新しく買った本
①『きのう きょう あした』 マレーク・ベロニカ マンディ・ハシモト・レナ訳 風涛社 2008
『ラチとらいおん』でおなじみのハンガリーの絵本作家マレーク・ベロニカの絵本です。
人形劇のチケットを2枚もらったペーテルは3日後、ノーラと一緒に人形劇を見に行くことになるのですが、小さなノーラには「3日後」の時間の感覚が分かりません。1日がどのくらいの長さか、昨日と今日と明日の流れがどうなっているのか、曜日が7日あるのはどうしてかなど、ノーラに分かるように語るペーテルの話が興味深いです。
動きのある絵も登場する子どもの表情も豊かで印象的です。センスのよい色づかいが心に残ります。
2006年、ルーマニアに出かけた際、帰りに立ち寄ったハンガリーで、偶然、広場のミニブックショップでサイン会をしているベロニカさんにお会いしました。
②『ゆくえふめいのミルクやさん』 ロジャー・デュボアザン 山下明生訳 童話館出版 1997
毎朝、4時に起きて、新鮮なミルクや卵、チーズなどをダックスフントのシルビアと一緒に町の奥さん方に届けるミルクやさんの話です。
ミルクやさんはどんな天気の日も、休みなく奥さん方と天気の話をかわしながら仕事を続けます。ところが今日はミルクやさんの車はどの家の前でも止まらず、町を通り抜けて、田舎道を走り始めます。分かれ道で唱える言葉が愉快です。ミルクやさんが一体どこへ行くのか、陽気なミルクやさんの言葉を信じるしかありません。
たどり着いたところは大きな湖のある静かな森。ミルクやさんのすてきな休暇の始まりです。森で過ごした幸せな時間をお土産に元気に町に戻っていくミルクやさんがなんともさわやかです。デュボアザンの味わいのある絵が楽しめます。
③『クリスマスの小屋 アイルランドの妖精のおはなし』 ルース・ソーヤ再話 上條由美子訳 岸野衣里子絵 福音館書店 2020.10
心優しい年老いたひとりの女性がクリスマス・イブに妖精に夢をかなえてもらうすてきなお話です。
その女性の名はオーナ。彼女は赤ん坊の時に村の一軒の小屋の戸口に捨てられた、いかけ屋が置いて行った子どもでした。美しい娘に成長しますが、いかけ屋の娘だというだけで結婚はかなわず、他人の小屋で、家事をしたり、子どもの世話をしたりして生涯働き続けます。自分の小さな小屋を持つことが彼女のたった一つの夢でしたが、それも叶いません。
大凶作がアイルランドをおそった年のクリスマス・イブに、年老いたオーナは村からずっと離れた沼地にやってきます。彼女を待っていたのはたくさんの小さな妖精たち。妖精たちは彼女がずっと夢見ていた小さな小屋を作り始めるのです。その小屋にはクリスマスの不思議な魔法がかけられていました。
優しい色づかいの絵が印象的です。
④『ラスト ラン』 角野栄子 角川書店 2011
もう一度バイクで思いっきり走りたいと考えた74才のイコさんの人生最後の冒険物語。i赤いバイクに黒革のライダースーツを着込んだ表紙のイコさんはかっこいいです。
12才の時の母の写真を手がかりに、5才の時に亡くなった母の実家のある岡山に向かいます。母が亡くなって69年もたつのにその家は残っていました。イコさんはそこでふうちゃんという不思議な女の子に出会います。イコさんにはふうちゃんが見えるのですが、他の 人にはふうちゃんの姿は見えません。12才のふうちゃんは、自分はゆうれいだといいます。74才のイコさんとゆうれいのふうちゃんの奇妙なバイクの旅が始まります。
ふうちゃんが誰なのか、イコさんはすぐに気がつきますが、ふうちゃんも最後イコさんが自分の誰なのかを知ることになります。
深くて愉快な感動の物語。角野さんの自伝的作品です。
①『きのう きょう あした』 マレーク・ベロニカ マンディ・ハシモト・レナ訳 風涛社 2008
『ラチとらいおん』でおなじみのハンガリーの絵本作家マレーク・ベロニカの絵本です。
人形劇のチケットを2枚もらったペーテルは3日後、ノーラと一緒に人形劇を見に行くことになるのですが、小さなノーラには「3日後」の時間の感覚が分かりません。1日がどのくらいの長さか、昨日と今日と明日の流れがどうなっているのか、曜日が7日あるのはどうしてかなど、ノーラに分かるように語るペーテルの話が興味深いです。
動きのある絵も登場する子どもの表情も豊かで印象的です。センスのよい色づかいが心に残ります。
2006年、ルーマニアに出かけた際、帰りに立ち寄ったハンガリーで、偶然、広場のミニブックショップでサイン会をしているベロニカさんにお会いしました。
②『ゆくえふめいのミルクやさん』 ロジャー・デュボアザン 山下明生訳 童話館出版 1997
毎朝、4時に起きて、新鮮なミルクや卵、チーズなどをダックスフントのシルビアと一緒に町の奥さん方に届けるミルクやさんの話です。
ミルクやさんはどんな天気の日も、休みなく奥さん方と天気の話をかわしながら仕事を続けます。ところが今日はミルクやさんの車はどの家の前でも止まらず、町を通り抜けて、田舎道を走り始めます。分かれ道で唱える言葉が愉快です。ミルクやさんが一体どこへ行くのか、陽気なミルクやさんの言葉を信じるしかありません。
たどり着いたところは大きな湖のある静かな森。ミルクやさんのすてきな休暇の始まりです。森で過ごした幸せな時間をお土産に元気に町に戻っていくミルクやさんがなんともさわやかです。デュボアザンの味わいのある絵が楽しめます。
③『クリスマスの小屋 アイルランドの妖精のおはなし』 ルース・ソーヤ再話 上條由美子訳 岸野衣里子絵 福音館書店 2020.10
心優しい年老いたひとりの女性がクリスマス・イブに妖精に夢をかなえてもらうすてきなお話です。
その女性の名はオーナ。彼女は赤ん坊の時に村の一軒の小屋の戸口に捨てられた、いかけ屋が置いて行った子どもでした。美しい娘に成長しますが、いかけ屋の娘だというだけで結婚はかなわず、他人の小屋で、家事をしたり、子どもの世話をしたりして生涯働き続けます。自分の小さな小屋を持つことが彼女のたった一つの夢でしたが、それも叶いません。
大凶作がアイルランドをおそった年のクリスマス・イブに、年老いたオーナは村からずっと離れた沼地にやってきます。彼女を待っていたのはたくさんの小さな妖精たち。妖精たちは彼女がずっと夢見ていた小さな小屋を作り始めるのです。その小屋にはクリスマスの不思議な魔法がかけられていました。
優しい色づかいの絵が印象的です。
④『ラスト ラン』 角野栄子 角川書店 2011
もう一度バイクで思いっきり走りたいと考えた74才のイコさんの人生最後の冒険物語。i赤いバイクに黒革のライダースーツを着込んだ表紙のイコさんはかっこいいです。
12才の時の母の写真を手がかりに、5才の時に亡くなった母の実家のある岡山に向かいます。母が亡くなって69年もたつのにその家は残っていました。イコさんはそこでふうちゃんという不思議な女の子に出会います。イコさんにはふうちゃんが見えるのですが、他の 人にはふうちゃんの姿は見えません。12才のふうちゃんは、自分はゆうれいだといいます。74才のイコさんとゆうれいのふうちゃんの奇妙なバイクの旅が始まります。
ふうちゃんが誰なのか、イコさんはすぐに気がつきますが、ふうちゃんも最後イコさんが自分の誰なのかを知ることになります。
深くて愉快な感動の物語。角野さんの自伝的作品です。