すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【第2次森保ジャパン】日本の「穴」は左SBとFWだ

2023-09-14 13:03:24 | サッカー日本代表
人呼んで「デスノートの森保」

 ハンジ・フリック氏が監督解任されたドイツに続き、日本に負けたトルコでも代表監督解任を求める騒動が起きている。

 森保監督は次々に同業者を廃業に追いやり、自らの転職場所を確保することに余念がないようだ。

 おかげで森保監督が試合中にメモを取る行為は、海外では「デスノート」と呼ばれているらしい。

 さて、そんな強豪撃破が続く第2次森保ジャパン。トルコ戦では控え組も爆発し、「2チーム作れる」とも言われている。だが、決定的なアキレス腱がある。それは左サイドバックとフォワードだ。

左SB伊藤洋輝は間接的に失点の原因になった

 まず左SBの伊藤洋輝は今回の9月シリーズあたりではずいぶん健闘するようになったが、それでも見ていると個人的には不安でたまらない。第一に本人がゲーム中に不安そうな様子をしているように見える。

 実際、ドイツ戦では間接的に失点の原因にもなった。

 前半19分。左IHのギュンドアンが右IHヴィルツへ斜めのパスを繋ぎ、ヴィルツはペナルティアーク辺りに侵入した。このとき守備時4-4-2のフォーメーションを取っていた日本は、左SBの伊藤洋輝が中へ絞った。自然な動きだ。

 このため(日本から見て)左サイドにスペースが空き、最後はゴールエリア角から右WGサネにフリーでゴール左にシュートを決められた。

 もちろんこれはシステムの構造上の問題でもある。

 ピッチの左右横幅を4バックでカバーする以上、サイドには必然的にスペースができる。その上この失点時にはドイツの攻めを受けて中央へ絞ったためにサイドのスペースがさらに大きくなり、サネにフリーでやられた。

 ただ伊藤洋輝が間接的に関与していたことは事実だ。

 この現象を見て森保監督は、後半にフォーメーションを5-4-1に変えて横幅を5バックで埋める対策を取った。

伊藤洋輝は本来CBの選手だ

 伊藤洋輝は右SBの菅原由勢のように軽快でもないし速くもない。サイドを駆け上がるプレイを得意としているわけでもない。正確なロングパスはあるが、総じて攻撃性能は低い。

 むしろ伊藤は自分の重さをプレー強度に代え、ガッチリ守備をするタイプだ。やはり彼はセンターバックの選手である。

 傍から見ているとむしろ気の毒に見える。適性はCBなのに不得意なSBで使われ、今回のように意に反して失点に関与してしまう。個人的には、もうSBという呪縛を解いてやり、適性のあるCBとしてポジション争いさせてやりたい。

 ただ、そうなると「じゃあ左SBは誰が適任なのか?」という難題が待ち受けているわけであるが。個人的には、森下龍矢(名古屋グランパス)はまだそのレベルに達してないように思う。インテンシティが足りない。

 中山雄太(ハダースフィールド・タウン)も世評は高いが、個人的には「うーん……」というところ。バングーナガンデ佳史扶(FC東京)は代表で見て「将来性があるな」とは思ったが……結局は旗手怜央(セルティック)ということになるのだろうか。

FW上田綺世は評価が上がったが……

 一方、フォワードに関しては、巷間、ドイツ戦で1ゴールを上げた上田綺世の評価が高まっている。前で起点になる動きやポストプレイ、裏抜けなど、マルチなタイプのFWだとは思う。

 実際、あのドイツ戦を観るまでは、私はFWのなかでは上田をいちばん認めていた。だがドイツ戦を目の当たりにして、世間の評価とはまったく逆に失望した。

 確かに上田は1ゴール上げたが、あの試合、彼はまちがいなく「あと2点」取れる場面があった。もちろんマルチな能力があるのはわかっているが、彼の本業は点を取ることだ。

 ストライカーなら、あのゲームでは確実に3ゴール取っていなければならない。もしこれがアーリング・ハーランドやキリアン・エムバペなら、確実に3点取っていたはずだ。個人的にはガクゼンとし、深い失望感に包まれた。

 ああ、彼もまた「日本人FW」の典型だったのか? いかにも日本人らしく「ああ、惜しかったよなぁ」で終わる選手なのか?

 この絶望感は深い。

典型的な「日本人FW像」に当てはまる

 上田のプレイを初めて見たときの衝撃は大きかった。「こんなFWが日本にいたのか?」。おそらく彼を初めて目の当たりにした人は、みんなそう思うのではないか?

 で、私も彼に期待してきた。

 だがその後、いま現在のプレイを観ても、あのときから成長しているようには見えないのだ。

 もちろん過去も現在もレベルは高い。「あのとき」と今とを並べて見れば、「ここがこう変わった」という要素はあるのだろう。(ただ個人的にはドイツ戦のポストプレイがよかった、とは思わない。大迫勇也とくらべれば月とスッポンだ)

 だが現在だけを観ていると、特に変わったようには感じない。相変わらず決定的なゴールを逃し続けている。

 彼は能力が図抜けているだけに絶対的な場面を作れる。であるがゆえに相変わらずそのチャンスを逃し続け、「ああ、惜しかったなぁ」とくやしがる典型的な「日本人フォワード像」に当てはまってしまっている。

 ことほど左様に、日本には決められるFWがいない。年齢を度外視した場合の大迫を除いては、だ。もし日本が「ワールドカップで優勝するぞ」というなら、いの一番に必要なのは決定力のあるフォワードだろう。

 森保ジャパンの「穴」は、左SBとFWである。

 早急な対策が求められる。

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