まつお文庫からのご案内

仙台市若林区中倉3-16-8にある家庭文庫です。水・土の3時~6時(第2土は休み)どなたでも利用できます(無料)。

レンゲの会 8月

2019-08-22 10:29:21 | 文庫のページ
レンゲの会  8月26日(月)10:00~13:00
♥♡♥月1回、子どもの本についておしゃべりしています。どなたでも参加できます。
『ディダコイ』 ルーマー・ゴッテン(評論社)を取りあげます。
時間のある方は他の作品もどうぞ読んでみてください。
『台所のマリアさま』(評論社)・『ねずみ女房』(福音館書店)・『クリスマス人形のねがい』(岩波書店)・『人形の家』(岩波書店)など。

次回は9月30日(月)10:00 大人向けおはなし会
おはなしを覚えて、どうぞ語りに来てください。聞くだけの方も大歓迎です。
語ってくださる方は9月14日(土)まで、お話の題名をお知らせください。
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新しく買った本(2) 8月

2019-08-22 09:33:26 | 文庫のページ
「新しく買った本 8月」の続きです。
『ある晴れた夏の朝に』 小手鞠るい 偕成社2018.8
 1992年に渡米し、現在もアメリカに住み、小説から子どもの本まで幅広く執筆している小手鞠さんのアメリカを舞台にした作品です。
 日系アメリカ人のメイ・ササキ・ブライアンの15歳の夏の物語です。「戦争と平和を考える」というテーマの討論会に参加することになったメイ。公開討論会では「広島と長崎への原子爆弾の投下について」肯定派と否定派に分かれて意見を闘わせるのですが、日本人の母を持つメイは否定派の一人。討論会は4回。8人の高校生がそれぞれの立場で真剣に考え、調べ、相手の発表を予想し、それに対抗していく姿は、緊張感に満ちたものです。戦争中の日本軍やアメリカ軍の知られざる実態が次々に明らかにされていきます。討論会を通してメイは大きく成長し、日本や日本語についてもっと知りたいと思います。10年後、メイは中学校の英語教師として日本にやってきます。
 原爆投下について、これほど真剣に考えた子どもの本を知りません。差別や偏見のない平和な社会を実現するためにどうしたらいいか、作者の熱い思いが伝わります。中高生にぜひ手渡したい作品です。

『ディダコイ』 ルーマー・ゴッテン 猪熊葉子訳 評論社1975.12
 生粋のジプシー(旅する人たち)の父とアイルランド人の母を持つ女の子、キジィの物語。題名の「ディダコイ」とはキジィのように、生粋のジプシーでない人のことを意味します。旅する人たちに対する無理解と偏見が渦巻く中で、さらに「ディダコイ」であるということは、旅する人たちからさえ差別の目でみられることになります。
 両親を早く亡くし、トウィス提督が旅する人たちのために開放している果樹園で、曾祖母と馬のジョーと一緒に荷馬車(ワゴン)で暮しているキジィは幸せでしたが、学校へ行かなければならなくなり、一変します。さらに曾祖母の死により、心も体もボロボロになって、トウィス提督に助けを求めたキジィは重い肺炎にかかっていました。トウィス提督のお屋敷は、もう何年も60歳の提督と50代の従僕と45歳の馬丁の、男3人だけの生活になっていましたが、キジィの看病を見事にやり遂げます。
 一方、孤児になったキジィの面倒を誰が見るか、ライの町の法廷で話し合うことになります。提督のお屋敷でこのままキジィを預かることは認められず、ブルックさんという女性が「私が預かります」と申し出ます。自分の殻に閉じこもったまま、心を開こうとしないキジィですが、次第に信頼できる大人としてブルックさんを認めていきます。キジィにとって、何が一番いいか、提督もブルックさんも考え、キジィを支えます。そんな時、キジィは女の子たちの集団による凄まじいいじめにあいます。どうやっていじめた子たちとキジィの関係を修復していくか、ブルックさんの考えの深さに脱帽です。
 キジィの強さと馬を愛する気持ちが心に残ります。すてきな大人が登場する良質の物語です。みんなが幸せになる結末はさらに感動的です。
 1972年の作品ですが、今の子どもたちにも手渡してあげたい物語です。

『夢見る帝国図書館』 中島京子 文芸春秋社2019.5
 今、話題の、大人にお薦めの作品です。
 明治39年に出来上がった帝国図書館の建物は、現在、国際子ども図書館として2004年に全面オープンされました。100年前、帝国図書館がどうやってできていったか、人々にとって図書館がどんなものであったか、著名な人々が図書館に足を運び、そこでどんな出会いがあったか、図書館を主人公に描かれる物語と、2004年に上野の森で出会った喜和子さんと雑誌記者の「私」の物語が交差しながら進んでいきます。戦後の混乱の中を生きた幼い喜和子さんにとって図書館が意味したものは何だったか、次第に明らかにされる喜和子さんの人生も興味深いです。
 図書館の良さを改めて感じることのできる作品です。
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寄贈本・新しく買った本(1) 8月

2019-08-21 16:12:34 | 文庫のページ
寄贈本  ありがとうございます。
20年以上前、仙台にお住いだった城野里江さん(現在は沖縄にお住まい)から、新潟に住むお友だちの出版なさった絵本をいただきました。
①『はたおりオーリー』 原 婦美子 考古堂2016.3 
②『オーリーのありがたや』 原 婦美子 考古堂2018.10

機織りの大好きなオーリーさんと動物たちの物語です。
①オーリーさんは織った布で自分の洋服を作るだけでなく、仲良しの動物たちにもすてきな物を作ってあげます。
②とうとうオーリーさんは「ありがたや」というお店を始めます。自分の織った布で作った洋服や帽子、バッグなどたくさんのものが並びます。自分の欲しいものを見つけ、動物たちも大喜びです。
実際に織った織物のコラージュでできている絵本です。布や糸の持つ暖かみが画面全体から伝わります。オーリーさんや動物たちの表情も豊かです。

新しく買った本
『ABCうさぎ』  ワンダ・ガアグ 戸澤 柊訳 文遊社2019.3
 ABC絵本の古典と言われている絵本です。ガアグの最初の絵本『100まんびきのねこ』の5年後、1933年に出版されています。リンゴ(Apple)が落ちて驚いたうさぎ(Bunny)が逃げ出し、いろいろな生き物と出会い、冒険して帰るまでのストーリーがアルファベット順に並べられた単語で語られていきます。白黒で描かれた動きのある絵は美しく、絵だけでも十分にストーリーを追うことができます。文字の色、配置もよく考えられています。大文字のアルファベットは大きく、そのアルファベットで始まる単語は小さく、どちらも赤で描かれ、印象的です。黒と赤、色彩的にも美しい絵本です。
『月白青船山』 朽木 祥 岩波書店 2019.5
 鎌倉在住の朽木さんの2年ぶりの長編。800年以上も昔の鎌倉と現代が、鎌倉にたくさん残る「切り通し」によって、時をこえてつながる物語です。
夏休み、大叔父の住む鎌倉にやって来た中学3年の兵吾(ひょうご)と小学5年の主税(ちから)は、近くに住む小学5年の女の子とその子の飼っている犬と一緒に、時を超えた不思議な谷に迷い込み、ある難題に挑むことになります。
 大叔父の家は鎌倉時代までさかのぼる古い家系で、代々長男は兵吾、次男は主税と名付けられ、兄の兵吾は28代目、弟の主税は25代目になる。その難題が兵吾たちの先祖とどうかかわっているのか、たくさんの謎を解き明かしながら、兵吾たちは、鎌倉にまつわる歴史とそこに関わる祖先の物語を知っていくことになります。壮大な時間の物語です。
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文庫からのお知らせ 9月と10月に向けて

2019-08-20 18:03:35 | 文庫のページ
文庫の42周年記念講演 水野スウさんをお招きして
  9月2日(月)10:15~12:15
  テーマ:ほめ言葉のシャワーから平和を


・まだ定員になっていませんので、どうぞお知り合いの方に声掛けしてください。
・参加なさる方は申し込んでください。無料です。
・講演終了後、懇親会を開きます。
・懇親会に参加の方は一品持ち寄りです。


文庫の42周年を祝って
10月2日(水)
 おはなし会とおもちの会


文庫の42周年を祝って、恒例のおもちの会です。おもちを食べてお祝いしましょう。
どうぞお家の方もお出でください。
★4:00 おはなし会
☆4:30 手作り
★5:15 おもちの会

5月から新しい企画を始めました!!
《大人のコーヒーサロン》

  9月11日(水)1:00~3:00
(月1回 第2水曜日)

月1回ですが、第2水曜日、文庫の始まる前のひととき、2時間ほど、コーヒーを飲みながらおしゃべりしています。
どなたでも参加できます。お知り合いの方を誘って、お出で下さい。
文庫の見学をなさりたい方もどうぞおいでください。
コーヒーを用意してお待ちしています。
次回は10月9日(水)です。

子ども市に向けて準備を始めます!
 今年の子ども市は10月26日(土)です。
いつもより準備が遅れてしまいましたが、9月13日から始めます。
子どもたちが喜ぶようなおもちゃや人形など作りたいと思っています。
毎週金曜日、10時半から3時までやっていますので、
どの時間帯でもかまいません、お時間の取れる方、どうぞご協力ください。
☆9月は13日・20日・27日
★10月は4日・11日・18日・25日です。
 
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8月・9月の文庫の日

2019-08-20 17:28:54 | 文庫のページ
8月21日(水)
 4:00 おはなし「おこりじぞう」 松尾
 4:30 つくってあそぼう!
8月24日(土)
 4:00 おはなし「おこりじぞう」 松尾
 4:30 こまであそぼう!
8月28日(水)
 4:00 おはなし「ラプンツェル」 武田
 4:30 新聞紙のヨーヨー
8月31日(土)
 4:00 おはなし「ちいちゃいちいちゃい」 松尾
 4:30 牛乳パックの変身箱パズル
9月4日(水)
 4:00 おはなし「おんちょろちょろ」 松尾
 4:30 紙テープのしおり
9月7日(土)
 4:00 おはなし「かにかにこそこそ」 佐藤(ま)
 4:30 紙テープのこま
9月11日(水)
 4:00 おはなし「河童渕」 笹森
 4:30 こけし人形
9月14日(土)
 第2土曜日は
   文庫お休みです。

9月18日(水)
 4:00 おはなし「おいしいおかゆ」 松尾」
 4:30 きなこあめ

9月21日(土)
 4:00 おはなし「マメ子と魔物」
 4:30 おりぞめ
■□◆◇9月18日は久しぶりにきなこあめを作ります。お楽しみに!
  10月は子ども市、11月は秋の特別おはなし会もあります。新しいお友だちが増えるとうれしいです。

つくってあそぼう! 8月21日(水)
手作りをいっぱい用意しています。おりぞめは小さい人でも楽しめます。
折り紙もいっぱい楽しめます。自分で染めたおりぞめでびゅんびゅんごまも作ります。
どうぞ、お友だちを誘って遊びに来てください。
♡♥ 3:30 おりぞめ
♡♥ 4:00 おはなし会 おはなし「おこりじぞう」
♡♥ 4:30 おりがみ(ギフトボックスカード)(10ページノート)(しかくたたみ紙)
      びゅんびゅんごま(自分で染めたおりぞめを使って作ります)
◆◇◆8月21日(水)~8月31日(土)戦争・平和を考える絵本・児童文学の展示をしています。

 
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今月の詩 8月9月

2019-08-20 17:14:32 | 文庫のページ
   うしろのしょうめん
            とんぼすぐる

 とんぼのめだまは まんまるで
 くるりくるりと よくみえる
 うしろのしょうめん だあれ?
 うしろのしょうめん かぜがふく

 とんぼのとまる えだのさき
 ちらちら ひだまり まぶしいね
 うしろのしょうめん だあれ?
 うしろのしょうめん すすきのほ

 とんぼはたかく そらをとび
 だれとあそぼと めをくるり
 うしろのしょうめん だあれ?
 うしろのしょうめん ひがしずむ
       (『のはらうたⅢ』 くどうなおこ 童話屋)


 30℃以上の日がずっと続き、仙台としては異常に暑い夏でした。まだこの暑さは続くかもしれませんが、今日、20日は久しぶりに朝から雨が降り、気温も下がりました。
 今月は『のはらうた』からとんぼすぐる君の詩を選びました。すぐそこまで来ている秋を感じさせてくれる詩です。
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