになる。もうコアの3乗だ。
おまけにヤツらは商売でやってるわけじゃないから、「みんな」に支持される必要はない。ネット人口全体の0.005%の人にウケればそれでいい。
たとえばAというコアな映画サイトがあったとしよう。ここにはいつも1日に5人しかアクセスがない。でもAを訪れる5人は全員、超がつくようなマニアばかりだ。で、5人はいつもサイトのデキに満足し切って帰っていく。
こんなふうにネットはいろんなものがごった煮になってるところがおもしろい。
さてほりえもんさんといえば、そんなネットの申し子みたいな人物だ。なのに彼が作るらしい新聞は、人気ランキングで上位のニュースしか流さないっていう。
すると何が起こるのか? 毎日毎日、「韓流」のニュースが1面トップだよ、その新聞って。極端にいえばね。そんな媒体、私だったら見る気も起こらない。「みんなに人気があること」、「世の中の最大公約数にウケるネタ」なんて情報としてまるでつまらないもん。
まあ「つまる人」もいるんだろうから、商売にはなるかもしれないけれど。
ところがジャーナリストの江川さんや筑紫さんをはじめとする勢力は、こんな論法でほりえもんさんの考えに異議を唱える。
「たとえ人気はなくても、世の中には『伝えるべきこと』がある」
「人気がすべてじゃない。大事なことは小さなことでも伝えるという使命だ。そういうジャーナリストの『志』や『矜持』が大切なんだ」
いやね、私は同業者だから言いたいことはわかるけど、こんなレトリックじゃ一般の人にはちっとも説得力ないよ。自分たちはジャーナリストだから「志」とか言ってリキみ返ってるけど、普通の人が聞いたら「あんた、なに様?」って感じでしょ。
そうじゃなくて。「だれにでも人気がある情報」なんて、「おれ」にとってはちっともおもしろくないよ。おれはユニフォームの「袖だけ」を見て、それがなんだかわかるヤツが書いたニッチな話が読みたいんだ――こういうことなんじゃないの?
だってタダでさえメディアは売れるものを作ろうとして、現状でも人気ランキングに頼ってるわけじゃない? 結果、雑誌も新聞も似たような造りになっている。
2月になったらどこも「バレンタインデー特集」やってるし、4月になれば今度はあちこちで「お花見特集」が満開だ。ああ、うんざり。
なのにそこへほりえもんさんが言うような造りの新聞がひとつふえても、「有象無象」がまたできるだけだ。
そうじゃなくて、時代は「専門店型」だと思うけどな。「みんな」にウケるものじゃなくて、ある程度ターゲットを絞り込み、でもそれが好きなやつには100%、熱狂的に支持される、みたいな。
そのほうが内容的には絶対おもしろくなるはずだ。
ただしこれだとターゲットになるパイが小さいだろう。だから利益もあんまり出ないかもしれない。ゆえにコストはかなり絞って、少数精鋭でやんなきゃダメかもしれない。
小所帯で小回りがきき、ビリリと冴えた集団が「限られた人たち」だけにモノを売る。そのかわりいろんな分野ごとにスペシャリスト集団がたくさんできて、専門店を次々にオープンしていく。
そういう世の中のほうが、私はエキサイティングだと思うけどなあ。
つまりこういうことだ。
そもそもインターネットがおもしろいのは、品揃えが徹底的な「専門店型」だからだ。途方もない数の人間がネットにつながっていて、その1人1人が自分の興味あること、自分が専門的に語れることを情報発信してる。
たとえばサッカー・アルゼンチン代表のユニフォームの「袖だけ」を見て、「これは○年に開かれたW杯『○○大会』でアルゼンチン代表が採用したユニフォームだ」なーんて即答できるオカルトな人が世の中にはいる。
そんなやつが自分のウンチクをこれでもかと振り絞り、だれも知らないマニアックなサッカー・ネタをウェブ・サイトで開陳する。これって興味のない人にはおもしろくもなんともない。だけど「わかる人」が見れば、狂喜乱舞するコンテンツだ。
かと思えば音楽の分野でも、こんなやつがいるだろう。彼はジェスロ・タル(イギリス出身の古いバンド)マニアで、世界に流通してる彼らの音源をほとんど聞いてる。もちろん非公式なものまですべてだ。
で、ジェスロ・タルが1968年に結成して以来、ベストなライブは○年に出た「○○」という海賊版だ、その中の3曲目がベストテイクである、てなことをねっとりとサイトに書き連ねる。
しかもそのページにはデビュー以来、ブートレッグまで含めたアルバム「ベスト10」の表かなんかがついちゃってる。これもサッカーの話と同じだ。おもしろいと思わないやつは鼻もひっかけない。でも好きなやつはそれこそ徹夜で読んでしまう。
ネットのおもしろさはまさにコレでしょう。いろんなコア人間がいろんなことを勝手にやってる一種のカオス。ひとつひとつの「お店」がその分野に特化した専門店になっている。
ひとつのサイトにいろんなものが揃ってる「百貨店型」だと、ひと通りのものは見られるかわりに深みがない。1コンテンツあたりの情報の深度がどうしても浅くなる。でもコアな人が作るコアなサイトは、情報だってコアになる。もうコアの3乗だ。
おまけにヤツらは商売でやってるわけじゃないから、「みんな」に支持される必要はない。ネット人口全体の0.005%の人にウケればそれでいい。
たとえばAというコアな映画サイトがあったとしよう。ここにはいつも1日に5人しかアクセスがない。でもAを訪れる5人は全員、超がつくようなマニアばかりだ。で、5人はいつもサイトのデキに満足し切って帰っていく。
こんなふうにネットはいろんなものがごった煮になってるところがおもしろい。
さてほりえもんさんといえば、そんなネットの申し子みたいな人物だ。なのに彼が作るらしい新聞は、人気ランキングで上位のニュースしか流さないっていう。
すると何が起こるのか? 毎日毎日、「韓流」のニュースが1面トップだよ、その新聞って。極端にいえばね。そんな媒体、私だったら見る気も起こらない。「みんなに人気があること」、「世の中の最大公約数にウケるネタ」なんて情報としてまるでつまらないもん。
まあ「つまる人」もいるんだろうから、商売にはなるかもしれないけれど。
ところがジャーナリストの江川さんや筑紫さんをはじめとする勢力は、こんな論法でほりえもんさんの考えに異議を唱える。
「たとえ人気はなくても、世の中には『伝えるべきこと』がある」
「人気がすべてじゃない。大事なことは小さなことでも伝えるという使命だ。そういうジャーナリストの『志』や『矜持』が大切なんだ」
いやね、私は同業者だから言いたいことはわかるけど、こんなレトリックじゃ一般の人にはちっとも説得力ないよ。自分たちはジャーナリストだから「志」とか言ってリキみ返ってるけど、普通の人が聞いたら「あんた、なに様?」って感じでしょ。
そうじゃなくて。「だれにでも人気がある情報」なんて、「おれ」にとってはちっともおもしろくないよ。おれはユニフォームの「袖だけ」を見て、それがなんだかわかるヤツが書いたニッチな話が読みたいんだ――こういうことなんじゃないの?
だってタダでさえメディアは売れるものを作ろうとして、現状でも人気ランキングに頼ってるわけじゃない? 結果、雑誌も新聞も似たような造りになっている。
2月になったらどこも「バレンタインデー特集」やってるし、4月になれば今度はあちこちで「お花見特集」が満開だ。ああ、うんざり。
なのにそこへほりえもんさんが言うような造りの新聞がひとつふえても、「有象無象」がまたできるだけだ。
そうじゃなくて、時代は「専門店型」だと思うけどな。「みんな」にウケるものじゃなくて、ある程度ターゲットを絞り込み、でもそれが好きなやつには100%、熱狂的に支持される、みたいな。
そのほうが内容的には絶対おもしろくなるはずだ。
ただしこれだとターゲットになるパイが小さいだろう。だから利益もあんまり出ないかもしれない。ゆえにコストはかなり絞って、少数精鋭でやんなきゃダメかもしれない。
小所帯で小回りがきき、ビリリと冴えた集団が「限られた人たち」だけにモノを売る。そのかわりいろんな分野ごとにスペシャリスト集団がたくさんできて、専門店を次々にオープンしていく。
そういう世の中のほうが、私はエキサイティングだと思うけどなあ。
って言うか次のアジア予選までに文字ベースだけでお書きになった内容がわかるといいなぁというだけですが・・・
携帯だと図が見れないのです。
ご無礼お許しください。
初めまして。
なるほど、仕事の合間に携帯で読むんですか!
私、携帯オンチなもんで「想定外」でした(^^;
なんか、そうまでして読んでいただいて
うれしいです、とっても。
「図が見れない」って、
前にサッカーの記事のところに
白地で入れた図のことですね?
なるほど。
これからは携帯からの人も想定して
書くことにします~
貴重なご意見、ありがとうございます。
また遊びにきてくださいねん♪ チュッ(謎
江川さんのニュースソースからの引用
「――今までにない内容の報道をやりたいというのもない?
ないですね(笑)。いいんでよ、別に。内容が(今までのメディアと)違うかどうかは。それが目的じゃない。内容も、もしかして違ったモノになるかもしれない。ですがそれはどっちでもいい。
――堀江さんの日記には、「メディアのあり方が変わる」と書いていたが、そういう意図はないのか。
そうやって煽った方が、みんな期待感を生むじゃないですか。僕はどっちでも……」
ほりえもんさんは、本当はどっちでもいいようですねぇ(苦笑)
それにしても、「いいんでよ」って・・・(さらに苦笑)
それに、「ニュースは買えばいい」という言葉も最近聞きました。
つまり、ビジネスにならなければ見捨てる可能性もあります。
積極的に「煽ろう」となされているわけですし。
そういえば、苫米地さんはオウム騒動のときに江川さんと『絶縁』されたようですねぇ。
>専門店型
ただ、専門店型の怖いところは、「増殖しつぶしあう」ところなんですよねぇ・・・(苦笑)
ただでさえ金銭面で縮小してきたパイを、あらたに会社を新たに作って食いつぶしあう・・・。
かといってアメーバーのように変化し、時期を見て専門店をつぶした場合、「熱狂的ファン」から何言われるかわからない・・・。
ファンがいなければつぶしても気がつかれないけど・・・。
そういう怖さがあります。
食いつぶしあうのは派遣アルバイトも同じことで・・・
ただ派遣アルバイトの場合、「企業に聞きました。アルバイトを増やしたい:40%、減らしたい:4%」という話がありますのでまだまだ儲けれそうなかんじではあります。
実際に私が昔派遣会社から面接しろと言われて、事務職を願い出て向かいましたら、「派遣会社からこんな値段を吹っかけているのに事務職しかしたくないのか?!」といわれてしまいましたw
そういう状態を最大限生かして、私は派遣元を変更することで大手の会社にいつづける、という方法を使いました。
派遣元を変更しないと片道1時間15分ぐらいの工場軽作業に行くことになりそうでしたので・・・(苦笑)
それですと計算して10万円+交通費でした。
・・・昔、ゲーム会社にアルバイトで入ったときもこのぐらいでした・・・。
それに、アルバイトという概念で切羽詰らない限り早く帰宅する、という手法も使わせていただいてます。
「アルバイトに対してがたがた言う資格は本来ない」のですよねぇ。
次のために燃費を温存する必要もありますし。
・・・ガソリン(比喩)って、注入分だけしか走れないので、
次の月までもたせないといけないのですよねぇ・・・。
ただ、アルバイト雇って雇用費用が小さくなる、ということは、一人が使う消費も小さくなるんですよねぇ・・・(苦笑)
事実、「技術職アルバイト」でも各種保険にさえ入ろうと思えないほどもらえない始末・・・。
どうなのですかねぇ?「技術職アルバイト」全般って・・・。
P.S
http://well-arita.ameblo.jp/
こちらに起業したてですが派遣もされている社長さんが日記もございます。
P.S
アルバイトのお話、
今から楽しみにお待ちいたしております~。
既存メディアで書いていただきますと購入させていただきます~。
それでは、また~。
------------------------------------------
http://left13.jp
> 「みんな」にウケるものじゃなくて、ある程度ターゲットを絞り込み、
> でもそれが好きなやつには100%、熱狂的に支持される、みたいな。
PJがそうなっていくような気がします。
やっぱりライブドア内で矛盾してますね。
テレビとネットってやっぱり住む世界が違うものだと感じます。
最近の漫画の話になって畑違いな話ですが、「最大公約数」は大きなところ(ストーリーの流れ、お約束)で入れつつも細かいディテールはこだわる、というのが最近の作品の傾向になりつつあります。
細かいディテールに着目してもらえれば専門的な人も興味を持ってもらえるし、最大公約数でたのしむひとにも楽しんでもらえる、という話でしょう。
今は全てのディテールを把握してTPOでもって作品にとりいれる、という力が必要な気がしてきました。
かの宮崎駿さんもそういう作り方されていたようですし。
ただ、いずれにしてもコンテンツを作る能力がなければ納得してもらえない、というのはあります。
だからライブドアはニッポン放送という名前の上をおさえて下請けで作ってもらう準備を整え、いいコンテンツ作れそうな人をネットから探して作らせつづける、という話のような気がしてきました。
インターネットにコンテンツがある(あくまで存在する)、というのは「電車男」でも「今日妻が~」でも証明されたことですし。
それでは、また~。
-------------------------------------
http://left13.jp
日記に「メディアのあり方が変わる」って書いて煽り、
人々をひっかけようとしたんだから
最後まで「改革者」たる顔で演じきればいいのに。
インタビューでは「僕は本当はどっちでもいいんですよ」なーんて
ホンネをバラしちゃう。んなこと言っちゃったら信用なくすだけじゃん、
って思うのは私だけでしょうか?(^^;
まあ自己顕示欲が強すぎてなんでもしゃべっちゃうんでしょうが、
ちっとは戦略的に演じ分けないとだめだよなあ。
>JEFFさん
おとといPJが今までに書いた記事をぜんぶ読んでみました。
小田さんが妄言吐いてたんで、
どんなひどい記事が並んでるのかと恐いもの見たさでしたが
拍子抜けしました(^^;
特に「現代人の心の闇を描くドラキュラ」って記事書いてた
いわためぐみさんて人には可能性感じました。
ああいい文章だな、って感じさせるものがありましたね。
感性が豊かそうで。
個人的には、PJの将来考えたら、
小田さんはあんまり表に出てこない方がいいような気が…。
だってイメージぶち壊しにしちゃうんだもん、あの人。
>んなこと言っちゃったら信用なくすだけじゃん
極論からいえば、「信用ってそもそも何?」という考え方も出来てしまうのですよねぇ。
「俺は(企業の)信用に答えるんだ」という考え方一つで戦争に突入したりするものですし。
価値観がそれぞれ存在する、
という風に思えるのですがどうですかねぇ?
それに、かんこくはブロードバンド環境を早い段階で整えていました。だから大統領選出のときに活躍できたので、時間はまだあるかと。ではないのですかね?
ひとつお伺いしたいのですが、
質問、というのを結構こちらのほうから投げかけておりますが、答えが返ってくることが少ないと思うのですが・・・。
それにつきましては取り立てて考えることがない、ということなのでしょうか?
それでは失礼いたします。
http://1101.com/soudatta/index.html
参考)http://1101.com/home.html
これは1998年の「ほぼ日刊イトイ新聞」の中にある記事です。
その当時から同じようなことがあったようですねぇ。
それでは、また~。
ここには偶然たどりついたのですが、おもしろいブログですね。続きを読むを押すといつも続きがやたら長いのですがなぜか最後まで読んでしまいます。
まだブログ開設後日が浅いようですが、ぜひ長く続けてください。楽しみにしています(おもしろい限りは)。
探して読んでみようと思います。
良い記事も埋もれてるのに、妄言ばかりが目立つのはどうしてなんでしょうね。
この背景にはそういうものばかりを取り上げて、良いものを評価するブロガーが少ないという問題もあるのでしょうか。。。