寄贈本
◆内田麟太郎さんからまた新刊の本が届きました。いつもありがとうございます。
『ゴリラでたまご』 WAVE出版 内田麟太郎/日隈みさき
ライオンのおじいさんが歩いていくと、大きなたまごに出くわします。なんとそのたまごは「ゴリラ」だと名乗ります。どこか力が抜けたようなライオンのおじいさんの表情が愉快です。
『ねこの手かします ~かいとうゼロのまき~』 文研出版 内田麟太郎/川端理絵
ピカソの「なく女」が盗まれるかもしれない。クロのねこの手がまたまた活躍するお話です。
◆角田市に住んでいる児童文学者の堀米薫さんから新刊の本をいただきました。
『林業少年』 新日本出版社 堀米薫/スカイエマ
林業や農業に携わる祖父母、役場や農協に努める両親、高校3年生の姉、小学5年の喜樹の家族の物語。宿題で家の職業を書くことになった喜樹はなんと書けばいいのか迷ってしまう。兼業農家と書こうとすると、祖父が「農業をする家は農家、だから林業を営む家は林家だ」という。祖母も母もそんな祖父を金食い虫の山に縛られてと、あまりいい顔をしません。1本の木を育てるまでの長い時間の営みとそれを守り続ける祖父の思いを次第に家族それぞれが理解していくさまがていねいに描かれていて感動的です。林業の抱える様々な問題、それを続けていこうとする職人魂、その林業に未来を感じて職業として考えようとする若者など、さまざまな生き方に触れることのできる作品です。中高生にお薦めです。堀米さんは角田で和牛飼育、水稲、林業の専門農家のかたわら、子どもの本を書き続けています。そんな堀米さんを応援したく、『林業少年』を取り寄せました。よかったらどうぞ購入してください。
新しく買った本
①『もちっこやいて』 やぎゅうげんいちろう 福音館書店
わらべうたをもとにした柳生さんの絵本が3冊出ました。1冊目がこれです。北風も鬼も春風もタヌキもなぜか空を飛んで、ばっちゃんのところにおもちを食べに来るというナンセンスな話です。そしておもちが焼けるまでみんなで歌うわらべうたが「もちっこやいて」です。遊び方もていねいに紹介してあります。あつあつのおもちを食べるみんなの幸せそうな顔に元気がもらえます。
②『おなべふこどもしんりょうじょ』 やぎゅうげんいちろう 福音館書店
わらべうたシリーズの2冊目。お薬を出す時に「おなべふけんさ」をやる、ちょっと変わったお医者さんの話。先生の両手が患者の腕を「おなべふ、おなべふ」と言って進んで、ひじのところでゴールになります。「な」でとまると、先生は「なんじゃもんじゃ」と言います。なんともめちゃくちゃな検査結果が愉快です。子どもの時、「お」は「おりこう」、「な」は「泣き虫」、「べ」は「勉強家」、「ふ」は「ふしあわせ」だったような気がしますが、確かではありません。みなさんの「おなべふ」はどんなでしたか。3冊目は3月に出る予定です。
③『赤いろうそく』 新美南吉/太田大八 小峰書店
今年は新美南吉の生誕100年です。29歳と7ヶ月の若さで亡くなりますが、たくさんの童話を残しました。「ごんぎつね」や「てぶくろをかいに」は特に有名です。表題作のほか、4つのお話が入っています。「赤いろうそく」はろうそくを花火と勘違いする動物たちの愉快な話です。生まれたばかりのでんでんむしが葉っぱの緑や朝露に感動する「でんでんむし」、初めて春を体験する菜種のつぼみの喜びを描いた「うまやのそばのなたね」など、初めてこの世に生まれて、この世の美しさに触れた時の感動、喜びがどの物語からも伝わってきます。太田大八さんのさし絵も心に残ります。愛知県の半田市には新美南吉記念館があり、その近くの河原に9月のお彼岸の頃には200万本の彼岸花が咲きます。
④『くろて団は名探偵』 岩波少年文庫 ハンス・ユルゲン・プレス 大社玲子訳
フェリックスとアデール、ロロ、キキ、そしてリス、4人と1匹がチームを組んで、さまざまな事件を解決する愉快な探偵物語です。彼らがどうやって事件を解決するか、読者も参加できる仕組みになっているところがユニークで、楽しめます。250ページのうち60ページが絵になっています。その絵の中に彼らが犯人を突き止めるカギが隠されているのですが、さて読者である私たちもそれを読み解くことができるでしょうか。どうぞ一緒に推理してください。結構難しいです。私は60のうち正解は42でした。でも41以上は名探偵の素質があるとか。3,4年生にお薦めです。
⑤『ふたつの月の物語』 富安陽子 講談社
70歳になる津田節子の別荘で7月、出会った美月(みづき)と月明(あかり)はともに14歳の女の子。ふたりとも里子としてこの別荘で暮らすことになるが、なぜ津田さんは二人を里子にしたのか、二人を里子にした時の条件が謎めいている。湖に沈んでしまった村のこと、美月と月明の関係、出生の秘密、津田さんの本当の思いなど、さまざまな謎が少しずつ解き明かされながら物語は展開し、終始、緊張感に包まれ、結末が気になる物語。これまでの富安さんの作品とは違った印象に戸惑いも感じるが、愛する人を失う深い悲しみが伝わってくる作品。中学生にお薦めの物語です。
◆内田麟太郎さんからまた新刊の本が届きました。いつもありがとうございます。
『ゴリラでたまご』 WAVE出版 内田麟太郎/日隈みさき
ライオンのおじいさんが歩いていくと、大きなたまごに出くわします。なんとそのたまごは「ゴリラ」だと名乗ります。どこか力が抜けたようなライオンのおじいさんの表情が愉快です。
『ねこの手かします ~かいとうゼロのまき~』 文研出版 内田麟太郎/川端理絵
ピカソの「なく女」が盗まれるかもしれない。クロのねこの手がまたまた活躍するお話です。
◆角田市に住んでいる児童文学者の堀米薫さんから新刊の本をいただきました。
『林業少年』 新日本出版社 堀米薫/スカイエマ
林業や農業に携わる祖父母、役場や農協に努める両親、高校3年生の姉、小学5年の喜樹の家族の物語。宿題で家の職業を書くことになった喜樹はなんと書けばいいのか迷ってしまう。兼業農家と書こうとすると、祖父が「農業をする家は農家、だから林業を営む家は林家だ」という。祖母も母もそんな祖父を金食い虫の山に縛られてと、あまりいい顔をしません。1本の木を育てるまでの長い時間の営みとそれを守り続ける祖父の思いを次第に家族それぞれが理解していくさまがていねいに描かれていて感動的です。林業の抱える様々な問題、それを続けていこうとする職人魂、その林業に未来を感じて職業として考えようとする若者など、さまざまな生き方に触れることのできる作品です。中高生にお薦めです。堀米さんは角田で和牛飼育、水稲、林業の専門農家のかたわら、子どもの本を書き続けています。そんな堀米さんを応援したく、『林業少年』を取り寄せました。よかったらどうぞ購入してください。
新しく買った本
①『もちっこやいて』 やぎゅうげんいちろう 福音館書店
わらべうたをもとにした柳生さんの絵本が3冊出ました。1冊目がこれです。北風も鬼も春風もタヌキもなぜか空を飛んで、ばっちゃんのところにおもちを食べに来るというナンセンスな話です。そしておもちが焼けるまでみんなで歌うわらべうたが「もちっこやいて」です。遊び方もていねいに紹介してあります。あつあつのおもちを食べるみんなの幸せそうな顔に元気がもらえます。
②『おなべふこどもしんりょうじょ』 やぎゅうげんいちろう 福音館書店
わらべうたシリーズの2冊目。お薬を出す時に「おなべふけんさ」をやる、ちょっと変わったお医者さんの話。先生の両手が患者の腕を「おなべふ、おなべふ」と言って進んで、ひじのところでゴールになります。「な」でとまると、先生は「なんじゃもんじゃ」と言います。なんともめちゃくちゃな検査結果が愉快です。子どもの時、「お」は「おりこう」、「な」は「泣き虫」、「べ」は「勉強家」、「ふ」は「ふしあわせ」だったような気がしますが、確かではありません。みなさんの「おなべふ」はどんなでしたか。3冊目は3月に出る予定です。
③『赤いろうそく』 新美南吉/太田大八 小峰書店
今年は新美南吉の生誕100年です。29歳と7ヶ月の若さで亡くなりますが、たくさんの童話を残しました。「ごんぎつね」や「てぶくろをかいに」は特に有名です。表題作のほか、4つのお話が入っています。「赤いろうそく」はろうそくを花火と勘違いする動物たちの愉快な話です。生まれたばかりのでんでんむしが葉っぱの緑や朝露に感動する「でんでんむし」、初めて春を体験する菜種のつぼみの喜びを描いた「うまやのそばのなたね」など、初めてこの世に生まれて、この世の美しさに触れた時の感動、喜びがどの物語からも伝わってきます。太田大八さんのさし絵も心に残ります。愛知県の半田市には新美南吉記念館があり、その近くの河原に9月のお彼岸の頃には200万本の彼岸花が咲きます。
④『くろて団は名探偵』 岩波少年文庫 ハンス・ユルゲン・プレス 大社玲子訳
フェリックスとアデール、ロロ、キキ、そしてリス、4人と1匹がチームを組んで、さまざまな事件を解決する愉快な探偵物語です。彼らがどうやって事件を解決するか、読者も参加できる仕組みになっているところがユニークで、楽しめます。250ページのうち60ページが絵になっています。その絵の中に彼らが犯人を突き止めるカギが隠されているのですが、さて読者である私たちもそれを読み解くことができるでしょうか。どうぞ一緒に推理してください。結構難しいです。私は60のうち正解は42でした。でも41以上は名探偵の素質があるとか。3,4年生にお薦めです。
⑤『ふたつの月の物語』 富安陽子 講談社
70歳になる津田節子の別荘で7月、出会った美月(みづき)と月明(あかり)はともに14歳の女の子。ふたりとも里子としてこの別荘で暮らすことになるが、なぜ津田さんは二人を里子にしたのか、二人を里子にした時の条件が謎めいている。湖に沈んでしまった村のこと、美月と月明の関係、出生の秘密、津田さんの本当の思いなど、さまざまな謎が少しずつ解き明かされながら物語は展開し、終始、緊張感に包まれ、結末が気になる物語。これまでの富安さんの作品とは違った印象に戸惑いも感じるが、愛する人を失う深い悲しみが伝わってくる作品。中学生にお薦めの物語です。